ONE PIECE サイヤ人の変異体   作:きょうこつ

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蹂躙

ーーー護送船ーーー

 

「ゲホッゲホ…」

ココロが連れていた麦わらの一味の皆は何とか無事ではあったが、全員が白目を剥いていた。

フランキーの見立てによると、全員仮死状態であるが、あまり水は飲んでいないらしい。何かとんでもないモノを見てショックを受けた事が原因であるらしい。

 

その原因とは…

 

「ンガガガガ!よかったねぇ。でも仮死に成る程のショックって一体…」

 

「オメェだよクソババァ!!服ちゃんと着ろや!」

 

ココロ駅長である。濡れたズボンの水気を払い、ベルトの音を立てながら装着しているその下半身には二方向に分かれた尾びれがあった。

そして上半身は裸で貝のような胸当てをつけていた。

 

 

ーーーーーー

ーためらいの橋ー

 

仮面を装着したニソラは手を払う。すると、先程殺害した海兵の大量の血が辺りに飛び散る。

そして、目の前にいる大佐達へ、その不気味な仮面の目を向けるとゆっくりと一歩一歩と歩き始めた。

 

 

「相手は1人だ!!!向こうにニコ・ロビンがいる!!必ず奪還せよ!!!」

 

『『『おおおお!!!』』』

その大号令とともに雄叫びをあげながら無数の大佐達は荒波のように向かってきた。

 

 

 

その軍勢にニソラは緑色のオーラを纏い笑いながら走りだす。その速度は一般のスピードを遥かに上回り一瞬で前線部隊へと迫る。

 

そして、武器を振り下ろそうとした大佐の脇腹目掛けて、ゆっくりと態勢を低くすると、最後に踏み込んだ脚を回転の軸として、力を入れると、もう片方の脚を振り上げ、回し蹴りを放った。

 

「ぐほぁ…!?」

 

ドォオンッ!!

その脚は一般の人よりも鍛え上げられている海兵の腹をまるで豆腐かのように柔らかく入り込みながら、その体を水平に吹き飛ばした。

放たれたその威力は彼1人を戦闘不能にするだけではなかった。

 

ガシャァァァンッ!!

 

それと同時に衝撃波が発生し、吹き飛ばされた大佐の軌道上にいる他の大佐は全て巻き添えをくらい、近くに停泊してある軍艦へと叩きつけられた。

一方でニソラは攻撃の手は緩めない。

 

「カッカッカッ!!」

老人のように笑うと、腰を低くし、四股を踏むように脚を振り上げ、地面へと叩きつけた。

すると、ニソラの立つ足場を中心に竜巻が発生した。その竜巻はあまり威力は強いとはいえず、ただ周りにある小石を飛ばしていくだけであった。

 

「ぐぁぁぁ!?なんだこれは!?」

「ぐぅぅ!?」

だが、不思議なことにその竜巻は大佐達の方向にだけ、風圧が掛るように吹き荒れた。大佐達は向かってきたその風圧に耐え切れず腕で視界を遮る。

 

だが、それが命取りとなってしまった。

 

「カッカッカッ!!!」

その瞬間 ニソラがその竜巻を纏うように向かってきた。大佐達の目の前まで迫ったニソラは手を手刀へ変えると、その手刀で、向かう先にいる大佐の胴体に手を振り下ろす。振り下ろされた手はまるで本物の刃のように大佐の身体を右肩から左脇腹にかけて肉を斬り裂く。

 

「がぁ……」

胴体が横に真っ二つにされた大佐はゆっくりと膝から地面へと崩れた。その出血量は目測でも分かるほど致死量を超えており、その大佐の命は尽きていた。

 

「おのれッ!!」

「おぅ?」

そんな中 一足早く戦闘状態へ戻った大佐が『剃』でニソラの前に現れると刀を振り下ろしてきた。

だが、その速度はニソラから見ればハエが止まる程度。

 

「止まって見えるぞ?」

「!?」

その刀がニソラの身体へ斬り込む寸前に ニソラの姿がその大佐の真横に現れ、刀は空振りとなる。

それと同時に刀を持っていた手が掴まれていた。

 

「ぐぬぅ!?」

その驚異的な握力は掴んだ瞬間にその大佐の手を内部から砕いていった。

 

「ぐぅぅ!?何だこの握力は…!?」

自身よりも遥かに小さな手とは全く思えない握力に大佐は汗を垂らす。まるで…『巨人に握られている』ようだった。

 

「ちょいと使わせてもらうぞ」

「!?」

その瞬間 ニソラはその掴んだ手を更に握り締めると、片手で100kgを超える大佐の屈強な身体をまるでヌンチャクのように振り回した。

 

「ゔぁぁぁぁ!!!?!?」

振り回された大佐は何をされたのか分からず自暴自棄になり、絶叫した。いや、それだけでは済まなかった。ニソラが振り回した事によって、その大佐の身体は至る所へと身体をぶつけ、次々と身体の形を不規則に変えていった。

そして、その影響は周りにも及ぼした。

 

「ぎゃぁぁぁ!!」

 

「う!?ゔぁぁあ!!!」

 

その場中の大佐達の身体へ次々とその振り回される身体がぶつけられ、時には腕を 脚を、最悪な時は頭もへし折られていった。

 

「カッカッカッ!!」

その残虐な進撃は止まる素振りを見せなかった。すると突然、ニソラは振り回していた手を止める。振り回されている大佐にはもう息はなかった。手や脚の骨は粉々。頭は半分を失っており、確実に死亡していた。

 

「何だ?もう死んだのか。つまらんな」

すると、

振り回す武器に完全に気が覚めたニソラはその死体を海へ投げ捨てるという常識を覆す行動に出た。

 

そのあまりにもの酷い仕打ちに海兵達は恐怖する。

 

ありとあらゆる海賊をこの目で見てきた。だが、ここまで残酷な真似をする海賊は億越えでしか見た事がない。

 

恐怖に呑まれ、大佐達は戦意を失った。だが、戦意を失ったとしても、一度敵意を向けてきた相手に、ニソラは容赦はしない。

 

 

「カッカッカッ。まだ残ってるのか」

 

 

その瞬間 ニソラの姿が消える。

 

「な…!?」

“どこに消えた?”そう口に出そうとした瞬間にその大佐の首が切り落とされた。

 

大佐1人だけではない。周りの大佐全員はそれぞれ腕は切り落とされ、胴体には風穴を開けられていた。

 

 

「ほらほらどうした!?相手はたった1人の小僧だぞ?」

後方で待機していた大佐達にニソラの目が向けられる。その獣の眼光に捕らえられた残りの大佐達はすぐさま臨戦体制へと入った。

 

「カッカッカッ!!!」

そして、ニソラはその場から走り出した。下には夥しいほどの大佐達の亡骸が転がっている。が、ニソラはその上をまるで地面を踏むかのように平然と走り渡る。

 

「…!!」

亡骸さえもゴミのように扱う凶悪性に残りの大佐達は、恐怖、そして『怒り』を覚えた。自身達の仲間を殺した上に亡骸さえも無下に扱うその男に次々と大佐達の怒りが増加し、遂には爆発する。

 

「おのれぇぇぇぇッ!!!!!」

太刀を持った大佐の1人が覇気を纏い、ニソラに向かっていった。それに対して、ニソラはフッと笑うと右腕だけを突き出す。

 

 

『貫手(修羅)』

 

 

その瞬間 肉を差し貫く音がその場に響き渡る。

 

「ガハァ…!?」

その大佐………いや、それだけではない。その大佐の後ろにいた者にも、一直線に放たれた腕は届いていた。ニソラの放った貫手はもはや人間の域の体術と呼べるものではない。銃を超える速度で放たれる貫手はもう兵器そのものだった。向かってくる大佐どころか、後ろに続く大佐までもその腕は貫いたのだ。

 

「邪魔だぁ…!!!」

その言葉と同時に、ニソラは貫いた箇所へ、もう一方の手を無理やりねじ込むと、ドアを開くかのようにその大佐の人体を引き裂いた。

 

辺りには鮮血が舞い、既にニソラの身体は真っ赤な血に染まっていた。

 

 

 

後ろにいる大佐達はもう怒りが消え去っていた。残っているのは『恐怖』ただそれだけである。戦意は完全に喪失。あろうことか涙さえも流し始めている者もいた。だが、それを許す程、ニソラは甘くはない。

 

ニソラの姿が消えると、残りの数名の大佐達の胴体に亀裂が走った。

何が起こったのか分からない。ただ、自身達の背後には先程まで目の前にいたニソラがいた。

 

 

 

「年季が違うんだよ。“坊や”…!!」

その言葉と共に大佐達の亀裂から血飛沫が吹き荒れ、身体は崩れていった。

 

周りにはもう立ち上がる者は誰もいなかった。船から見ていた兵士達はその景色を直に見ることは出来なかった。中には耐え切れず、嘔吐するものもいた。

橋は既に真っ赤に染まっていた。辺りに四散した血肉。頭が吹き飛ばされたり、首が折れたり、また、骨が剥き出しになったりと、直視する事さえ出来ない光景が広がっていた。

 

その状況はまさに『地獄』と呼ぶに相応しかった。

 

その中心で ニソラは一息つく。後ろからは立て続けに砲撃の音が聞こえてきた。

 

「(そろそろ限界だな…せめて水だけでも一口…)」

そう思った時だった。

 

ふと、鼻に何やら香ばしい匂いが漂ってきた。

 

「……!!」

その匂いを嗅いだ瞬間 ニソラの身体は勝手に軍艦へと向く。

 

“あの中に食料がある”

 

そう確信したニソラは目の色を変えると、歯を剥き出しにしながら、船へと飛んだ。

 

その衝撃で足場が粉々になり、そこに広がっていた地獄の風景は全て消えるかのように海へと落ちていった。

一方で、

船で待機していた大佐以下の兵士達は向かってきたニソラの顔に恐怖を抱き、顔から汗を垂らしながら慌てて銃火器を用意する。

 

 

「う…撃てぇぇぇ!!!!!」

その瞬間 銃声が鳴り響いた。

ーーーーーーーーー

 

 

「ロビ〜ン!!!間に合ったのねぇ〜!!」

「よがっだよロビ〜ン!!」

「え…えぇ。お陰様で。ありがとう」

ナミとチョッパーは目を覚ました途端に目の前にロビンがいた事で大粒の涙を流しながら抱きついた。それに対してロビンも嬉しいのか、戸惑いつつもお礼を言う。

 

因みに寸前に飛びついてきたサンジはナミとチョッパーが抱きつき軌道から何もなくなった為に後ろのマストに顔面もろとも突き刺さったのは言うまでもない。

 

 

そんな中で、ナミはこの場を見渡し、自身達よりも早く到着していたニソラの姿がない事に気づく。

 

「あ…ニソラは!?先に来てたんじゃないの!?」

「…!」

すぐさまロビンは皆へ現在の状況を話す。ためらいの橋に到来した10隻の軍艦のうち5隻がこの護送船の奪還を狙っており、向かってくる膨大な海兵をニソラがたった1人で食い止めている事を。

 

その時

 

ドガァァァンッ!!!

 

 

ためらいの橋から何かを壊す爆発音のような音がが聞こえてきた。やはり本当のようだ。

 

それを聞いた皆は加勢する為にすぐに船を降りる。危険なためにココロとチムニーとゴンベ、そしてその護衛としてサンジは船へと残ってもらう。

 

ニソラのこれまでの戦闘を知っているゾロとそげキングはあまりにものタフさにもはや何も言えなかった。

 

「おいおい!嘘だろ!?アイツ、ジャブラとカクもやりやがったのか!?」

「あぁそうだ。それもかなり余裕そうにな」

フランキーは絶句してしまう。カクとジャブラはCP9の中ではルッチに次ぐ程まで高く、歴代でも優秀の部類に入ると言っていい実力者だ。

フランキー自身も一度 自身を痛めつけたときにその強さを実感していた。それをあのニソラはたった1人で片付けてしまった事を信じられなかった。

 

「けど相当疲れてる筈よ!そんな状態で軍艦5隻は無理があるわ!」

「えぇ…護送船にいた時も少しふらついていたわ。早くしないと…!」

ロビンはナミの言葉に頷くように先程 少しだけ見えたニソラの足取りの悪さを思い出す。

 

そして、皆はためらいの橋の中間地点へと辿り着いた。

 

 

「……え…?」

「…な…なんだ…こりゃ…」

 

そこには橋が途中から崩れ落ちていた。

 

まるで砲弾を打ち込まれたかのように。だが、それらしき音は聞こえなかった。皆はすぐさま辺りを見回しニソラを探しだす。

 

 

「どこにもいねぇぞ…!」

「そんな…!」

ゾロが辺りを見回したが、いない事を告げられた瞬間ロビンの顔は絶望に染まり、膝から崩れ落ちる。

 

「ロビン!大丈夫!?」

すぐさまナミはロビンを介抱する。だが、ロビンは立ち上がる事が出来なかった。

 

そして追い討ちを掛けるように司法の島から軍艦の通達が聞こえた。

 

『報告。司法の島入り口付近に約40名の侵入者を発見』

 

「!?アイツらだ!ガレーラの連中共だ!」

その通達を聞いたフランキーは自身の部下が逃げ切れたと一瞬ながら喜びの感情を抱いた。

 

だが、現実はそれを一瞬で否定する。

 

『全員 死亡を確認』

 

「…!!」

 

フランキーの目から光が消え去った。

目の前には紅蓮の炎で燃え盛るエニエスロビーが映っていた。

 

 

「こんなに…簡単に人が…死んでいいの…?」

 

「何の感情もない無差別攻撃…それがバスターコールよ…」

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

「ぎゃぁぁぁ!!」

 

「ゔぁぁぁ!!!」

 

近くの軍艦から悲鳴が聞こえた。皆は次々とその声が聞こえた方向へ首を向ける。

 

見ると先程まで付近に滞在していた5隻の軍艦が左右に散らばっており、叫び声はその内の1隻から聞こえてきた。

見ると多くの海兵たちが次々とその軍艦から海へと吹き飛ばされていたのだ。

 

ーーーーーーーー

 

クチャクチャクチャ

 

ハグハグハグ

 

倒れ臥す海兵の目の前には、巨大な食糧庫に限界まで溜め込まれた食料を次々と平らげる小柄な背中。次々と肉の骨や果物のヘタの部分が辺りに放り捨てられる。

本来 海軍の所有する軍艦一隻には乗組員のスタミナをつけるためや、突然の事態での食糧危機を防ぐ為に、新鮮で多くの食料を支給される。一つの軍艦に約数百人分という膨大な量が溜め込まれており、とても1人で平らげられる量ではない。だが、突然 船に乗り込み、乗り込んでいた数百名の海兵を一瞬で葬ったニソラは貪りつくように次々とその量の食料を自身の口に運んでいった。

 

そのペースはなんと15分も続いており、止まる様子を見せなかった。

 

犠牲になったのはその一隻だけである。他の4隻よりもずっと離れていたスパンダムを乗せた軍艦は運がいいとしか言えない。仮にもしニソラがそちらの軍艦に目をつければ確実にスパンダムを葬っていただろう。

 

 

 

一方で、ニソラの絶えることのない食欲は、ようやくその動作を止めた。

 

ゴクン

 

最後の食料である果物をゆっくりと飲み込むと、その場で食べかすのついた口元を拭い、口の中に残った種を唾液に絡め吐き出す

 

 

プッ

 

 

 

そして、一息つくかのようにそっとゲップをした。

 

 

「あぁ…」

 

 

 

その瞬間 ニソラを中心に突風が吹き荒れ、搭乗していた軍艦の外装が吹き飛び、搭乗していた海兵達は次々と吹き飛ばされていった。

 

そして、誰もいなくなった軍艦で突風が吹き止むとニソラはゆっくりと立ち上がった。

 

「フッフッフ。美味かった。最高の気分だ。お陰で今までの疲れも吹っ飛んだ」

 

完全回復。今までの戦闘での消耗は全て完全にリセットされた。

 

「さて……ん?」

その時、ニソラは船が停泊していた橋から離れている事に気づく。

 

「結構 離れちまったな。ま、いいか。関係ない」

そう言いその場から跳躍しようと脚を踏み込む。その時、

 

 

ドガァァァン!!!

 

「?」

突然 ためらいの橋の入り口らしき塔の壁から突然巨大な腕が現れ、その腕の先端に何者かが吹き飛ばされるかのように張り付いていた。

 

 

「ガバァ…!?」

ドサッ

 

その人物は血を吐き出しながらゆっくりとその腕から剥がれ落ちるとニソラのすぐ真横に落下してきた。

 

「コイツは…CP9か…?ボロボロだな」

ニソラが観察していると落下してきた人物はニソラを睨む。

 

「お前は…麦わらと一緒にいたガキか」

その者はなんと現CP9最強の『ロブ・ルッチ』だった。彼はなんとルフィと交戦していたのだ。だが、ロビンを解放できた今、もうニソラは最強であろうがCP9に興味はない。

 

 

その時だった。

 

 

「ゴムゴムのぉ〜〜!!!!」

 

「お?」

 

突然 周りが影に覆われた。その影にニソラはギリギリだが入ってはおらず、ルッチだけを捕らえていた。

 

ルッチはすぐさま起き上がると跳躍し、その場からマストへと登る。その直後、ルッチがいた地点に突然巨大な脚が降ってきた。

 

「“巨人の斧”(ギガントアックス)ッ!!!!」

その脚はその場所を押し潰すように突き刺さり、ニソラの乗っていた軍艦を真っ二つに叩き折った。

その時にルフィは攻撃した船にニソラがいる事を知った。

 

「のわ!?ニソラ!?悪い!大丈夫か!?」

 

「あぁ。それよりもよそ見してていいのか?」

 

「え!?」

その時 マストからルッチが跳躍し、よそ見をしていたルフィへ瞬時に近づくと悪魔の実の能力を発動し、獣型へと変化した。

 

「ガァァッ!!!」

「!?」

その瞬間 豹へと変化したルッチの鋭い牙がルフィの肩へと突き刺さった。

 

「い!?いてぇぇぇ!!!」

 

ゴム人間であるルフィにとって斬撃は最大の弱点であった。噛みつかれたルフィをルッチはそのまま元いた場所へと叩き落とす。

ドガァァァン!

 

「フン」

すぐさまルッチは人型ではなく、人獣型へ戻るとそこからマストへと飛び戻った。

 

その様子を折れた戦艦の甲板であぐらをかきながら見ていたニソラはルフィの技に驚いていた。

 

「ほほぅ?手を噛んで空気をいれて巨大化させたのか。なかなか」

 

その時だった。

 

ドガァァァン!!!!!

 

 

ニソラの座っていた甲板に砲弾が撃ち込まれ、ニソラを爆風に包んだ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

時は数分前 フランキー一家やソドム、ゴモラ達を砲撃で葬った中将や、エニエスロビー本島破壊に専念していた中将達が戻っている時だった。

 

1人の中将が顔から汗を流していた。

 

 

「なんだと…?」

 

手には電伝虫の受話器が握られていた。

 

「ど…どうなされたんですか…?オニグモ中将…」

「…分かった。他の中将にもすぐに伝えろ」

 

部下の質問には答えず、オニグモは連絡相手にゆっくりと返すと連絡を切る。

 

オニグモは普段 厳格な雰囲気から部下からも恐れられていた。だが、今はその厳格さが確実に失われていた。それ程の緊急事態である事に乗組員の海兵達は息を飲む。

そんな中 オニグモはゆっくりと電伝虫へ受話器を戻すと答えた。

 

 

「奴が……ここに来ている…」

 

「奴とは一体……」

 

恐る恐る聞く部下に対しオニグモはゆっくりと答えた。

 

 

 

 

 

 

“MASK MAN”

 

 


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