ソードアート・オンライン プレシャスプロミス   作:猫猫猫の助

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この辺はやっぱり原作の引用が多くなってしまいますね


2話

「と、まぁSAOをやる上で必要なのはこれからいかな」

久しぶりに入った里香の部屋は数年前よりも女の子っぽい部屋になっていてドキドキしてた。それでもSAOについて説明することに意識をさしてなんとか平静を保っていた。

「うーん、説明されてもやってみないとよくわかんないや」

「おい、それだと今日説明した意味がないだろーが」

「ごめんって、あとは...明日でいーかな」

「ソードスキルは実際見て見ないとわかんないしな」

時計を見れば午後6時。そろそろ夕食の時間になってきてお腹も空いてきた。

明日は土曜日だから余裕があるが、ワクワクしすぎて寝れなくなって寝坊。出遅れてスタートダッシュが決めれないなんてことになれば絶対後悔する。MMORPGはリソースの奪い合い。ベータテストでたしかアイツがそんなことを言ってたような気がするし、出来れば明日は余裕を持ってログインしたい。

「そろそろ帰って明日のために早めに飯食って寝るわ」

「そう?わかったわ。それじゃ、おやすみなさい」

「あ、あぁ、おやすみ」

そんなたわいもない会話でドキドキしてしまうほど俺は恋愛脳じゃなかったはずなんだけど。久しぶりに里香の部屋に上がったことで浮かれすぎているのかもしれない。やっぱり今日ははやめにベットに入って寝よう。そう再確認した。

 

 

次の日、あと少しで待ちに待った正式サービス開始の時間になる。もう一度あの世界にいける。あの世界で戦える...。

それに、今回はそれだけじゃない。また里香と遊べるかもしれない。もしかしたら里香と付き合えるかも。そう考えるだけで胸が高鳴った。もちろんそう上手くいくわけではないだろうが、それでも今より関係が進展するはずだ。

深呼吸して落ち着き、再度集合場所を確認し、ログインのための言葉を唱える

 

「リンクスタート」

 

目を開ければベータテストのとき何度も見たはじまりの街があった。

帰ってきたんだな、この世界に。

まずは里香を探さないとな。待ち合わせ場所は黒鉄宮っと、確かこっちのほうだったよな?里香には昨日教えたばっかだし、大丈夫だろうけど...

「でもあいつ方向音痴だからなぁ」

「誰が方向音痴ですって??」

うわっデジャブった。昨日もこんな感じで急に声かけられたんだよな。

「また声にでてた?でも、探す手間も省けたしラッキーだっだな」

「ちょっと、話逸らして逃げる気?」

「うっ...でも里香...じゃなくて、えっと、「リズベット」そう、リズベットが方向音痴なのはほんとのことだろ?」

「はぁ...まぁいいわ、早速ソードスキル?っての使ってみたいから案内してよ」

お前は逃げるのかよ。そう思ったがそれを言ってしまえば10倍返しされることは経験上分かっていたので、大人しく訓練場に連れていくことにした。

 

「最初はカカシ相手でいいか?」

いきなり実戦に行ったところで、リズの運動神経だとろくに戦えず負けることは目に見えていたのでカカシで武器を振るう練習をする。どうやらメイン武器に片手棍を選んだようで、ベータテストで見たプレイヤーやMOBの片手棍の使い方を思い出しながら伝授していく。

「ちょっと、これ当たんないじゃない!!」

当たり前だが、現代の人間は武器を扱い慣れている人のが少ない。余程運動神経のいい人でもない限り、最初のうちは狙った相手に攻撃を当てるだけでも一苦労だろう。

一通りソードスキルを確認し、ある程度棍を扱えるようになってきたリズでさえ、この辺で1番弱いフレンジーボアを、相手に大苦戦している。

いくらこの世界がゲームでだと脳で理解していても、人間の半分もあるイノシシが突進してくるのは怖いのだ。

HPを半分ほど減らし、息も絶え絶えでの様子で、イノシシ相手に勝って喜びを顕にしているリズを見て苦笑してしまった。

「初勝利おめでとう。でも今のイノシシさ、別ゲーだとスライム相当だけどな」

「えっマジ?」

「マジ」

「うっ...まぁでもアタシはこのゲームそんなにやる気なかったし、今度また明日奈と会えればそれでいいかなー」

明日奈?昨日言ってた女の子の名前だろうか?それよりもまずい、このままリズがログアウトしてしまえば計画破綻である。頼みの綱であるこのゲームで関わることができなければ、この関係が進展する機会はもうないかもしれない。何か手はないか。

「えっと、そうだ、今のうちに特訓してさ、その明日奈さん?に会ったとき、ビックリさせてやろうぜ」

少し苦しいが咄嗟に考えたにしてはいいアイデアではないだろうか、これならもう少し一緒にいられるかも。

「いやいいや」

無駄でした。わかってはいるが向こうには少しもこっちに気がないのを感じ、少し苦しくなる。

「それじゃ、しょうがないか...。また今度やろうな」

それでもその感情を隠し、必死に返事をする。あぁこの恋もこのまま終わってしまうのか、なんて悲観的なことを考えていたが、リズがいっこうにログアウトしない。

「どうしたんだ?」

「ログアウトボタンがないの...」

「もっと良く探してみなよ。メニュータブの1番下にあるはず...あれ...?ない...」

そこにあるはずのログアウトボタンがなかった。ログアウト不能なんて今後の運営に関わる大問題だ。これ以外にゲーム内からのログアウト方法は存在しない。マニュアルにも緊急切断方法は載っていなかった。

 

現在時刻は17時28分。サービス開始からもう4時間も経過している。ありえないだろ、こんな致命的なバクをそんなに長時間放置するわけがない。プレイヤー全員を緊急ログアウトさせれば済むはずなのだ。それすら行われないなんて...

突然リンゴーン、リンゴーンという鐘のような警告音が鳴り響いた。

「なにこれ!?どうなってるの!?」

「そんなの俺だって...!?」

直後、身体を鮮やかなブルーの光が包んだ。

「んな...っ!」

「チハヤ!?」

これはベータテストの時になんども体験した移動用アイテムによるテレポートだ。でも俺は今、アイテムを使ってなければ、コマンドを唱えてもいない。それなのになぜ...?そこまで考えた時、光が一層強くなり、俺の視界を奪った。

 

輝きがはれ、目を開けば目の前には黒光りする巨大な宮殿。待ち合わせる予定だった場所。黒鉄宮があった。ここはゲームのスタート地点である、はじまりの街の中央広場だ。

周囲に目を配れば、俺と同じように強制テレポートさせられたのであろう、ざっと見て一万人近くのプレイヤーがきょろきょろと周囲を見回していた。

やがて周りがざわめき立ち、だんだんとその声色に苛立ちが増し始めたころ、不意に誰かが叫んだ。

「上を見ろ!!」

そこには、身長二十メートルはあろうかという、真紅のフード付きローブをまとった巨人が現れ始めていた。

GMか?あのローブには見覚えがある。確か、男性のGMがあのような衣装を纏っていたはずだ。

フードの中に顔はなく、その空疎な間隙は、俺に言いようのない不安感を抱かせた。フードのしたには何も無いはずなのに、ただ、なんとなく俺はそこ茅場晶彦を幻視した。

 

「プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ。私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ」

 

なぜ分かったのか分からない、でも間違いなくその巨人は自らが茅場晶彦だと名乗った。

その後、語られた内容は、ログアウトは出来ない事。ゲーム内で死ぬか、外部の人間がナーヴギアを外そうとすると、プレイヤーはナーヴギアの高出力マイクロウェーブによって死ぬ事。すでに二百名以上のプレイヤーが死亡している事。電源切断は十分間、回線切断は二時間の猶予がある事。ログアウトするたった一つの方法は、アインクラッド最上部、百層にたどり着きそこに待つ最終ボスを倒すことだった。

 

語り終えたあと、この世界は俺たちにとって現実であると再認識させるためか、茅場は、全員にアイテムストレージを確認させ、そこに入っていた手鏡を使わせた。その瞬間、群集は光に包まれ、姿が変化していた。

周りの会話から察するに、おそらく全員が、リアルの姿に戻ったのだろう。たぶん俺自身も...

 

「...以上で〈ソードアート・オンライン〉正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の――健闘を祈る」

誰もが言葉を発する事さえ出来ず静寂が訪れていた空間は、その最後の一言を理解したプレイヤーの悲鳴。絶叫。罵声で埋めつくされた。

 

茅場晶彦――ベータテストが始まる前、初めて会ったあの時から、深く憧れを抱き、彼の紹介記事が載った雑誌は全て買っていた。だからこそわかった。彼の言っていることはすべて本当で、これは現実なんだと。この世界で死ねば本当に死ぬのだと。

それを理解した瞬間、俺は恐怖し蹲るリズの手を取り、はじまりの街の北西ゲートへと走り出していた。

 

 

 

 

 

 

 

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