アルフィミィちゃんになってスパロボ時空で暗躍する   作:アルフィミィ好き

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気がついたら一週間が過ぎていた。時間泥棒がいるぅぅ!


第37話

 

 

 

【地球 カッシュ邸 ドモン・カッシュ】

 

 

 父さんとレインのお父さん、ミカムラおじさんが後ろ手で縛られ、連れて行かれた。そして、俺とレインはもう人の姿をした父さん達を見る事はなかった。俺達の所に戻ってきたのは遺髪と少しの遺骨だけだ。

 父さん達の知り合いだと名乗る女性がやってきて、その遺骨と遺髪が本物かどうか確認させて欲しいと言ってきた。彼等の話では父さん達を死刑にするように糾弾したネルガル・マオインダストリー社のアルフィミィ・M・ブロウニングはサイボーグを作る技術を持っているので生きている可能性があるらしい。俺とレインは藁にも縋る思いでお願いしたが、結果は本人の物だと確認された。遺骨も間違いなく本人の物であり、無くなっていたら生きていない事は確実だとの事だ。それが判明して俺とレインは泣いた。知り合いの人は悔しそうに唇を噛みしめていた。

 その人に頼み込んでどうにか裁判の記録映像だけは見せてもらった。その映像で知ったのは父さんとおじさんが開発していた機体を父さん達と兄さんが奪い、逃走したらしい。父さん達は捕まり、兄さんはアルティメットガンダムに乗って地球へと逃走に成功したとのことだ。逃げた兄さんは運が悪いのか、狙ったのか、地球が崩壊する原因となりえる事に対して地球連邦政府の依頼で解決しようとしていたネルガル・マオインダストリー社の部隊が大気圏を突入してきた兄さん達により、少なくない被害を受けたとのこと。

 これによって、死傷者も出ていてネルガル・マオインダストリー社は死刑にするように動いた。既に手が回っていたらしく、父さん達は何も喋らせてもらえず、知り合いだと名乗った人が雇った弁護人が「異議あり!」と申し立ててなんとか減刑して冷凍睡眠刑にしようとしてくれた。だが、それもネルガル・マオインダストリー社側にある監査が提示した安全装置である自壊コードを解除していた事などを理由に却下され、ネルガル・マオインダストリー社が求めた死刑が確定した。

 

「お父さん……なんでこんな事をしたのよ……」

「いったいどういうつもりなんだ……」

 

 俺とレインはソファーに座りながら、見せてもらった映像を信じたくないという思いが募ってくる。父さんと兄さんが強奪なんてするとは思えない。父さん達は本当に地球を再生させるために頑張っていたのを俺は知っている。何せ定期的に連絡を寄越してきた時にはとても楽しそうだったからだ。それにいくら考えても父さん達がこのような事をする理由は思いつかない。

 

「お二人は嵌められた可能性があります」

 

 俺達の座るソファーの後ろからそっと女性が囁いてきた。その言葉に最初は信じられなかったが、意味が理解できると思わず叫んでいた。

 

「本当か!?」

「ええ、本当です。我々が調べたところ、今回の件で一番得をしたのは誰でしょうか?」

「そんな奴が居るのか?」

「被害を受けているのはかなり多い人よね。下手したら地球が滅んじゃったかもしれないし……」

「ええ、その通りです。ですが、それは表面的な事であり、裏ではしっかりと利益を得ている存在が居ますわ」

「父さん達が死ぬ事で利益を得られる……? それってきっと技術の特許とかよね……でも慰謝料として取られることになる。そんな状態でも利益を得たとしたら……まさか……」

「気付いたようですわね」

「一体誰なんだレイン!」

「……その、ネルガル・マオインダストリー社の社長、アルフィミィ・M・ブロウニングよ」

 

 アルフィミィ・M・ブロウニングか! ならソイツを問い詰めて……待て? ソイツは確か、一番被害を受けた奴じゃないか? 

 

「レイン、それはないだろう。被害を受けた張本人が得をするのか?」

「父さんから聞いたけれど、アルフィミィ・M・ブロウニングは少し前までネオ・ジャパンコロニーで父さん達と一緒に研究していたそうなの」

「確かにそれは俺も聞いた。だが、それが何の関係があるんだ?」

「ありますわよ。カッシュ博士とミカムラ博士が死んだ事で彼等が研究していた技術はアルフィミィのみが所有する事になりました。そのナノマシン技術はネルガル・マオインダストリー社の躍進を支えておりましてよ」

「父さん達は技術を盗用されたというのか!?」

「慰謝料を支払う必要があるのはネオ・ジャパンコロニーとネルガル・マオインダストリー社だけです。それ以外はありません。そして、ネオ・ジャパンコロニーに関してはこちらもネルガル・マオインダストリー社より管理責任を追及する声が上がっております。特にウルベ・イシカワさんにきつく言っているみたいでしてよ?」

「どういうことだ?」

「つまり、管理責任を問う事でネルガル・マオインダストリー社はお父さんとカッシュおじさんが持つ特許とかを全て手に入れたってことよ……」

「っ!?」

 

 確かにレインの言う通り、事実を並べていくとネルガル・マオインダストリー社がとてつもなく怪しくなってきた。全てが自作自演の可能性すらある。そうなると父さん達は利用されて殺されたということになる。ましてや自分は被害者として

 

ふざけるなっ!

「お、落ち着いて! あくまで推測よ! それに彼女も巻き込まれているのよ? 自分が死ぬ可能性があるような事まで計算して事に及ぶかしら?」

「それは……」

「彼女ならどうあっても生き残る算段があったのじゃないかしら? 何せたったの二人で火星騎士の本拠地を落として奪取してきたような()()()ですもの」

「嘘でしょ? いくらなんでもそれは……」

「事実なのよね」

 

 たった二人で軍事拠点を襲撃した上で奪取するなんて、普通は無理だ。そんな事が可能なのは──

 

「まるで師匠みたいな奴だな……」

 

 ──俺の師匠である東方不敗マスターアジアなら可能だろう。何せあの人はパーソナルトルーパーやアーマードモジュールだって素手で破壊できるのだから。

 

「あら、貴方の師匠は凄いのね」

「師匠は最強だからな」

「どちらにしても、怪しいのはネルガル・マオインダストリー社の社長、アルフィミィ・M・ブロウニングよ。彼女の情報を得るためにもドモンのお兄さんを探さないとね」

「そうだな。兄さんとこの女を見つけ出して情報を吐かせる。そして、もし父さん達を嵌めたのなら、その落とし前はつけさせてやる」

「それでしたら、私が協力できます」

「助かります」

「よろしく頼む」

「ええ、こちらこそよろしくお願いしますわ♪」

 

 彼女と握手を交わして共に目的を確認した。そして、彼女から俺達は兄さんとアルフィミィ・M・ブロウニングを追って調べるための力を受け取った。彼女曰く、レインのおじさんが作っていた機体らしい。ネルガル・マオインダストリー社に接収される前にウルベ・イシカワ少佐から譲り受けていたらしい。

 

「これが父さんの作った機体ね。名前は……シャイニングガンダムかしら?」

「シャイニングガンダムか……いい名前だ。気に入った。行くぞレイン」

「ええ、行きましょう。ドモン」

 

 俺とレインは彼女に見送られながら、二人を追うために旅へ出た。その少し後に届いた物を見ていたら、また結果は違ったのかもしれない。

 

 

 

 

【????】

 

 

 

『これを見ているという事は私達は()()に処刑されたのだろう。ドモン。お前には辛い役目を押し付けることになるが、どうかキョウジを助けてやってくれ。それと何かあればネルガル・マオインダストリー社を頼れ。そこでシュドウという者か、ルリ・ホシノ、アルフィミィに連絡を取るんだ。そうすれば最大限の支援をしてくれるように頼んである。彼女達は信用できる。だから、協力してアルティメットガンダム……デビルガンダムを倒してくれ……頼むぞ、ドモン。それとレインと仲良くするんだぞ』

 

 

 

「以上が彼等が出て行った後、届けられた物です」

「ボロは出しませんわね。残念」

「生きていると思うのですか? 確認した物は確かにライゾウ・カッシュとミカムラ博士の物でしたが……」

「あのね。相手はアルフィミィ・M・ブロウニングなのよ?」

「どういうことでしょうか?」

「ブロウニングよ、ブロウニング! わかりなさい!」

「……まさか、人造人間の技術を使って生み出した可能性があるのですか?」

「すくなくともクローン技術は持っているでしょうね。論文もレモン・ブロウニングが出しているわけだし」

「……調べます」

「いえ、その必要はないわ。これ以上の犠牲は必要ないもの。ですから、別の所にお願いしましょう」

「かしこまりました。すぐに手配いたしますお嬢様」

「ええ、よろしく」

 

 

 

 

【宇宙 ラグランジュポイント ソレスタルビーイング秘密ドック スメラギ・李・ノリエガ】

 

 

 

「来たか。それでどうなった?」

「コアの移設は無事に終了したわ」

 

 ブリーフィングルームに呼び出したガンダムマイスターの四人、刹那、ロックオン、アレルヤ、ティエリアがしっかりとこちらを見詰めて話を聞いているのを確認して進めていく。

 

「ヴェーダも問題なく稼働している。問題はない」

「一先ずはこれで様子見をしたかったのだけれど、そうも行かないわ。ヴェーダから指令が来たの」

「おいおい、早速かよ」

「不満なのか?」

「いや、ここの所暇してたから、むしろ嬉しいね。刹那はどうだ?」

「どうでもいい」

「はい、そこまでよ。まず指令について伝えるわよ」

 

 手を叩いて注目を集めてからモニターにコロニーのデータを表示する。

 

「このコロニーはネルガル・マオインダストリー社が所有する物で、元はL4宙域にあった物を彼等が運んできたわ」

「L4宙域と言えば確か、バイオテロかなんかで破棄されたはずでは?」

「それを買い取ってリサイクルした奴がネルガル・マオインダストリー社に販売したみたい」

「ソイツの正体は?」

「すでに判明している。買ったのはアルフィミィ・ブロウニングだ」

「つまり、彼女個人の所有物って事か。金持ちだねぇ」

「その資金が何処から出ているかは不明よ」

「怪しいな」

 

 アレルヤ達の言う通り、かなり怪しい。資金をヴェーダが追おうとしているけれど、複数の場所にトラップが仕掛けられていて、難航している。アチラはまるでこちらを意識しているかのように痕跡を消したり、逆探知を仕掛けたりしていきているので中々難しいみたい。

 

「ただ、可能性がある場所は判明しているわ」

「何処だ?」

「アズラエル財団とかね。同時期にかなりの出費をしているわ」

「表向きはそうなっているが、実際は奪われた可能性が高い。その金の使い道は孤児院などにも使われているようだ」

「なるほど、義賊ってか」

「その背後にアインストが居るとなると目的は恐ろしいけれどね」

「アインストについては確定なのだろうか?」

 

 アレルヤの質問の通り、確定はしていない。ただし、かなり怪しい。そもそも彼女の持つ技術は明らかに逸脱している。だから、可能性として考えられるのは、知っているはずの無い、この世の誰にも知りえないはずのことを知っている人間、ウィスパードである可能性もある。でも、それにしては多種多様な技術に秀でているのよね。確かにナノマシン技術に重きを置いているみたいだけれど、それ以外にも色々とおかしな部分はある。

 

「まず判明している事は彼女の身体能力が人間を超越している事。高い技術力を持っている事。そして、()()()()()()()()()()()よ」

「俺達の事を知っているとはどういう事だ?」

「この戦闘データを見て頂戴」

 

 私が見せたのはアルフィミィと最初に戦った時の解析したデータだ。解析すると普通では見落としがちな色々とおかしな所が見られる。

 

「何処がおかしいんだ?」

「……俺もわからん」

「アレルヤと刹那は無理みたいね。ロックオンはどうかしら?」

「……コイツ、俺達の攻撃パターンや戦い方を知ってやがるな」

 

 まるで未来を予測しているかのような回避行動にこちらの武器の特性を的確に把握し、それぞれが苦手な分野で攻めていっている。

 

「なに?」

「そんな事がありえるのか?」

「裏切り者が居る可能性は無いとはいえない。でも、少なくともマイスターの情報と太陽炉の事が漏れているのは確実よ」

「それはシャレになってねぇ……」

「ああ、その通りだ。こちらを見てくれ」

 

 ティエリアが表示してくれたデータには地球連邦軍内部に潜ませてある仲間から、私達のガンダムがエクシア、デュナメス、ヴァーチェなど、こちらの事を知っていないと一致しないような名前なのよね。

 

「一つならまだ可能性はある。だが、二つも三つもなると確実だな」

「太陽炉はどうなんだ?」

「そっちはネルガル・マオインダストリー社が極秘裏に開発しているみたいよ」

「アレは木星でしか作れないはずだが……」

「その環境を重力制御技術を使って社内の施設で再現しているみたいよ。重力変動をヴェーダが観測したの。そのデータを解析したところ、木星と同じ状況に作られていたわ」

「太陽炉が本格的に作られる可能性があるか」

「ええ、それは非常に不味いの」

「だからと言って襲撃するわけにはいかない。俺達の目的はあくまでも戦争根絶だ」

「その通りよ。先の戦いはあくまでもアインスト側から仕掛けられていた事もあるからこそ、作戦を実行したわ。だから、個人や企業としてならネルガル・マオインダストリー社は私達の対象にならない。それこそイスルギ重工のように死の商人でもなければね」

「という事は何かあったのか?」

「ええ、そうよ刹那。ネルガル・マオインダストリー社にレッドアクシズという地球連邦軍とは指揮系統が完全に別な上に拒否権を持つ独立治安維持部隊が設立されたの。その戦力は全てネルガル・マオインダストリー社が無償で戦艦から機体、パイロットまで提供するそうよ」

 

 言ってしまえば完全な私設武装組織なのよね。

 

「つまり、戦争を助長させる存在か」

「そうなる可能性が非常に高いわ」

 

 私達が掲げる戦争根絶という目的を遂げる為に私達が人類の敵となり、地球連邦を再び一つの組織に作り直すという手段を取っている。これ等は全て、もう一度来るであろう異星人との対話に失敗しないためと、失敗したとしても地球を守りぬくための手段。友好か敵対か、どちらにしても地球圏は一つにならないとならない。ディヴァインクルセイダーズがちゃんと動いてくれたら、ソレスタルビーイングとして活動する理由はなかった。けれども、今のディヴァインクルセイダーズはその目的を忘れて欲望の為に活動する最悪な組織となりさがった。だからこそ、私達が今一度立ち上がらなければならない。

 

「指揮系統の乱れは付け入る隙を生み出すから、認めるわけにはいかないわ。それにネルガル・マオインダストリー社が所有するコロニー・メンデルでは違法研究が行われている可能性もあるの。だから、そっちの証拠も手に入れる事が目的よ」

「了解した」

「俺も問題ない」

「こっちもだ」

「ぼ……俺も大丈夫だ。それでメンバーはどうする?」

「前回の事を考えて、今度は全員で行くわ。まず支援としてロックオンとティエリア。二人には撤退時、時間稼ぎを遠距離からお願いするわ」

「了解した」

「任せろ」

「潜入は刹那とアレルヤよ。二人共、行ける?」

「ああ、問題ない」

「訓練はちゃんと受けているから、大丈夫だと思う」

「じゃあ、準備して頂戴。こっちもコネを使って潜入する用意をしておくから」

 

 全員の返事を聞いてから、私はスポンサーの一人に連絡を取ってどうにかネルガル・マオインダストリー社に入り込む方法をお願いした。あちらから良い返事が来てくれると嬉しいのだけど……

 

 

 

 

 

 

 




宇宙ルートのソレスタルビーイング

後書きの設定を使うか使わないか。使わないならアルフィミィの部分を普通のアインストに差し替え

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