突然だが聞いてくれ、俺はしがない中学三年生の森羅操作というものだが。
同じ学校の爆豪勝己とかいうやつに壁ドンされている。壁ドンされている。
大事なことだから二回言った。
「雄英受けんなクソボッチ」
なるほど、そういう事か。喧嘩腰で来る相手には冷静に諭すように。
「俺がどの高校を受けようがお前には関係ない。」
自分の意見をはっきり言うことをお勧めするぜ!
「あ"ぁン、もういっぺんいってみろ」
相手が冷静にならずに威嚇し始めた場合は逃げろ!
「また明日!」ビュン
「あ?」呆然
多分こうなったのは今日の進路相談の件だろう、大方誰かが俺が雄英高校を受けることをばらしたのだろう。怒らないから出てきてほしい。体内の水分の三分の一を抜き取るだけだ。
俺は商店街を抜け孤児院に帰ろうとした。帰ろうとしたら上からペットボトルが降ってきて、頭に当たりキャップが外れた。
そこから出てきたのはコーラではなくドロドロの反吐のような人?
ペットボトルに入れられてかわいそうに、苛めかな
「Lサイズの隠れ蓑」歓喜
ゾワ
「いや俺そっちの趣味はないです!」
こやつヤバイ、完全に俺のことを襲おうとしている!
危機感を感じた俺は戦うでもなく、個性を使って足止めをするでもなく逃げた。走りながらスマホを取り出し警察に連絡。ヴィランに襲われていること、場所、ヴィランの特徴きちんと伝えた。
当たり前だ、俺は学生でヒーロー免許を持っていない。公共の場で個性を使えない。
個性を使えば犯罪になってしまう。
ここは少し入ったところとはいえ、少し走れば大通りだ。そこに行けば人目につくしヒーローを呼んでもらえる。あとは俺が耐えるだけでいい。
商店街で触手プレイをさらすわけにはいかない。なんとしてでも耐える。
大通りに出たと思ったら足元にヘドロが絡んでいる。全身に絡みつかれ口に入ろうとしている。キッモ、口を固く閉じ振り払おうともがくが、全く離れない。
クソ、商店街で触手&羞恥プレイは嫌だぞ俺。
「大丈夫、苦しいのは45秒、俺に身を任せて」
電話をしてからしばらくたった、そろそろヒーローが助けてくれてもいいが、個性の相性が悪いのだろう、野次馬を抑えることしかできていない。たしかに、ヴィランは流動体で物理攻撃が通らない。俺のようなタイプではなければ確保できないだろう。
だが、あのヴィランはペットボトルに詰められていた。つまり捕まえた人間がいたのだ。もう少し耐えれば来てくれるはずだ。もう少し、あと少し。
ダメだ、もう持たない。
「ヒーロー、個性の使用許可を!」
「被害は出しません!お願いします!」
「プロヒーローシンリンカムイの名において個性の使用を許可する!」
口を開けたせいで流れ込んできたヘドロを一か所に集める。カバンの中からペットボトルを取り出しその中に入れてキャップをする。
「許可を出していただいてありがとうございました。これ、お願いします」
「いや俺こそ、なにも出来なくて悪かった」
「あ、俺の映像はインターネット上に挙げられてしまっていると思うので、そこのところもお願いしますね」
「勿論だ、約束しよう」
ベットでぬくぬくしながら思いにふける
今日は色々大変な一日だったな、個性も使ったし。
孤児院の職員には大変心配されてしまった。しばらくはカウンセリングが入るだろうし、街を歩けば指を指されるだろう。
でも、街への被害もなく、人への被害もない。俺の貞操も守られた。
スマホをつけ、エゴサする。個人情報の流出はないな。
さすが警察だ。頼りにしているぞ。
俺の個性は大変コントロールが難しい。少しでも間違えればヘドロは気化していただろう。
本当に、よかった。