ONE PIECE サイヤ人の変異体 作:きょうこつ
司法の塔 鎖に縛られているフランキーとロビン
ロビンは自身の行為が無駄となってしまったことに後悔していた。
「顔を上げろ。ニコ・ロビン。アイツら遂にここまで来ちまったぞ。とんでもねぇ事だ。お前が仲間達のために政府の条件を呑んで連行されたのは分かった。けど、そんな条件もさっきのバカ長官によって取り消された筈だ。お前が捕まっているからといってこの先誰かが助かる訳でもねぇ。もう素直に助けに応じてここから逃げ出すしか道はねぇ筈だ。なのに何でそんな冴えない顔してやがるんだ?」
「…」
フランキーに言われると彼女は何も言えないのか黙り込む。
「まるでお前1人で何かから逃げ回ってるみてぇだな。前に話してた昔の“友達”のように仲間が死ぬのを恐れてるのか?目を逸らしてるんだったら…アイツらお前を救えねぇんだぞ」
そう言うとフランキーは自身の内部構造にある機能を作動させた。
「今からお前を麦わらに会わせる」
「…!?」
すると、フランキーの尻が急に膨らみ始めた。
「おいお前ら!今すぐニコ・ロビンの連行を始めろ!麦わらから遠ざけ…うわぁぁぁ!?なにそれぇぇ!?便秘か!?」
戻ってきたスパンダムはフランキーの尻が急激に膨らみ始めている光景に驚き尻餅をついた。
「おぅスパンダ。俺は自分の命の淵を悟り…自爆という道を選ぶ。せめて憎いお前も道連れにな…!!直径3キロの爆発をもって。残り3秒でだ」
「えぇ!?ちょ…!ちょい待て!!」
「3」
スパンダは取り乱しおどおどする。その間にもフランキーはカウントダウンを始める。
「2」
「待て待て!分かった!!話をしよう!!なぁ!?」
「1」
「ぎゃぁぁぁ!!もうダメだぁぁ!!」
ゼロ
「空来・噴射ッ!!」
すると、フランキーの肛門から大量の空気が噴射し、同時に抱えていたロビンと共に鎖を無理矢理引き離し、その場から一気に司法の塔の外へと飛び出していった。
だが、
「のわぁ!?」
脱出はできたものの、外に張り巡らされている柵に阻まれ完全には脱出は出来なかった。
「!!」
そこからはエニエスロビーの街の景色が見渡せた。体勢を立て直したロビンは外の景色を見る。
そんな時
「おぉい!!ロビ〜ン!!」
自身を呼ぶ声が聞こえた。そこには自分が所属していた麦わら海賊団 船長であるルフィが手を振っていた。
「よかった!まだそこにいたんだなぁ!!」
「ルフィ…!」
来ていたのだ。もう目前まで
「 いるじゃねぇか。おい、キチンと自分から応えてやれ」
そう言うとフランキーは背後から追ってきた兵士たちを邪魔にならないように迎撃する。
「よ〜し!そこで待ってろ!!今すぐそこにいってやる!!」
ルフィはゴムで壁を掴むと反動でこちらに来ようとしていた。
来ちゃダメだ。
歯を噛み締めながら。苦しいながらも言う。
「帰ってッ!!私はもう!!貴方達の顔はもう見たくないの!!どうして助けに来たの!?私がいつそうしてほしいと頼んだの!?
“私はもう死にたいのよ!!!”
空に響く自身の思い。
すると、それを嘲笑うかの如く手を叩きながらスパンダムが後ろから歩いてきた。
「ハハハハハハ!!傑作だなぁ!面白いったらありゃしないぜ!」
「!?何だと!?スパンダてめぇ…がはぁ!?」
「うるさいのぅ。ちと頭冷やせ」
フランキーの頭を何者かが壁に蹴り入れる。CP9の1人『カク』
彼が現れた瞬間に続くようにロビンの周りにはルッチを始めとしたCP9の面々が全員集合していた。
「よくぞ集まってくれたお前ら!だが今は手を出すな!麦わらの一味が内部崩壊を始めたようだ!!」
そう言うとスパンダムは蔑みの目を向ける。
「見守ろうじゃねぇか!!最高に面白ぇ〜!!!あ〜ひゃっひゃっひゃ…どば!?」
「!?」
その時だった。スパンダムの顔に何かが勢いよく飛んできた。
方向からして下。目の前の裁判所の屋上から投げられたモノだった。
「さっきからキーキーうるせぇんだよ。クソパンダ」
その声はルフィではなかった。
「うぉ!?誰だ!?今投げたの!?」
フランキーは瓦礫が飛んできた場所へ目を向ける。そこにはルフィが後ろの誰かに話しかけていた。
「おいおい。そこじゃあ多分ロビンが見えねぇぞ。横に立たねぇと」
「あ、そうか」
何やらもう1人いるかのように会話していた。あまりの痛さにゴキブリのようにのたうちまわるスパンダムを無視し、皆はその方向へ目を向けた。
「よっと……」
その人物はゆっくりとルフィの横へ並び姿を現すとこちらへ顔を向けてきた。
「…え…?」
白くたなびく髪 薄い褐色の肌 くっきりとした瞳
『分かんないけど何か凄いな』
『魚食うか?』
『へぇ、お前って色んな事知ってるんだな〜!もっと教えてくれよ!』
思い出すのはあの日
彼がやってきた事で自身にもう一つの楽しみができた。
毎日接してきてくれた。
初めての友達になってくれた。
けれども…あの日に死んでしまった。そう思っていた。
ロビンは過去を思い出しながらゆっくりと名を口にする。
「ニソラ……?」
ゆっくりと尋ねる。すると、その少年はニッコリと笑い頷いた。
「あぁ。久しぶりだな。ロビン」
「…!!」
大切な友達が生きていた。とても嬉しい。だが、涙は出ない。
会えたとしても、もう何も話せない。あの日のように語り合えない。自身には“死”が待ち受けているのだから。
一方で、ニソラはルフィに続くようにロビンへ疑問の声をぶつける。
「再会でいきなりだが、死にたいってどう言う事だ?お前が何で死ななきゃならないんだ?」
「…!!」
先程の言葉を思い出すとロビンは歯を噛み締めると、細々とした声で応える。
「私が生きていると…多くの人が不幸になるからよ…!いつだってそうだった…私がいれば…必ず誰かが犠牲になる…!!」
胸が張り裂けそうだった。せっかく再会できたというのに、こんな形でしか話せないのは辛かった。
「ハ〜ハハハハ!!全くもってその通りだ!」
そんな中で痛みが治ったのかスパンダムは大笑いしながら再び顔を出してくる。
「いいか小僧!!よく聞け!コイ…ごはぁ!?」
スパンダムは更にロビンを陥れようとした。が、喋ろうとしたスパンダムの顔にニソラの投げた瓦礫の塊再び当て付けられる。
「不幸になる?バカな事言ってんじゃねぇよ。だったら俺はあの時 死んでるだろ?嘘だったらもっとマシな嘘を吐け」
「…!」
ニソラの言葉にロビンは何も返せなかった。
すると、ルフィも言葉を投げかける。
「ロビン。何をどう言ってもよ。俺たちもうここまで来ちまったんだ」
すると、ルフィ達の後ろの足場が突然 破壊され、そこからナミとチョッパー、そしてゾロが飛び出してきた。
「とにかく助けるから!!お前もコイツと話したい事たくさんあんだろ!?」
そう言いルフィはニソラの肩を叩く。
「それでも死にたいんなら そん時に死ね!」
すると、背後からサンジが飛び出してくると同時に、空からウソップ…ではなく…『そげキング』が落ちてくる。
「頼むからよロビン!!!死ぬとか何とか言うのは構わねぇからよ!そう言うことはお前 俺たちの側で言えッ!!」
その言葉と共に辿り着いた皆は次々とロビンに言葉を投げかける。
「そうだぞロビンちゃん!!」
「早く帰ってこーい!!!」
サンジとチョッパーが声をかける中でニソラは肩に手を置くと首を回す。
「ま、どんな理由があろうと強制的に連れ戻すけどな」
「ニシシ!俺もおんなじだ!だからロビン!!後は俺達に任せろ!!」