ようこそ綾小路がいない教室へ   作:孤独なバカ

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日常

祈ればかならず願いが叶うなんてことはありえねぇ。だが、ギリギリまで必死に考えて力を尽くせば、そう悪い結果にばかりもならねぇだろう。

CLANNAD─ 古河秋生

 

「……うん。うまく撮れているな。」

 

6月下旬俺は今撮った写真を見返していた。

そこには普段の生活の様子や日常の一コマを写真を撮りながら放課後を満喫していた。

最近は自然や人物ではなくケヤキモールや学校での部活動の様子など日常生活を写真に収めていた

佐倉とlimeで連絡を取り合い今日一のものを見せ合うことが最近の日課になっている。今月のMVP投票も終わったこともあり放課後が少し余裕が生まれていた。

MVP投票では圧倒的人気で俺と櫛田が選ばれた。そして男子二位は平田。女子二位はミホという妥当すぎる結果に。軽井沢と堀北は少し不満そうだったが一応生徒会長に頼み公平に投票されているので文句は言えないはずだ。

運動面でも勉強面でもうまくいき、さらに俺は今月中旬に簿記3級を受けた。自己採点したところ9割取れているはずなのでほとんど合格していると言っても大丈夫だろう。

麻雀部の方では相変わらずの賭けがうまくいき出資を抜きにしても今は120万ptが溜まっている。さらにミホに限っては寮室を借りたことによって共同生活は終わりを迎え自炊をやり始めたのだがそうそううまくはいかず。櫛田や佐倉、ミホに連絡し料理の基礎を習っている。佐倉も自炊組でありミホと櫛田は忙しいと思っていたので最初の頃は佐倉に教わっていたのだが櫛田がなぜか不機嫌になり俺の家で料理を作り始めるといったことがあってお世話になっていた。

写真の技術もあがっているし。料理も着実にうまくなっている。

まぁやることが少なくなったのが幸いして俺たちは徐々に力をつけ始めていた。

麻雀の大会は一応都大会は団体戦は危なげなく突破し、反対に個人戦は珍しく振ってしまったこともあり決勝敗退。村上先輩が全国大会を決めた。

なので正直なところ暇である。忙しい時期を乗り切ったおかげで俺はその反動でかなり自由な時間を持っていた。

 

最初に仕込みに念を使っていたので俺は未だに特定のグループに入っているわけではない。なので誘われるとき多いのだがときにはこういった風に一人でふらふらと歩いていることも多いのだ。

と俺がしばらくした矢先だった。

 

「それでね〜。こうちゃん。」

 

と手を繋いだカップルと思わしき学生の姿がいる。

学生生活を謳歌しているのかそこには不安のかけらもなく笑顔で話している。

 

「バスケやりてぇな。」

 

俺はポツリと呟く。俺にとって青春とはなんだろうかと考えさせられるものであった

俺も朝練で体力を保っているために須藤と一緒に朝練をしているが、それでも未だに試合はしておらず1or1が試合に似た唯一のものだった。

……久しぶりにボウリングでもするか。

 

やっぱり一人だと面白くないしつまらない。

元々孤独が嫌いって訳ではないんだけどクラスの立ち位置上どうしても居場所が難しいというのがあり一人の時間が増えているのだった

平田はうまくやっているが元々俺はそう器用ではない。

今度平田と櫛田に聞いてみようかなっと思っていると

 

「あれ?なっちゃん?」

「……。」

「お〜いなっちゃん!!」

「……ん?」

 

なっちゃんという聞き覚えのない呼び名だったので別の人を呼んでいるのだと思っていたがどうやら俺がそのなっちゃんっていう人らしい。俺は聞こえた方に目を向けるとそこには長谷部が立っていた。

 

「ん?長谷部か。話すのは勉強会以来か?」

「うん。なっちゃんもケヤキモールに遊びにきたの?」

「写真最初は撮っていたんだよ。でも近くにボウリング場があるの思い出して久しぶりにやるかって思ってな。」

「一人で?」

「悪いかよ。」

「てっきり佐藤さんと松下さんと一緒に来ているんじゃないかって思っていたけどそうじゃないんだ。」

「あ〜。まぁその二人とは結構一緒にいるけど軽井沢や篠原のグループにも参加しているからな。俺も明確なグループに入っている訳じゃないし。」

 

と軽く苦笑する。長谷部自身もグループに入っていないので納得したようだった。

 

「それに中学時代は基本的に交友関係は受動的だったからな。あんまり友達作りが上手いって訳じゃないし少し空気読めないというか空気を読まない節があって。」

「なるほど。……っていうことは私と同類?」

「一応趣味繋がりで一人は結構仲がいいと思っているんだけど。…友達作りは確実に失敗しました。」

 

少し苦笑してしまう。一応ミホとはビジネスパートナー的な存在だし櫛田も友達かと答えるには微妙すぎる。

一応俺がわざと櫛田を安心させようと嘘の悪口を言っていることは気づいているだろうしな。

今ちゃんと友達と呼べるのは佐倉くらいだろう。

 

「そっか〜。……でも意外。最初怖いイメージ最初あったのになんか親しみやすいよね。仕組みを話出したとき、見下しているんじゃないって思っていたけど。」

「見下してないっていったら嘘になる。というよりも初日に時点で小学生みたいなクラスって思っていたし。……特に山内と池のプールの時は引いた。てか悪い。女子の胸で誰がデカイかでかけていたんだってな。さすがに不快だっただろ?」

「なっちゃんはやってないんでしょ?謝る必要はないんじゃないの?」

「不快だと思わせている時点で問題なんだよ。知ることなら誰にでもできる。知っているのに見て見ぬ振りをしていれば、それは同罪なんだ。」

 

俺は小さくため息を吐く。あの時関わりたくないって思って注意をしなかったことはさすがに女子に関して失礼だろう

 

「ふ〜ん。意外に紳士なんだ?」

「これくらい普通だろ?」

 

さすがにこれくらいは男子の責任だと思うのだが……

 

「……」

「どうした?」

「ううん。何でもない。確かボウリング行くんだよね?私も行っていい?私も何にもすることなくてぶらぶらしてたから」

「いいぞ。別に。……ぶっちゃけ一人でやっても楽しくないし。」

 

と意外に長谷部が距離感を詰めてきたことに驚く。

元々群れることが苦手なタイプであることは明らかで自分の体つきのおかげで少々目立ち気味の長谷部。

案外体型とか気にしない俺と三宅とかなら相性はいいのかもなと思いながらも俺と長谷部はボウリング場へ向かった

 

 

「あ〜楽しかった!!」

「そりゃよかったな。……てか遊び疲れた。」

 

あれからボウリング、カラオケ、ゲーセンなど多くの場所に付き合わされた俺はかなり疲労困憊だった。

 

「でも楽しそうだったじゃん。」

「いや。楽しかったからな。……ただはしゃぎすぎた。結構趣味が似ていることにも驚いたけど。」

「持ち歌が全く同じって。」

「一応男子向けのと女子向けで分けてはあるけど……つーか歌うめぇな。」

 

と俺は軽く苦笑してしまう。ぶっちゃけカラオケは得意でも苦手でもないので俺自身90点前後は出せるのだが95点以上だしている長谷部に負けを認めるしかなかった。

 

「そ、そう。」

「まぁいいか。てかポイント大丈夫か?明らかに5000pt以上は使っているだろ?今月112ptだったけど。」

 

中間考査では100ptそのまま入ったのでポイントは増え今月はすでに安全圏まで上がっている

 

「大丈夫かな。私そんなに無駄遣いする方じゃないから。」

「……ならいいけど。」

「気にしてくれてたの?」

「俺みたいにポイント稼いでいたら別だけどな。それに弁当組じゃなかったはずだし。」

「本当よく見ているね。」

 

それが癖になっているのは仕方がないんだけどな

 

「……まぁ。久しぶりに遊んだって気がする。」

「そうなの?」

「この学校に来てから俺は結構行動してきたからな。それに毎回のように相談や資格の勉強に追われていたし。まぁ来月からの期末考査の勉強会の予定立てたり、まぁ色々とな。」

 

と言ってはなんだけど長谷部はあぁと小さく呟いた

 

「それじゃあ連絡先交換しない?今度また誘うから一緒に遊ぼ〜。」

「ん?お前群れるのあんまり好きじゃなかったよな?」

「……本当によく見ているね〜。ストーカー?」

「さすがにこれくらいのことは全員分かる。一人一人で距離感間違えると大変なことになるからな。それに勉強会で長谷部は時間よりも範囲を決めて勉強する方が効率がよかっただろ?あぁいう人は比較的みんなに合わせるのが苦手なタイプなんだよ。三宅や俺も実際決められた範囲をやった方が効率いいしな。」

 

実際人に合わせさせるのが俺は得意なので俺も自分のペースでやることの方がいい。時間を決めていたのは須藤たちはそっち側の方があっているからであるからだった。

 

「…別になっちゃんならいいかな〜って思っただけ。他の男子とは違うから。」

 

まぁ、あんまり深くは入らない方がいいといい。俺はスマホを取り出すとその場で連絡先を交換する。

まだ友人とはいかないかもしれないがこれでまた交友関係は広がったと言っていいのだろうか

 

「それじゃあ。また学校で。」

「じゃあね。」

 

と言いながら俺たちは寮付近で別れそして俺は部屋に戻った。

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