アルフィミィちゃんになってスパロボ時空で暗躍する   作:アルフィミィ好き

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第43話

【L4宙域 ソレスタルビーイング ロックオン・ストラトス(ニール・ディランディ)】

 

 

 

 スメラギさんとセツナ、アレルヤがL4宙域にあるコロニー・メンデルへと侵入している。コロニー・メンデルは現在、新しく出来た独立治安維持部隊レッドアクシズの連中が周りの資源衛星なども集めてバイオテロが起こったはずのコロニーは完全な軍事施設へと姿を変えている。

 俺とティエリアは潜入している皆にもしもの事があった時に助けるためにL4宙域の端にプトレマイオスでやってきている。

 

「ロックオン」

 

 休憩室で自販機から購入した飲み物を飲んでいると、仲間であるフェルトが入ってきた。ピンク色の髪の毛をカールにしている彼女はフェルト・グレイス。クルーの中では最年少の14歳だが、プログラミングの技術が優れている。そんな彼女は両手に俺のサポートメカであるハロを抱えている。

 

「フェルトか。何かあったのか?」

「うん。バレたわけじゃないけど、アンノウンがL4宙域に転移してきたみたい」

「仕事だ! 仕事だ!」

 

 L4宙域に転移してきたアンノウンとなると、レッドアクシズの連中が黙っているはずもない。確実に臨検は行うし、高確率で戦闘になる。奴等はタカ派のグライエン・グラスマンが主導して地球圏の治安を守る独立治安維持部隊として組織された。地球連邦の一員だが、連邦軍ではなく実際は連邦政府安全保障委員会の直轄だ。つまり、連邦政府が自由に動かせる部隊となり、グライエン・グラスマンの思想が反映される危険な連中だ。アンノウンなら確実に鹵獲して技術を奪うぐらいするだろうさ。

 

「それでどうするって?」

「……ヴェーダからの指示で武力介入を開始するって……こちらから攻撃する事でよりスメラギさん達の安全を確保するつもりみたい……」

 

 ソレスタルビーイングはスメラギさん達が居る施設も攻撃対象とする事でソレスタルビーイングとは一切関係ないように見せる作戦のようだ。

 

「そうか。ならやるしかないな」

「……」

「どうした?」

「……大丈夫なの……? 相手の戦力は50機を超えた大部隊だよ……」

「心配するな。俺達はガンダムマイスターだぞ。それに今回の場合、アンノウンを利用すればいいからな。まあ、心配しなさんな。無事に戻ってくるさ」

 

 俺は心配そうにしているフェルトの頭に手を軽く置いて撫でてから、ハロを掴んで部屋を出る。格納庫に向かう。

 

「おやっさん。準備は?」

「出来ている」

「サンキュー」

「生きて帰れよ」

「ああ」

 

 機体であるデュナメスに乗り込み、ハロを左上にある定位置に設置して起動する。これから向かうのは戦場だ。フェルトが心配する通り、嫌な予感はする。だが、やるしかない。

 

「俺たちの出番だな、よろしく頼むぜ、ハロ」

「任せろ! 任せろ!」

『……発進どうぞ……』

「ああ、行ってくる。ロックオン・ストラトス。出るぞ!」

 

 オペレーターの席に座ったフェルトの言葉を受けて発進させる。カタパルトを使い、射出してからすぐに機体の動力を落として慣性の法則を利用して静かに進む。これでレッドアクシズの連中に気づかれる前にポジションニングが出来る。

 ティエリアのヴァーチェも同じように動いているので問題ない。性能的に隠密性に関してはガンダムの方が上だ。火力もこちらが上だと言いたいが、火力はどっこいどっこいだろう。運動性能はこちらが勝ってはいるが、決定的な差はない。

 相手がゲシュペンストMK-Ⅱであれば圧倒できる。だが、ゲシュペンストMK-Ⅲ(アルトアイゼン・ナハト)は加速性と装甲の厚さでガンダムとタメが張れる。こちらは射撃性能が極端に低い。逆にゲシュペンストMK-Ⅳ(ヴァイスリッター)は速度に優れて遠距離攻撃がメインだが、装甲は脆い。

 前衛と後衛にハッキリと別れているタイプで数体なら問題ないが、十機以上で連携されるとトータルでは勝っているガンダムとはいえ、やられる。それほど連中が所持しているブラックホール・エンジンは太陽炉に比肩しうる代物というわけだ。

 

「まさかこんなに大量生産してやがるとはな……」

「ハヤイ! ハヤイ!」

 

 ハロの言う通りだ。技術があるのはわかる。しかし、本社の月を失ってからそんなに経っていないのに社長が交代してから異様な速さで復興して強力な機体を量産している。それに今のネルガル・マオインダストリーは前の物と違い、社長の意に沿わない邪魔者は全て排除されているらしい。またコロニー・メンデルについてもあの辺り一帯に居た宇宙海賊やジャンク屋が少し前から排除されている。それも一部ではアインストを見たと言うのだ。だと言うのにアルフィミィが就任した直後にメンデルが譲渡された。怪しすぎる。

 

『ロックオン。ヴァーチェで砲撃を行う。援護してくれ』

「了解した」

 

 あらかじめ予定したポイントに到着し、漂っている隕石やデブリの中に潜り込んでGNスナイパーライフルを構えてスコープを覗き込む。

 視線の先にある戦場ではバッタのような小型機がゲシュペンストMK-Ⅳ(ヴァイスリッター)達が放つグラビティブラストによって纏めて消し飛ばされて数の優位がどんどん失われている。

 バッタでは相手にもなっていないが、相手側の方に居る巨大ロボットが大型レーザーを放ち、牽制しながら胸部からグラビティブラストのような重力の攻撃をしかけてゲシュペンストMK-Ⅳ(ヴァイスリッター)を散らしていく。

 そう、散らすだ。ゲシュペンストMK-Ⅳ(ヴァイスリッター)達は安全面を優先しているのか、余裕を持って胸部が開きだすか、エネルギーが溜まり出した直後には回避行動に移っている。

 

「厄介だな。こういう時は普通、油断が生まれて撃破されるものだろう?」

「解析されてるぞ!」

「連中に油断は無いってか……」

 

 巨大ロボットの動きに合わせて部隊ごとでしっかりと連携し、確実に無理せずに相手を滅ぼしている。巨大ロボットが転移してゲシュペンストMK-Ⅳ(ヴァイスリッター)の背後に出現すると、即座に護衛についていたゲシュペンストMK-Ⅲ(アルトアイゼン・ナハト)が割り込んで両肩にあるクレイモアを放つ。巨大ロボットは防御系のバリアによってそれを防ぎ、問題なく重力の攻撃をしようとした瞬間。左右から明らかに人体が出せる限界を超えた馬鹿みたいな加速で接近してきたゲシュペンストMK-Ⅲ(アルトアイゼン・ナハト)達がリボルビング・ブレイカーを突き刺し、リボルバーを回転させて杭を確実に撃ち込んだ。それもコクピットにだ。

 

『岩井ィィィィィィィッ!』

『よくも我等の同士を! 許さんぞ悪の地球人共!』

 

 コクピットを的確に破壊した機体を確保したゲシュペンストMK-Ⅲ(アルトアイゼン・ナハト)達は他の連中を無視して下がっていく。それも半数の10機を連れてだ。その瞬間、巨大なGN粒子の奔流は彼等を包み込む。

 

「ティエリアか……」

 

 バーストモードで破壊してレッドアクシズの連中に奴等の技術が渡らないようにするつもりなのだろう。

 

「まぁ、始まっちまったもんは仕方がないか」

 

 俺も攻撃を開始しようとしたタイミングで異変に気づいた。ヴァーチェの砲撃がいきなり方向を変えた。そちらを見ると白い光が急速にヴァーチェに近づいて行っている。ソイツはヴァーチェの砲撃を軽々と回避しながら接近していた。

 

『ロックオン!』

「わかっている!」

 

 ヴァーチェの射線と相手の回避行動を予測し、GNスナイパーライフルの引き金(トリガー)を引く。

 

「危険! 危険!」

「ちっ!?」

 

 引き金(トリガー)を引こうとした瞬間に飛来した弾丸を転がるように回避する。すると目の前には黒い色をした機体が存在していた。すぐにGNビームピストルを引き抜いて放つ。相手も同じように腕に取り付けられている重力の三連装ビームキャノンを放ってくる。

 互い回避して近距離で撃ち合いながらティエリアの方を見ると、白色に周りを移動されながらグラビティブラストを放たれ、GNフィールドで受けながらも反撃しているが、相手の方が運動能力が高いようで命中しない。引き離すこともできないようだ。

 それに回収しようとした連中も重力のバリアみたいな奴で防いでいたのか、機体に損傷こそあれど行動に問題は無いようで今も撤退を続けている。当然、アンノウンも苛烈に攻撃を仕掛けているが、そのタイミングで左右から更に10機ずつ増援がやってきて挟撃していっている。

 

「距離を取らないとまずいなっ!」

 

 腰部フロントアーマー内に内蔵する特殊ミサイルを放つ。相手の回避行動を読んで放った攻撃は数発が撃墜され、数発が回避された。だが、残りのミサイルは直撃した。その爆発で距離を取ろうとした瞬間。爆風の中から無傷の奴が現れてデュナメスの両腕を掴んで背後のデブリに叩きつけてくる。

 

「くそっ!」

「罠! 罠!」

「なんだと!?」

 

 叩きつけられたデブリはその瞬間に表層の岩を突き破って無数のチューブが出てくる。それらがデュナメスに絡みついて両手両足を拘束していく。モニターには黒い機体から出るコネクタのような物がデュナメスのメインカメラに取り付けられ、一瞬で画面に不気味な文字列が映し出される。すぐに全てのモニターがブラックアウトする。俺はどうにかできないかとハロと共に操作していく。

 

「ハッキング、ハッキング!」

「対策はされているんじゃないのか!」

「ハロ! ハロ……ろ……」

 

 怒っていたハロは強制的に停止された。どうしようもないので無視して考える。確か、相手にヴェーダの一部が渡っているとの話だったが、まさかそこから解析されたのかもしれない。システム自体は念の為に変えたが、作り手が同じ組織なのだから似通った部分から攻められたのかもしれない。

 

『フィーゼ、どうだ?』

『はい。もう通じますよパパ』

 

 通信機から声が聞こえてきた。聞こえてきたのはよく知る男性の声と可愛らしい幼い少女の声。その直後に画面に光が戻って映ったのは金色のラインと装飾の映える紺色の衣装を身にまとう銀色の長い髪の毛をした綺麗な幼い少女。前髪に銀色の鷲状の飾りをつけている。そんな子が生身の状態で俺と同じ顔をして俺とは違うパイロットスーツを着た奴の膝の上に座っている。

 

「おい」

『久しぶりだな兄貴』

「色々と言いたいが、なんでお前がここに居るんだライル」

『それを言いたいのはこちらのセリフだ。なんでソレスタルビーイングなんてテロリストに居る!』

「戦争を無くすためだ」

 

 親父達やエイミーの敵討ちもないとは言えない。それにライルが生きていく世界の道標になる。そう思っていたのだが、よりにもよってなんでレッドアクシズに居るんだ。

 

『兄貴、現状を理解しているのか? 異星人からの襲撃を受けているんだぞ」

「それはわかっている。だからこそ、人類は一つにならないといけない。俺達が敵となることで……」

『無理があるだろ! だいたい異星人を相手に団結すればいいだろう! 兄貴達がわざわざ敵になる必要はない! 俺達の所に来い! 社長には話を通してある! 今なら潜入していた扱いにだってできるんだ!』

「ああ、俺も敵になる必要は無いと思っていた。だが、実際はどうだ。地球連邦は纏まっていない! インスペクターが襲撃してきた後も変わらなかったんだ! その次は火星との戦いだ。火星は連邦政府の横暴な要求によって戦う事を決意した。それだけじゃない! 奴等は血のバレンタインを起こした! 俺はブルーコスモスを許容しているような連邦軍を断じて許せない! お前こそこちらに来い!」

『断る』

「ライルっ!」

 

 ライルの言葉に叫ぶ。ライルだけは幸せになって欲しい。俺に残されたただ一人の家族だ。

 

『俺は社長に助けてもらった。仕事をもらった。食料をもらった。仲間を助けてもらった。多大な恩がある。そして、社長は本当に地球の平和のために動いているのがわかる。だからこそ俺達も本気で助ける!』

「ライルは騙されている! アルフィミィ・マオ・ブロウニングはアインストと繋がっている可能性がある!」

『そうだとしても地球を守る存在には違いはないだろ』

「それは……」

『それに兄貴。人じゃないって事がそんなに重要か?』

「何?」

『この子はAIだ。だが、俺の娘だ。高度に発展したAIは人と変わらない。それを俺はこの子達、会社で共に働いている子達から学んだ。人であろうとなかろうと、仲間なら仲間だから助ける。敵なら敵だから殺す。そこに人か人じゃないかの区別なんて必要ないだろう。異種族が手を取り合い、共に地球の為に動く。そこに何の問題があるんだ』

『それこそが……イオリア・シュヘンベルグの目的……人類の変革を起こすのは私達……』

「何故それを……」

 

 ソレスタルビーイングの情報がかなり漏れているのかもしれない。そうなるとスメラギさん達がやばい! 

 

『兄貴。ソレスタルビーイングはもう詰んでいる。何故レッドアクシズを狙ってきた。例えアインストだろうが、会話が出来るのなら敵対する前に会話だろう。武力で介入した時点で駄目だ。正式にアポイントメントを取って来いよ』

「いや、テロリストがそれだと駄目だろ」

『俺は反政府組織に居たが、会社を訪れて話をして組織と難民となった守るべき者達を引き受けてもらったぞ』

「マジかよ」

 

 ……思ったよりもクリーンな組織なのか? いや、それよりも聞き捨てならない事を言っていたな。

 

「ソレスタルビーイングが詰んでいるとはどういう事だ?」

『フィーゼ、お客さん達は今、どうしている?』

『リーサ・クジョウは管制室で、残りの人達はコロニーの部屋に居る』

「何を言って……」

 

 やばい。ヤバイヤバイヤバイ! よりによってスメラギさんが一人だけでセツナ達が一塊だと!? これは確かに詰んでいる。情報通り変身能力があるのなら、絶対に不味い事になる! 

 

『あいつらが兄貴の居る組織、ソレスタルビーイングのメンバーだって事は最初からわかっていた。スメラギと名乗っているリーサ・クジョウが戦術予報士として指揮をし、セツナ・F・セイエイがエクシアのパイロット。アレルヤがキュリオス。ティエリアがヴァーチェだったか。協力している奴等の情報もある程度はわかっている。準備が整い次第強襲をかける予定だぜ』

「っ!?」

『最初から重要な情報を引き抜かれているんだ。どうあがこうが、兄貴達の負けだ。つまり、このまま行ってもソレスタルビーイングでは戦争を無くす事は不可能ってことだ』

 

 全てがバレているか。それならこちらの目的を果たす事が出来ずに負ける。ライルの言う通りだ。ガンダムを維持するのだって金が要る。そこから潰されたら俺達ではどうしようもない。

 

『このまま行けば全員、死刑だろう。だが、俺達の所にくればどうとでもなる。偽物の死体も戸籍も作れる! だから大切な人を連れてこっちに来てくれ兄貴!』

「……すまない」

『このままじゃ兄貴の仲間は皆殺しにされるぞ! それでもいいのか!』

「俺がさせない」

『無理だ兄貴。そもそも兄貴達は上の連中に利用されている。奴等はイオリアの主義主張なんてはなっから興味なんてねえ。ガンダムの力で世界征服をしようとしているだけだ!』

「証拠はあるのか?」

『証拠は……まだない。だが、社長の情報だ。ソレスタルビーイングの内部情報だって全て知っているんだぞ? 何処かに裏切り者が居る事は確実だろう?』

「確かに……」

『時間は無い。期限は社長がプトレマイオスを制圧しに向かうまで。どちらにしろ、もう時間ぎれ。パパ、白猫が失敗した』

『は? 姐さんがミスっただと?』

『パージして逃げられたみたい。八つ当たりに贋作ロボットがやられだしている』

 

 何時の間にかデュナメスに侵入して俺の横に居てハロを抱いているライルの娘という事になっているフィーゼ。彼女はこちらに気づいて軽く頭を下げてくる。

 

「ちっ!?」

 

 拳銃を引き抜き、発砲するが身体を弾丸がすり抜けて壁に激突して跳ね返る。それを彼女はハロで受け止める。

 

「立体映像。無駄だよ、伯父さん」

「くそっ」

 

 脚部にあるGNミサイルで離脱する予定だった。だが、それはもう無理だ。だから急いで自爆用のボタンを押し込む。しかし、何も起こらない。

 

「解析は終了。クラッキングも問題なく終わっている。ヴェーダへのハッキングは残念ながら無理」

『いや、十分だ。兄貴、ゆっくりと話し合おう。大丈夫だ。兄貴の身の安全は絶対に俺が守る。例え味方にならなくても敵対しないだけでも社長は問題ないと言ってくれている』

「本当か?」

「司令官は貴方達の事を気に入っている。ライクの方の好きともファンとも言っている録音があるから確実」

『だから頼む兄貴。俺に兄貴を殺させないでくれ……父さんや母さん、エイミー達になんて報告をすればいいんだ……頼むよ……』

「ああっ、くそっ! わかった。わかったよ。俺の負けだ。お前ともアルフィミィともしっかりと話し合ってやる。だから出来る限りプトレマイオスの皆を助けるように頼む」

 

 両手をあげて銃を放りだし、両手を頭の後ろに組む。動かないガンダムなんて棺桶と変わらない。もう俺にどうする事もできない。せめて皆の助命を頼むだけだ。

 

『掛け合ってみる。まあ、社長なら大丈夫だろう』

「大丈夫。仕事がなくなっても伯父さんはパパと私が養う」

「……伯父さんか。ライルの娘ならそうなるのか?」

『それで間違いないとは思うぞ。俺が付き合ってた彼女のDNAと俺のDNAで身体を作る事もできるって言ってたしな』

「それって大丈夫なのか? その母親の方は……」

『ああ、大丈夫だ。母さん達と同じところに行ったからな……』

「そうか。すまん」

『いいさ。それよりも今から帰港する。隕石ごと牽引するから大人しくしていてくれ』

「隕石ごとか。そういえば俺は罠が仕掛けられている場所にやってきたんだな」

『この辺り一帯、全てトラップだからな』

「マジか」

「本当。このデブリや隕石は全て偽装。訓練施設として使っているし、各種センサーも内蔵。だから、ガンダムが来てるのも一発でわかる」

「最初からここに来た時点で勝ち目がなかったのか」

「ん」

 

 この辺り一帯全てがセンサー内蔵のトラップという事はGN粒子で阻害されるとぽっかりとその部分だけは穴が開くことになる。それはつまり、そこに何かがあると言っているようなものだ。

 こんな物を訓練施設として用意しているのなら、この中を突撃してタイムを競ったり、潰し合ったりもしているんだろう。訓練量でも敵わないかもしれないな。

 

 

 

 

 

 

【コロニー・メンデル セツナ・F・セイエイ】

 

 

 

 

 スメラギを待っている。部屋の護衛は入口に二人。部屋の四つ角に一人ずつ。扉の外にも二人が居るのは確実だ。どいつもサイボーグであり、生身では俺達はかなわない。金属の身体を持ち、モビルスーツほどとはいかなくてもかなりの馬力を出せる。それも戦闘用に開発された軍用サイボーグだ。武装もしっかりとしているので、丸腰ではまず無理だ。

 他の連中も大人しくしている。だから、俺はどうにかする事を考えている。しかし、護衛という名の監視が厄介すぎる。

 そう思っていると部屋の扉が開き、スメラギが帰って来た。彼女の隣には教授と呼ばれていた人が立っていた。

 

「それではクジョウ君。また会おう」

「はい、教授。それでは私達はこれで失礼します。皆、帰るわよ」

「もういいのか?」

「ええ、戦いはあったから後処理の為に私達は邪魔って事ね」

「そういうことなら……さっさと帰ろう」

 

 アレルヤが何処か不思議そうにしているのが見える。だが、問題はないだろう。兵士の人に案内してもらい修理された輸送船へと乗せられる。

 

「これからどうする?」

「そうね……プトレマイオスに戻ります。ロックオンが捕まったわ」

「なんだと!?」

「それはまずいね」

「ええ、まずいわ」

「ヴァーチェはどうなった?」

「ヴァーチェは撤退する事ができたけど装甲をパージしてナドレを出したわ」

「ナドレ?」

 

 初めて聞いたな。ヴァーチェは装甲をパージすればナドレになるのか? 

「っと、これは秘密だったわ。忘れてちょうだい。今はプトレマイオスに戻って残りのガンダムでロックオンを助け出し、デュナメスを取り戻すわよ」

「わかった」

「了解。帰投するルートは……」

「それは王商会にお願いするわ。私はこれから奪還作戦を練らなくちゃいけないから、いいわね?」

「畏まりました」

 

 ロックオン……生きていろよ。俺達が必ず助けてやる。

 

 

 

 

後書きの設定を使うか使わないか。使わないならアルフィミィの部分を普通のアインストに差し替え

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