初めてのジャンルなので、色々とヤンデレ内容としてはおかしいところがあるかもですが、よろしくお願いします。
「ふぁー………」
ピピピピ!!と目覚まし時計が私を起こす為に必死になり続ける。睡眠から覚醒した私は、目を擦りながらも、なんとか目覚ましを止めて、背筋を思いっ切り伸ばす。それによって、体内からポキポキと音が鳴る。睡眠している間に固まった筋肉がほぐれている気がして気分が楽になるのを感じる。
軽いストレッチをしている最中に、ビュウと窓の隙間から風が入ってきた。ブルルと寒さを感じた私はすぐ様、布団を被る。
よく見てみると、私は下着を何一つ着ておらず、全裸だった。そりゃあ、寒いわけだ。どうして全裸なんだっけ?………忘れちゃった☆
「あ、あの子にご飯をあげなくちゃ」
そう言った私は、ベットから降りて、台所へと向かう。そこには、ペット用の餌入れが置いてあった。
「〜 」
私は好きな曲を鼻歌で歌いながら、その餌入れに食べ物を入れていく。最近は、食欲がないからか、ご飯に全く手に付けてくれない。なので、今日からは喉に通しやすいものにしてみた。これだったら食べやすいしね。
それにしても、どうして食欲がないんだろう………。別に今は春だから夏バテって言う訳でもないはず。室温にだって気をつけてるし、部屋の環境も周りに比べて最高に整えているのに………。
まぁ、こんな所で気になっても仕方がない。早くご飯をあげに行く事にしよう。
ご飯が新しく入っている餌入れを持って、私は自分の部屋の隣にある部屋まで足を運び、扉に頑丈に施錠されている鍵を開けて、中に入る。
そこには、私の可愛くて可愛くて仕方がないほどに愛しい1匹のワンチャンがいた。あぁ、今日も相変わらず可愛いなぁ。思わず、食べてしまいそうです。………冗談ですよ、冗談。食べる訳ないじゃないですかぁ〜。
「おはようございます 」
「ーーーッッ………」
ワンちゃんは、私を見た瞬間、ビクリと身体を震わせてしまいました。この子は毛が多いので表情が見えませんが、きっと、私に会えて嬉しいんだと思います。嬉しいですね。
私は微笑みながら、この子の傍に置かれている昨日置いた餌入れの中身を覗きました。やっぱり………あまり食べていませんね。少しは食べてくれている様ですが……それでも心配になります。
今日はいつもより、喉に通しやすいものにしているので大丈夫だと思いますが……。食べてくれることを祈ります。
餌入れを取り替えたあと、私はこの子に優しく抱き着きました。これも、いつものことです。ふぁぁ、やっぱり気持ちいいです。抱き心地最高です。
ワンちゃんの毛並を自分の裸で感じながら、私はいつも言っている言葉を口にしました。
「私達はいつも一緒です。」
屋根一つ下で一緒に暮らしているのだから、当たり前だと思いますが、そうにはいかないのです。まぁ、この子が家に来るまでに色々ありましたから。とは言っても、つまらない話なので語る必要はありません。
本当はもう数時間ほどはこの子に抱き着きたい所ではありますが、私には仕事があるのでそうにはいきません。
名残惜しいですが、残りは仕事から帰ってきてから楽しむことにしましょう。ワンちゃんもきっと、私と同じ考えだも思いますが、我慢して下さい。帰ってきてから、たくさん甘えていいですからね。
私はこの子の頬にチュと口付けをしたあと、部屋から出て、施錠しました。本当はこんなことしたくはないのですが、脱出しようとしたことがあったので仕方なくです。家に生き物を飼っている者にとっては当たり前のことですね。
リビングに向かった私は、テーブルの上に置いてある菓子パンを手にして袋を開けて頬張ります。少し、ワンちゃんに時間を掛けすぎてしまいましたね。あまり、時間がないです。
せめて、今日の天気だけ知ろうとリモコンを手にしてめざま〇テレビをつけるとーーー
『ニュースです。3ヶ月前から行方不明となっているーーー』
ふむふむ、今日は1日中、晴れみたいですね。
天気を知れた私はテレビを消し、残ったパンを一気に口の中に入れてから予め入れていた牛乳を飲んで胃に流し込んだ。
そして、手洗い場に行って歯を磨き、仕事場の服に着替えたあと、私は家を出ました。
因みに、私は現在、ドッグトレーナーとして、全国のワンちゃんが飼い主さんの言うことを聞くようにと躾ています。それが、私の仕事です。
今日は確か…………、2匹ほど聞き分けの悪いワンちゃんが入ってきてますね。ふふ、聞き分けが悪い子ほど、やりがいがあるってものです。
ささ、今日も元気よく………
━━━━━━━━━━━━━━━
俺には1人、女の幼馴染みがいた。
家も近く、俺と彼女の親同士が仲が良いので、よく一緒にいたが、俺はこいつのことをあまり良い印象は無かった。
「
こいつは、俺を見かけた瞬間、すぐに飛び付いてきて抱きついてくる。これが、本当に鬱陶しいんだ。周りには、美少女に抱き着いて貰えているのだから、ありがたいことだ!と言うが、俺からしたら迷惑しかない。因みに、一っていうのは俺の名前だが、別に覚えなくて良い。
いつも、こいつは俺のそばにいる。離れろ!と強く怒鳴っても、まるで聞いてないように引っ付いてくる。
そのせいで、俺はあまり恋愛することが出来なかった。恋愛どころか、女性とあまり関わることが無かった。小・中・高は何故かクラスや部活の女子は俺のことを避けていたからだ。中には俺を見て怯えているような子もいた。特に何もやっていないんだけどな。
お陰様で、俺は幼馴染み以外に友達と呼べる存在を作れなかった。せっかくの青春を謳歌することが出来なかった。
なにもかもが、全部………
だからこそ、俺は大学は県外にあるところに受験すると決めた。幼馴染みは将来、ドックトレーナーになるという夢があるので、地元にある動物の訓練所に就職するらしいので運が良い。これを機に縁を切る事にしよう。
俺は両親に、県外の大学を受けることを幼馴染み及び、彼女の両親には伝えないで欲しいと必死にお願いした。両親は意外と口は固い方なので、高校を卒業する直前まで言わないでくれた。
そして、月日が流れ、卒業式前日
いつものように、幼馴染みと共に家に向かう。気持ちが悪いほど嫌なのだが、今日と明日でこの日常が終わると考えれば、なんとか我慢することができる。
「ねぇ、一ちゃん」
幼馴染みが俺に声をかける。
「………んだよ」
「明日、楽しみだね!!」
「………別に」
何が、楽しみだね!!だよ。俺からしたら、なんも楽しくなかった。特にお前のせいでな。ふざけんじゃねぇよ。
「なんでぇ!?楽しみでしょ!?」
「全く。卒業式なんてクソ喰らえだ。」
「え?卒業式?」
幼馴染みは頭の上に『?』を浮かべて、首を傾げる。
「は?」
予想外の反応に、俺は思わず目を丸くしてしまった。なんだよ、その顔は。
「え?卒業式の話だろ?」
「ん?あぁ、確かに卒業っていえばある意味卒業なんだけどぉ…………」
こいつは一体、何を言っているんだ?話が全く繋がっていないように感じるのだが……。
「お前………、何言ってんだ?」
「一ちゃんこそ、何言ってるの?明日は……
私達の結婚式でしょ?」
「は?」
彼女から放たれた衝撃的な一言によって、俺は一瞬、理解することが出来なかった。
こいつ……、今、なんて言った?? 結婚??なんの事だ??
「結婚?誰が?誰と?」
「私が一ちゃんと………だよ♪」
「はぁ!!?」
彼女の言葉を聞いて、俺は驚愕の声を挙げる。どうして、俺がお前と結婚しなくちゃいけないんだよ!!そもそも、付き合ってすらねぇだろうが!!
「冗談……だよな?」
「え?冗談じゃないよ。ほら!」
幼馴染みは学生鞄から、1枚の紙を取り出して俺に差し出す。それを震えながら受け取り、広げるとーーー
「はぁ!?なんだよ、これ!?」
彼女から渡されたのは婚姻届だった。旦那の欄には俺の名前が書かれていた。
「あとは、一ちゃんの印をここに押すだけ♪そして、それを役所に提出したら遂に私達は夫婦になるんだよ!!」
「待て待て待て!!少し待て!!黙れ!!」
俺は婚姻届をビリッと破り、幼馴染みのことを睨みつける。
「馬鹿じゃねぇの?!結婚なんて、するわけねぇだろうが!!」
ハッキリと彼女の言葉に対して拒絶する。冗談じゃない!!どうして、こいつと結婚なんてしなくちゃいけないんだ!!ふざけるな!!
すると、彼女はゆっくりと俺の方に近づき、言葉を発した。
この時の彼女の目はいつもあるハイライトが無かった。それを見て、思わず恐怖で身震いしてしまった。
「え?するよ?今更、何言ってるの?私達は明日、夫婦になって初夜を迎えるんだよ?だから、これまで一緒に過ごしてきたでしょ?大丈夫、この日までちゃんと処女は守ってきたから。……あ、もしかして、これまでのことを心配してる?それなら、安心して。私、頑張るから。今ね、ドックトレーナーって人気な職業で収入も他に比べたら良い方なんだよ。だから、一ちゃんが就職するまでは私が養ってあげるから。あ、でもそれまでに最低子供は2人欲しいな。最初は女の子で、次は男の子。まぁ、どっちでもいいんだけどね。私と君の子供ならどっちでも可愛いと思うからさ。ねぇ、一ちゃんもそう思うでしょ?私、明日のために色々と頑張ってきたんだよ?ほら、一ちゃん、ロングヘアが好きだって言ってたから伸ばしたんだよ?料理や家事だって一通りこなせるようにしたし………。胸だって、ほら見てよ。この前、測ったらHカップもあったんだよ?他の男共は私のことを舐め回すように、いやらしい目で見てきたけど、私は我慢してきたんだ。全ては一ちゃんに捧げるために。私ね、ここだけの話、一ちゃんに色気つかって臭い匂いを付けようとするゴミ共を排除したりしたんだよ?あいつら、本当に馬鹿だよね?一ちゃんには私がいるっていうのを知っておきながら誘おうとしたんだからさ。ねぇ、一ちゃん………。こんだけ頑張った私の事…………………………………捨てたりしないよね?ねぇねぇねぇ……ねぇ!!!」
ハイライトが消えた彼女の長い長い言葉を聞いて、真っ先に思ったのは………
こいつ…………、狂ってやがる。
それしか、言葉が出てこなかった。普段、こいつが思っていることは分からないが、ここまで思い込みが激しい奴だったとは。正直言って、気持ちが悪い。吐き気がする
けど、適当な反応をしてしまったら、こいつが俺に何をしでかすは未知数だ。だから、どうにか刺激させないまま、この場をやり過ごしたい。
「悪い………。突然のことだらけだから、頭がパンクしそうだ。気持ちを整理させたいから、今日はもう1人にさせてくれ」
嘘は言っていない。言葉通りに、今も頭がパンクしそうで………、いや、実際にはもうしてるか。情報量が多すぎてパンクしてるから、頭がガンガンしてめちゃくちゃ痛い。
「………分かった。旦那の意見も取り入れるのが良い奥さんって言うしね!!」
幼馴染みは疑うことなく、俺の言葉を信じ込んだ。そして、彼女は「また、明日♪」と言って、自分の家に戻って行った。
「はぁぁぁ…………」
彼女が家に入るのを確認した俺は、限界が来たのか、膝から崩れ落ちた。息をすることを今まで忘れていたのではないか、と思わせるぐらいに、今、俺の身体は酸素を求めている。
なんだよ……、なんだよ、なんだよ!!
今まで、俺が真っ当な学生生活を送れなかったのはあいつのせいだったというのか。その可能性は昔から感じてはいたが、まさかあいつ自身が周りに手を出していたなんて………。
結婚なんて当然だが、御免だ。 ただでさえ、狂気になっているあいつの旦那になったら、何が起きるのか予想つかない。
ただ、1つだけ言えることは絶対に幸せになることは出来ないということだ。
………上等だよ。
そんなクソみたいなあいつの未来図………、俺がぶっ潰してやる!!
そう思った俺は、すぐ様、明日、あいつに出会わないまま、県外へ行く方法を考えながら家の方へと向かった。
そして、運命の卒業式。
結果からして、大成功だった。とは言っても、そんなに難しいことをしたわけではない。
そもそも、俺は生徒会に所属していたので、幼馴染みより先に学校へと向かい、そのまま卒業式を迎えた。
その後は、できるだけあいつに出会わないように警戒しながら、やり過ごして、家へと向かい、荷物を持って、県外行きの電車に乗った。
どこかで、待ち伏せされてるのではないか……、と不安な気持ちにはなったが、それは杞憂に終わった。
これで……俺は自由の身となった。
そう思うと、気持ちが軽くなる。小・中・高は幼馴染みのせいで楽しい時間を送ることは出来なかったが、その分、大学生活はenjoyすることにしよう。
待ってろよ、俺の大学生活ー!!
━━━━━━━━━━━━━━━
「え?県外の大学に行った??」
卒業式が終わり、予定通り、彼の元に行って婚姻届を役所に届けようと思って家に向かったが、彼の両親に県外の大学に行ってしまったことを告げられた。
「…………………」
気付いたら、私は自分の部屋へと戻っていた。あのあと、どうやって自分の部屋に戻ってきたのかは覚えていない。
周りを見ると、壁のそこら中には愛しい愛しい彼の写真が貼ってある。普通にお願いしても、断ってくるから隠し撮りして撮ってきたやつだ。隣に彼がいなくても、ここにいれば、彼に包まれているように感じて心地が良かった。
どうして、彼は私の元から離れてしまったのだろうか。
分からない。分からない、分からない。
私の旦那さんになれば、幸せしか訪れないのに。どうしてどうしてどうして!?
私の事、好きだったんでしょ!?私と結婚出来て嬉しいと思ったんでしょ!?
…………まさか、違ったというの?
私はね……、君のこと、好きだったよ。好きで好きでたまらないの。好きになった理由は一目惚れ。君に初めて会った瞬間に、君のことが好きになって、君と結婚したいと思った。
だから、私は彼に近づこうとした人間を全て排除した。私は悪くない。悪いのは、彼に近づこうとした奴らだよね?だから、排除した。何が間違ってるのいうの?私は正しいことをしたんだよ?
スっと私は机の上に置いてある彼の写真を手にする。これは、2年前に彼と一緒に撮ったやつだ。彼はとても嫌そうにしているけど、私と一緒にいることに対しての照れ……なんだよね。そういうところも彼の可愛いところ。
君が隣にいない人生なんて嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……嫌だぁ!!!
ーーーパリン
この時、この瞬間。私の何かが壊れ、砕ける音がした。
それは、とてもとても、鈍い音。今まで丁寧に丁寧にと積まれてきたものが、呆気なく、無惨に跡型も無く砕け散ってしまったかのように。
「アハハ…ハハ………」
何でだろうか。さっきまでは、悲しい気持ちでいっぱいだったのに、砕ける音が聞こえてからは、さっきの悲しさが嘘のように感じてしまうほど、気持ちが昂ってきている。
そうだ、そうだよ。
どうして、こんな簡単なことに今まで気づかなかったのだろう
彼が傍にいなくなってしまったのならば、こっちから迎えに行けばいいじゃないか。
迎えに行ったら、もう二度と彼が私の傍から離れないようにすればいい。
なにせ、私は4月からドッグトレーナーとして働くのだ。犬も人間もそんな大差はない。
「アハ……ハハハハ♪」
そう考えると、夢がだんだんと広がっていき、胸が熱くなる。それと同時に股が少しずつ湿ってきて、それが雫となって太ももから垂れてきているのも伝わってくる。
次第に我慢が出来なくなった私は、両手を使って慰めた。今までで1番、最高に気持ちが良いものとなった。
一ちゃん………、一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃん一ちゃ…………
数時間後、クシャクシャとなってしまった彼の写真を私は濡れた手で掴み、息をあげながらもニタァと微笑み、一言。
「待っててね……、絶対に見つけ出すから。」
ね、私の…………一ちゃん♡
━━━━━━━━━━━━━━━
県外の大学に入学してから、早くも3年が経過した。
大学に来てから、俺の人生は大きく変わった。やはり、あいつの元から離れたのが大きかったかもしれない。
普通に色んな人と関われる。話せる。遊べる。普通ならば、それが当たり前だと思うが、俺にとっては何もかもが初めてなのだ。
楽しい。やっぱり、県外の大学に来て正解だった。
この3年間、バイトや大学のレポート作成を理由に地元へは1度も帰ってきていない。まぁ、理由は本当のことだが、やはり、地元にはあいつが居るからできるだけ帰りたくない。
両親曰く、特に俺の事は気にすることなく、幼馴染が仕事に励んでいるということを電話で聞いた。それ聞いて、少しだけ安心した気持ちとなる。
あいつは性格が異常だが、傍から見たら普通に美少女だからな。俺のことは忘れて、違う男と幸せになってくれたら、それでいい。
さて。もう、あいつのことはいいだろう。
俺は腕時計で時間を確かめながら、ハチ公前に立っていた。なぜ、ここに立っているのかというとーーー
「一く〜ん。」
人混みの中から、1人の女性が手を振り、可愛らしい笑顔で近づいてくる。この人は、俺が通っている大学の先輩で、サークルで知り合い、話が合うということで関わることとなり、そのままお付き合いすることとなった。
見た目は凄く大人っぽくてかっこいい人だが、中身が意外と幼っぽくて、そこにギャップを感じて、とても可愛い。本当に良い人と付き合えて良かった。今までの不運の分が巡ってきたのかな。
「今日はどこ行こっか?」
先輩が俺の腕を組みながら話しかける。胸の感触が直接伝わってくる。一応、付き合って2ヶ月経つが、まだ彼女とは一線は超えていない。今日の夜………いきたい所ではある。
「そうですね。まずはーーー」
俺は頬をかきながら、答え、昨日から考えていたデートプランを実行するのだった。
━━━━━━━━━━━━━━━
「…………今日は楽しかったね。」
「…………はい。」
夜遅く、街中にあるホテルから出た俺達は恋人繋ぎをしながら並んで駅へと向かおうとした。
はい、そうです。希望通り、先輩と一線を超えさせていただきました。初めてだったから、記憶が曖昧だけど、とても気持ちよかったということは覚えている。
経験豊富そうに見えた先輩も、まさか未体験だったということには驚いた。彼女の初めての相手が俺と考えると………なんだか嬉しい。
これから、もっと彼女と色んな思い出を作っていくんだろうな、と………これからのことを考えると楽しくなっていく。
「先輩………」
「ん?」
「これからもよろしくお願いしーーー」
「みぃつけた♪」
ーーーバチチッ!!!
「「ーーーーーーッッ!?」」
先輩に言葉を伝えている最中に、聞き覚えのある女の声が耳の中に入ってきた。その瞬間、身体が震え出す。
振り返ろうとした瞬間、首元に何かを当てられ、そこから強力な電撃が発生した。それによって、視界が真っ暗に包まった。
意識が完全に失う直前、最後に視界に映ったのは、見覚えのある人物が三日月のように口元を緩ませていたことだった。
━━━━━━━━━━━━━━━
「…………ん」
ここは……、どこだ?目覚めたばかりだから、まだぼーっとしている。
せめてと思い、身体を動かそうとしたが、動かすことが出来なかった。自分の身体を見てみると、紐や縄、鎖で厳重に拘束されていた。
「………なんだよ、これ」
俺は信じられないと言わんばかりに声を震わせる。何があったんだ??
………そうだ。思い出した。確か、先輩とホテルに出て駅に向かってたら、誰かに襲われたんだ。
「ッッ、先輩!!」
先輩は!?彼女は無事なのか!?クソ!!俺の周りにカーテンが閉められていて、どうなっているのかが分からない。
「ふふ♪………覚めた?」
「ッッ!?お前は…………!?」
何とか、拘束を外そうと身体を必死になって動いている途中、カーテンから1人の女が入ってくる。
そいつは、俺が県外の大学に受験することを決めるきっかけとなり、最も会いたくなかった人物である幼馴染だった。
2年前に比べて、さらに美貌に磨きがかかっているはずなのに、彼女の目がハイライトが失っていて、恐怖を覚える。俺の本能が"危ない"と危険信号を出しまくっていた。
「久しぶり♪一ちゃん♪」
幼馴染は嬉しそうに、そう言って俺に抱きついてくる。剥がしたいところではあるが、拘束されている為、何もすることが出来ない。
「はぁぁぁぁぁ♡3年ぶりの一ちゃんの匂い♡これこれ。これを望んでたのぉ〜♡一ちゃん♡一ちゃん♡一ちゃん♡一ちゃん♡一ちゃん♡一ちゃん♡一ちゃん♡一ちゃん♡」
俺の服に頬を擦りながら、俺の名を呼びまくる幼馴染。その姿はまるで、壊れたおもちゃのように狂っていた。
「…………けど。女の匂いがするなぁ……」
「ーーーッッ」
女の匂い。その匂いはきっと、先輩のものだろう。彼女の言葉で、俺は改めて先輩の存在について思い出す。
「てめぇ、先輩をどこにやりやがった!!何かしてたらただじゃおかねぇぞ!!」
血管を浮かばせながら、俺は彼女に向かって叫ぶ。今すぐにでも、こいつの顔面を殴ってやりたいが、拘束具が厳重のため、何もすることが出来ない。
「おい、聞いてーーー」
ーーーパチン!!!
「がぁ!?」
彼女に更に問い詰めようとしたところ、彼女から平手打ちがとんできて、頬に強烈な衝撃が生じた。
「何すんーーー」
ーーーバキッ!!!
「がはっ!!」
今度は顔面に拳を突き出され、鼻から鳴ってはいけない音が聞こえてきた。そして、鼻の穴からは生暖かい液体が俺の意志関係なしでタラーっと流れていく。
「ねぇ、どうして他の女の名前を出すの?私っていうのがありながら」
「ーーーーーーッッ!?」
「これは………、しっかりと躾なきゃだね♪」
躾?こいつ………何を言って!?
「二度と、君が他の女の名前を出さないように………。そして、私にしか見えないようにしっかりと躾てあげる♡安心して。こうみえて、私、躾けるのは得意なの♪仕事場でもよく褒められるのよ♡」
「お、おい……。言ってる意味が………」
「あぁ、それと。君が言ってる先輩っていう女。今、どうなってるか気になるでしょ?」
「ッッ!!そうだよ!!彼女は無事なんだよな!!?」
「無事なわけないじゃ〜ん♪」
「ーーーッッ!!」
「だって、あの雌犬は私の一ちゃんの色々の初めてを奪った女なんだよ?そんなの、許せるわけないじゃない!許せない………、許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない!!!
だから、罰を受けてもらったの♡」
こいつはそう言って、今まで囲っていたカーテンを開放させる。すると、目の前にはガラス越しで見渡せる小さな部屋があった。しかし、明かりが付いておらず、どんな状況なのかは分からない。
だがーーー
「あーーーーあぁーーーあ!!!」
「ーーーッッ!!先輩!!」
見えない部屋から先輩の声が聞こえてくる。しかし、その声はまるで叫びにならないような、絶望の感情が大いに籠っているような声であった。
「おい、お前!!先輩に何してるんだ!!」
「ふふ♪」
俺は彼女を睨みつけながら声を上げると、彼女はトロンとした表情で、ガラス越しの部屋を眺める。
「実はね、ドッグトレーナーっていうのは発情した犬の処理も担当するの。」
「発情した犬の………処理?」
唐突に何を言い出すんだ、こいつは!?今はそんなの………関係ないだろ!!
「本当はドッグランとかで走らせたり、おもちゃで遊ばせたり、酷い時は女の子の犬と行為させたりして落ち着かせるの。」
「今、躾の依頼を受けて、2匹の雄のドーベルマンの面倒を見てるんだけど………、ちょうど発情しちゃってるのよね。」
そう言いながら、幼馴染は恐らく部屋の電気のスイッチであろうものをポケットから取り出した。
「お前……、まさか……嘘だろ??」
「いやぁ♪ちょうど良い玩具を手に入れて良かった♪きっと、あの子達も喜んで遊んでるよ♪」
幼馴染は楽しそうにしながら………、スイッチのボタンを押した。すると、パッとガラス越しの部屋が明るくなる。
そこに映し出されたのはーーーー
想像を絶するものであった。それはもう………言葉では言い表せないほどに。
「あーーーあぁーーー助け…………嫌ぁああぁ!!!」
「先輩…………あぁ…………あぁ………!!」
俺は変貌してしまった彼女の姿を見て、全身、震わせる。そして、次第に瞳からは涙が流れてきていた。
つい、数時間前までは俺の隣で寝ていた先輩が…………今はあんな犬と………
「おぉえぇえええええぇええええ!!!」
思わず、俺は体内にあった異物を口から無惨に吐き出してしまった。
「あはは♪すごぉい♪人と犬が交わるとあぁ、なるんだぁ♪まぁ、私の一ちゃんを、奪ったんだから当然の報いよね。」
ピッ、と彼女は先輩のいる部屋の電気を消した。その後、またしても俺に抱きつく。ついさっき吐いた異物が衣服に付着しているのにも関わらず、彼女はしっかりと抱きついてくる。
「あぁ…………あぁ」
この時点で………俺の中で何かが折れてしまい、何も考えられなくなってしまった。あれ?俺、なんでここにいるんだっけ?………もう、どうでもいいや。
「ふふ………♪これからは、私にしか見えないように可愛がってあげますから♪もう、逃げられませんよ♪大好きです♡好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き………
だからこそ…………
愛情を注ぎながらしっかりと調教してあげますね。
━━━━━━━━━━━━━━━
「ふぁー………」
ピピピピ!!と目覚まし時計が私を起こす為に必死になり続ける。睡眠から覚醒した私は、目を擦りながらも、なんとか目覚ましを止めて、背筋を思いっ切り伸ばす。それによって、体内からポキポキと音が鳴る。睡眠している間に固まった筋肉がほぐれている気がして気分が楽になるのを感じる。
軽いストレッチをしている最中に、ビュウと窓の隙間から風が入ってきた。ブルルと寒さを感じた私はすぐ様、布団を被った。
よく見てみると、私は下着を何一つ着ておらず、全裸だった。そりゃあ、寒いわけだ。どうして全裸なんだっけ?
あぁ、そうだ。昨晩はあの子と夜明けまで戯れてたんだ♡いやぁ、楽しかったなぁ。思い出しただけで、にやけてしまう。
「あ、あの子にご飯をあげなくちゃ」
思い出した私は、ベットから降りて、台所へと向かう。そこには、ペット用の餌入れが置いてあった。
「〜 」
私は好きな曲を鼻歌で歌いながら、その餌入れに食べ物を入れていく。最近は、食欲がないからか、ご飯に全く手に付けてくれない。なので、今日からは喉に通しやすいものにしてみた。これだったら食べやすいしね。
それにしても、どうして食欲がないんだろう………。別に今は春だから夏バテって言う訳でもないはず。室温にだって気をつけてるし、部屋の環境も周りに比べて最高に整えているのに………。
まぁ、こんな所で気になっても仕方がない。早くご飯をあげに行く事にしよう。
ご飯が新しく入っている餌入れを持って、私は自分の部屋の隣にある部屋まで足を運び、扉に頑丈に施錠されている鍵を開けて、中に入る。
そこには、私の可愛くて可愛くて仕方がないほどに愛しい1匹の
「おはようございます 」
「ーーーッッ………」
一ちゃんは、私を見た瞬間、ビクリと身体を震わせてしまいました。この子は前髪が多いので表情が見えませんが、きっと、私に会えて嬉しいんだと思います。嬉しいですね。
私は微笑みながら、この子の傍に置かれている昨日置いた餌入れの中身を覗きました。やっぱり………あまり食べていませんね。少しは食べてくれている様ですが……それでも心配になります。
今日はいつもより、喉に通しやすいものにしているので大丈夫だと思いますが……。食べてくれることを祈ります。
餌入れを取り替えたあと、私はこの子に優しく抱き着きました。これも、いつものことです。ふぁぁ、やっぱり気持ちいいです。抱き心地最高です。
あぁ、一チャン……….一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン一チャン!!!
一ちゃんの毛並を自分の裸で感じながら、私はいつも言っている言葉を口にしました。
「私達はいつも一緒です。」
そう。どんな時も私たちは一緒です。この先、5年、10年、50年、時が経とうが、私たちは傍にいることでしょう。そう考えると胸がトクンとときめいちゃいます。
本当はもう数時間ほどはこの子に抱き着きたい所ではありますが、私には仕事があるのでそうにはいきません。
名残惜しいですが、残りは仕事から帰ってきてから楽しむことにしましょう。一ちゃんもきっと、私と同じ考えだも思いますが、我慢して下さい。帰ってきてから、たくさん甘えていいですからね♪いっぱい遊びましょう♪
私はこの子の頬にチュと口付けをしたあと、部屋から出て、施錠しました。本当はこんなことしたくはないのですが、脱出しようとしたことがあったので仕方なくです。家に生き物を飼っている者にとっては当たり前のことですね。
リビングに向かった私は、テーブルの上に置いてある菓子パンを手にして袋を開けて頬張ります。少し、一ちゃんに時間を掛けすぎてしまいましたね。あまり、時間がないです。
せめて、今日の天気だけ知ろうとリモコンを手にしてめざま〇テレビをつけるとーーー
『ニュースです。4ヶ月前から行方不明となっている○○
ふむふむ。今日は雨らしいですね。洗濯物を干すのは諦めましょうか………。
天気を知れた私はテレビを消し、残ったパンを一気に口の中に入れてから予め入れていた牛乳を飲んで胃に流し込んだ。
そして、手洗い場に行って歯を磨き、仕事場の服に着替えたあと、私は家を出ました。
因みに、私は現在、ドッグトレーナーとして、全国のワンちゃんが飼い主さんの言うことを聞くようにと躾ています。それが、私の仕事です。
今日は確か…………、1匹ほど聞き分けの悪いワンちゃんが入ってきてますね。ふふ、聞き分けが悪い子ほど、やりがいがあるってものです。大丈夫。私は躾けるのは得意なんです。
ささ、今日も元気よく………
七宮のヤンデレはいかがだったでしょうか?面白いと思ってくださったのなら、本望でございます。
その2があるか、どうかは分かりませんが、お気に入りや感想、評価で決めようと思います。