ONE PIECE サイヤ人の変異体   作:きょうこつ

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青雉VSニソラ

凍った海面の上で、両者は睨み合う。青雉はすぐさま見聞色の覇気を纏い、ニソラの攻撃に備える。

 

「いくぞ?」

「…!」

その瞬間 ニソラの姿が消えた。初速から人智を超えた速さでその場から踏み込み駆け出したのだ。ニソラが立っていた場所は青雉が足場として分厚く氷を張っていたにも関わらず、深く陥没していた。

 

「カッカッカッ!!」

 

超高速で向かってきたニソラを持ち前の動体視力で捉えていた青雉は見聞色で、ニソラの攻撃の軌道を読む。

 

「…!」

読めた。すぐさま青雉は軌道上にある上半身を横に逸らす。すると、立っていた場所にニソラの拳が突き出された。

回避はできた。だが、青雉の顔からは余裕はない。見るとニソラの拳が繰り出された軌道上にある海水が扇状に吹き飛ばされていたのだ。しかもその範囲は自身が作った足場よりも広い。

だが、それだけでは終わらない。

 

「ほっ!」

拳を放ったその瞬間にニソラの突き出された拳が引き戻され、同時に、自身と同じ目線の高さまで身体を少し横に傾かせながら飛び上がってきた。その体勢に最初は理解が出来なかったが、すぐさま何の体勢なのか勘付いた。それは回し蹴りだ。回転によって力が更に付け加えられたニソラの蹴りが襲ってきたのだ。青雉は避けるのは無理だと考え、両手を武装色で最大限まで硬化させると、交差させる。

 

 

「…!ぐぅ…!?」

その回し蹴りが直撃した瞬間 硬化しているにも関わらず、強烈な衝撃が襲い掛かってくる。その衝撃は巨大な青雉の身体を10メートル先まで後退させた。

 

「ッ…コイツはマジでやらねぇとな…!」

後退する中、青雉は痛みに耐えながらも氷を形成し、ニソラに向けて放つ。

 

「『氷星』ッ!!!」

 

先程と同じく氷の三叉槍が現れ、ニソラに向けて放たれていく。対するニソラは先程とは異なり、氷の槍の雨のほんの僅かな隙間を見切り、次々と躱していった。

 

「!フェザントペックッ!!!」

 

青雉は最後の槍によって、ニソラの目線に自身が死角になっている事を見抜くと、特大の氷の雉を形成させる。

そして、その雉の形をした氷は氷の槍よりも速いスピードで、ニソラへ一直線に向かっていった。更に、すぐさま避ける事がないように自身の氷の地面を操り、ニソラの脚を凍らせる。

 

「さて、コイツはどうだ?避ける術はねぇぜ」

 

「ぬかせ」

 

すぐさまニソラは目の前の向かってくる槍に向けて手をかざす。すると、手に稲妻がほとばしり、その手から光る弾丸が発射された。

 

発射された光の弾丸『気弾』は向かってくる氷の槍に触れると爆発し、後から向かってくる雉の氷像さえも巻き込み、爆炎へと包み込んだ。

 

「…!!(何だ?今何をしやがったコイツ…)」

 

青雉は見た事がない現象に驚きを隠せなかった。あの芸当は絶対に一般の者では不可能だ。故に青雉は奴も自身と同じ能力者だと予想した。

一方で攻撃を難なく防いだニソラは凍らせられた脚に力を込める。すると、ニソラの脚を凍らせていた氷がアッサリとガラスのように粉々に砕け散ってしまった。

裸足だというのに、何のダメージも無いかのようにニソラは首を回す。

 

「さて…もうお終いか?」

 

「まだまだ」

これでお終いではない。青雉の攻撃は止まる様子を見せなかった。

 

『“アイス塊(ブロック)”』

 

その時、ニソラのいる場所を巨大な影が覆った。

 

「あ?」

 

ふと上を見上げるニソラ。その瞬間 その場に巨大な氷の塊が落下した。

 

「ふぅ…」

息をつく青雉。この氷の塊はもちろん青雉自身が生成した物である。その大きさは体積から見積もればおよそ10立方メートルもあった。

これに押しつぶされてしまえば、炎系の能力者以外は確実にお陀仏となるだろう。

 

だが、

ニソラが完全に押しつぶされていようと青雉は休む様子を見せない。それどころか、新たに巨大な氷の武器を生成していた。

青雉は見聞色の覇気を発動させ、ニソラの鼓動などを読み取っていた。それは氷の下から激しく聞こえていた。つまり、まだ終わっていない。

 

「…!」

青雉はすかさず、用意しておいた氷塊を上から投射する。さらに、辺りの氷を操り、ニソラがいる地点を取り囲むかの様に巨大な氷の壁を3枚形成した。

 

「“アイス壁(ウォール)”…!!」

そして、その壁は青雉が手を振りかざすと同時にそれに応えるかの様に一枚ずつ、ゆっくりと倒れた。

 

一枚が倒れると同時にその場に地響きが。二枚目が倒れると更に大きな地響きが響き渡り、三枚目となれば、更に大きな地響きが響き渡る。

 

 

 

冷気が吹き荒れ、目の前はもう氷の瓦礫の山。中は正に『絶対零度』という生きている事すらおかしい空間となっている筈だ。

ここまでくれは炎系の能力者であろうとタダではすまない。ましてや能力者でない生身の人間ならもう息絶えているだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

否…ッ!!!

 

 

 

 

ドガァァァン!!!!

 

「…!!ぐぅ…!?」

 

突然、氷の山塊が吹き飛び、辺り一面に飛び散る。すると、中から緑色のオーラを放ったニソラが飛び出してきた。

そして、ニソラはその場から青雉を見つけるとニヤリと笑い静かに言い放った。

 

「今度はこっちの番だな」

「…!」

 

そして、ニソラは緑色のオーラを纏うと、その場から飛び出し、高密度に凍らされた氷の地面に潜り込んだ。

潜った地面は次々に亀裂を発生させながら盛り上がり、青雉へと接近していった。

 

「氷に潜ったら俺の思うままだぜ?色男くん」

そう言い青雉は氷に自身の脳にイメージした攻撃の現象を伝達させる。だが、それを許すほど、ニソラは甘くはない。

 

「ハッハァー!!!」

 

「!?」

突然 背後の地面が盛り上がり、盛り上がった先端からニソラが飛び出す。拳を構えており、こちらの頬へ撃ち込もうとしていた。青雉は咄嗟に迎え撃つ為に自身も腕を握り締める。

 

 

 

 

 

 

 

 

______その直後、青雉の身体が吹き飛ばされた。

 

「!?」

青雉自身もそれに気づいたのは吹き飛ばされている時だった。何が起こったのか理解できなかったが、すぐさま自身の落ちる場所へ氷を張り、着水を防ぐ。

 

「いつつ…何しやがったあの野郎…」

青雉は氷の地面に手をつくと頬から滴り落ちた自身の血液を拭う。血を見るのは久しぶりだ。

普段は余程のことがない限り、身体は傷つかない。

 

「(さっきの攻撃もそうだが…奴が覇気を纏った気配はねぇ…なのに何で避けちまったんだ…?その上…今は俺に攻撃を当てやがった…)」

少しばかり、青雉は頭をかく。確かにそうだ。ニソラは覇気を纏っていない。それなら自然系である青雉に攻撃を当てる事は不可能な筈だ。だが、ニソラの行動一つ一つは青雉に少しずつダメージを与えてきた。故に青雉はニソラが身体に纏っているのは“覇気”ではなく、それに似た別の“何か”だという事を推測する。

 だが、その行為がニソラの次の行動を許す時間を与えてしまった。

 

 

青雉が与えた数秒。その時 ニソラは脚を少し持ち上げると、一気に氷の大地へと踏み下ろした。

 

「フンッ…!!」

 

ドガァァァン!!!!!!

 

その足踏みは半径100メートルの氷の大地を揺らすと同時に足場に次々と地割れを発生させ、次々と陥没、または隆起させていった。

 

「おいおい…!」

突然の行動に青雉も予想がつかなかったのか、自身の周りにだけ、能力を発動させ、足場を確保する。

 

すると、足場以外の氷は次々と隙間から湧き出た海水に浸っていき、遂には辺りは北極のように氷の塊が浮かぶだけの海となってしまった。

 

「…こりゃ参ったな」

 

 

 

 

青雉の目の前には再び戦闘態勢をとるニソラの姿があった。

 

「やっぱり能力者は面白いな」

戦い…いや、遊戯はまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 




アイス壁(ウォール)

巨大な正方形の氷を形成し、相手を押し潰す。

追記

一応 この先のネタの一部なんですけど、最終的にニソラの懸賞金はフリーという形にします。いつそうするかはまだ決めてませんけど。

フリー:ニソラを討伐または捕獲した場合、任意の賞金を払う
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