仮面に縁を、歌に血を 作:星鱈
思わぬ所でプロットが頓挫して現在難航中。
「シン……フォギア」
響には彼らが言っている理論はてんで理解できなかった。
確かなことはこの力は理不尽を──ノイズを倒せる力があること。
そしてツヴァイウィングの二人は自分と同じくシンフォギアを、雨城 結はシンフォギアとはまた違う何かのようだが、ともかくノイズに対抗できる力を持つこと。
そして自分が聖遺物を持たずともシンフォギアを纏える理由は────
「響……アタシがもっと強ければ、誰に負けないくらい、強ければ……ッ」
二年前、ライブ会場の惨劇の際のことだ。
響をノイズから守ろうとした奏のアームドギアが負荷に耐えきれず損傷。その破片が響の胸に突き刺さり、二年の時を経て癒着。
そしてあの土壇場で力が目覚めたのか、二槍目の『ガングニール』が発現したのだった。
響を強く抱きしめた奏の口から引き絞るような声が漏れる。彼女の中に渦巻くは、後悔と自責。
あの日自分の声に応え生きるのを諦めなかった少女を、あろうことか命を投げ捨てるような戦場に招致してしまったこと。
響はこんな場所にいなくともよかった。
ノイズなんかに対抗する力を手に入れずともよかった。
奏は何より当たり前の幸せを奪ってしまった自分に怒りを感じていた。
その幸せの尊さを、意味を、ここの誰より理解し、心の奥底で欲しているが故に。
「奏……」
見かねた翼が声をかけようとするも、結がそれを止める。
抗議するような視線を向けられるが結はゆっくりと首を振った。
ㅤ『あれは当事者たちの問題だ』
ㅤ『今はダメだ』
「それは、分かってる。でも……」
そう、これは奏のせいでもなく、響のせいでもない。
誰のせいでもないのだ。強いて言うならライブ会場に突如スポーンしたノイズが悪い。
あの日は誰もが必死で、誰もが最善を尽くそうとした。
しかしこれを『間が悪かった』で片付けられる問題ではないことは全員承知している。ただ、特機部二の職員たちは固唾を呑んで二人を見守った。
「奏さん」
その沈黙を、響が破る。おもむろに奏の抱擁を解いた彼女は笑顔だった。
無理やり作ったような引きつったものではなく、心からのそれと確信できるもの。
「私の胸には奏さんの聖遺物があります。私の命を救ってくれた、奏さんの『ガングニール』が」
「響……」
「もしそれがなかったら、今の私はここにいません」
もしあの時、響がシンフォギアを纏うことができなければ彼女は死んでいた。
彼女のおかげで再会を果たせた親子も、永遠に引き裂かれたままになっていただろう。
「だから、へいき、へっちゃらです!えーと、感謝こそ……すれ?うーん、ともかく!私が奏さんを怒ることは絶対ないんです。むしろ、ありがとうございます!」
たどたどしい言葉。
だけど、確かにこもった響の想い。
ドス黒い感情をぶつけられるとでも思っていたのか、虚をつかれたような顔で奏は響を見つめていた。
「えっと……奏、さん?──ほわっ!?」
「ゴメン。でも、ありがとう……うん、ありがとう」
「あ、あのえっと……そのぉ」
先ほどよりもぎゅっと、響を抱き寄せる奏。
表情は下がった前髪に隠れて窺うことはできないが、その頬には雫が伝っていた。
響はと言えば周りの生暖かい視線に気がついたのか、様々な感情がないまぜになってキョロキョロと視線を動かしていたが、観念したのだろう。
彼女はツヴァイウィングの片翼に抱きしめられているこの幸せを噛み締めることにしたようた。
ㅤ『よかったよかった』
ㅤ『尊い』
「私が声をかけずとも大丈夫だったな。雨城……その、正直助かった」
ㅤ『礼には及ばない』
ㅤ『その気持ちも分かる』
ㅤ『お礼はベットで聞かせてもらう』
「あなたはそういう人だったな。だがこうも借りを作ってばかりでは面目ない……そうだ、少し前に奏から槍術を習っていただろう?どうだ、風鳴流の剣術もかじってみないか?」
ㅤ『ぜひとも』
ㅤ『よろしく』
ㅤ『飛天御剣流がいい』
「そうか。そうかそうか!明日、何もなければ二課のシュミレーションルームで手取り足取り私が付きっきりで教えてやろう!」
>誰かに頼られることが久しかったのだろうか。翼はとても喜んでいるようだ。
COOPERATION【風鳴翼】
『防人』
【■■□□□□□□□□】 RANK2
【GET ABILITY】『風鳴流・戦闘理論(刀剣)』
〘翼から剣や刀を使った戦闘に関するアドバイスと特訓を受けられるようになった。刀剣を扱うペルソナを装備していれば【風鳴流】の習熟度が上昇する〙
「やりますッ!私の力が、誰かの役に立つのなら!」
その後弦十郎からの要請を快諾した響。
快諾したのはいいものの、一気に増えるやることなすことすべきことにげんなりしているが、そこはツヴァイウィングの二人が手取り足取りサポートしてくれるだろう。
ならばもう諸々の報告が終わった自分がここにいる意味はない。そもそも結は買い物からルブランへ帰る途中だったのだ。
乗り捨ててきた自転車と食品は多分黒服の人達が家の前まで届けてくれたとは思うが……。
特に意識したわけではないが、抜き足差し足忍び足でゆっくりと部屋を後にしようとするとむんずと誰かに肩を掴まれた。
ㅤ『眠い』
ㅤ『あれだろ?空気詠み人知らずか?』
ㅤ『どうでもいい……』
「君はどこからそんなボキャを引っ張ってくるのかしら?今週の検査まだしてないんだから、さっさと終わらすわよ」
結を止めたのは了子だった。
確かにまだ検査していないが、一日くらい大丈夫では?と交渉するもできれば定期的なデータが欲しいのよ、とピシャリと言われてしまい彼女と共に歓迎会を後にする。
眠いこちらの気持ちを察してくれたのか、かなりのスピードで検査を終わらせてくれた。
時折パソコンに食いつきながらひどく顔を歪ませる了子に結は質問する。
ㅤ『自分の身体は大丈夫なんだろうか?』
ㅤ『死なないよな?』
「ゲホッゲホ……あー、うん。そこは信用してもらっていいわ。私が顔をしかめてるのは別な理由よ。そんなに気にしないでねん」
しかし平気そうな声色とは裏腹に、了子はかなり苦しそうだった。何かに蓋をしているというか……自分をギリギリで保っているというか。
ㅤ『無理な相談だ』
ㅤ『力になりたい』
「……!そう。でも、もう少しだけ待ってもらえるかしら。せめてアレが完成するまでは」
アレが何を指すものかは分からないが、そういうことならと結は了承する。
本当に具合が悪かったのか「今日はこれ持って帰りなさいな。これのことは誰にも言っちゃダメよ」と、結は研究室から締め出されてしまった。
>USBメモリのようだ。背面に『B.A.B.E.L』と刻印がされている。
了子が誰にも話すなと言うほどの代物だ。早々に帰った方がいいだろう。
結は足早にリディアンを後にして帰路をたどった。
COOPERATION【櫻井了子】
『死神』
【■■□□□□□□□□】 RANK2
【GET ITEM】『B.A.B.E.L』
〘了子から『誰にも見せるな』と念押しされて渡されたUSBメモリ。中には何のデータが入っているのだろうか〙
原作はよく理解した上でぶち壊していくもの()
了子先生不調の模様。何でだろうねぇ?(すっとぼけ)
B.A.B.E.L.……一体何ディンギルなんだ……?
渡したのには理由がしっかりあります。
あるったらあるんだよ!いい加減にしろ!(豹変)
このSSの初期構想には多数のアイデアが存在していたんすよね。ちょっとだけご紹介します。
『事故ナギに転生したので張り切って護国します』とか
『多分P3ラスボスなんだけど撃ち落とされそうなんだが』とか
『Mementri Θάνατος δρεπάνι tron』とか
最終的に面白そうなペルソナ5を主体に練り上げたわけなんですが、どれか見たい……?見たくない……?
気が向いたら書くかもしれないけどあんま期待しないでください!オナシャス!センセンシャル!