法律ってのは世界を回すためにある。おまえを守るためじゃない
ワールドトリガー by空閑有吾
「……はぁ。スタイルでるからあんまりプールしたくないんだけど。」
「授業なんだから仕方ないだろ。てか珍しいよな。春からプールなんて。」
と俺がいうとミホはため息を吐く
運動嫌いのミホはプールも苦手らしい。勉強は数学の計算問題が得意で英語が苦手っていうことが分かっている。
小さなでもある為幼っぽく見えるのもあるのだろうが
「なんか今失礼なこと考えなかった?」
「気のせい気のせい。」
「むぅ〜。」
「おはよう山内!」
「おはよう池!」
そんな話をしていると同じクラス池と山内がそれはもう見事な笑顔で挨拶を交わしていた。
慌てて時計を確認する。オレの感覚は正常だと認識したところで、オレは珍しいこともあるものだと感じていた。
彼らは学校が始まって一週間、遅刻こそしていなかったが、それでもギリギリの時間に毎日来ていた。ちょっと不気味でもある。
「いやあー、授業が楽しみすぎて目が冴えちゃってさー。眠れなかったんだよな」
「なはは、分かるぜ。何せ俺もだからな。この学校は最高だぜ、四月から水泳の授業が行われるんだから!」
するとクラスの女子がから冷たい視線が向けられるが全く問題なしらしい。
「水泳の女子の参加率かなり低いものとなりそうだな。」
「ただでさえここのクラスポイントは低いのにさらにプライベートポイントを減るんだね。」
「いや。恐らくもう残らないだろ。たく。改めて稼いでいて正解だったよ。」
俺が遊戯でできるのは麻雀。チェス、そしてトランプだ。その中で俺はトランプと麻雀で稼いでいる。
本来であれば賭け事などは賭博罪で捕まるのだが、ここはプライベートポイントということが幸いしている
賭博罪は元々金銭の譲渡に関する法令であり、先生が言っていた卒業後に金銭に変換できないということがここでの賭博行為を黙認することに繋がってくる。ここは実力主義の学校であり、さらにプライペートポイントが増える試験も今後出て来るだろう。
すなわちここではプライベートポイント=金銭ではなくプライベートポイント=個人の評価と表すのが最適だろう。
一応部活動の顧問の先生に聞いたところ賭博行為は認めているとのこと。プライベートポイントをしっかり払って複数の先生聞いたので後付けもしっかり取れている。恐らくプライベートポイントでクラスの移動などもできる可能性があると思っていいだろう。
まぁ今月は先輩たちのポイントも少なくなっているだろうし打ち止め時だろう。
「そうだね〜今どれくらい?」
「う〜ん。基本は70万くらいかなぁ。先輩たちもほとんど限界だろうし。今月は打ち止めかなぁ。俺もそっち手伝おうか?」
ミホは俺の部屋で料理を作り、ミホの部屋に届けるという、寮を使ったレストランもかなり好評らしい。やはり他のクラスとの密約として使うことは可能でよく上級生が噂を聞きつけ1組限定でも材料費以外は全部利益になるビジネスはかなり好評だ。
「僕も2万近く稼げたけど、でもよくそんなこと思い付くね?」
「来月から入ってこないって思っていたら嫌でも案を思いつかなければ俺たちが破綻する。基本的に需要があればここではその利益をポイントとして支払う。一応寮には監視カメラがついているからな。証拠が残ることも合わせて基本的に個人的な正式の契約を結ぶのに一番適しているんだよ。」
そう。レストランではなく安心できる場所を買うことに意味があるのだ。レストランとしても好評であるのだが完全予約制で時間を貸すことが利益をうむ。特に女子寮の警備はかなり複雑であり強力だ。今はミホが俺の部屋に住み込んでいることも安心させる理由になる
料理で利益を回収しようとは元々思っていない。時間と空間で元を取ろうとしているのだ。
「まるで商人みたいだね。」
「需要と供給を見極めるのも俺の仕事だよ。だからクラス動かすにことを需要だと考えれば、相手に必要な供給するものは見えてくる。」
「……どれくらい先まで見えているの?」
「一応4月中のことだけ。この行為自体結構上級生にも目をつけられていると思っていい。これは学校のシステムをある程度理解しているって主張していることだと変わらないから、もしかしたら上級生の介入もあるかもしれないしな。」
でもこれで俺とミホがDクラスの代表格っていうことが他の生徒に広まるのも遠くはないことだろう。
そしてこの学校ではバイトは基本的に募集はしていない。しかし生徒会に申請をだし、学校内での商いをすることは売り上げの一部を生徒会に納める。即ち国に寄付することにより、出店が可能になる。
実は出店許可を出すのに一週間かかったこともあり始動が遅れたのもあるのだがそれは置いといて
時期的にもちょうどいいだろうしな。まぁ、少し動き出そうか。クラスに改革を与えるために。
さすがにこれ以上は見ていてもつまらないからな
静観者としては終わり
ここからはGMとしてこのクラスに導きを与えることにしよう
昼休みが終わるとすぐに水泳の時間がやってきた
「……はぁ。」
上を見ると未だに多くのクラスメイト達が休みを伝えたのか特に女子が多いが欠席者が続出している。
「……ん〜。どうしよっかなぁ?」
俺は考えながら開示する情報を考えていた。ルールの作成や色々なことを含め色々脳内で考えていた。
「あら?あなたはあそこの群れに参加しないのね?」
「ん?」
すると聞いたことのない女性の声がする。そこには黒髪の長髪の女子生徒がいた。えっと堀北だっけ?この雰囲気で参加するって結構すげぇぞ。
「あぁ。女子全員の敵になる必要なんてないだろ?生憎ダチに女子がいるからな。……つーかあれは男子でも引く。」
「……少しはまともな男子がいて安心したわ。」
「まるで俺以外の男子はまともじゃないみたいだな。三宅とか幸村とかは基本的に無害だぞ。……まぁ。ただボッチなだけでもあるんだけど。」
俺は少し思い出す。少しだけ情報を開示してみるか。
「そういえば堀北は知っているか?教室の監視カメラの数。」
「……?監視カメラの数?それがどうしたのよ。」
「Dクラス教室だけで10台。ダミーを含めたら12台あるんだぜ?」
「……えっ?」
すると堀北が驚いたようにこっちを見る。
「おかしいと思わないか?明らかに監視カメラの数が多すぎるんだよ。」
「それ本当なの?」
「あぁ。教室に戻ったらある場所を教えてもいい。俺が知っているだけだから本当はもっとあるかもな。廊下や階段にも基本的に2台あるしな。でももっと面白いのが逆に防犯設備が全くない場所。旧号館中心にない場所があるだぜ。特に化学室にカメラがないのはおかしいと思わないか?」
多分堀北はコミュニケーション能力が壊滅的な生徒だと普段の生活から分かっているので恐らく気づくのであろう。
それは危険物の話である。化学室は化学部が使用しているものであるのだが薬品保管のための化学準備室はさすがにあるのだが化学室は火災報知機があるだけで監視カメラの類は全くないのである。
「……確かにおかしいわね。」
「まぁおかしい場所は他にも色々あるけどな。」
と俺は笑うと堀北はどこか首を傾げる。しかし何かを考えるようにし黙り込んでいるところで
「よーしお前ら、集合しろー」
担任だと思われる先生から集合の号令がかかる。如何にもな体育会系の男性で、マッチョ体型がとても似合っている。男子からも女子からも一歩距離を取られそうだ。
「見学者は……十六人か。随分と多いようだが、まあ良いだろう。ただし、次回からは正当な理由なしでは見学は認めないからな」
おっさん先生の言葉に、何人かの生徒が反応した。初回は参加するが次回からはサボろうと画策していたに違いない。
「早速だが、どれだけ泳げるか見てみたい。個々で準備運動をするように」
「すみません、先生。俺あんまり泳げないんですけど……」
「そうか。泳ぎに自信がない者は正直に手を挙げろ」
一人の男子生徒を皮切りに、数名が恐る恐る手を挙げた。無理して怪我や事故を起こした時咎められることを忌避したのだろう。
「なるほど、よく分かった。けど安心しろ、夏までに俺がお前たちを泳げるように指導してやるな」
「えぇー。別に大丈夫ですよ。海に行きませんから」
「まぁそう言うな。泳げる奴はモテるぞ? それに泳げるようになれば必ず後で役に立つからな」
すると少し含みのある言葉を聞き逃さなかった。即ち泳ぐような試験があるってことか?
モテるって言っても限度があるだろうしやっぱり何かあるって考えた方がいいだろうか?
先生の言う通り、個々で準備運動をする。教師がいる手前、皆真面目に取り組んでいた。そして、五十メートルを軽く泳ぐように指示が出される。
準備は軽めに泳ぐと周辺からおぉという声が聞こえてくる。
そして50mを泳ぎ終わると全員からの視線を感じる
そのうちリーダー格の男子が声をかけてくる
「……えっと。」
「大江奈緒。そういえば自己紹介するのは初めてだよな。自己紹介するときあったけど俺はミホと廊下で話していたから最初からいなかったんだよな。」
「そうなのかい?僕の名前は」
「知っている。平田洋介だろ?このクラスでは櫛田に次いで2番目に有名だしな。」
と俺がそういうと苦笑する平田。
「そんなつもりはないんだけどね。」
「あぁ。でもリーダー格であることには限りないだろ?」
「えっともしかしてだけど水泳部なの?」
「いや帰宅だぞ。元々バスケだったけど捻挫が癖になったからな。」
「大江奈緒?……っ!もしかして奥田中の大江奈緒か?」
すると俺の一回り大きな男子生徒が俺を見る。
「あぁ。そうだ。」
「マジかよ。捻挫が癖になったって本当か?」
「須藤くん大江くんのことを、知っているのかい?」
「当たり前だ。こいつバスケットボールをやっているやつなら誰もが知っているはずだ。こいつ中学総体3連覇した奥田校で一年からずっとレギュラーをとっていたからな。」
すると全員の目が俺に突き刺さる。それは事実だ。実際バスケの強豪であるバスケ部に入り中学三連覇。また2年連続大会MVPに選ばれるなどバスケをしている人ならば誰もが知っていても過言ではない。
「…まぁ、捻挫って言って普通に運動したりする分には問題ないし基本的にバスケもフルの試合は厳しいけどハーフくらいなら普通にできるから。さすがに全盛期と比べると少し見劣りするけど。」
「そうなのか?」
「まぁ時間があれば遊びでもいいし運動も好きだから誘ってくれ。怪我も部活とか本格的なものじゃなければ普通にできるしな。」
と簡潔に自己紹介をする。するとクラスメイト全員が泳ぎ終わったらしい。そして唯一泳げなかったのはミホだった。
ミホは25m泳いだところで足をつけてしまいこれで泳げない生徒一人となっていた。
……こんど教えてあげるか
「よし。それでは今から男女別に五十メートルの競泳を行う。種目は自由型だ」
と思った矢先先生がこう言った。
「一位を取得した生徒には俺から特別報酬として五千ポイントを進呈しよう。逆に、ワースト一位になった生徒には放課後を使い補習を受けさせるからそのつもりで。」
するとさらなる悲鳴が響いた。
生徒にとって放課後とは大変貴重な時間だ。それを補習になんて使いたくない。
「……なるほどそういうことか。」
俺は小さく笑う。そして俺はまずは観察することにした
「何か思いついたのかい?」
「ん?ミホか。」
「いいなぁ〜泳げる人は。プライベートポイントを手にいれることができるって羨ましい。」
「これだって実力主義の一環だよ。まぁ今回はプライベートポイントの意味を確かめるいい機会になりそうだ。」
「……どういうこと?」
首を傾げるミホ。さすがに俺のやろうとしていることが分からなかったらしい。
さて仕掛けようか。
女子の方は櫛田に大きく歓声が上がっているが恐らく水泳部である小野寺の一人勝ちであろう。
そして男子は俺を抜けば高円寺が勝ちを掴むだろう。
体格が完成されており恐らく成長が早いタイプ。伸び代は少ないがそれでもアスリート並みの体格をしていることから基本的にはそれだけだ。
得意な分野での俺の勝利は変わらない。
女子は予想の通り小野寺が一位になり5000Ptをゲットした
女子の最下位は……参加数が少なかったからだろう。佐藤が最下位になっていた。
そして男子の番になろうとしたとき俺は動き出す
「先生いいですか?」
「ん?なんだ大江。」
「佐藤が補習を免れるようになるためのプライベートポイントはいくらですか?」
すると静寂がプールを支配する。
先生は面白そうにクラスメイトは不思議そうに俺を見ている
「ほう。もしかして佐藤って奴はお前の友達か?」
「いや。今プライベートポイントについて色々調べているんですよ。だからそのついでにしか過ぎません。」
「……なるほど。Dクラスに面白い生徒がいると聞いていたがお前のことか。いいだろう。佐藤の補習を免れるように必要なプライベートポイントは5000ポイントだ。」
やっぱりか。俺は確信に変わる。5000ポイントという文字が意味しているわけを
「先生取引をしませんか?俺がこの水泳で一度でも2位以下をとった時俺はクラス全員に1万ポイントを譲渡します。その代わり俺が二連続で一位をとった場合全員の補習の免除及び先生から1万ポイントをくれませんか?」
「っ!!」
すると見学者も含めてクラス全員がざわざわと騒ぎ始める。それは宣戦布告であり、俺自身一位になるという確信の現れだった。
先生でさえ冷や汗を流している
「……っ!本当恐ろしい生徒だな。自分にリスクがあることは分かっているのか?」
「えぇ。先生たちなら俺のポイントの変動は知っているはずです。俺はそれを払えることも。」
「あぁ。それに関しては心配をしていない。お前の商売としての信用も関わってくるだろうしな。しかしこっちの対価が低すぎるのが問題なんだ。」
「なるほど。それならどれ位が相場になるでしょうか?それを言い値で俺はいいです。」
「そうだな。最低5万だが俺の小遣いからも出して7万というところだな。」
「……それではそれで。もし俺がその約束を守らなければもちろん退学扱いで構いません。目撃者もこれだけいるので証言は取れていると思いますし。」
俺は笑うとするとクラスから全員が驚愕したようにしている。当たり前だ。この時点で俺はすでに39万ポイントを所持していることと簡単に退学をbetしたことが信じられないようだった。
「……ずいぶん派手なことをしたね。」
ジト目で俺を見るミホ。まぁ仕方ないか。
「悪いな。でもこっちの方が面白そうだったからな。」
「それは同意だけど勝てるの?」
「逆に聞くけど負けると思っているのか?」
「ううん。勝てない勝負をするタイプじゃないから絶対に勝てると思ってるよ。」
「…それでいい。俺を使うって決めたんだろ?それならお前は使えると思った俺を信じておけばいい。」
「……なるほどすでにお見通しってわけだね。それなら負けたら今日の晩御飯おごりで。」
「了解。」
使えるものは使え。要らないものは捨てる。
それが俺たちのやり方だ。
それならば俺はミホを使いミホは俺を使う。
これだけでいいんだ。
恐らくあぁは言っていたけどミホは本気でAクラス入りを考えているのであろう。学校のシステムを理解しそして金の亡者と見せかけ俺を試した。
だからこそミホは面白い。
恐らくあいつは家族のためにこのままでは要られないのだ。恐らく家族のために奮闘していたのだろう。明らかの家事についてはもはやどこぞのお手伝いさんよりもずっと上回っている。
俺はスタート台に立つとすると視線が集まっている。
そして銃声がなり全員がスタートを切る。飛び込んだ勢いをそのまま加速に生かし減速を始める直前で水を掻き始める
効率よくそしてどんどん加速する。
そしてゴールに着く頃には後続を突っ切りトップで50mを泳ぎ切る
「……22.9だと。」
するとざわざわと騒ぎ始めるクラスメイトに俺は少しため息をつく
やっぱりなまっているな
水泳は半年ぶりだから結構体が重くなってしまっていることが実感した。
二着はやっぱり須藤か。俺は当然のように水から上がると体を伸ばす
「ふぅ。疲れた。」
「……ほう。やるじゃないか大江ボーイ。」
すると如何にもギザな高円寺が俺の方に近づいてくる
「ん?いや。加速がちゃんとなってなかったし今のは完全に俺のミスだよ。高円寺が全力を出したら抜けるだろ?」
「いや。さすがに無理なのだよ。私はこの水泳をお遊びにしか思っていないんだよ。わざと手加減した大江ボーイの思い道理になる必要はないのだよ。」
「……お前も食えないな。」
俺は少し苦笑してしまう。本当なら実力を出してくれるようにギリギリの線を攻めたつもりだったのだが明らかにバレていたようだ。
「まぁ。それなら七万かっさらおう。」
「ずいぶんプライベートポイントを貯めているみたいじゃないかい?来月ポイントがもらえるにも関わらず。」
「……ん?なんでポイントがもらえるなんて思っているんだ?」
高円寺しか聞こえていない声でボソッと呟く。
すると高円寺は少し驚いたようにしていたがクスッと笑い
「やっぱり大江ボーイはずいぶんと頭が回るようだ。なるほどね。大江ボーイそういうことかい?」
「内緒な。少しクラスメイトには痛い目見せた方がいいだろうしな。」
すると高笑いをしてスタートラインへと向かう高円寺。
恐らく高円寺はあぁ言うタイプだが決して授業中などはおろそかにすることはないタイプだ。
そして運動能力も高いことは言う知らずだった。
結果高円寺は俺と同じように少しだけ手を抜いて泳ぎ23秒台で二回連続で二着。俺は一人だけ22秒台で泳ぎきり二連続で一着。即ち七万ポイントを手にいれることに成功したのであった。