というわけではありませんが、番外二本目です!
ほのぼの回ですが、楽しんで頂ければと。
文字数多めですのでゆっくりと読んでいってください!
「マスター……マスター!」
「あさ、しん?……なんで、お前が」
「なんでって……当たり前、じゃないですか……」
「……お前、まで」
「そんな事はどうでもいいんです!だから、マスター……しっかりしてください!」
「……ごめ、んな。なん、だか……すごく……さっきから、眠くて」
「マスター……そんな、嘘です……しっかりしてください、マスター!」
響き渡るアサシンの叫び声、彼女が握っているその手からは、段々と力が抜けていく。
その温かさを逃さないように、しっかりと握りしめて、彼女は願い続ける。
「……大丈夫、だよ。また……いつか、会える、から」
「マスター!」
彼女の願いに反して、マスターと呼ばれた青年はゆっくりと目を閉じ、幸せそうな表情を浮かべる。
その手にはもう、力が込められていない。
ああ、私は彼を助けることができなかったのか……
悲嘆に暮れる彼女へと、一人の女性が声をかけるのだった。
『茶番が長い!この、アホコンビ!』
「テヘッ♪」
『無駄に可愛い誤魔化し方やめなさい、アサシン』
ウインクしながら、あざと可愛らしくポーズを決めるアサシンへ、オルガがツッコミを入れる。
「……テヘッ♪」
『ぶっ飛ばすわよ、アンタ』
「辛辣ぅぅ!?」
同じ動作をした俺に対して、オルガは即座にそう言い放った。
簡単に言おう……風邪を引きました。
◇◆◇
「あの看護師(狂)が言うには、ただの過労だそうですよ。全く……もう少し、自分の体調に気を使って下さい」
キュッ、キュッと水で濡らしたタオルの過剰水分を落としながら、アサシンがそう言ってくる。
普段は、余りに酷い生活を送っているとアサシンのストップが入るのだが……ここ三日間ほど彼女は子供組の保護者などで、忙しかったらしく、俺の面倒まで見てられなかったらしい。
……この言い方だと、俺と子供が同格みたいでなんか癪だな。
「……子供組の子は、マスターなんかよりよっぽど体調管理が出来てますよ。サンタ・リリィとかは特に」
「あれは、コホッ……例外、だろ」
『結、いいからゆっくりしてなさい……というか、私は何度か休むように言ったはずよ』
「心配してくれるなんて……ゴホッ、オルガ様は優しいなぁ」
ぐうの音もでないオルガの言葉をスルーして、軽口を叩く。
『馬鹿なこと言ってないで……さっさと寝て』
「そうですよ、マスター……なんなら、子守唄でも歌ってあげましょうか?」
弱った俺にニヤニヤとした笑みを浮かべるアサシン……ばーか、なんて言葉を返そうと思っていたのだが、口から出てきたのは思いもしない別の言葉。
「……じゃ……頼むわ」
「ふぇ?」
『え?』
思ったよりも俺は弱っているらしい。
正直、子守唄でもなんでもいいから、取り敢えずアサシンには近くにいて欲しかったのだ。
暫くの間、赤面。
そして、沈黙してから自分の冗談が原因であるため、アサシンは渋々と優しい声音で歌を歌い始める。
落ち着いたリズムで、ゆったりと俺の頭を撫でながら……
目を閉じる。
いつしかオルガも鼻歌を歌っていて……そこには、気持ちの休まる心地のよい時間が流れていた。
頭に温かいアサシンの手が触れることで、寂しさなどは吹き飛んでいき、落ち着いたことで、次第に眠気が襲ってくる。
そして
「ちょっと、アンタ!!聴かない声だけど、どこの誰よ!」
「中々やるではないか!む?風邪を引いているのか?どれ、余も一曲歌っていってやろう!」
「「『今すぐ、帰れ!!!』」」
乱入してきた音痴コンビに、三人同時に怒鳴り返した。
少し時間と視点を飛ばして……アサシンside
「……さてと、これからどうしましょうか?」
1日オフである今日は、マスターと一緒にのんびりしていよう……なんて思っていたのだが、マスターが風邪でダウンしてしまったため、予定は総崩れだった。
「取り敢えず……折角のチャンスですから、私がマスターのお世話を」
たまには普通に役に立って、体調の良くなった暁には、色々ご褒美を貰って……なんてことを考えてながら、食堂へと向かった。
今日はまだ何も口にしていないはずの可愛そうなマスターに、お粥でも恵んであげることにしよう。
「久しぶりですが……腕が鳴りますね♪」
美味しそうに私が作った料理を食べているマスターの姿を想像したら、少しだけ気分が良くなってきた。
鼻歌を歌いながら、廊下を歩いていく。
「カーマ!ここに居たのですね……聞きましたよ、結さんのこと」
そんな気分に水を差すように、あの女の声が聞こえてきた。
「……何の用ですか、パールヴァティー」
「何の用ですか、じゃないですよ!結さんが体調を崩したと聞いて、急いで看病に……」
本当にコイツは……最近、ちょっとはマシになったのかな?なんて、ほんの少しだけ思ってたのかもしれないのに……どうしてくれようか。
「看病なら、全て私がやりますから!貴方には、関係ないことですよ!」
厨房へと移動し、姿を料理をしやすい体格……高校生程のものに変えた。
どっかの弓兵の黒エプロンを身につけながら、パールヴァティーに返答する。
エプロン使用の許可?そんなものは知らない。
「関係ないなんてことはないですよ。第一、貴方がまともな看病なんてーーー」
いつも通りの言い争い……その中で、パールヴァティーは一つの地雷を踏み抜いた。
「……貴方……私をなんだと思ってるんですか?」
癪に触った。
その発言には、少しばかり許し難いものがある。
パチパチと、無意識のうちに私から発せられた魔力が電気を帯びるかのように弾ける。
「か、カーマ?その、えっと」
「私が……私が一番、マスターの心配をしてるんです!貴方に口出しされる理由なんてありませんし……何より、形だけの良妻賢母風色ボケ女神なんかより、私の方が看病できるに決まってるじゃないですか」
一瞬、『あっ、やっちゃった』みたいな表情を浮かべたパールヴァティーに、容赦なく意見をぶつけていく。
その中には……
「ちょ、幾らなんでも、それは聞き捨てなりませんよ、カーマ!」
この女にも譲れないことがあったらしく……
「何ですか?何か、間違ったことでもありましたか?この、なんちゃってランサー!少し、贅肉がついたんじゃないですか?」
「言いましたね。今、はっきりと!人が何気に気にしてること、言っちゃいましたからね!?」
「第一……毎回なんなんですか、貴方?私のマスターに干渉しすぎだと思いますけど?関係ない貴方は引っ込んでいて下さいよ」
「関係ないなんてことありませんよ!第一ですね……貴方が結さんに迷惑をかけたから、私は彼と関わりを持ったわけですし……何より、
「うぐっ……過去ばっかり気にしすぎなんですよ、貴方!」
「それは、こちらのセリフです!大体、貴方が私を一方的に嫌っているだけで、私は何度も仲良くしようと試みてるわけでして……」
「誰も、貴方と仲良くしたいなんて言ってませんよ〜だ!」
「貴方に結さんを任せきれないのは、そういう子供っぽいところがあるからですよ!」
「ネチネチと……ホントにめんっどくさい女ですねぇ!」
「貴方にだけは、言われたくはありませんよ!」
互いが己の武器を持ち出しかねない……そこまでヒートアップした時のことだった。
「君達……一体、さっきから何の騒ぎだね?それと、君は私のエプロンを返したまえ」
◇◆◇
「……はぁ。別に、君たち二人で看病をしても良いのでは?喧嘩になるぐらいなら、結の看病程度、私一人でどうにかするが?」
「「それはダメです!」」
「……はぁ」
事情を聞いた厨房の守護者こと、エミヤは目の前で繰り広げられる悪夢に溜息を吐いていた。
それこそ周りに人が居ないのならば、いつかの日のように「なんでさ!?」と頭を抱えて、畳の上を転がり回って叫びたくなるレベルである。
初めてジャガーマンの姿を確認した時ほどではないが……
「しかし、延々とこうしている場合でもなかろう?身の回りの世話をアサシンが、軽食をパールヴァティーが作る、ということにしてはどうだね?」
自分から首を突っ込んでなんだが……さっさと妥協案を出し、この場から離れたい……もしくは、この聖域から出て行ってもらいたい、というのがエミヤの本音である。
「「…………」」
黙って見つめ合う二人のさく……女神。
様子を見るに、この妥協案で納得してくれそうである。
パールヴァティーには、何度か料理を教えているため、彼女の腕は知っている。
お粥を作るなど、造作もないことだろう。
そんな所に、トラブルメイカーが現れる。
「へぇ……アーチャーはパールヴァティーの方が、料理上手に見えるんだ?」
ニマニマ笑いを浮かべて、フワフワと浮遊しながら現れた金星の女神の手によって、妥協案に落ち着きそうだったこの場の空気が完全に崩壊してしまった。
「……そうなのですか、アーチャーさん?」
「……そうなんですよね?エミヤ先輩?」
嗚呼……もう、好きにしてくれ。
厨房の守護者は、何度目か分からない深い溜息を吐くことになるのだった。
ーーーーーーー
その頃、結の部屋では
「フハハハハ!喜べ、雑種。王の中の王である、この我が!わざわざ見舞いに来てやったぞ!喜ぶがいい、フハハハハ!」
「Uターン……ゴホッ、して、直帰しやがれ、慢心王!」
「断固拒否する!」
「うん……ゴホッ、知ってた」
番外二連続登場でご満悦な慢心王に、帰れと言うだけ言っておく。
この人に何を言っても意味がないのは周知の事実だ。
「うるさいのが来たから、私は帰るとするわ……そこに、偶々!ほんっとに偶々、飲み物を置き忘れていくかもしれないから……見つけたら勝手に処理しておいて……ほんっとに偶々だから!」
『態々お見舞いありがとう、オルタ』
繰り返し偶々だから!と叫んでから、ベッド近くの椅子に腰掛けていたジャンヌ・オルタが席を立つ。
去っていく後ろ姿を見送りながら、思わずボヤく。
「ヌオルタちゃんは……オルガと雑談するだけして、帰って行きやがるし……」
何故か、本当に何故かオルガとヌオルタちゃんは物凄く気が合うようで、かなりの頻度で女子会……という名の愚痴会を開いているらしい。
らしい、というのもその会を行う時には、俺は眠っているor意識を刈り取られている、のどちらか状態にあるのだ。なんでも「結に聞かれてたら、女子会じゃないでしょう」とのことだ。
しかし、今日は本当にただの雑談だったようなので、ここに飲み物を置いていくことが本当の目的だったのだろう。
「それで、ゴホッ……王様は、何の用事で?……あ、そこら辺に飲み物落ちてると思うので、取ってくれます?」
「貴様……我を召使いと勘違いしてないか……まあ、良い。何、ちびっ子共と遊んでやろうと思っていてな……何か興がのる催しはないかと散策中でーー」
慢心王はこちらへスポーツドリンクを投げて渡しながら、そう言った。
「お前、もうホント帰れよ」
「フハハハハ!断る!王たる王が直々に来てやったのだ……寧ろ歓迎するがいい!」
『やりたい放題……本当に酷いわね……賢王との差が』
割と賑やかにワイワイやっていたりした。
(本人としては不本意だが)
ーーーーーーー
再び、時間は経過して……視点は立香sideへと。
「……っ、……っ!……ふぅ。本日のメニュー終了っと!」
いつも通りの筋トレにランニング。
普段は、オルガと結やキャスターのクーフーリンなどから、魔術について学んだりもしているのだが、今日は結が体調を崩したらしくその予定はない。
あらかたのトレーニングを片付けた後は、日替わりで色々な人に師事して、教わっていない特殊技能についての鍛錬を終える。
ここ最近はハサン達から受け身と気配遮断についてのことや、ロビンから森でのサバイバル技術について教えて貰っていた。
……なんの気紛れか、キングハサンが来てくれた日は流石に驚いたが。
「どうしようかな……マシュは、いつもの健診で居ないから……ん?何か食堂が騒がしいような」
シャワーを浴びてから、今日は何をしようか?と廊下を歩いていると、食堂のある方向から人の気配を多数感じた。
「気配を感じて動くって…………なんか、段々と私まで結みたいになってるような……」
思わず、戦えるマスターである彼の隣で、拳を振るう自分の姿を頭に思い浮かべてしまってから首を横に振った。
「……あんまり考えないようにしよう」
アレにはならない、と小さく心に宣言しながら、食堂へと向かっていく。
そしてその場所に足を踏み入れた瞬間、呟いた。
「…………なに、これ?」
普段は頼もしい赤の弓兵が蟀谷に手をやり、俯いている。
白髪紅眼の愛の女神様と、うちの自慢の良妻系女神様が膝から崩れ落ちている。
ゲラゲラ笑う青の槍兵に、引きつった笑いを浮かべながらフワフワと宙に浮かぶ金星の女神様。
そして、パクパクと二つの皿を順番に食し、満面の笑みを浮かべると同時に、少し不思議そうな顔をして首を傾げている青のセイバー。
それらの光景を見終わった瞬間、教わった気配遮断のコツを意識して、ゆっくりと食堂から離れていく。
否、離れていこうとした時に、彼に呼び止められた。
「逃げずに助けてくれ、マスター!これは、もう……私の手に負える問題じゃない!」
カルデア屈指の常識人であるエミヤが、そこまで言う問題なんかに、関わりたくないなぁ……そんなことを考えながら、私は渋々と食堂の中へと戻る。
もう少し、気配遮断の鍛錬を重ねよう……そう固く決意しながら。
◇◆◇
「それで、結局は料理勝負になったんだね……アルトリアとクー・フーリンは判定役に呼ばれたの?」
「はい……経緯はどうあれ、美味しい料理が頂けるのならば、と思って立候補したのですが……」
「まぁな……と言っても俺はただの暇つぶしだぞ?珍しく本気で参ってたそこの弓兵を笑いに来てやっただけだ……料理は頂いたが」
いつも通り礼儀正しいアルトリアと、飄々とした態度のクー・フーリンの表情には、何やら少し苦笑いのようなものが見えた。
詳しく聞けば、その二人にイシュタルを合わせた三人で料理勝負の勝敗をつけるつもりだったらしい。
結にどちらが料理を作るかをかけて、料理勝負をしていたらしいのだが……ここまで聞く限り、随分と面倒臭いことをしているなぁ、ぐらいしか思うことはない。
「ですが?どうしたの?」
「いえ……これは、実際に味わってみた方が早いでしょう。マスター、こちらを」
私の問いかけの答え代わりに、アルトリアは手に持っていた二つの皿と、スプーンを渡してくる。
公平を期すため、どちらが作った物なのかは聞かないで食すことにする。
「これは……グラタンかな?……ええと、とりあえず、頂きます」
どちらとは言わないが、料理をしている姿を全く見たことのない女神様お手製の料理である可能性があった。
恐る恐るスプーンでグラタンを掬い取り、口に運んだ。
しかし、そんな心配は一切必要なかった。
まろやかで優しい味、そして何よりも驚いたのは食感の良さだった。
「これ、タケノコ?グラタンに入ってるの、初めて見たかも!」
エミヤの料理に勝るとも劣らない程の素晴らしい料理だ。
一口、二口と食べてしまってから、食べ比べを行っていたことを思い出す。
「……!危ない、危ない。つい美味しくて、もう一つあったの忘れちゃってた……それで、もう一つの方、は……ん?」
もう一皿の中身もグラタン。
アルトリアほど食事を生きがいにしている者ならば、同じ料理で良し悪しをつけることなど容易いのでは?
そう考えると、嫌な予感がし始める。
先程同様、もしものことがあってもマズい等と口にしないよう覚悟を決めて、一口食べた。
そして……現在起こっているその問題の内容を完全に理解した。
「……これって、全く同じ味付けじゃないの?同じようにタケノコが入ってるし」
「はい……私もランサーも……更に言えば、アーチャーすらもが同じ感想を抱きました」
項垂れている二人の女神様に引きつった笑顔を浮かべる私を見て、ランサーのクーフーリンとイシュタルの笑い声だけが響いて行った。
◇◆◇
そして……時間は経過し、回り回って視点は戻って結side
「……で、結局は俺の看病なんてそっちのけで、パールヴァティーと料理勝負を延々と繰り広げていたと?」
バツの悪そうな顔で正座をしているアサシンに、蟀谷に右手を当てながら確認を取る。
そんな俺の左手には、ドサクサに紛れて
……取り敢えずエミヤと立香には、今度会った時にしっかりお礼言わないとな。
慢心王の暇つぶしに付き合った礼として、原材料不明の"ウルクの霊薬"とやらを受け取り、服用してから一眠り。
俺の体調はかなり回復しており、咳は収まって熱も下がっている。
ほんの少し体にダルさが残っていたので、大事をとって休養していたところに、彼女はバツの悪そうな表情を浮かべて帰ってきたのだった。
「う、その……はい」
俺の視線に耐えかねて、スッと目を逸らすアサシン。
少し時間をおいて、コクリとうなずいた彼女の姿に苦笑した後、ポンポンとその頭を撫でてやった。
「……?」
アサシンの表情を見る限り、料理対決をしながらも、楽しい時間を過ごしてきたようなので、少し嬉しかったのだ。
……端から、看病をして貰えなかったことを咎めるつもりはない。
俺の対応に不思議そうな顔をするアサシンだったが、只今考えていたことを伝えることはしない。
『全く戻ってこないから心配したわよ?』
「あ、そう。それ!遊んでくるのはいいから、なるべく連絡入れるように」
オルガの言葉に付け加えるように、これだけは注意しとけよ、と一本指を立てながらそう言っておく。
説教くさいその言葉に、アサシンは渋面を浮かべてボソッと呟いた。
「なんか……子供扱いすぎませんか?」
「『実際子供みたいなもんだろ(でしょ)?』」
「……今日に限って言えば、否定できないのが悔しいですね」
むむむ……と反論できずに黙ってしまったアサシンにふと思いついたことを聞いてみる。
「そういや、料理勝負はどうなったんだ?」
「……!そう!それなんですよ!あのなんちゃってランサーと私の得意料理が尽く被りまくっていまして…………」
((なんちゃってアサシンなのは、貴女もでしょうが……))
◇◆◇
ブツブツと文句を言い続けているアサシンにジト目を向けた後……俺は、機嫌取りでも何でもなく、本心から一つ頼み事をするのだった。
「……風邪も治りそうなところで……久しぶりに、アサシンの手料理が食べたいです」
「…………ほんっっと、しっかたないマスターですねぇ!」
アサシンは少し黙った後に、にへら、とおよそ他人には見せられない程に表情を崩した笑顔を浮かべて返答する。
そんな彼女に、更に要望を付け足してみることにした。
「愛情たっぷりで、よろしくね?」
「……しょうがないですねぇ…………言われなくてもわかってますよ」
後半部分はよく聞こえなかったが……俺の言葉に彼女は満面の笑みを浮かべていた。