「母上、父上、こんな親不孝者でごめんなさい」ザグッ
景色が暗転し、水の中に落ちる。
タプタプと水の中を漂う、呼吸をする必要も動く必要もないあったかい水の中。
いきなり締め出され、空中に投げ出される。
寒い空気の中で肺いっぱいに空気を吸う。
視界がぼやけて思想に霞がかかる。
心地よいだるさに身を任せ眠りにつく。
「どうして生んだんだ」
「仕方なかったじゃない」
顔に衝撃が走る、
「どうして生まれてきたのよ」
「あの人に捨てられちゃったじゃない」
首が閉まる
「ごめんねぇ」
「痛かったよね」
「ごめんねぇ、ごめんねぇ」
あったかくておいしいご飯を食べる。
「何でしゃべらないのよ!」
「ありがとうも言えないの!」
「せっかく作ってあげたのに!」
「お母さんだめだね、ごめんね」
「全然お母さん出来てないね」
「もっとちゃんとするからね」
「お母さんね、新しいお父さん見つけたんだ」
「あなたのお父さんになるのよ」
「操作君、僕が君の新しいお父さんになるんだよ」
「よろしくね」
「何であの子はしゃべらないんだ」
「私に聞かないでよ、あの子は戸籍がないの!」
「病院に連れていけないのよ」
「何でそんな男との子なんて産んだんだ!」
「仕方がなかったのよ!」
「私だって気味が悪いわよ、頷くか首振るか微笑むかしかしない」
「お前は、何でしゃべんないんだよ!」
「気色わりぃんだよ!」
「何で微笑んでんだよ!」
肩をつかまれ揺さぶられる、頭が揺れる。
「しゃべれよ、声出してみろよ!」
個性が発現して怪我を治せてるようになってから悪化した。
「治せるんだろ、ほら、練習しとけよ自分の体で!」
「お前の為になるんだから」
おなかに衝撃が走り胃の中のものをもどしてしまう
「汚ねぇな、掃除しとけよ」
「自分で汚したんだから」
冷たくて味のしないご飯を食べる。
「ありがとうございますは?」
「言えねぇのかよ!」
脇腹に衝撃が走る
「ごめんねぇ」
「私があの人と結婚しなければ」
「ごめんねぇ、ごめんねぇ」
「操作、お父さん今日怪我しちまったんだ」
「お前のその個性で直してくれないか?」
六歳の誕生日に玄関が勢いよく開いて警察とヒーローたちがなだれ込んできて、よく分からないうちに保護された。
所で目が覚める。
びっしょり汗をかいているし、涙さえ出ている。
「マジかよ、ハハハ」
こんな夢をいまさら見るものなのか、やはり昨日ヘドロに襲われそうになったからかもしれない。自分の精神の弱さに吐き気がする。
それからの日々は特出するべきことは特になく。しいて言えば、爆豪君に目をつけられたことぐらい。
毎度のごとく壁ドンしてくるので「俺そっちの気はないんです、爆豪君の気持ちに答えられなくてごめんなさい」といろいろ誤解を生む言い方をして撒いている。