仮面に縁を、歌に血を   作:星鱈

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感想を書いて、評価をして、稚拙な我が文の誤字誤用を指摘してくれた読者諸君……本当にありがとう。

期待にお応えして此方も抜かねば……無作法というもの……


というわけで初心に立ち返りつつ初投稿です。

短めなのは許してニャン



Maybe foreigner

>……夢にしては妙にハッキリしていたな。

 

本日二度目の知らない天井。

寝心地の良い布団の感触を感じつつ、薄く目を開いた結は頭の中で先ほどの出来事を反芻する。

以前ベルベットルームに入室した時を焼き直すかのように、自分の手には古めかしいイヤホンと『愚者』のアルカナカードが握られていた。

 

>エリザベス、『愚者』のアルカナ、そして……ベルベルベ~ルベルベット~♪……ハッ!

 

「鼻歌を歌う元気があるなら大丈夫そうね」

 

 

『エリザベス!自力で脱出を?』

『デジャヴか?』

『おはようございます』

 

 

「誰と間違っているのかしら結くん?私はエキセントリックエレベーターガールじゃなくって天っ才考古学者の櫻井了子よ。寝起きのところ悪いけど、あなたがおねんねした後のこと、お話させてもらうわ」

 

エリザベスに聞かされたイゴールのことを歌ったと思われる長い鼻の唄を無意識に口ずさんでいる間に了子が病室で眠っているはずの結の様子を見に来たようだ。

 

安心半分呆れ半分といった顔をして彼女は結の脇腹が黒爪で穿たれ響が理性を取り戻した後の出来事を語り始める。

 

ペルソナ全書のアウフヴァッヘン波形が消失した直後に弦十郎は結と響の保護を最優先で指示。

すぐさま現場付近で待機していた職員たちが迅速な救護を行い結は病院へと搬送される。

 

ネフシュタンの鎧を纏った少女に関しては、響の暴走が収まった直後に現着したツヴァイウィングの両名が身柄の拘束を試みるもあえなく失敗。

奏、翼は共に彼女が精神的に憔悴しきっているように見えたと話し、戦闘時はVS響戦のような覇気はなく、ほぼ逃げの一手に辺倒していたという。

 

戦いが終わった後の響は無気力症候群のような状態になってしまっていた。

 

自分が結を死の淵に立たせてしまったこと、そして暴走していたとはいえ未来を自らの手で殺めようとしたことが彼女の心に暗い影を落とし、いつもならすぐに食いつくはずのごはんも今の彼女を鼓舞するにはまったく不十分であった。

 

「で、あなたが意識を失ってから一週間が経過しているわけ。知っての通りシンフォギアは使う人の精神状態によってかなり出力、起動とかに差異が出るんだけど……」

 

 

『自分がカウンセラーの真似事を?』

『カウンセリングなら専門の方に』

 

 

「あら、いつもながら察しが早い。

でも起きがけでそんなことやれって言われたって知識もないし厳しいでしょ?」

 

当たり前だと頷けば、そりゃそうよねと返事がくる。

だが了子からすればそう答えられることも織り込み済みだったのだろう。

 

「それじゃあ入ってどうぞ〜」と彼女はドアの向こうへ声をかけた。

 

了子と同じく白衣を着てメガネをかけた男性が病室に入ってきた。

少々無精髭を生やして素足サンダルという風貌のせいか、博士や先生というより自分たちに近く、どこかほのぼのとした、安心感にも似た雰囲気を感じさせる。

 

「僕は丸喜 拓人(まるき たくと)。リディアンで常勤のカウンセラーをやらせてもらってる。ああ、心配しないで。こっちのことは元々知ってるクチなんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悔しいけど、僕じゃダメなんだ。彼女たち──少なくとも響さんや未来さんを安心させるには君の言葉が必要だ」

 

丸喜からもらった紙パックのりんごジュースを飲みながら結は説明を聞いていた。

 

了子も言っていたが装者たちが纏うシンフォギアは使用者の心象が大きくその出力や起動に際して作用する。

彼女たちの心の揺らぎに比例してギアの出力は低下し、最終的には起動すらできない事態に陥ってしまうのだ。

 

事実奏と翼の適合係数は減少しており、響に至ってはギアを纏うことすらおぼつかない有様だ。

 

そこで丸喜を初めとするカウンセラーたちが今回機密を知ることとなった小日向未来を含む装者全員と二課職員の精神分析――カウンセリングを実施。

 

その結果を共有してわかったのは彼らの人格形成、及び精神の拠り所として少なからず雨城 結なる人間が関わっていること。

彼の言葉ならば自分たちよりも深く影響を与えられるというのがカウンセラー全体の見解だという。

 

「これは僕の所感だけど……君は装者たち、いや二課職員も含めての精神的支柱になりつつある。

それがまったくダメとは言わないし、むしろ口が裂けても言えないけれど、君がいなきゃ生きていけない!ってまで依存すると、また今回みたいなことが起こりかねない。

今の騒動が収まったら彼女たちの精神的支柱が君だけに偏らないようにしていかなきゃね」

 

今は事態が急を要するため病み上がりの結に頼る形となるが、本来なら拠り所が自分自身である状態が好ましいそうだ。

 

 

『気をつける』

『善処する』

 

 

「うん、君の方からも働きかけてくれると助かるよ。でもなんだろうね。そもそも君は天然タラシというか……ごめん、何でもない。

で、できれば聞かなかったことにしてくれると……」

 

やはりどこか抜けているというか天然というか。

そんな彼独特のムードを感じながら、結はカウンセリングのイロハを教わった。

 

 

 

 

 

たなる(よすが)ばれたり

 

(よすが)ち、

困難打倒する一条なり

 

、『顧問官』のペルソナの祝福たり

みへとける、なるとならん…

 

 

 

COOPERATION【丸喜拓人】

 

『顧問官』

【■□□□□□□□□□】 RANK1

 

 

 

 

【ペルソナの力を育てる人間関係

『顧問官』のコープが解禁した!】

 

 

 

【GET ABILITY】『カウンセリングのイロハ』

〘任意の相手に簡易的なカウンセリングを行えるようになった。戦闘時、結が確率で仲間に声をかける際に適切な選択肢を選ぶと対象の気力が回復する〙

 

 

 

 

>丸喜は帰っていった……。

 

「私はカウンセリングとかは本業じゃないから、そこそこ勉強になったわね」

 

丸喜と話している間終始無言を貫いていた了子がおもむろに結に向き直る。

真面目な話をする時の彼女のクセを察知した結は心構えを決めた。

 

了子は病室のカギを閉め、()()()()()()()()()()()を部屋全体に展開した。

 

「さて、結。ちょっとした私の質問に答えてくれるかしら?」

 

 

『内容によるな』

『……本当に了子か?』

『やはりエリザベスでは……?』

 

 

懐疑の視線を向ける結に儚げな笑みを浮かべる了子。

彼の質問に答えることはなく、了子は先の言葉の続きを紡いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────あなた、人を殺める覚悟ってあるかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




活動報告に進捗状況に関する雑記を書いてます。
お暇があったらお読みください。

タイトルは『メイビーフォーリナー』。
まあこの彼はまだ内なるフォーリナーをアウェイクしてないんですけど。

丸喜ィ!生きとったんかワレ!(まだ死んでないから当たり前)

というわけで伏線回収成功でございます!
彼の存在を思い出せない方は『断章︰とあるOTONAの独り言ち』をチェックだ!かなり薄くしか書いてないけどな!そもそも名前すら出してないし!

了子さんに裏仕事を頼まれたっぽく見える結くん。
ま、まさか広木防衛大臣を……!?

大臣の安否はともかく、ここから疾風怒濤の展開になる……はず!



余談ですがメギドラオンエレベーターガールのエリザベス、そしてできる女こと櫻井了子の声優さんが同じなので今回何度かネタにしてました。
いやぁ……モードレッドとかアルテミスもやってらっしゃるのを知った時は目ん玉ひんむいたゾ。

これは完全に私事ですが、現在ピックアップ中のFGOの未来とマリアを当てました。嬉しい。
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