アルフィミィちゃんになってスパロボ時空で暗躍する   作:アルフィミィ好き

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マッハの部分をGに修正させていただきました。ありがとうございます。


第17話

火星 レイレガリア・レイヴァース

 

 

 

 現在、私、レイレガリア・レイヴァースが居る場所は火星。そこにある古代文明の遺跡。その深部で主だった者達を集めて話し合いが持たれている。

 私の前にあるモニターには現在の地球の状態が映し出されている。地球ではアインスト・ネメシスとその支配下にあるであろうアインストと呼ばれる生命体が地球と月、周辺の宇宙空間に出現して地球人類に対して警告を行った。我々はこれについて話し合いをしているというわけだ。

 

「父上。連邦政府は南極に進攻しようとした事で報復として高官が腐敗している証拠を世界中にばら撒かれたようです」

「警告か」

「おそらくは……」

 

 息子であるギルゼリアが私に報告してくる。この部屋に居るのは私とギルゼリア。それに火星の軍として用意する騎士達だ。

 

「陛下。現状、地球は各地でデモが起こり、混乱しております。今ならば建国も容易くできましょう」

「否。そもそも陛下と我等火星騎士の力を持ってすれば容易い事!」

「実際に転移技術による奇襲の有用性はアインストが証明してくれました。ボソンジャンプを使えばどうとでもなりましょう」

「ボソンジャンプか……しかし、A級ジャンバーは数が少ない。大規模な転移はハイパーゲートを使わねばならぬ」

 

 古代文明の管理システムより私は継承者として認められた。だが、それはジャンバーとしての素質があったからだ。現在、火星に住んでいる王族は全員がA級ジャンバーとなっているが、騎士達はB級ジャンパーだ。A級とB級はボソンジャンプをする時に思った通りの場所に跳躍(転移)できるか、できないかの違いだ。

 

「どちらにしろ、ハイパーゲートの確保はしなくてはならないだろう」

「その前にですが、アインストの語っていた事は事実ですか?」

「事実である。システムがそう言っていたが、もう一度聞いてみるとしよう」

 

 私は実際にシステムをここに呼び出して聞いてみる。

 

「アインストについて知りたい。答えてくれるか?」

『畏まりました。アインストは我等の文明より遥か太古から存在する精神生命体です』

「精神生命体……身体を持たないのか?」

「だが……」

『彼等はその地球に生命の種を撒き、生物の進化を見守ってきました。しかし、それが一定以上の文明になり、地球に害となると判断され、幾度も文明を滅ぼしては生命の種を撒き直しております』

「それでは箱庭ではないか!」

『その通りですギルゼリア。アインストは滅ぼす過程においてその生命体を取り込み、解析して研究し、自らに適応させて進化している事が我等の文明では判明致しました』

「収穫の時期が来たら刈り取るというわけか……目的は進化か?」

『不明です。代弁者を名乗る存在はその都度現れましたが、かの者達は地球を守る事に固執しており話になりませんでした。また、まれに代弁者を説得できたとしても女王の命令は絶対のようで、不必要と判断された場合は消滅させられた記録があります』

「破滅の王に関しての情報はあるか?」

『ございません。しかし、アインストがあそこまで必死になるのであればその可能性が非常に高いと思われます。その者に対抗する為にひたすら進化を繰り返しているというのなら納得できると思われます』

「確かにそうだな」

「ああ」

 

 しかし、古代火星文明を滅ぼしたのがアインストであるのならばこのままでは不味い。我々がアインストと戦って勝てればいいが、勝てる可能性は限りなく低い。何せ、我々はアインストに滅ぼされた古代火星文明の技術を使っているだけなのだ。敗北する可能性の方が遥かに高い。

 

「では、どうしますか?」

「地球を破壊しないように制圧するのは可能か。いや、それ以前にアインストを滅ぼす方法はあるのか?」

『アインストを滅ぼす方法は単純です。延々と戦力を送り込んでくる女王が居る空間へと攻め込み、勝利すれば良いのです。その為にはアインストの転移反応を解析したり、ビーコンを打ち込んで回収させたりなどがあります。我々はアインストに対抗するために延々と技術開発を続けております。木星でも200年ほど前にやってきた人類に力を貸しました。データでは特殊なエネルギーを生み出す炉心の開発施設を提供したと残っております』

「ならば木星に連絡を取り、同盟を結ぶ」

「そこは我等が支配するのでは?」

「それでは連邦政府と変わらん。我等はあくまでも連邦政府の横暴な態度に我慢できずに立つのだ。プラントや木星の者達も我等の同胞として迎え入れ、地球とアインストを撃ち滅ぼす」

「畏まりました。ですが、まずはハイパーゲートを確保しなくては話になりません。奴等はこちらに転移して核を打ち込んでくるでしょうからな」

「いや、それならこちらから閉じれば良いのではないか? 木星やプラントと同盟を組み、準備が整うまではプラントに地球連邦軍の相手をしてもらえば我等に被害は少ないだろう。代わりにこちらは兵力を提供すればよい」

「プラントならば兵力よりも食料や資源などの方が喜ばれるだろう」

「であるな。システムよ、ハイパーゲートを閉じる事はできるか?」

『了解しました。アクセスを開始します。エラーが発生しました。原因を解析します』

 

 どういう事だ? 今までシステムにバグがあったことなどない。これはかなり不味い状況かもしれん。皆も不安がっておる。

 

『判明しました』

「して、どうじゃった?」

 

 ゴクリと唾を飲み込みながら聞いてみるのだが、システムから帰って来た返答は──

 

『該当施設であるハイパーゲートは……アインストの浸食を受けています』

「「「っ!?」」」

『その為、こちらからアクセスして停止させる事ができません。偽装されていて気付けませんでした。月に超大型アインストの反応を確認。排除を要請します』

「要請を受託した。これより、我々は独立を宣言し、月へと攻め込む準備を行う。狙いはハイパーゲートの奪還もしくは破壊だ。良いな?」

「「「はっ!」」」

「全軍の指揮はギルゼリア、お前が取れ。王族となるならば、皆に自ら先頭に立って示さねばならぬ。良いな?」

「お任せください! 必ずや父上のご期待に答えてみせます!」

『進軍準備を開始します。こちらはどうにかハイパーゲートの防衛を行います。余り時間はありません』

「ああ、わかっている。頼むぞ」

『そちらも子供達をよろしくお願いいたします』

「うむ」

 

 古代文明が残したシステム。それを十全に運用するには言語すらも違う我々ではまともに意思疎通ができない。それを解決する方法はただ一つ。人体をヒューマンインタフェースとして中継器とする事だ。故に私は病によって死にかけているアセイラムの母親を差し出した。彼女はシステムによって生かされたが、同時にそれはシステムの一部として延々と生きる事になる。彼女の意思でもあったが、それが良かったのかは未だにわからない。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 ネオ・ジャパンコロニー アルフィミィ・ブロウニング

 

 

 

 

 今日も今日とてネオ・ジャパンの名前がついているコロニーで楽しく、楽しく研究ですの。アインストの事もあり、政府は非常事態宣言を発令し、軍備増強に舵を取りましたの。これによって軍事技術に関する事に予算が大幅に増額されました。

 

「はい、アルティメットガンダムのシステムチェックが終わりましたの。これで問題ありませんわ」

「うむ。ようやくここまできたか……」

「まだ戦艦は終わっていないが……」

「あっちはほぼ既存の品を改造するだけだからな」

 

 私が渡したデータを確認しながら、カッシュ博士は視線をドックの方へ向けます。そちらでは現在、アルティメットガンダムが組み上げられていますの。といっても、シャイニングガンダムみたいな普通の大きさではなく、かなり大きくて太くて硬いですの。

 その隣には大型の戦艦が設置されております。こちらは地球連邦政府から驚きの設計図が渡されました。なんとトライロバイト級万能戦闘母艦ですの。こちらはシャドウミラーが使用する大型艦で、宇宙・空中・水中での運用が可能ですの。というのも、スペースノア級万能戦闘母艦に対抗して建造された艦なので当然です。この子は武装よりもステルス性と搭載能力を重視した設計になっており、テスラ・ドライブで航行しますの。そう、新型のテスラ・ドライブですの。

 テスラ・ドライブは重力制御と慣性質量を個別に変動させることが出来る装置であり、小型化と高性能化した事で今作られている機体には次々と乗せられて標準装備となっておりますの。でも、残念ながらヴァングレイちゃんには装備されていませんの。まあ、突貫機体ですから、仕方がありませんの。

 ちなみにこのトライロバイト級万能戦闘母艦は無茶苦茶改造されております。まず巨大なアルティメットガンダムがドッキングしたり、シャイニングガンダムなどを格納できたりするようにしてあるので更に大型化しておりますの。追加されている物としては物質を分解してナノマシンを製造する工場。そのナノマシンで修理するパーツの生産上場と地球環境を解析して修繕するナノマシンを作成する工場。自動でナノマシンが母艦と機体を修復してくれるドックの改装。カタパルトシステムもテスラ・ドライブを利用した電磁カタパルト。テスラ・ドライブは重力制御と慣性質量を個別に設定できるので、合わせる事で超加速を可能としますの。

 発射された機体はテスラ・ドライブでフィールドを展開しないと空中分解待ったなしですが、何も問題ありませんの。正直、まともなパイロットはただの弾丸になるのですが……モビルファイターなら問題ないでしょう。私とルリちゃんでも数回の気絶と何十回も吐きましたが……テストしたキョウジ・カッシュさんは二回で慣れました。化け物ですの。

 ちなみに武装はVLSミサイルランチャー、ターニング・ビーム、DOBキャノン、拡散粒子弾が多数配置。バルカン砲も対空装備に用意してあります。艦内にも無人防衛システムを多数配備。そして防御系のエネルギーフィールドと小型化した最新式テスラ・ドライブと大型の戦艦用高性能テスラ・ドライブを更に追加したことでフィールドも展開可能。外側はテスラ・ドライブのフィールドで銃弾やビームの方向を逸らし、貫通してきてもエネルギーフィールドで防御しますの。そして、肝心のエネルギーですが、プラズマジェネレーターを複数連結する事で膨大なエネルギーを生み出しております。本当は時流エンジンとか搭載するといいんですが……

 

「いや、これはもう新造のような物ですの」

「はい。原型をとどめていません。というか、お姉ちゃん……やりすぎでは……?」

「……やっぱりですの?」

「はい」

 

 デビルガンダムをイメージしたガンダムヘッドの戦艦ちゃんは資材回収用の触手もあるので……これ、どう見ても合体したらデビルガンダムですの。

 

「ヤッちゃったですの」

「馬鹿ですか? マッドなのですか?」

「テヘペロ」

「……」

「ああ、ジト目は止めてくださいですの! 新たな扉を開いちゃいそうですのよ?」

「はぁ……ちゃんと対策はとってありますよね?」

「自爆装置と緊急用の強制停止コードに加えて自壊コード。脱出装置なども完備してありますが……あくまでも人が操作しないといけませんの。まあ、最低でも10人以上のIFSを持つ人が必要ですわね。十全に動かすなら100人くらいは欲しいですの」

 

 まあ、工場類は全部AI制御させればそこまでの人数は必要ありませんの。ただ、暴走した時の被害がとんでもないので最低でもナノマシンに関する場所には人が欲しいですわね。ああ、ちゃんと人を取り込むような機能はつけておりませんの。

 

「アルティメットガンダムのテストをする。アルフィミィ君、ルリ君、手伝ってくれんか?」

「畏まりましたの博士」

「わかりました。ヴァングレイの用意をします」

「お手柔らかに頼むよ、二人共」

 

 こちらにやってきた男性が私とルリちゃんの肩に手を置いてそう言ってきます。上を見上げればそこにはアルティメットガンダムのパイロットであるキョウジさんがいます。イケメンでムカつきますの。

 

「はい、任せてください……」

 

 特にルリちゃんの頬が少し赤くなっているところが気に入りませんの。そんなわけで、ルリちゃんを抱きしめて威嚇しますの。

 

「シャァー」

「悪かった。それよりも頼むぞ」

「ボッコボコにしてやりますの。武術ではボッコボコにされていますからね」

「仕返しか」

「ですの」

「お姉ちゃん……」

 

 せっかく、キョウジさん……シュバルツ・ブルーダーの中身が居るんですから格闘術に関して修行をつけてもらいました。その時にこのアルフィミィちゃんの美少女ボディーを無茶苦茶お触りしてきますの。

 

「いろんなところを無理矢理触られた恨みは返しますの」

「キョウジさん?」

「違う。誤解だ。殴ったり蹴ったりしただけだ」

「お姉ちゃん?」

「嘘は言っていませんの」

「まったく……お姉ちゃんがごめんなさい」

「いや、構わない。それにこの頃はかなり強くなっているから、俺もいい修行になる。ドモンに会わせてみたいぐらいだ」

「是非、お願いしますの」

「なんだ、弟に興味があるのか?」

「ええ、とってもありますの。流派東方不敗に」

「そっちか」

「私は女の子が好きなのです。男なんて必要ありませんの」

「おいおい……ルリちゃんは大丈夫か?」

「私はどうでもいいです。お姉ちゃんとラピスが居れば……」

「ルリちゃん!」

 

 思わず強く抱きしめてしまいましたが、仕方がありませんの。まあ、実際問題としてアインストは単為生殖(たんいせいしょく)*1ができるので本当に男が必要ではありません。ですから、ルリちゃんに男は私達以外に必要ありませんの! 

 

「スリスリ止めてください。それと痛いです」

「あ、ごめんですの」

「仲が良いのはいいが、余り可愛いがりすぎると嫌われるぞ」

「実感が籠っていますの」

「もしかして弟さんですか……?」

「ああ」

「なるほどですの。私も気をつけましょう。それはそれとして、私にもアルティメットガンダムを乗せて頂けますか? 開発者の一員として自分で動かして問題点を改善しないといけませんの。キョウジさんからの言葉では伝わりにくいことでも、私が実際に動かすことでわかる事もあるでしょうしね」

「親父達に聞いてみるか」

「お願いしますの。こればかりは博士達ではできないですの」

「確かにな」

「お年を召しておられますから、危険ですね」

「そもそもモビルトレースシステムがそのように出来ていないからな」

 

 モビルトレースシステムは完全に人を選ぶ格闘家などの武術家用のシステムですしね。

 

「何をしている! 早く移動せんか!」

 

 カッシュ博士からお怒りを頂いたのでさっさと移動しますの。

 

「怒られたから急ぐか。パイロットスーツはちゃんと着ろよ」

「でも、パイロットスーツは窮屈ですの」

「宇宙なんだから一応な」

「は~い。ルリ、行きますの」

「はい。それではまた後で」

「ああ」

 

 キョウジさんと更衣室の前で別れ、中に入ってからパイロットスーツへと着替えますの。キョウジさんの方も一応、モビルトレースシステム用の宇宙服に着替えます。こちら、ヘルメットつきの奴ですが、宇宙空間でも普通に活動できる奴ですね。原作ではありませんでしたが、流石に宇宙空間で顔出しは不味いですの。いくら何重にも安全対策を取られているとはいえ、コクピットが壊れて空気が抜けたら終わりですしね。

 

「お姉ちゃん、このパイロットスーツはどうかと思います」

「あら、とっても可愛いですの」

「でも、これは……」

 

 ルリちゃんのパイロットスーツは猫耳のフード型ですの。緊急時にはボタン一つでヘルメットに早変わり。前の部分もしっかりとシールドに覆われるので酸素供給もできます。何より猫耳に演算機器を、籠手にワイヤーアンカーを。猫の尻尾部分にはレーザーなどの器具が取り付けてあるので色々と便利になりますの。まあ、偽装用ですわね。私のは普通の奴です。あんな可愛いの着る勇気はありません。ちなみにナノマシン技術がふんだんに使われていて、お値段はなんと一着四千万ですの。性能的にはとても便利ですが、正直ハイエンドモデルですの。

 

「さて、行きますの」

「はぁ……わかりました」

 

 更衣室から出てヴァングレイがあるドックまで移動します。ここ数日でヴァングレイの調整も終了し、テスラ・ドライブも小型化した奴を左右のミサイルポットに取り付けが終わっていますの。後、トールギスを真似て作ったスーパーバーニアも背中に設置してありますので、ブースターマシマシですの。これぞ高難易度の超高速戦闘ができる馬鹿みたいな機体ですの。普通のパイロットが乗ると死にます。ああ、コウ・ウラキなら生き残れて適応するかもしれません。

 

「お姉ちゃん、やっぱりこれは止めない?」

「問題ありませんの。慣れれば楽しいですのよ? それに私達は進化していきます。ですから、大丈夫です。というか、これくらいの速度を出せないと普通に落とされてしまいますの」

 

 化け物みたいなエースパイロットに対抗する方法として、手っ取り早いのが馬鹿みたいな速度で移動することですの。射撃のタイミングだけ速度を落として長距離狙撃。それも緩急をつけることで相手に予測させないようにしますの。ルートはゼロシステムを使って構築し、途中で適当に遊びも含ませますの。これでこちらも予測不可能にしてやりますの。

 

「射撃技術も格闘技術もない私達がエースに勝つためには急制動、急加速を使った高速戦闘ぐらいですね。大丈夫。テスラ・ドライブによるフィールドもあるので基本的には攻撃は防げますし、壊れても修理装置もあります。それに敵の中心部で適当に弾幕を張って逃げればいいだけですし?」

「うぅ……」

 

 正直、戦争が始まりそうなのでこれぐらい馬鹿みたいな事をしないと本当に勝てませんの。相手はボソンジャンプと特殊能力を使ってくるカタストロフですしね。

 

「慣れれば楽しいですの。それに最高速度で慣れてしまえば普通の速度では物足りなくなりますの」

「それはないと思います」

 

 ヴァングレイのコクピットに乗り込み、対G対策が施されたリニアシートに座りますの。シートベルトをしっかりと閉めてIFSを起動します。ルリちゃんと二人で全てのシステムをチェックし、機体を動かしてみて問題ないかを確認しますの。

 

「こちらは問題ありませんが、そちらはどうですか?」

「こちらも大丈夫です」

 

 発進シークエンスを開始して、カタパルトで撃ちだしてもらいます。まず慣らし運転に20G(706.0788km/h/s)で移動していきますの。テスラ・ドライブの重力制御などによるフィールドとパイロットスーツなどでGはかなり軽減されていますが、それでも多少はかかってきます。

 

「慣れました。上げてください」

「了解ですの」

 

 スラスターを上げて更に速度を出しますの。回避軌道を含めて練習していきます。ちなみに全部のスラスターとブースターを使えば最高で30G(1,059.1182km/h/s)が限界ですの。基本的に私が十全に操れる状態で戦闘行動を開始するのは25G(245.16625km/h/s)からです。これ以下では軽く潰されてしまいます。だいたい25Gから30Gで頑張って動き続けないとアクセル達クラスになるとすぐに撃墜されますの。

 なお、ナノマシン技術による強化がないとデブリとかは問題ないですが、隕石や小惑星に突撃して埋まります。下手をしなくても機体がヤバイことになって回避とかできませんの。

 というか、テスラ・ドライブ二基搭載したら、外宇宙探査船開発計画プロジェクトTDと同じ事をしていますの。それに加えてスーパーバーニアまでつけていますので、アイビスとフィリオの先に居る事になります。ただ、あちらが凄い事はツイン・テスラ・ドライブを生身の人間であるアイビスが行うということですわね。彼女も正真正銘の化け物(エース・オブ・エース)ですの。キョウスケやアクセルと同じレベルになりますの。

 

「目標地点に到着まで約20秒です」

「はいですの」

 

 機体を逆噴射で制動をかけて停止させます。ツイン・テスラ・ドライブを停止させるのにスーパーバーニアが必要とも言えます。どちらも相殺させないとまともに止まれませんしね。まさしく動く棺桶ですの。

 

「来ます」

 

 ネオ・ジャパンコロニーの方から高速で接近してくる機体は電磁カタパルトとテスラ・ドライブで打ち出されてきたアルティメットガンダムですの。こちらの数倍はある大きさで武装も色々とやばいですの。

 今回、アルティメットガンダムは上半身はそのままで、足の部分に赤い装甲パーツをつけてバランスを取った形ですの。装甲パーツには色々と仕掛けがありますので、戦闘にも十分に使えますの。

 

『待たせた。相変わらずおかしい速度をしているな』

「それが売りですもの」

「お姉ちゃんはやりすぎだと思います」

「だって、そうじゃないと負けますもの!」

「まったく、負けず嫌いなんですから……」

『そうだね』

「キョウジさんもです」

 

 とりあえず、二人して明後日の方向を見ておきますの。そうしながら機体を動かしてリングの中に入っていきますの。少し待つと、モニターに画面が現れます。

 

『注意事項を良く確認してください。

 1.頭部を破壊された者は失格となる。

 2.相手のコックピットを攻撃してはいけない。

 3.1対1の戦いが原則である。

 構いませんか?』

「「『問題なし(です)』」」

 

 このリングは宇宙空間に設置されているもので、機体が入ると自動的に流れて中継されますの。要は模擬戦用のバトルフィールドですわね。これがある場所では戦闘行為が行われていても申請さえしていれば問題にはなりません。

 

『これより、スーパーロボット対戦を開始いたします! 対戦者はアルティメットガンダムVSヴァングレイ! それでは! スーパーロボット対戦・レディィィィゴォォォォォォォ!』

「「『っ!』」」

 

 声と同時に後ろに全力で下がり、加速していきます。というのも、相手との距離は結構近いので、加速する時間がありませんもの。キョウジさんもそれがわかっているので、初っ端から全砲門を開いて一斉射撃してきますの。

 

「ルリちゃん!」

「はい。チャフを放ちます!」

 

 即座にヴァングレイの足にあるミサイルポットからミサイルが放たれ、相手のビームによって爆発します。そこからチャフがばら撒かれて誘導用の電子システムを崩しますの。それに目隠しにもなりますので、これで逃げられます。

 拡散粒子弾が無数に追ってきますが、ツイン・テスラ・ドライブとスーパーバーニアの加速性能でマニューバーを行いながら回避し、フィールドを展開したら即座に弧を描くようにして反転して突撃しますの。

 

「お姉ちゃん、月光です」

「OKですの」

 

 右腕に備えるレールガンを放ちながら、念の為にシールドを構えて突撃します。相手もそれを読んでいるので、こちらに両手を構えてきますの。ある程度接近したら両肩部に懸架している可変速粒子砲、疾風を放って逆に下がりますの。このまま行ったら、投げられるだけですからね。そのまますぐに直角へと上がってから相手の上を通るコースへ移動。ゼロシステムから無数の拡散粒子弾の軌道が送られてくるので、それを回避するようにして相手の背後に周り、背面に懸架している大型の陽電子衝撃砲を右腕に構えてポジトロンカノンを発射しますの。

 

「行けですの!」

 

 狙うのはアルティメットガンダムのスラスターですの。でも、それも相手が高速移動で回避されるのがゼロシステムでわかっているので、突撃しますの。ポジトロンカノンはルリちゃんが直してくれて、次にプラズマカッターを用意してくれます。

 アルティメットガンダムは無理に避けた体勢になりますが、すかさず裏拳を放ってきますの。それを斜め下に下がるようにして横を回転しながら通り、プラズマカッターで切り裂きます。

 

「ダメージはどうですの!?」

「軽微です。もう治りましたね」

「ちっ。自己再生は反則ですの」

「こちらも搭載してますよ、お姉ちゃん」

「それはそれ、これはこれですの。というか、プラズマカッターの出力が低すぎますの」

「これでも最大です。テスラ・ドライブ二機とスーパーバーニアにエネルギーを回しているんですから」

「動力炉だけはどうしようもなかったから、仕方がありませんの」

 

 テスラ・ドライブとプラズマジェネレーターの重力制御理論は地球連邦の施設から奪ったデータと実物である程度はアインスト経由で理解できました。しかし、動力炉の高性能化と小型化は難しいですの。

 

「お姉ちゃん!」

「っと」

 

 アルティメットガンダムの尻尾がこちらに放たれていましの。それを慌てて回避すると、そこに尻尾の先端にあるビーム砲が火を噴きます。ツイン・テスラ・ドライブのフィールドで防ぎながら、なんとか逃げますの。モビルファイター相手に接近戦とか自殺行為ですし仕方がありませんの。

 

「偏差射撃してもアルティメットガンダムの装甲が硬すぎますの」

「それに再生されますし……」

 

 こちらの攻撃で有効なのはやはり大口径の陽電子衝撃砲・陣雷ことポジトロンカノンですの。それ以外のはたいしてダメージを与えられませんわね。

 

「仕方がありませんの。ルリ、アレをやりますの」

「わかりました・アサルトコンバットパターン・烈火。開始します」

 

 両肩に搭載されたミサイルの煙幕弾、閃光弾、通常弾を発射し進行方向に煙幕を形成しますの。発射したミサイルをくぐり抜けつつ煙幕の中から右腕のレールガン・月光と両肩部に懸架している可変速粒子砲・旋風で攻撃を行いますの。

 煙幕を出た閃光弾がアルティメットガンダムをかく乱したところで旋風が着弾。次にミサイルが着弾する中で、敵を円の動きで追い込みそこへ両腕のシールド裏に装備している電磁加速銃・月影とカバーをずらして展開した胸部マシンキャノンによる集中砲火、パージしたミサイルポッドへ追い込み遠隔操作で背後から攻撃しますの。これを超高速でランダムにした軌道でやります。宇宙空間なのでミサイルポットも浮かせられますし、大丈夫ですの。

 

「これでやりましたか?」

「ルリ、それはフラグ、ですのぉぉぉっ!」

 

 爆炎の中から伸びて来た腕を回避しますが、パージしたミサイルポットが捕まれて光になって消えますの。

 

「ごめんなさい」

「いや、ルリのせいではありませんの」

 

 しかし、本格的に完成したアルティメットガンダムには勝てませんの。それこそ、禁止されているコクピットにポジトロンカノンを叩き込むか、突撃して自爆のようにするぐらいですの。こっちの高速マニューバーも弾幕で対応されますし。

 

「う~ん、火力が足りませんの」

「ヴァングレイを改造するのはこれぐらいが限度です」

「これ以上の改造はもう別物ですものね」

 

 それに正直言って、プラズマカッターよりも実体剣の方がいいかもしれませんの。

 

「まあ、よいですの。こうなれば格闘訓練といきますよルリ!」

「わかりました。頑張ってください」

「はいですの!」

 

 スラスターとスーパーバーニア、ツイン・テスラ・ドライブを全開にして音速のゲシュペンストキックならぬヴァングレイキックを放ちますの。相手が反応できる速度を超えて放つ必殺技はアルティメットガンダムのエネルギーフィールドで減速し、相手に向かいます。そのタイミングでアルティメットガンダムの尻尾から高出力のビームが放たれてこちらのフィールドで激突して、軌道をずらされましたの。

 そこで光る腕に足が捕まれてアルティメットガンダムごとグルグルと回転していきますの。こちらもいっその事、回転の速度をあげて相手を逆にグロッキーにしてやります。速度は圧倒的にこちらが上ですが、パワーはアチラの方が上。そしてそのまま隕石にぶつけられそうになります。

 

「お姉ちゃん」

「はいですの」

 

 ポジトロンカノンを取り出してそれを腕にあてて至近距離から放って破壊してやります。こちらもポジトロンカノンが使用不可になりましたが、問題ありません。その辺に放り捨ててから距離を取り、牽制に月光を放ちます。

 

「このまま逃げていればポイント勝ちができますが……」

「模擬戦でそんな事はできませんの。それなら敗北の方が経験が稼げるですの」

「わかりました。じゃあ──あ、待ってください。広域通信です」

「キョウジさんに連絡して模擬戦を中断。広域通信を確認しますの」

「はい。こちら、電子の妖精。広域通信を受信したため、戦闘行動を停止します」

『了解した。こちらも停止する。父さん、構わないか?』

『ああ、問題ない。こちらでも確認する』

 

 ポジトロンカノンやミサイルポットを回収しながら広域通信を聞きます。こんなの緊急事態でしかありませんからね。

 

『我々は地球連邦政府の火星に対する経済的な圧迫などにより、我慢の限界が来た。よって、我々火星(ヴァース)の後継者はここに地球連邦政府より独立し、ヴァース帝国の建国を宣言する! 我が名はレイレガリア・ヴァース・レイヴァース。ヴァース帝国皇帝である!』

『遂に来たか』

「そうですの」

「あの、どうしますか?」

『一度戻ってきてくれ。これからの事を話し合わないといけない』

「そういえば、一応、博士達も軍属でしたの」

「お姉ちゃんもですよね?」

「本部に確認してから行動を起こしますの」

 

 まったく、もう数年は動かないでいて欲しかったですの。まだフェル・グレーデンとも直接は会っていませんしね。ラウ・ル・クルーゼともメールを送っただけですから、会いに行かないといけません。まあ、こちらはネメシスちゃんを遠隔操作すればいいだけなのですが。

 

『我々ヴァース帝国は月にあるハイパーゲートを回収する。これは古代火星文明をはじめとした数々の文明を滅ぼしたアインストが月へと浸食を開始しているためである。このまま手をこまねいておればハイパーゲートを始め、月はアインストによって奪われる。よって、地球連邦政府は邪魔をしない事を望む。邪魔をするのであれば人類の敵として排除する』

 

 バレてますの!? なんで!? どうして!? おのれ火星文明! 大人しく転移技術を寄越しやがれですのぉぉっ! はい、ごめんなさい。そりゃ抵抗しますわよね。火星文明を滅ぼしたのが私達アインストだったのなら当然ですの。というか、私は知りませんでした。もしかして、私達もその技術を持っていますの? お母様、教えてください! 

 

『お母様、火星文明が持つ転移技術などは滅ぼした時に取っていませんか?』

『既に破棄した。転移技術は我等が持つ方が優れているからな。それにボソンジャンプは我等には使えなかったしな』

『それはそうですわよね』

 

 ボソンジャンプはチューリップクリスタルとA級かB級ジャンパーが必要ですの。でも、既に優秀な転移技術を持っているアインストからすれば必要ない技術でしょう。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『では、こちらで対処しておきますの』

『任せる』

『はいですの』

 

 さて、月面を奪われるのは美味しくありませんわね。アインストの部隊を動かしましょう。それで地球連邦政府側として参加して、アクセル達が私にかけているであろう疑いを晴らせば一石二鳥ですの。

 

「必要な物の回収が終わりました。お姉ちゃん、次はどうしますか?」

「撤収して補給と修理を受けますの。これから月面での戦闘に参加しますから、覚悟をしておいてくださいですの」

「わかった。次は実戦なんですね」

「ヴァース帝国とアインストが相手ですの」

「頑張ります」

 

 本当にこの世界はままならないですの。どうかメンデルはバレてませんようにお願いしますのよ? 

 

 

 

*1
一般には有性生殖する生物で雌が単独で子を作ることを指す。有性生殖の一形態に含まれる




最初のレイレガリア・レイヴァースの名前が抜けているのはわざとです。

なお、アルティメットガンダムにはドラゴンヘッドみたいな尻尾が追加されております。

後書きの設定を使うか使わないか。使わないならアルフィミィの部分を普通のアインストに差し替え

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