アルフィミィちゃんになってスパロボ時空で暗躍する   作:アルフィミィ好き

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ルリ


第14話

 

 

 

 

 お姉ちゃんと別れた後、私はレモンさんに連れられてラピス達と一緒に彼女の研究所にやって来ました。そこで私以外の子達は皆、培養槽の中に入って生命維持装置を付けられて緑色の液体に満たされていきます。

 

「そんなに心配しなくても大丈夫よ。アルフィミィちゃんから貰ったデータ通りなら、一週間から一ヶ月ぐらいでよくなるわ」

「良かったです……」

「それよりも、ルリちゃんの方は大丈夫なの?」

 

 機械を弄りながら、こちらを見ずに聞いてくるので、しっかりと答えます。

 

「大丈夫です。私はナノマシンにちゃんと適応していますから……」

「そうなのね。なら、問題はラピスちゃんだけね」

「ラピスに何かあるんですか?」

「直ぐに問題は表面化しないけれど、この子は他の子よりも急激に成長させたみたいで寿命がかなり減っているわ」

「それって……」

「細胞分裂を促進させたせいで、テロメア遺伝子に異常をきたしているの。症状は老化と短命になるのかしら?」

「な、治るんですか?」

「今の技術では延命はできても治療は無理ね。それこそ完全なサイボーグにするぐらいよ」

「そんな……」

「まあ、アルフィミィちゃんもわかっているでしょうし、私の研究テーマも似たようなものだから私達に任せなさい」

「あ、ありがとうございます」

「そうは言っても、早ければ早いほどいいから、アルフィミィちゃんがやってる技術情報の収集に期待かしら」

「技術情報……」

 

 そういえば研究所を襲ったのも私達を助ける以外にも技術を収集して力を蓄えるという事も言っていました。それを手伝って欲しいとも。

 

「わかりました。私も全力でお手伝いします」

「お願いね。それとアルフィミィちゃんを支えてあげて」

「お姉ちゃんを、ですか?」

「あの子、結構無理しているわよ。貴女達の前では弱みを見せていないかもしれないけれど、必死に外面を取り繕っているだけなの」

「そういえば……」

 

 お姉ちゃんがレモンさんに抱き着いた時を思い出し、ブレインコンピュータから記憶データを確認するとお姉ちゃんの身体は震えていました。それに車の中での事も取り繕ってはいたけれど、恐怖で表情が引きつってもいました。

 

「まあ、あの子は色々と隠し事は多いみたいだけど、悪い子ではないと思うの」

「確かに……まるで小動物みたいな感じです」

「必死に怖いのを押し殺して威嚇し、立ち向かおうとしている子猫みたいなものね」

「なんだか、納得できます」

 

 お姉ちゃんも必死にアインストと人の狭間で抗っているんですね。

 

「アルフィミィちゃんの事はルリちゃんに任せるから、行き過ぎるようなら止めて頂戴。ブレーキが壊れる可能性があるから」

「わかりました。出来る限りのことはします」

「それでいいわ」

 

 話をしていると、電話の呼び出し音が鳴り響きました。

 

「ちょっとごめんね」

「はい」

 

 レモンさんは電話に出て誰かと話していきます。

 

「わかったわ。すぐに行くから。ルリちゃん、悪いけれど私は緊急の会議に呼ばれたから行くわね。機械を触られるわけにいかないから、外に出てもらう事になるわ」

「確かに知識のない私が勝手に触ったら大変な事になりますね」

「ええ。薬は毒にもなるから、容量を間違えたら最悪死ぬわ。だから、アルフィミィちゃんの所でも行くといいわ」

「わかりました」

「案内をつけるわ」

「はい。ありがとうございます」

 

 研究室から出て、少し待つと兵士の人がやって来たので、その人に連れられてお姉ちゃんの所に向かいます。でも、途中でお腹がなっちゃいました。

 

「可愛らしい音だ」

「……これは……」

「食事を先にした方がいいだろう。行き先を変更しよう。まず食堂に行って補給をする。サンドイッチとかを買って持っていくのもいいだろう」

「そうですね。確かにお姉ちゃんもお腹が空いているかもしれません」

「研究者の連中は寝食を忘れて没頭するし、食堂まで来るのが面倒くさいと言うからな」

「……そう、ですね……」

 

 研究所に居た人達も何時までも私達の身体を玩具にしていた事が思い出されます。

 

「悪い」

「いえ、大丈夫です。それよりも案内をお願いします」

「わかった」

 

 食堂によって先に軽く食事を取ってから、ドリンクとサンドイッチが入ったランチボックスを貰って格納庫へと移動していきます。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 お姉ちゃんが居る格納庫に到着し、場所を訊くとお外みたいです。

 

「もうすぐ戻ってくるから、ここで待っているといい」

「わかりました」

 

 少し待つと、大きなエレベーターが到着して鋼の巨人が歩いてきました。その巨人は指定された場所に入ると、身体が拘束されていきます。その次に連絡通路が取り付けられ最後にコクピットの部分が開いて白衣を着たお姉ちゃんが出てきました。

 

火器管制装置(FCS)に少しERRORがありましたわね。武装と機体の接続が上手くいってないみたいですの」

「了解。修正する」

「頼みますの」

 

 通信機を使ってやり取りをして、すぐにコクピットに引っ込んでしまいました。私はどうしようかと考えていると別の整備員の人が手を引いてくれました。

 

「今から上に上がるからおいで」

「ありがとうございます」

「いいよ」

 

 リフトがある場所に到着し、機械を操作してリフトを呼び寄せました。それから私達が乗ると上へと登らせていきます。

 

「じゃあね」

「ありがとうございました」

 

 整備員の人と別れて連絡通路を通って、お姉ちゃんが居る場所に向かいます。

 

「お姉ちゃん……」

 

 声をかけると、床に寝そべりながら床の部分に何かをしていたお姉ちゃんがこちらを振り向きました。その顔は所々に黒い汚れがあります。白衣にも汚れがついています。

 

「あら、ルリですか。もうラピスはよろしいですの?」

「大丈夫です。それにレモンさんが緊急会議で居られなくなったので、こちらに来ました」

「そうですか。それなら丁度いいですわね」

「なんですか?」

「ルリもこの機体に乗ってもらうので、リニアシートとかの調整をしないといけませんの。IFSの関係もありますし、私とは少し違うでしょうから」

「わかりました。でも、その前にお姉ちゃんはご飯を食べた方がいいと思います」

「……そう言えば食べていませんでしたわね。でも、食べに行くのも面倒くさいですの……」

「そう言うと聞いたので貰ってきました」

「それはありがとうございますの。でも、見ての通り、手も汚れていますから……」

「なら、私が食べさせてあげましょうか?」

「それはいいですの! 是非ともお願いします!」

「は、はい……」

 

 凄い勢いで食いついてきたので、ちょっと引いてしまいます。それでも、気を取り直してお姉ちゃんにサンドイッチを食べやすいサイズに千切って口に持っていってあげます。

 

「ここはあ~んと言って」

「馬鹿ですか?」

「ルリちゃん、いけずですの」

 

 しばらく見詰めあっていても、動く気配がないので、口にねじ込もうとしましたが、口を開けません。

 

「はぁ……あ、あ~ん」

「あ~ん。美味しいですの」

「そうですか」

 

 仕方ないので、恥ずかしいですが言われた通りにします。まるで親鳥が雛鳥に餌を上げているみたいな感じです。少し、可愛いですね……って、私まで馬鹿になっています。このままだと馬鹿ばっかになっちゃいます。それは駄目なので、手早く食べてもらいます。

 

「そう言えばルリちゃんにもサポート用のAIを作らないといけませんわね」

「AIですか?」

「はいですの。名前はオモイカネ。これは決定事項ですわね」

「オモイカネ……」

「まあ、それはこちらで作ってプレゼントしますのでもうしばらくお待ちくださいですの」

「わかりました。それで、私はどうすれば?」

「まずはリニアシートに座ってくださいですの」

「はい」

 

 言われた通りに座ると、お姉ちゃんが椅子を調整していきます。無理矢理接続されたようなIFSの制御装置になっている赤い宝玉に触れます。すると身体の中に電気が走ってきました。

 

「っ」

「大丈夫ですの?」

「平気です。少し、ビリっとしました」

「精査して、ERRORを修正してくださいですの。機体に合わせるのではなく、ルリに合わせるようにお願いしますね」

「いいんですか? 機体の方を弄らないといけなくなりますが……」

「ルリの方が優先ですの。それに戦闘中に一々痛みを感じていたら話になりませんの。コンマ数秒の内にコマンドを入力しないといけないかもしれないのですから」

「わかりました。修正してみます。でも、わからない場所があるので……」

「ルリがわからない?」

「お、教えてもらってないので……」

「え? あの電子の妖精がわからない……あっ」

 

 不思議そうに聞き返してきたお姉ちゃんが一瞬で、顔を青くしました。それから何かに気付いたようです。

 

「すいませんの。教えていませんでした。すぐに全てのデータを送信しますの。それから手取り足取り、教えさせていただきます」

「お願いします。ところで、電子の妖精ってなんですか?」

「ルリのコードネームですの」

「……わかりました。お姉ちゃんのコードネームはなんですか?」

「私のは……鬼面の者?」

「鬼面なんて持ってるんですか?」

「まだ持ってませんの。というか、考えてもみませんでした。いっそ、左右に鬼面でもつけますか」

「止めておいた方がいいと思います……」

「それもそうですわね」

 

 お姉ちゃんに教えてもらいながらIFSを使って私に会うようにシステムを構築し直していきます。お姉ちゃんは私に教えながら外の人と会話しながらどんどん修正していきます。ナノマシンに関しては白衣も合わさってまるで専門の研究者みたいです。

 

「あ、モニターが六枚ほど死にましたね。ヒューズが飛びましたわね。動力炉の制御システムから修正しないと……ルリ、動力炉の調整はルリの仕事になりますので、どんな感じがいいか考えておいてください」

「……やる事が多いです……ちょっと、自信がありません」

「まあ、私も初心者ですからあまり自信はありませんの。ですが、やらなくてはいけません。それに安全装置もちゃんと施してありますので、慣れるまではこれでいきますの」

「わかりました。頑張ります」

 

 それから、システムを修正して私の思う通りに動かせるようになりました。とりあえず、ソフトを作って効率化できるようにすればいいと、お姉ちゃんから学び取りました。照準補正プログラムとかも組まないといけないらしいですが、近接戦闘用のは必要ないみたいです。そちらはお姉ちゃんが連邦軍から無断で貰ってきたそうなので、それを改造するみたいです。

 

「だ・か・ら、リボルビング・ステークを取り寄せて両手に装備させますの。ゲシュペンストMK-Ⅲに使われているのですから、簡単でしょう?」

『これ以上機体バランスを崩してどうするんですか!』

「接近された時の対策としては優秀な火力ですわよ! 何よりロマンですの!」

『それはわかりますが、とりあえずすぐには無理です。諦めてください』

「ちっ、何処かで鹵獲してきましょうか……」

『これから宇宙に向かうので諦めてください』

「わかりましたの。それとテスラ・ドライブは手に入れておいてください。アレは絶対に必要です」

『宇宙から帰ってこられるまでにはなんとか頼んでおきます』

「よろしくですの」

 

 お姉ちゃんはお話が終わったか、通信を切ってこちらに来ました。

 

「そちらの状況はどうですの?」

「こちらは終わりました。こんな感じですけれど……」

「……はい、問題ありませんの。流石はルリですの。ただ、ここの部分はあえて長くして含みを持たせ、キャンセルできるようにしておいてください。無駄の無い綺麗なプログラムですが、相手の行動次第によっては別の装備に変える必要もありますしね」

「確かに……でも、よくわかりません」

「なら、格闘ゲームをしましょうか」

「えっと……」

「まあ、後回しでいいですの。それじゃあ、次は一緒に動かしてみるですの」

「……はい……」

 

 緊張しながら、お姉ちゃんに言われた通りに操作してヴァングレイを動かしていきます。歩いたり、走らせたり、出て来た敵の情報を分析したり、色々な事を試してその都度修正を入れていきました。

 気付けば深夜になっていて、格納庫にあるヴァングレイを動かしてトラックに寝かせて乗せます。そのままトラックでエレベーターに乗せて外に運び出し、滑走路の方へと移動しました。

 そちらではスペースシャトルが用意されており、その機体にヴァングレイを乗せていきます。これでもうやることはなくなり、ホッとしたら急に力が抜けてきました。

 

「さて、今日はもう寝ますの。明日の朝一で出発になりますからね」

「そうですね……」

「ごめんなさい。今すぐ出てちょうだい」

「「え?」」

 

 振り返ると、レモンさんとアクセルさん。それに見た事のない男性が居ました。

 

「どういうことですの?」

「南極で異変が起きた。現れたアンノウンに対処するため、軍は核を使用した」

「思い切りましたわね」

「それだけ相手の兵力がおかしい。今もなお増え続けている。最初の連絡では700だったが、既に3000を超えた」

「最初に聞いた時は愚かだと思ったが、相手の戦力が想定を軽く超えてやがる」

「まあ、核がどこまで有効なのかもわからないし、ほぼ効いていないみたいだけど」

 

 私はお姉ちゃんの方を見ますが、表情は変わっていません。

 

「迎撃されたのではありませんの?」

「だろうな。ほとんど撃ち落とされたらしい」

「どちらにせよ、連邦は正気ですの?」

「残念ながらな。南極にそこまでメリットがないというのも理由の一つだろう。それにアンノウンが海を渡ろうとしたら、次はブラックホールまで使う気だ」

「理解に苦しみますの。地球が崩壊する可能性がありますのよ?」

「それよりも、政府や軍の上層部は火星やプラントを警戒しているみたいだ」

「それにもう一つ連中が強気なのは理由がある。だが、それは教えられん」

「わかりましたの。そちらは良いとして、何故今から行かなくてはいけませんの?」

「俺達に南極の近くで全部隊を持ってアンノウンを警戒せよって命令が届くからだ。で、そうなると戦力の全てをそちらにまわさないといけない。シャトルでヴァングレイを運ぶ事だって無理になる」

「ヴァングレイも戦力に数えられるから……」

「そういう事だ。そんな訳で、さっさと行ってもらう。これなら、まだ言い訳が立つしな」

 

 ヴァングレイをコロニーに届けたら、シャトルは戻せばいいだけだからでしょう。後は偽装するだけですね。

 

「では、今から出発するとしますの。ルリもいいですか?」

「大丈夫です」

「着換えなどはこちらで用意しておいたから、問題ないでしょう。気をつけていってらっしゃい」

「ラピスの事をお願いします」

「お姉様、皆の事を頼みます」

「ええ、任せてちょうだい」

 

 それから、見送られながらスペースシャトルに乗り込みました。私は席についたらすぐに眠ってしまいました。

 

 

 

後書きの設定を使うか使わないか。使わないならアルフィミィの部分を普通のアインストに差し替え

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