ONE PIECE サイヤ人の変異体   作:きょうこつ

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スリラーバーク編
彷徨える恐怖の島 スリラーバーク


海を飛んでいたニソラ。次々と空気を突き抜け、海流に関係なく自由に行き先を考えていると突如、霧が現れる。

「…なんだ?」

ニソラは一度、飛行を止めると、その場で止まる。すると、次々と霧は濃度を増し、遂には飛んできた方向さえも分からぬ程、辺りは濃霧に包まれた。

ニソラは本で読んだ事があった。『辺りが濃い霧に包まれる海域が存在する』

 

その名は『魔の三角地帯』新世界へと向かう船が必ず局面する海域であり、毎年多くの船が行方不明となっているらしい。

 

「参ったな…」

流石のニソラも霧に阻まれては飛行するにも困る。雲の上に出ようとも考えてはいたが、腹も減っていた故に休憩を取りたくもなってきた。

 

「う〜ん…どうするか…ん?」

ニソラが頭を悩ませていると、ふと、下に一隻の船を確認した。

ご飯をご馳走になろうと考え、すぐさまニソラは急降下し、その船へと向かった。

 

ーーーーーーー

 

「よっと」

降り立った船は所々の板が剥がれており、帆もボロボロ。辺りには蜘蛛の巣が大量に張っていたのだ。正に『ゴーストシップ』だ。

ニソラはそんな事はお構い無しに、馬鹿正直に人がいると思い込み、辺りを見回した。

 

「おーい。誰かいねぇか?」

そう言い2.3回と呼び掛けた時、船内からニソラとは別の足音が聞こえてきた。

 

つか…つか…つか…

 

革靴が奏でる音。その正体はニソラの目の前にある影から聞こえてきた。

その音は次第に近づき、ゆっくりと影から現れ、正体を見せる。

 

「お〜や!これは珍しい!まさか生身の方とお会いになれるとは!」

そこに立っていたのは………『骸骨』だった。

 

「……骨?」

ニソラが零した口に反応するかのようにその骸骨は陽気に頷く。

 

「え?骨?はいそうです!私 死んで骨だけ『ブルック』で〜す!!」

ブルックと名乗った男は頭に生えている巨大なアフロの上にチョコンと乗っているハットを持ち上げる。手にはカップが握られており、骨であるというのに、優雅に啜っていた。

ブルックはニソラを一度見るや否や驚きの声をあげる。

 

「あらまぁ…!これはこれは美人なお嬢さん!私 美女に目がないんです!骸骨だから目が無いんですけど!ヨホホホ!スカルジョ〜ク!!」

 

「………1人で何やってるんだ?」

ニソラが放ったその一言は陽気ににはしゃぐブルックの動きを停止させる。

 

「あれ?その声…まさか男の方ですか!?」

 

「そうだよ。えぇと…」

ニソラは男であると訂正する。いつも相手のペースに乗らないものの、今回は流石のニソラもブルックには追いつかなかった。

取り敢えずニソラも自己紹介をする。

 

「俺は『ニソラ』だ。早速だが、飯はあるか?」

 

「あら…申し訳ない。私 この方50年ずぅ〜っとこの海域を彷徨っていた故に食糧がないんです」

「何も食ってねぇのか!?だからそんな身体に!?」

 

「違ぁう!こっちはこっちで別件ですよ!」

 

ーーーーーーー

 

あれからニソラはブルックから話を聞いて粗方納得した。

 

『ヨミヨミの実』

それがブルックが食した悪魔の実であり、効果としては、一度死ぬと再び黄泉の国から現世に戻り、自身の肉体に入れば復活する事ができるのだ。

ブルックは一度死に、能力によって魂だけが現世に戻る事ができた。だが、自身の肉体を見つける為に約1年も海を彷徨い、見つけた時には自身の遺体は白骨化していたらしい。

そして、入り込んだ結果 こうなったらしい。

その後 49年間もの間、ある機会を待ち望みながら永遠と海を彷徨い続けている。

 

「随分と長いな」

 

「そうなんですよ。いやぁ本当に今日はなんて嬉しいんでしょう!人に会えた!あぁ、でもおもてなしが出来ずに申し訳ない」

 

「別にいいよ。飯がないなら俺は行く。邪魔したな」

そう言いニソラは空へと飛び立つ。ブルックはその動作を悪魔の実と勘違いしながら見送った。

 

「お気をつけて〜!!!また機会があればどこかでお会いしましょ〜!!」

手を振るブルックにニソラも手を振りかえすと、この場を離れていく。

 

「変な奴だったな…」

そのままニソラは深い霧の中を進んでいく。

 

ーーーーーーーー

 

飛び続けてから数分。辺りにある霧はまだ晴れる事も無く、抜ける経路も見つかる事は無かった。

 

「…ん?」

その時だった。立ち込める深い霧の間にある海の真ん中に一つの島を見つける。その島には巨大な城が建てられており、辺りには深い深い森が広がっていた。

 

ニソラはその古そうな城を見て、興味を示す。

 

「お。あの城の書物なら何か分かるかもな」

ここで、ニソラの旅の目的を話しておこう。彼は今までただ本能に従い、強くなる事しか考えていなかった。だが、修行を重ねていくうちに自身は一体何者なのかという疑問の壁にぶつかり、それ以来、修行と共に、訪れた島の本を次々と見て回っていたのだ。

即ち、ニソラの目的は己の正体を知る事だった。

 

 

ニソラは急降下すると、その島に降り立った。

その名は知る人ぞ知る不気味な島『スリラーバーク』

 

 

 




これでもしブルックがブラックっていう風に誤字っていたらそろそろ私のスマホや目がヤバい

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