Fate/Ground Order 極統夢幻戦記ナウ・アム・イン 作:筆折ルマンド
箸休めなのでクオリティは堪忍してつかぁさい。
遠く遠く
どこまでも真っ白に
地平線の彼方まで凹凸の一切ない無機質に凪いだ世界。
命の息吹を感じさせない死に絶えた世界。
まさに漂白されたと言うにふさわしい、何も無い砂原を黒い車が走ります。
私はマシュ・キリエライト
白亜の砂原を走る黒い虚数潜航艇
『シャドウボーダー』の乗員の一人です。
──────
ぐらぐらと揺れる……いえ、ダヴィンチちゃんの作ったシャドウボーダーの耐震機能は完璧なので、実際に揺れを感じることはないはずなのですが、どこかふわふわとした気分のまま、私は一冊、日記帳を手に取りました。
傷一つない新品の日記帳。
当然、中は真っ白です。
先輩やカルデアの皆さんが私のために用意してくれた日記帳の束の一つの中から、私はあえて新品を選んだのでした。
自然と片手にペンを装備。
無記名の日記帳に題名を書き込みます。
さらさらさらと、パッと思いつきで書いたにしては上出来だと思います。
表紙をめくると
自然とペンが日記の上を踊ります。
私が思い描き、日記帳に書くのは、
シャドウボーダーの虚数潜航の不具合によって偶然たどり着いたあの国のこと。
私たちが偶然見つけ、そして……
もう消えてしまった……最後の帝国。
私たちしか覚えていないけれど、確かに実在した一つの国のことを少しでも形あるものとして残すために、私はペンを走らせます。
……ふふっ
思い出すとなんだか笑顔が溢れます。
芸術の女神 エリザベート
裁縫の神 ヴラド
空飛ぶサメ
UFO
オールハイルノブナガ
エレナさんが居たらきっと喜んでくれたはずなのですが、生憎呼ばれてはいませんでした。残念です。
……とと、ダメですね。
とにかく印象に残っていることばかり書いていたら、日記になりません。
ちゃんと、最初から書かないと
そう、あれは──
◇◇◇
その日、シャドウボーダーは虚数潜航に失敗しました。
いえ、本当に失敗したのなら、私たちはもう永遠に虚数空間を彷徨い、ゴルドルフ所長が修繕した食べ物を細々と食べて餓死するを待つしかない状況に陥るはずなので、もっと正確に言うなら不時着と言うべき状態となりました。
つまり、私たちは虚数潜航の失敗確率7割を見事に引いて、浮上したらよく分からない場所に上陸していたのです。
当然ながら、地球上のAチームの方々が作った異聞帯を除けばもうこの地球上に砂場以外の場所は無いはずなのですが……。
なんと、私たちが浮上したのは、何かの畑を一望できる森のはずれでした。
地理座標は今まで確認されてきた異聞帯の座標のどれとも違いました。
ゴルドルフ所長はこの奇跡に感涙を流し、いの1番に外へ飛び出そうとしたのですが、ダヴィンチちゃんとホームズさんがソレを止めてくださいました。
私もその判断は正しいと思いました。
私たちの観測しうるかぎり、世界は全て漂白されてしまっています。
それを回避している場所は、それがどれほど喜ばしいことでも異常です。
異常であるかぎり、その場所が安全とは限りません。
と言っても結局調査するにはシャドウボーダーから出るしかない訳で。
そうして私は今まで通り、先輩と共に新しい地へと降り立ちました。
その世界にふく風は暖かく、むせるほどの緑の香りを私は懐かしく感じました。
この作品は俗に言う著作権フリーって奴です。
設定とかどう転用されても大丈夫です。
むしろ作者は喜びます。
みんな!オリ鯖とオリ異聞帯考えよう!
設定だけでも良いから、貴方の異聞帯が見たいな〜(チラチラ)