「某月某日、黄色を攫ったのは貴様かッ!?」
「お、おれはその時、駅で奴隷乳の売り子をしてい ―― がくッ」
長い紫の髪を左右で括る魔法少女まじかる紫色の、復讐の風に煽られ
恨みの火を煌々と燃え盛らせている感じの詰問に、バイト戦闘員は力尽きる。
―― また何の成果も得られなかった。
紫色のヴァージニアアームズ、とても重く角の硬い百科事典で、
力尽き倒れ伏した怪人の足の小指を執拗に傷め続ける。
死に体のそれが、痙攣すらしなくなるまで責め苦は続いた。
先日に救出され、でびでびるん魔法帝国拠点の内情を語った桃色に、
僅かでも黄色の情報は無いかと問い詰めた時の事だ。
彼女は悲壮な気配を滲ませながら口を開いた。
黒尽くめの怪人の、おちむぽケースにされていたと。
いつか親友と呼んだ少女のあまりにも悲惨な扱いに、
紫色の持つ豊かなたゆんたゆんの奥底が痛む。
「せめて僅かでも ―― 無事でいて、黄色」
僅かに近寄る宵闇の気配の中、何処からか薩摩琵琶の音が流れ、
紫色の焦燥を写したが如き浅黒い夕焼けが燃えていた。
#03 或る肉奴隷の兵装
預かった首輪に、何某かの改造を施している研究工廠。
「問題は、黄色さんのヴァージニアオーラが失われている点です」
機人公が、無駄に麗しい美少女面を顰めながら竜人公に語った。
ヴァージニアオーラを受けて発動する各魔法少女固有の魔法兵装、
即ちヴァージニアアームズの発動が極めて困難な状態に在ると。
「恋する心が在れば何とかならないかな」
「そんなお花畑は桃色だけで勘弁してください」
竜人公の背中側、ぶら下がる様にたれている黄色に、男の娘が答える。
「と言いますか、何でぶらさがってるんです」
「昨日もご主人様のおちむぽケースをやっていたんだけどー」
その状態で通常業務を片付けた竜人公のメンタルは、かなり限界であった。
「おかげで今日はもう、腰から下が動かぬい」
なのでぶら下がっている。
「なのでこう、ラヴ的に後ろから抱き着いている感じで」
「チョークスリーパー失敗にしか見えません」
現実を認められなかった肉奴隷に、機人公が容赦なく現実を突き付けた。
「……背中側にマーキング中なのさ」
「そう言えば昨日は、ずっと前から抱き着いていましたね」
最初は進行方向を向いていたのだが、あまりにも邪魔であったため、
途中から竜人公と向かい合う形に姿勢を変更してケースをヤっていた。
と言うかもはや、ただのだいしゅきホールドである。
繋がったまま通常業務を片づけられるなんて、アタマがフットーしそうだよおッ
とか何とか言いながら一日中ずっと妙に楽しそうだった魔法少女の有様に、
竜人公は時折、ハイライトの消えた目で明後日の方向を眺めていたと言う。
「まあ話を戻しまして、それに代替するための出力ですね」
そして軽く流しながら、黄色の首輪の改造が終わる。
取り付けたのは新開発の、
「そう、YARITINジェネレーターですッ」
無駄に貫通力が高そうな兵装であった。
「マニュアル制御ですから、YARIMANと呼んだ方が良いでしょうか」
「ボクはご主人様専用だからだめー」
続けられる会話に、今日も竜人公の瞳のハイライトは涅槃に逝きっぱなしである。
「って、ぶら下がりながらだと着け難い」
ジェネレーターの内蔵された首輪を受け取り、定位置に装着しようと
背中側でもぞもぞと悪戦苦闘をはじめた荷物に、背負い主の声がかかる。
「何か当たっているな」
後背の装甲から、いろいろと硬質な音が響いていた。
「あててるのだ」
「あばら骨か」
そして黄色が吐血する。
そのまま脱力し背中からずり落ちそうになっている死体を
軽く体を捻り、下から掬い揚げるように肉体を持ち上げる竜人公。
黄色を胸元に寄せた腕に腰掛けさせる、抱き上げて崩れた様な姿勢。
「…………」
「…………」
互いの無言。
突然の視界の変更に、驚いた顔で固まっていた荷物の少女は、
静かな空気の中、状況を把握してから逡巡、鳴いた。
「むー」
そのまま、体重を預けるように胸にもたれかかった。
「むー」
そのまま首元に腕を回し、身体を固定する。
「むー」
何か首元をぐりぐりと押し付けている。
「あ、マーキングしてる」
機人公の素直な一言に、竜人公の眉が困惑の形に顰められた。
《日刊鮮報スポーツ》
―― 朝方の競馬場で魔法少女の淫靡な桃尻がプリンプリン
文責 チョモランマ古館
このところ破竹の快進撃を続ける七色ちゃんたちでありますが、本日
デビデビ競馬場受付近くで競馬飯を楽しんでいた怪人を、巷の通報で
もあったのか、お尻の可愛い赤色ちゃんが退治に来たのであります。
発育不良の胸を朝日にテカらせて相対するのは、皆様ご存じ我らの催
眠怪人ファントムライト、3つ数えて地獄に堕とすニクイあん畜生。
目の前で数字を3つ数えたら、たちまち誰もが言われるがままにオツ
ムを書き換えられてしまう、紙面でも常に人気の色男なんですよね。
とは言え3数えるまでに赤色ちゃんは自慢の一物で何度も斬りつけて
しまえるわけで、すわライトさんピンチ、無敵の催眠伝説も遂に終焉
かと思われたその瞬間、トドメと高く足を振り上げた赤色ちゃん。
「最後は私のガニ股クリオナニーで、とどめッ」
流石は歴戦の催眠怪人であります、ここぞッと言う所で憎い仕込みを
しておきながら種は仕込まない心折設計、そんな行き届いた心配りで
トロトロと朝の光を受けて輝く愛の海原を生み出した奇跡の潮吹きに、
思わず小生のイルカちゃんもドッピュンしちゃったでござるよ ――