仮面に縁を、歌に血を 作:星鱈
低クオリティ許し亭許して
「!……新たなアウフヴァッヘン波形を確認!解析にまわします!」
二課職員の一人がヒビの入ったモニターに現れた『SG-r01 Amenohabakiri』、そして『SG-r03 Gungnir』以外の波形の存在を確認しデータを2つ隣のサーバーに転送。
すぐさまもろもろの事情により即席結成された解析班が波形分析及び既存波形との照合作業に取り掛かる。
「臨時解析班はそのまま頼む!他は生きているカメラを探して状況の把握、そして各所モニターの復旧を急げ!」
弦十郎が職員に指示を飛ばし彼らは威風堂々たる弦十郎のカリスマの後押しによりスペック以上の力を発揮する。
目を血走らせてキーボードを叩き、〆にエンターキーをッターン!した職員の一人が数秒前に復旧したモニターに解析結果を表示した。
「解析結果出ました!識別コードは……はぁ!?」
「おいどうした!何かあっ…………なるほどな」
はじき出された結果にあるはずがない、と困惑する職員たち。これが再度発見されたことに喜ぶべきか、不確定要素の乱入に落ち込むべきか……ともかく解析結果を弦十郎に報告する。
「し、識別……コード、『Re grimoire』!!」
「【グリモワール】だとォ!?」
ライブ会場の下層部に設置された実験室で風鳴弦十郎や残ったスタッフ達は辛うじて生存しているモニターや復旧させた画面に映る『サクリストV』の文字に釘付けになっていた。
辛うじて、という表現や明らかに非常事態に陥った部屋の描写は現在の状況に起因する。
今回のツヴァイウィングのライブの裏では『ネフシュタンの鎧』と呼ばれる完全聖遺物の起動実験が行われていた。
しかし、ネフシュタンは起動こそ成功したもののエネルギーが暴走。安全弁等の装置も大した意味をなさず、逆流したエネルギーは誘爆を引き起こした。
壁一枚、無論その壁は現代科学の叡智を結集して創造されたものだが、古代のオーバーテクノロジー相手には力不足だったらしい。
暴走の余波はその一室を一時機能不全に陥らせるほどに蹂躙するには十分すぎるエネルギーだった。
職員や職員だったものの搬送・救急搬送は現在進行形で行われているが、弦十郎は鍛え抜かれた第六感で何か予想だにしないことがこれから発生することを予見する。
よって限られたスタッフたちと共にこの半壊した一室に残り、辛うじて生きていたモニターや予備電源を稼働、機械類の応急処置を重ねて彼女達の様子を観測していたのだ。
するとどうだろう。例の喫茶店で基底状態にあったはずの【グリモワール】が何故か起動し、この会場内のど真ん中にいる緊急事態だ。
「……ノイズのことも気がかりだが」
欠けたモニターに表示されるノイズの反応は順調に減り続けている。このペースならノイズの被害がこれ以上広がることは無いだろう。
そして【グリモワール】が起動したとなれば一色若葉の研究データに記載のある『真なる契約者』と呼称される存在がいる可能性が極めて大きい。
そうでなくとも【グリモワール】を所持する何者かがいるはずだと彼は考える。
「俺は一旦外す!皆は現時点の作業を優先してそれが終わればなるべく早く避難してくれ」
「し、司令はどこへ!?」
「俺自らグリモワールの確認に行く。この分だとノイズも時期消滅するだろうからな。そっちは任せたぞ!」
弦十郎は席を立ち、ネクタイを解きながら会場の中心部へと走っていった。
「へぇ、これは中々」
奏は殆どが黒く染められた撃槍をノイズ相手に振るいながら、その使い心地にヒュウと口笛を鳴らす。
今彼女が使う撃槍・ガングニール、そして身につけているプロテクターの各部位は黒く変色しており──誤解なく説明するならばギャラハッドのビットが欠けた部分を補っており、その切れ味と対ノイズへの性能を保っていた。擬似デュオレリックないしユニゾンの様な状態と考えてもらえれば分かりやすいだろうか。
もちろんビットの本来の役割はギャラハッドの盾となることであり、刃やアーマーとして運用することは想定されていない。
故に今の奏の状態は推奨されていない規格外の製品を取り付け無理やり稼働を続ける機械に等しい。……それにロマンを感じる人もいないわけではないと思うが。
「っと、もう限界かよ」
限界を迎え刃こぼれが始まる刃にすぐさまビットが補填されその切れ味を取り戻す。
「サンキュー!」
ㅤ『調子はどうだ』
ㅤ『体調は?』
「……お前この状況でそれ聞くのか?」
撃槍の穂先がドリルめいて高速回転し、旋風を巻き起こしながら前方に蠢くノイズを薙ぎ払う。
運良く竜巻を回避したノイズはギャラハッドのシールドバッシュ、そして腕部のガンバレルから放たれる祝福属性魔法──コウガに射抜かれその身を塵に返す。
「本調子、っては口が裂けても言えないな。でも、死に体の身体をこうして動かせてるのはアンタのおかげだろ?」
擬似デュオレリックと形容した奏の状態だが、もちろん負担がゼロというわけではない。
奏に向かう負のフィードバックのいくらかはギャラハッドが肩代わりしているが、それでも奏の身体には絶唱レベルには達さないものの、かなりの負荷がかかってしまっている。
「……よし、コイツで終いだッ!」
最後に残されたのはイモムシ型の巨大なノイズだ。
既に体内に格納していた小型ノイズは出し尽くしたのか、二人に向かって淀みきったブレスを吹き付ける。
ㅤ『任せろ』
ㅤ『そっちは任せた』
ギャラハッドは奏の前に立ち、現在格納しているビットを限界まで展開して前方に集合させる。
もはや城壁のようにも見えるその盾でノイズのブレスを真正面から受け止めた。
「ああ、任された!」
奏は城壁の各所にせり出した突起を足場にノイズの頭上へと躍り出る。
構えられるは黒曜に染まりし撃槍。
隙だらけのノイズの身体に研ぎ澄まされた奏の一撃が外れる道理はない。
ここにノイズの命運は決した─────
「ふぃー。やっと終わった」
「奏!」
奏とは反対側の場所にいたノイズをどうにか木っ端微塵にした風鳴翼が奏の身を案じて此方へ向かって走り────
「はぁッ!」
ギャラハッドへと斬り掛かった。ギャラハッドはそれを見越していたかのように盾のビットを一部分解して空中展開した即席のラウンドシールドで防御する。
翼が万全の状態ならばギャラハッドの防御も間に合わなかったが、今の彼女は心身共にボロボロの状態だ。刃に乗せる想いも、信念も、彼女には枯渇していた。
そして翼の目から見れば奏の装甲は暗紫色が腐食のように発生しており、アームドギアに至っては彼のものを借り受けたと言った方が自然なレベルの色合いだ。
何かから影響を受けている、そして諸悪の根源はこの騎士であるという考えに行き着いたとしても、何ら不思議ではないだろう。
防御された刀を返し、二撃目を繰り出そうとした翼。そこに割って入った奏が翼の刀を押しとどめた。
「くっ、操られているの!?」
「バーロー、あたしは操られちゃいないって」
不意に奏はアームドギアから手を離し、強ばった翼の体を優しく抱きとめた。
地に槍が、そして刀もまた落ちる。
「大丈夫、翼。もう全部終わったんだ。だから……」
「かな…………で……」
翼が展開していたギアは霞のように消え去り、電池が切れたように彼女は気を失ってしまった。
この時に至るまで彼女は相当に気を張り続け、そしていくつもの重責を抱えていたのだろう。無理もない事である。
「無理、させちゃったな」
奏は細心の注意を払いながらゆっくりと翼を地面に横たわらせる。
「翼にはこんなとこ、見せられないからな。さ、悪魔さんよ。持ってけ。あたしの槍でも、身体でも。足りないんなら魂だってくれてやる。多分、そういう契約だろ?」
>どうやら自分を悪魔と勘違い……いや、『悪魔と相乗りする勇気はあるか?』と奏に問いかけてしまった気がする……。
ㅤ『そうだな』
ㅤ『今から貴殿に対価を言い渡す』
覚悟を決めたように目を閉じる奏。
ギャラハッドは彼女にゆっくりと歩み寄る。
ㅤ『生きろ。それが契約の対価だ』
ㅤ
「……何だよ、ホントに騎士サマだったってオチか?」
ㅤ『悪いか?』
ㅤ『すまない』
「いーや別に。あぁで、も───」
何かを言い切る前に彼女の視界が歪む。
翼と同じ、いやそれ以上の心的重荷と身体のキャパオーバー。死に至るほどではないにしろ、奏の意識を刈り取るには十分なものだった。
とりあえず気を失ってしまった彼女たちをどこか安全な場所に運ぼうと腰を降ろしたところでギャラハッドは背後に気配を感じる。
「君が『真なる契約者』、だな?」
その者は無手、しかし油断ならない気配。
まるで鎧ごとその拳で破砕せんとする闘志を幻視する。
次の発言が自分の分水嶺になるだろう。
結は生唾を飲み込み、その答えを口にした。
全然考えてなかったけどコイツメタルクラスタホッパーみたいなことしてんな……。まぁいいか!
奏の全身聖杯の泥に汚染されたみたいに黒っぽくなってたからね、仕方ないね。それ何てギルガメッシュ?
盾は庇うかタゲ集中持ちってそれ一番言われてるから。高性能機械鎧だけど一応デメリットもあるんよ〜。
…………あっ!(XDの怪盗ギアの存在に気づく)
……あああっ!(プロットとストーリー見比べる)
ア──────────ッ!(プロット焼却)(パレス設定書き出し)
ちくしょうなんで今まで気づかなかったんだYo!(金城)
怪盗服あるなら……やんなきゃじゃないですか!
心、盗まなきゃないじゃないですか!もう!もうもうもう!
判明してる以外の怪盗服考えなきゃだけどな!
というわけで次回以降のプロットが逆行運河/創世光年されているので今回以上に時間かかる予定だなも。
気が付かなければよかったなんて言わねぇさ!だってこっちの方面白そうだもんな!
でもフィーネ創聖のアクエリオンop並に醸成した欲望だし、キャロルも数百年単位の欲望やし、アダムもそこそこ、シェム・ハは………………ヌッ!(心停止)
…………考えるのはやめた!
(俺の妄想に)───────ついて来れるか。
ひとっ走り付き合えよ!