ONE PIECE サイヤ人の変異体   作:きょうこつ

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HE’S NAME IS MASK MAN

「MASK MAN……」

 

その名を聞いた海兵や大佐達は息を呑む。その名は既に全世界で知れ渡っていた。

 

「顔は不気味な仮面を被ってて誰も素顔を知らねぇ。だが、俺ら海軍にとっては四皇の次に厄介な奴だ…!」

 

「あ…あの…そのマスクマンというものは…一体…」

その中で新米の部類に近い海兵は中将にマスクマンの素性について問う。するとオニグモは答える。

 

「___数年前 とある王国に天竜人が視察に来た。……その時、奴は突然現れ、部下を含め全員を殴り飛ばしやがったんだ」

 

「…え?」

海兵は驚きのあまり声に出さなかった。世界貴族。それは『天竜人』とも呼ばれ、この世界を創造した者の血を引き、赤い大陸の上にそびえ立つ『聖地マリージョア』にて住居を構えており、貴族の階級の中でも最上位に位置する者だった。

民間の間では、その天竜人に逆らう事は禁忌とされ、もしも逆らえば海軍大将が直ちに出動するという恐ろしい仕組みになっていた。

 

「そして指令通りに、海軍大将が出動した。その王国は完全に戦場に変わっちまった。大将に加えて軍艦10隻。『バスターコール』が発令された。大将に中将5人そして軍艦10隻。完全なる国家戦争クラスの戦力だ。だが……奴は大将をアッサリと倒しちまいやがった」

 

その言葉と共に波が水しぶきを上げて起こる。

海軍大将を相手にするには七武海の上位または四皇の幹部程の実力がなければ相手にはならない。だが、そのマスクマンという男はその所業をあっさりと成し遂げてしまったのだ。

それからオニグモは続ける。

 

「それだけじゃねぇ。奴は大将のみならずその際に付いてきた中将5人を重傷に追い込み、軍艦も全部沈めやがった。結果、奴を捕らえる事は叶わず、そのあと奴は姿を消し、この数年間行方をくらましていた。本部は奴の素性を知る事ができないまま、こう名付けた。仮面をつけた男 故に『MASK MAN』。掛けられた懸賞金は初回にも関わらず『5億5000万』だ」

 

 

「ご…!?」

 

5億 それは軽く表せば新世界で名を轟かしている海賊レベルの額だ。彼の懸賞金は四皇である白ひげ率いる『白ひげ海賊団』の中でも2番隊隊長を任されている『ポートガス・D・エース』と同等。故に彼は全海賊の中でも上位に入る実力者といえるだろう。

 

「それが今……この場所に…」

 

「あぁ。だがあくまで可能性だ」

 

そして、オニグモの通達は他の全ての中将へ届く。ここで万が一その男がマスクマンであるとしたら抗戦は免れないだろう。本部からは極力戦闘は避けろと通達があり、ロビン奪還が優先事項とされた。

 

 

「中将殿!!目の前に大破された軍艦を発見!付近にモンキー・D・ルフィがいる模様!!」

「砲撃しろ」

オニグモはその報告を聞いた瞬間 なにも考えずに砲撃命令を出す。兵士は頷くと甲板にある複数の砲台へと弾を入れ、狙いを定める。

 

「撃てッ!!!」

 

ドンッ!!!

 

 

その声と共に巨大な砲弾が目の前の軍艦へと放たれた。

 

 

 

ドガァァァン!!!!

 

 

その砲弾は軍艦へ衝突すると外装を突き破り、その中で大爆発を起こす。

燃え盛りながら海へと沈もうとする軍艦をオニグモは葉巻を吸いながら見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

後ろから“何か”を感じた。

 

 

 

 

「…!!」

 

オニグモはゆっくりと後ろを振り向く。

 

振り向く時に何か“空気”のような者が自分の横を通り過ぎていった。

すぐさま両手に2本の刀を持って、自身の髪を6本の腕に変化させて剣を持ち、戦闘態勢に入った。

 

「全員離れろッ!!!」

 

オニグモは叫ぶと同時に突然自身の後ろに現れた仮面の男に向かって剣を振るう。

 

「…!!」

 

そこには何もなかった。おかしい。今、確実に何かが見えたはずなのに。

 

 

そう思っていた直後 腹に衝撃が走る。

 

 

「ぐはぁ…!?」

それはまるで巨大な岩石を腹に直接ぶつけられたかのような感触であった。

すると、目の前の意識はだんだんと暗くなり始めていく。

 

「ぐぅぅ…!!」

オニグモは歯を食いしばり、狭まる視界から、自身を沈めた存在を見る。

 

「お前…が…MASK MAN…!!」

 

その言葉が言い終わると同時にオニグモの意識は闇の中へと沈んだ。最後に見えたのは倒れる自身を嘲笑うかのように見上げている仮面をつけた少年の姿だった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

「お…オニグモ中将ー!!!!!!」

 

 

多くの海兵達の前にはうつ伏せに倒れるオニグモ。そして、倒れ臥す彼の横に仮面を被ったニソラが立っていた。

 

 

「なんだ。ちょっと小突いたら終わりか。やはり大将よりも手応えがないな」

 

「う…撃てッ!!!!」

1人の海兵の指示によって、周囲360°の方向から弾丸が向かってくる。だが、ニソラは弾丸が自らに届く前に全てを手で受け止めた。

 

「いい加減学習しろよ。俺に弾丸なんて効かねぇんだよ」

そう言いニソラは目の前で立ち尽くす海兵に向けて先程受け止めた弾丸を手からこぼして見せた。

 

 

そして、ゆっくりと静かに言い放った。

 

 

「消えろ…!!!」

 

 

 

『『『______!!!』』』

 

その瞬間辺りにいた海兵全員が四方八方に吹き飛ばされる。

まるでニソラを中心に爆発でも起こったのかのように。吹き飛ばされた海兵達や大佐は次々と海へと落ちていった。

その中で数名の重点的な鍛錬を積んでいた海兵はギリギリだが、耐えていた。だが、それでも全身から汗を流しながら片膝を地につけていた。

 

「き…貴様……まさか…覇王色を…」

 

「覇王色?なんだそれは」

 

「え…?」

 

大佐が指しているのは『覇気』。身体を限界まで鍛え上げると発動する事が可能な体技の一つである。中でも『覇王色の覇気』は王の素質を持つ者しか身につける事ができないとされており、その確率は数百万人の内の1人という。

今のは確実にその覇王色特有の『威圧』と見ていた。

だが、実際は違う。ニソラはただ内なる気を外へ出しただけ。

 

くじ引きに等しい覇王色の覇気なるものは扱ってなどいない。

ニソラは怯んでいる大佐から目を離すと残りの4隻の軍艦へと目を向ける。

 

「さて、他の4人はどうなんだろうな?」

獲物を定めたかのような獣の目を向けたニソラは脚に力を入れると大きく跳躍する。跳躍した瞬間 ニソラの身体はエニエスロビー全体を見渡せる程の高さまであがる。

 

「カッカッカッ…!!!」

そして、高らかに笑うとその場から近くにいる軍艦へと急降下する。

当然だが、辺りを警戒していたその軍艦は突然の飛来するニソラを発見した途端に警戒する。

 

「…!!モモンガ中将!!何者かが空からこちらに向かってきます!!」

 

「そうか」

 

通信で既にマスクマンの情報を得ていたモモンガは残りの自身の船とスパンダムを乗せた船、オニグモの船、そして先程奪わられた船を除いた6隻にすぐさまロビン奪還を優先するよう通知を送るように指示する。

 

「全員 手を出すな」

それだけ告げると刀の柄に手を添え、その場から剃を発動し、こちらに向かってくるニソラに向かって上空へと飛び立つ。

 

「すぅ…」

 

ゆっくりと息を吐き、刀身を引き抜くと同時に武装色の覇気を身に纏わせる。

 

 

そして______一閃

 

 

 

ゆっくりと引き抜かれた刀身は中将の中でも上位の実力を誇るモモンガの握力によって、初速から音速を超え目の前の空間を居合の元に斬り伏せる。

 

「…!!」

 

モモンガの目が変わる。それはまるで少しあった不安が次々と増殖していくかのように。

 

 

手応えがない。おかしい。確実に斬っていた筈。

 

すると、自身の刀の先端部分から僅かながら重さを感じた。

 

「……!?」

 

その刀身へ目を向けたモモンガの目は絶望に染まる。そこには先程まで目の前にいた標的がまるで自身を見下すかのように刀の上で直立していた。それだけではない。その少年の身体から別の“何か”が溢れ出ており、自身の絶望を増殖させていった。

 

 

「貴様……一体何者なんだ……」

 

 

目の前にいる得体の知れない生物にモモンガは問う。それに対しニソラはゆっくりと脚を振り上げながら答えた。

 

 

「お前らでいう『MASK MAN』だよ」

 

その言葉と同時にモモンガの脇腹にニソラの振り上げられた脚が左上から刺し込まれ、モモンガの身体を下にある軍艦へと向かって蹴り落とした。

 

 

ドオオオオンッ!!!!

蹴り落とされたモモンガの身体は風を切りながら下にある軍艦へと落下していき、その巨大な軍艦の床へと衝突した。

 

 




現在のニソラの力

30%:最悪の世代全員を瞬殺できるレベル

60%:大将3人に加えてガープ、センゴクを圧倒するレベル

80%:四皇全員と渡り合うレベル

100%:四皇全員を圧倒するレベル


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