アルフィミィちゃんになってスパロボ時空で暗躍する 作:アルフィミィ好き
ネルガル・マオインダストリーとなった我が社は順調に売上を伸ばしております。まず主力商品としてはゲシュペンストシリーズ。こちらは元々連邦軍でも正式採用されているので元から売れております。ただ、月面を喪失した事でイスルギ重工などのリオンシリーズにシェアを取られていく事が予想されます。イスルギ重工はF-32シュヴェールトなどの戦闘機やリオンシリーズなどのアーマードモジュールを大量生産しています。 それに対してマオ・インダストリー社は新型の機動兵器を開発して対抗してきました。新技術の開発場所が月ですから仕方がありませんの。というわけで、軍のシェアは少し譲ってやんよって事にしておきます。だって、イスルギ重工ってば死の商人ですから信頼性はこちらが上ですし、
ゲシュペンストMK-Ⅱにナノマシン技術を使って作り上げた高性能な支援用浮遊機器、
もちろん、ゲシュペンストシリーズをはじめ我社の機体にしか対応させない。なんてことはなく際限なくどの機体にも乗せられます。これらのシェアは我社が独占しているのでとっても売れます。何故イスルギ重工などにも使わせるかと言えば簡単ですの。修理やメンテナンス、回収は我社で行っています。そこに我社以外の機体に接続されていた者達が戻されたら、
そういうわけで民間にも販売しております。家事や献立、果ては子供の世話までなんでもござれのこの子達は順調に量産されて売り出されております。それと携帯端末の方も我社で参入して高性能機を安めで販売しており、こちらも売り上げは順調です。
義体は軍民両方に売れております。火星との戦いとその前に起きた戦いの負傷者達。それに一般人の人達。その人達にとって思う通りに動かせる義体は願ってもやまなかったものです。全身麻痺だろうとなんのその。脳死さえしていなければいくらでも代替可能という事で人気があります。値段はそれ相応になりますが、ネルガル・マオインダストリー社で働けば格安で手に入りますので入社する人は後をたちません。
お蔭でオルレアンの工場をオートメーション化させ、コロニー・メンデルにも機材を入れて次々と量産させていますが、それでも足りません。ですので売上を使って土地を購入して生産拠点を増やしたいと思っております。そこで月面再開発計画を作りつつ、土地の所有者達から買取を行いました。また社内の権利書などを精査した結果、ネルガルが保有していた場所もあったのでそこに再開発をどーんとやっちゃいます。ちなみに重機は型落ちしたゲシュペンストなどにシャベルとかくっつけました。パイロットは義体に釣られて入ってきた新入社員さん達ですの。私が持ってる影月に負けないように頑張ってくださいね。
そんな事を考えながら、パリにある支社でお仕事をしております。社長室(支社長が使っていた部屋)にある私専用となったデスクの前にある椅子に座りながら、デスク上にあるモニターに映る軍人さんとお話しておりますの。相手の階級は少将ですの。地球連邦軍から依頼という形になります。
『マオ・インダストリー社を継いだ君にこの島をどうにかしていただきたい』
「重力異常が発生している島ですの?」
依頼内容はわかるのですが、何故現在復興中の我社に持ってくるのかちょっとわかりません。まるで誰かが失敗しろとでも囁いている感じですの。
『そうだ。軍を度々派遣したが全て消息を断っている。そこで重力技術に関する特許を持つ君達に協力を要請したい。このままでは重力炉が暴走して地球が終わってしまうのでね』
「こちらのデータでは重力カーテンを突破し、戦力を送り込めるようにはしたとありますの。送る戦力が低すぎただけではありませんの? そもそも最初に提示したヒュッケバインによる突入も拒否されておりますわよね?」
『当たり前だ。重力炉の暴走を止めるためにブラックホールを発生させたのでは話にならん』
「それで今回投入した部隊は……デスカプリース隊ですか」
聞いた事も無いですが、データを見る限りでは傭兵などを集めた部隊のようです。その為、何度も地球で起こるテロリストとの最前線に送られて夥しい数の死人を確認できます。彼等に配布されているのはゲシュペンストシリーズやリオンシリーズですが、相手はリオンシリーズを使ってきています。流石は死の商人ですの。
『ああ、そうだ。救助も兼ねた追加の部隊を派遣する。そこで技術者としてネルガル・マオインダストリーからも派遣して欲しい。そもそも重力炉はマオ・インダストリーとネルガルが協力して作成した物だ。君達に責任を取ってもらいたい』
「散々危険だと忠告したのに実験を強行したのはそちらだと記録に残っておりますの。ですから我々は即座に撤退しました。残ったのはネルガルの一部と奇械島に居た人達。それに私達とは関わらずに研究していた人達ですね」
『あれはインスペクターの襲撃が原因だったのだ。我々はどうにかして奴等に破壊されたエネルギー供給施設の代わりが欲しかった』
「その結果が島を飲み込む重力カーテンですか。まあいいでしょう。ただし、報酬は出していただきますの」
『出来る限りの要望は聞くように言われている』
「でしたら、奇械島とそこにある物は重力炉を含めて全て頂きます。それと月面の土地も全て頂きたいですの」
『私の権限を越えているので、奇戒島と月面に関しては連邦政府と相談しなくてはならない』
「まあその辺りはお任せします。連邦政府にはこちらの月面開発計画を見せて説明しておいてください。こちらも準備はしておきますので回答が分かり次第お知らせくださいですの」
『了解した』
さて、奇戒島に何があるかはわかりませんが、稼働している重力炉があるだけで私にとって価値があります。土地の方はネルガル・マオインダストリー社の開発拠点として作り変えればよろしいですしね。機動戦艦ナデシコを作る為にも大型の建造ドックは欲しいですし、重力炉があるなら反重力デバイスを使って作業をしやすい環境も作れるでしょう。
「それになにより、わたくしの念動力があそこに何かあると囁いておりますしね」
ニュータイプのようにキュピーンと来ましたの。私自身が行った方がいいと
ちなみに重力カーテンについてはアインストの方でも解析しております。あそこには派遣できませんでしたので、周りから観測データだけは取らせてあります。ネルガル・マオインダストリーの重力技術から解析したデータを確認したところ、重力の力場や障壁といったものとほぼ変わりませんの。薄く広範囲を覆っているだけですが、生半可な強度では普通に通ろうとしたらグシャっと潰れてしまいます。また通信や転移もできません。空間が重力によって歪んでしまっているためにちゃんとした転移座標が得られないからです。対策としては内部と外部から観測しないと無理です。
「お姉ちゃん……できた。褒めて……」
「どれどれ……おお、よくできましたの。偉いですよラピス」
「ん」
部屋の中にあるソファーに座っていたラピスがこちらにやってきて座っている私の腰に抱き着いてきました。彼女の頭を撫でながら、ラピスから送られてきたデータを確認します。内容はナデシコに搭載する
「これで役に立てる?」
「ええ、もちろんですの。まあ、こんなのなくてもラピスは私達を癒すという意味で役に立っていますよ」
「ん~」
膝の上に乗せて撫でまくってあげると気持ちよさそうに目を細めていきます。表情はほぼ変わらないですが、雰囲気は大分よくなりました。孤児院の子達とも仲良くやっているのでしょうね。この孤児院は私が作り出し、色々な所から孤児や問題ある子達を引き取って教育を施していますの。例えば実験体になっていた子供達とかですね。
最初は助けた子達をレモンお姉様達に任せていたのですが、私は一応シャドウミラーから抜けたので自分で運営する事にしました。そうすれば人材確保も容易ですしね。遊び感覚で戦艦とPTなどのシミュレーターをさせたりもしているので優秀なパイロットに成長してくれるでしょう。まるでスクールみたいですが、気にしません。もちろん、皆にはナノマシンを投入して補助脳の作成をしてありますが、実験的な事はやっておりませんの。ただ自己進化型ナノマシンを投入しているのでどんどん子供達の望むように進化していっていますの。彼等には試作機のデータをテストしてもらったりもしているのですが、子供なので気にせずどんどん駄目だしをされて改善点を洗い出してくれたりもします。ええ、大変助かっておりますとも。
「ルリお姉ちゃん……どこ……?」
「ルリでしたら今日は防衛システムの再構築をしておりますわね」
ネルガル・マオインダストリー社のネットワーク対策は私とルリちゃんからしたら脆弱と言えるような代物でした。コーディネーターなどにはちゃんと対処できるように作られているのですが、私とルリちゃんのような特A級ウィザードには突破できちゃいます。もちろん、スタンドアローンなので内部に侵入しないといけませんが、一度侵入されてしまえば簡単に情報を抜かれます。それは困るので徹底的にオモイカネにも協力させて作り変えております。
また、守るだけではどうしようもないので攻性防壁として無数のAIを作成し、その子達に攻撃役と防御の更新を任せる予定です。具体的に言うと常に互いを攻め落とすように競わせて技術を向上させ、それを本社の方に適用させる予定ですの。彼等のサーバーも私が作ったナノマシンによる高性能なコンピュータを与えてあります。もっとも流石に単体ではヴェーダに負けるでしょうが、複数の物を用意すれば問題ありませんの。それに影月と接続させれば大きさ的にヴェーダ以上の演算能力を得られますし、そこから接続先を割り出してアインストを派遣し、今度こそ逃がしませんの。完成するまではルリちゃんが支社に泊まり込んで監視してくれているので問題ありません。
物理的な防衛戦力としては外を改造してある程度使い易くしたIFSとテスラ・ドライブ採用の
内部はワンちゃん達をナノマシン技術で更に強化して複製し、放って護衛にしております。職員のアニマルセラピーや預かる子供達の遊び相手や移動手段としても人気ですの。中身が私の
もちろん、非常事態にはもっと戦力を出せるようにしてありますの。全ては対ソレスタルビーイング用です。これもエイフマン教授を守るために仕方がありません。もちろん、エイフマン教授を贔屓するわけにはいかないので、幹部全員に三匹ずつ張り付けて、外に行く時は全員が遠隔操作義体を使って完全武装の護衛もつけますの。やりすぎと言われますが、火星の連中や異星人、他社からの襲撃など危険をしっかりと教えました。それでも渋る人は費用は会社で持つので遠隔操作義体で遊びに行くか、家族をこっちに連れてきて家族も遠隔操作義体で出かけろと言ってあげたらすぐにこちらに引っ越ししてきました。ちゃんと社内にお店や病院などを完備させたかいがありますの。
「お姉ちゃんにも褒めてもらいたい」
「でしたら、夜に行きましょうね。今は忙しいですの」
「わかった」
ラピスちゃんが私の膝から降りてワンちゃんに乗ってソファーに戻ってしまいましたの。もっと撫でてあげたかったのですが、仕方がありません。ラピスちゃんはそのままワンちゃんの上で寝そべりながらブレインコンピュータを使った戦闘シミュレーターをやりだしたので、相手をしてあげます。戦艦での高機動戦闘です。
『社長。書類は……』
『全部終わってますの。データで送信しましたので確認してください』
『わかりました。それで新型のプラズマジェネレーターですが……』
『出力が足りませんし、大型化しすぎですの。使えません。そちらは適当に打ち切ってブラックホールエンジンの開発をしてください。というか、エイフマン教授にお願いしていたはずですが……』
『それが連邦軍からもたらされた未知の粒子について研究しだしてしまい……』
『それはどこから持ち込まれましたの?』
『ブロウニング家からですので通しましたが……』
『お姉様ですか。投げましたね。まあいいでしょう。ブラックホールエンジンの設計はこちらでやっておきます。プラズマジェネレーターに関してはパーツから見直して小型化しましょう。設計図と素材はこんな感じでお願いしますの』
『ですが、値段がかなり高くなりますが……』
『それで構いません。量産して価格を抑えます。ほぼ自動で作り上げればそれほどコストはかかりませんからね。必要なのは初期の投資とメンテナンス費用だけです』
『わかりました』
新型のプラズマジェネレーターは同じサイズで約40%の出力アップです。本当に自己進化、自己増殖、自己再生のナノマシンは恐ろしいですの。お蔭でほぼ永久機関ですのよ。さて、次はエイフマン教授に情報を渡しておきましょう。
『エイフマン教授。アルフィミィですの。今よろしいですか?』
ブレインコンピュータで先程の秘書さんと同じく通信でお話しします。
『君か。すまないがブラックホールエンジンについてはまだ研究できていない。それよりも気になる物が送り込まれてきた』
『知ってますの。その粒子を出す相手と戦って発見したのは私ですの』
『詳しく聞いていいかね?』
『構いませんの。こちらが知る限りの情報を全てお渡しします。独自の情報網で手に入れたので部外秘です。お弟子さんにも教えないでくださいね?』
『もちろんだ』
『では、その粒子の名前はGN粒子と言われており、電磁力、強い力、弱い力、重力、すべての特性を内包しているそうです。その粒子が何らかのプロセスを経る事でそれらに対する効力を発揮するとの事ですね。その特性は様々で、圧縮すればビームになったり、物を浮遊させたり、質量を軽減させたりなどの効果があります。更に自由に形成でき、バリアにもなるようですの。また脳量子波とよばれる特殊な通信手段の媒介とすることもでき、電波を攪乱して高濃度では電子部品を焼くなどECM的効果があります。こちらは実際に受けたので間違いありません。
その時の経験から解析するに人体の細胞変異を促します。特定の圧縮状態ではテロメアを破壊したり細胞異常を引き起こす毒性を有する事も確認できました。こちらの場合は再生医療も受けられません。
これらの粒子は外部に放出されると一定時間で自己崩壊を起こし、ただの光子になります。コンデンサーの素材を介して粒子を熱変換し、対象を容易に溶断する事も可能だと思われます。弾丸に込めて発射できるでしょう。
放出すると一定時間で光子になることから、稼働中の太陽炉の周りは常に光の粒子が撒き散らされておりますが、GN粒子の電波攪乱効果によって目視で確認出来るまでその反応は感知されないようですね。以上が私が知っている彼等が使っている太陽炉と呼ばれるGNドライブについてですの』
『君はもしかして開発に関わっていたか、その組織に属していたのかい?』
『どちらでもありませんね。知っているから知っているだけですの。情報収集は欠かしておりませんので』
『なるほど……恐ろしいね』
『恐ろしいのは私よりも相手ですの。これを知った人達は確実に消されています。くれぐれも護衛は外さないようにお願いしますの』
『わかった。それで開発してみてもいいかな?』
『構いませんの。むしろよろしくお願いいたします』
太陽炉が手に入れば色々と使い道がありますからね。流石に脳量子波を用いて他者と表層意識を共有し、驚異的な反射神経を発揮し、常人の二倍以上の寿命を持つ革新者や純粋種と呼ばれるイノベイターについては教え……いえ、原作で気付いていたのでさっさと教えておきましょうか。
『それともう一つ。この粒子には人を次のステージへと進化させる効果もありますの』
『進化?』
『はいですの。他者と意識を共有したり驚異的な反射神経を持ち、寿命が伸びるなどといったことが確認できます』
『それは自己進化型ナノマシンを使ったブレインコンピュータならば既に可能ではないかな?』
『確かに色々と解決しておりますね。ただ寿命は……』
『伸びているね。ナノマシンを追加して細胞の再生まで促せば生きる事は何ら難しい事ではないよ。意識の共有だってやろうと思えばネットワークを通して可能だ。ただナノマシンと違うアプローチだということで興味はある』
『まあ、気にしなくていいですの。とりあえず開発を目指しましょう』
『実物があれば早いんだが、流石に手に入らないよね?』
『それはまだ無理ですね』
『まだ、かね』
『はいですの。今は不完全なデータぐらいしかありませんの』
『不完全な物はあるのか』
『ありますねえ……コレですの』
不完全なデータなのは全てを奪い取る前にヴェーダが物理的にソレスタルビーイングに持っていかれたからですの。中途半端に吸いだしたデータでは試作型の太陽炉すら作る事はできません。
『穴抜けのパズルですが、エイフマン教授なら作れるかもしれません』
『受け取った。実験を繰り返せばどうにかできるかもしれない。遠隔操作義体で実験をしてみるよ」
『全てお任せしますので、データだけは極秘ファイルに上げておいてください』
『了解した。では研究に戻る』
『身体に気を付けてお願いしますの』
エイフマン教授と通信を終えてから立ち上がり、部屋に取り付けたキッチンを使って紅茶を入れます。それから冷蔵庫にあるケーキを取り出してお皿に乗せてラピスちゃんの前に持っていきます。
「私は少し出かけてくるので好きにしていていいですよ」
「ん。ゴロゴロしてる」
「わかりました。おやつはここに置いておきますね」
「ありがとう」
「では」
社長室から移動するのは研究所の地下にあるパーソナルトルーパー開発室ですの。
◇◇◇
開発室に移動するとそこではラーダさんとイネスさんが研究しております。現在、
「あら社長来てしまったのね」
「何か来たら行けないようなお言葉ですの」
「いえ、そんな事はけっしてありませんよ……はい」
目の前に組み立てられている機体は
「これはなんですか?」
「良くぞ聞いてくれました。この子達はヒュッケバインMK-Ⅲを作るための実験機体です。動力炉はブラックホールエンジンよ」
「エイフマン教授はまだだと言っておりましたが……」
「私とラーダで完成させておいたの」
「頑張りました」
「暴走の危険は?」
「さあ?」
「一応、大丈夫です。ネルガルが開発していた相転移エンジンの技術を使い、暴走しそうになるほどのエネルギーは転送して一定以上のエネルギーが生まれる事を防ぐ事にしました。その転送されたエネルギーは高出力のフィールドやビームに使います。使わなければそのまま破棄です」
「ふむ」
相転移エンジンは周囲の空間をよりエネルギーの低い状態へと相転移させることにより、その差分のエネルギーを取り出すものです。エネルギーごと相転移させることで莫大なエネルギーが生み出されるのですが、取り出さずに破棄しようというわけですね。
「勿体ないのでいっその事敵機にぶつけるとかどうですか?」
「そんな精密な転送技術はないわね」
「でしたら、重力のフィールドを拡大すればどうですか?」
「あくまでも自機が中心なら可能かもしれないわね」
「そもそも搭載しているのですか?」
「ディストーションフィールドと一緒にグラビティフィールドも搭載しているわ」
「両方ですか」
「ディストーションフィールドは周囲の空間を歪ませて発生させるのだけど、光学兵器に強い代わり、質量攻撃には弱いもの。両方張れるようにして弱点を無くしました」
「実際は同時に展開できないので、どちらかだけですけど」
「パイロット次第ということですのね」
二人が頷きました。しかし、
「Ⅳはオクスタン・ランチャーは徹甲弾とビームを放つのだけど、グラビティブラストに変えてあるわ。Ⅲの方はフィールドとスラスターを強化して五連チェーンガンをグラビティブラストに変更しておいたから弾幕も展開できるわ。何より
「普通の軍人さんでも動かしやすい仕上がりにしました。量産型にもこちらを搭載して扱い易くします。制御は難しいでしょうが、サポート用の妖精さんが居れば扱えるはずです」
「なるほどなるほど。それでこれだけですの?」
「いえいえ、まだありますよ」
「どうせなら徹底的にという話になりまして……T-LINKシステムも搭載してあります」
T-LINKシステムはケンゾウ・コバヤシが開発した念動力感知増幅装置ですの。人間の持つ念動力を増幅させ、メカニズムへとダイレクトに伝える機能です。これはIFSと同じですね。優れた念動力者であれば増幅されて絶対的な力を発揮します。まあニュータイプが扱うサイコミュと同じですの。どちらも相手の感情を感じたり、意識を遠くに飛ばしたり、触れてもいないのに物を呼び寄せたり、離れている場所の兵器を操作したり、会話したり色々とできますの。
つまり、T-LINKシステムをチップ単位まで小型化してそれをフレームから何から何まで使えばサイコフレームが出来上がりますの。モビルスーツ一機でコロニーを止めるようなとんでも兵器ですね。もちろん、リンさんから貰ったデータにはT-LINKシステムについてもありますので、ナノマシンを使って作っております。まだ実験段階ですが。
「念動力者用の機体ですか。しかし、念動力で操作する武装はどうしました?」
「目の前にあるじゃない」
「は?」
「だから目の前ですよ」
「えっと、
「だからそれよ」
イネスさんに腕をガシリと捕まれてⅣのコックピットへと運ばれていきますの。
「ムーンクレイドルには念動力者が操るビット型パーソナルトルーパーの計画があったの。だから作ってみたのよ」
「いや、絶対に無理ですの。いくらなんでも動かせませんの」
「まあ、試してちょうだい」
「わかりましたの」
IFSで機体を起動させ、T-LINKシステムのスイッチを入れます。システムは問題なく作動しました。そこで
何度やっても無理でした。もっとT-LINKシステムの精度を上げて増幅率を強化しないと話になりませんの。まあ、T-LINKフレームが出来れば解決するでしょう。体内のナノマシンもT-LINKシステムの機能を手に入れれば必然的に念動力も飛躍しますしね。
「やっぱり無理ね」
「わかりきっていたことではあります。社長、身体に問題はありませんか?」
「大丈夫ですの。とりあえずこの二機は普通に検証試験をしてから……あ、
「それならもっと改造したいわね。資金に糸目はつけないでしょう?」
「まあそうですの。出来ればヴァングレイ並みの機体を希望します」
「社長が使っていたヴァングレイのデータは見ましたが……良く生きていますね?」
「本当にそうよね」
「身体は頑丈にできておりますので」
「やっぱり速度は欲しい?」
「速度もそうですが、どうせならT-LINKシステムが使える射撃武器も欲しいですね。訓練しないといけませんし」
「それならいっその事射撃武器主体にしてみましょうか」
「いいですね。それでいきますの!」
そこで色々と意見交換して、エイフマン教授も呼び出して四人で
「ビット型パーソナルトルーパーで思いついたのですが、この翼をこんな感じにして……」
「ふむ。それならエネルギーの供給も可能だね」
「じゃあ、普段はスラスターとして使えるように背中にとりつけましょう」
「名前はブラスタービットにしましょう」
「使えるシステムはアシュセイヴァーのソードブレイカーですね」
「そういえば火星騎士のヘラスもありましたね。そのデータをレモンお姉様にお願いしてもらってきましょう」
私の新しい機体は
翼に重ねるようにして配置した八枚の浮遊型砲台ブラスタービットを配備。全てT-LINKシステムで操作し、グラビティブラストかブラックホールブラストを放ちます。いえ、もう統一してグラビティブラストにしましょう。レモンお姉様から貰ったセラスのデータを基にしてブラスタービットや関節以外の場所はナノマシンで元素配列を弄って硬質化させます。機動力は重力制御装置により慣性を無視した機動も行えるようになったので、装甲悪鬼村正の銀星号ごっこも可能ですの。
この機体を使う事で
しかし、白騎士なのにどう考えても黒い武装しか使いませんの。もはや
アルフィミィの新しい機体はヴァイスリッターの魔改造機。ガンダムXのようにブラスタービットにブラックホールエンジンから生み出されたエネルギーをマイクロウェーブのように送信し、そこから小型のグラビティブラストを放ちます。
なお腕の装備をリボルビング・ステークに変更する事も可能。T-LINKシステムを使ったT-LINKフレームは流石にまだ早いです。これができればグラビトロカノンとか撃てるでしょうね。
奇戒島への突入依頼が来ました。
|ゲシュペンストMK-Ⅳ・黒騎士と|ゲシュペンストMK-Ⅳ・白騎士が開発されました。
「この程度かっ! まだ倒れるには早いぞ!」
「はい師匠! ウォオオオオォォォォッ!」
「馬鹿な! エクスバトラーが生身で破壊されるだとぉぉぉぉっ!」
奇戒島でとある師弟が暴れているようです。
後書きの設定を使うか使わないか。使わないならアルフィミィの部分を普通のアインストに差し替え
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使う
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使わない