アルフィミィちゃんになってスパロボ時空で暗躍する   作:アルフィミィ好き

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第1話

 

 

 

 世界はいつだって思い通りにならない。それはその通りだと思うし、現在進行形で俺は理不尽な状況に置かれている。だって、目の前にある全てが赤黒い肉の塊であり、無数の触手によって構成されている部屋に捕らえられているのだ。それも裸で拘束されている。つまり、18禁状態だ。それもかなりやばい状況といえる。

 何故なら視線を下にやれば俺の髪の毛ではない長い青色の髪の毛が動き、更にその下は胸が微かに膨らんでいる。そう、身体は女の子にされているのだ。俺は男だったはずなのにだ。

 故にやばい。手足は肉の壁に飲み込まれていて、頭しか動かない。こんな状況が少し前から続いているので、何度も泣き叫んでいた。そもそも最初は完全に肉の中で、顔から段々と外に出て行く感じだった。

 何度も泣き叫んで涙が枯れてからは何故俺はこんな目にあっているんだろうか? と自問自答を続けた。だが、答えはない。それに俺の記憶は複数人の記憶がとびとびで存在しているのが一つに集約されたかのようだ。

 しばらくぼ~と周りを確認していると、肉の壁から足が抜け落ちた。それは綺麗な肌をしていて、まるで生まれたてかのようだ。暴れて抜け出そうとするも、痛みがあるだけで動けない。

 諦めて待っていると、次第に腕も抜けて正面から肉の地面へと激突する。

 

「ぷぎゃっ!?」

 

 そのまま肉の地面から触手が伸びてきて、身体を拘束して肉の中へと引きずり込んでいく。思わず悲鳴をあげるが、抵抗する事などできなくて目の前が真っ暗になっていく。

 

目覚めよ

 

 声が聞こえて目を開くと、そこには数百メートルはありそうな巨大な植物の身体をした化け物が存在した。上半身は鎧で顔は昆虫のような感じで、身体の奥底から恐怖が湧き上がってくる。

 

「ひっ!?」

 

 慌てて声を上げて暴れるが、両手と両足は緑の触手によって拘束されていた。恐怖で漏らしそうになるけれど、そのまま引き上げられて化け物と目線を合わす事になる。

 

『どうやら無事に身体の生成は完了したようだな』

「……あ……」

『どうした? もしや生成に失敗したか? ならば破棄せねばならぬな』

「あがぁっ!?」

 

 答えに困っていると、新しい触手が首に巻き付いてくる。慌てて声を出す。ここで答えなければ問答無用で殺される。そんなのは嫌だ。死にたくない。死にたくない! 

 

「まっ、待ってください、ですの……」

 

 必死になって声を出すと、口から自然と言葉がでてきた。それもかなり可愛らしい声だ。

 

『ふむ。どうやら問題はないようだな』

「あ、あの、貴女は誰ですの?」

『我は貴様を生み出した造物主である』

「お、お母様ですの?」

『違う。貴様は我が外を調査するための駒だ。故に調査対象の場所で住む一番怪しまれぬ者を捕らえ、その者のDNAを基にして創造した』

「な、なるほど……?」

 

 よくはわからないけれど、とりあえずは人型で良かった。中身は人じゃないかもしれないけどね。

 

「ち、力はあるのですの? 貧弱な力ではどうしようもありませんのよ?」

『問題ない。DNAを基にして設計したとはいえ、貴様の身体は我等と同じ物だ。故にその力は存在している。沢山の物を取り込み、収集すればおのずと力が増えよう』

「……わ、わかりましたの」

『念の為、貴様の体内と影に護衛を仕込んである。その者達を通して我に報告せよ。それでは行け』

 

 目の前が真っ暗になり、身体が何処かに引っ張られる感じがしていく。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 少しの浮遊感を感じた次の瞬間、痛みが走る。目を開けると目の前には鼠色の地面と臭い感じの臭いがしてくる。顔を上げると室外機やゴミ置き場が近くに見える。その少し先には人が大勢歩いている姿も見えて、少しほっとした。

 そして、すぐに顔を真っ青にする。何故って? 俺は、私は身体を起こして、下を向けば綺麗な白い肌は何かで隠すこともなく、生まれたままの姿でいるのである。つまり、今は裸なのである。

 

「やばいですの。これはやばいですの。どう見ても裏路地のような場所で女の子が裸で座り込んでるとか、事案まったなしですの」

 

 思わず声に出してしまうほどやばい。見つかれば襲われるか、警察に通報されて保護されるかのどちらかだと思われる。そして、身分証もないし、化け物の事を考えると警察に連れていかれるのも詰みな気がする。

 

「服、服を寄越せですの」

 

 そうすると体内から触手が出て来て、身体を覆ってくれた。触手服とはこれまた十八禁くさい。そんな事をしていると、足音や話し声が聞こえてくる。思わず周りを見渡してゴミ捨て場にあるゴミ箱の中身を出してその中に隠れる。

 

「(ちっ)」

「(どうした?)」

「(ゴミが散乱してやがる)」

「(最悪だな)」

 

 何かを喋っているみたいだが、理解できない。きっと英語とかそんなのかもしれない。どちらにせよ、彼等が通りすぎるのを待っていると、ゴミ箱が蹴られて思わず悲鳴を上げそうになって口を押える。

 

「っ」

「(あ?)」

「(なんか隠れてやがるな)」

 

 ゴミ箱が倒され、中から転がり出ていく。顔を上げると外国人であろう男性が二人。彼等は私を見ると驚いてから、ニヤリと笑って手を出してくる。

 

「(売れば高そうな上玉だ)」

「(色々と楽しめそうだな)」

 

 好色に見られ、身体が本能的に恐怖と気持ち悪さを湧き出させてくる。

 

「いやっ! こないでっ!」

「(何を言っているのかわからないが、気にしなくていいだろう)」

「(そうだな)」

 

 腕を掴まれて引き上げられ、顔を至近距離から見られて首に折りたたみのナイフを当てられ、頬を舐められそうになる。叫び声をあげようとすると、異変が起こった。

 

「え?」

 

 私を掴み上げていた男の身体から何か熱い物がかかった。もしかして、男が出すアレかと思って恐怖しながら下を見ると、男の服から真っ赤な血が出ていた。それも緑色の触手が男の身体を貫いている場所からだ。次の瞬間には男は口からも血を吐いた。

 

「(おい、どうした!)」

 

 男が倒れ、私も地面にへたり込む。すると私の影から緑色の植物みたいな物が複数、出ていた。それはもう一人の男にも殺到していて、悲鳴をあげるその男の喉を貫いて声を出せなくした。更に触手の先端が食虫植物のように開いて男達の身体を捕食していく。

 

「うっ……」

 

 気持ち悪くなって吐きそうになるけれど、胃の中は空っぽだ。だから何も出ることはなかった。ただ、それも頭痛が襲ってくるまでだ。

 

「あぎぃっ!? いっ、痛っ、痛いぃっ!」

 

 頭を押さえていると、次第に痛みが治まってくる。その次の瞬間には私が知りえない知識が手に入っていた。触手によって食べられた相手の名前や年齢、住所、職業などプライバシーなんて関係なく全てを知る事ができた。こいつらは買春を斡旋しているような連中みたいで、殺した事には罪悪感を感じなくて良さそうだ。どちらにせよ、会話などの言語知識が手に入った事が嬉しいし、ここが地球であることも理解できたのが嬉しい。

 自宅に戻ればTS少女として生活すればなんとかなるかもしれないからだ。まあ、日本ではないみたいなのでどうしようもない。それにしてもこの吸収能力は結構便利ではある。色々と気持ち悪い知識や記憶も手に入ってしまうのが難点だが、言語が理解できるのとできないのでは難易度が全然違うからだ。

 

「あ、彼等の服……」

 

 そちらを見ると、綺麗に無くなっていた。残っているのは血痕くらいだ。財布も服も何もない。もうちょっと残す物を残して欲しいとは思う。記憶によれば数万$が入っていたはずだから。

 そう思うと身体の中から財布がぽろっとでてきた。どうやら、捕食した物は取り出せるみたいだ。試しに死体を思い浮かべるとそれは出てこなかった。

 

「き、君っ! 大丈夫か!」

「だ、誰か警察を呼べ! いや、救急車だ! 少女が襲われている!」

 

 声がした方を見ると、こちらを見つけた大通りにいた人達が慌ててやってきて、男性の一人が服を脱いで渡してくれる。その男性も触手は攻撃しようとしたので、慌てて停止命令を出すと大人しく身体の中に引っ込んでくれたのでほっとする。

 

「もう大丈夫だ。だが、この血は……」

「あ、それはその……」

 

 やばいと思って手を後ろにやりながらナイフを出すように念じる。すると触手がナイフを渡してくれた。なので、それを見せる。

 

「それは……」

「こ、これを奪って反撃しましたの。それで傷を負って逃げて……」

「な、なるほど。こちらに渡してくれるか?」

「は、はいですの」

 

 とりあえず、ナイフを渡す。これからどうなるかは怖いが、まあ護衛が使える事がわかったので警察に捕まってもどうにかなるだろう。むしろ最初は病院だろうし、そこで逃げればいい。

 そんな感じである意味では楽観視しながら決めていると、ポリスメンがやってきて事情を話すと女性警察官の人達に連れられて病院に連れていかれる事となった。

 パトカーに乗せられて、ふと窓を見るとそこには水色の青みがかかった髪の毛に真紅の瞳をした可愛らしい少女の姿が映し出されている。目と頬の間に特徴的な紋様が左右にあり、何処かで見た事がある気がする。そっと髪の毛を上げてポニーテールにしてみる。すると服装こそ白と黒のレオタードではないが、スーパーロボット対戦のアインスト・アルフィミィに非常に似ていた。いや、どこからどう見ても、彼女にしか見えない。それに影や身体に潜んでいる植物のような化け物。その特徴からしてアインストである可能性が高い。ましてや私を生み出したあの巨体は……アインストのノイ・レジセイアだと思われる。

 

「どうしたの? 大丈夫?」

「だ、大丈夫ですの」

 

 あははは、つまりこの世界は私の知っている地球ではなく、創作の地球である可能性が高い。それもアルフィミィという事はスーパーロボット大戦の世界というわけで、多種多様な勢力に襲われる絶望の未来の中、愛と勇気、友情と魂を使って打ち勝つ世界だということ。うん、セーブ&ロードはあるかな? 

 ない、ない。そんなのはない。つまり、私に待っているのは絶望の未来というわけだ。主人公勢力次第で運が良ければアクセルと一緒に助かるかもしれないけれど、基本的にアインストの女王のノイ・レジセイアが殺されたら一緒に消えることになる。そんなの嫌だ。

 しかも男から女に変わっているから、アクセルとそういう関係になるのもごめんこうむりたい。いや、アクセルは良いキャラだし、仲良くはしたいかもしれないけど男女の関係はノーサンキュー。ま、まあ、まだここがスパロボ時空だと決まったわけでもないから、大丈夫大丈夫。きっと多分。

 

 

 

 

 

後書きの設定を使うか使わないか。使わないならアルフィミィの部分を普通のアインストに差し替え

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