ONE PIECE サイヤ人の変異体   作:きょうこつ

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スリラーバークは大騒ぎ

スリラーバークはもはや島といってもいい程、広大な船であった。ニソラが着地した場所は広大な森であり、辺りには湿り気のある深い霧が立ち込めていた。

 

「変なとこに降りたな。ま…取り敢えずと…ん?」

城へ向けて跳躍しようとした時、何か音が聞こえた。

 

「なんだ?」

興味を持ったニソラは音がした方向へと歩く。すると、生い茂る木の間から広い広間へとたどり着く。なんとそこは広大な墓地だった。

 

 

「こんなところにデケェ墓地があったのか。へぇ…」

ニソラは通りがてらに広大な墓地を歩く。足元は普通の土であり、踏み込むたびに若干ながら脚が沈む。

 

その時だ。

 

「ぅぅぅう」

地面からうめき声が聞こえてくる。それは1箇所から聞こえ始めると呼応するかのように次々と辺りから聞こえ始めた。

 

「ぅぅぅぅ」

 

「ぅぅぅぅ」

 

立て続けに聞こえてくるそのうめき声は正にこの世のものとは思えない程低いものだった。

 

「なんだ?」

ニソラは辺りを見回す。すると、辺りの地面が盛り上がり、土の中から顔が崩壊し、眼球が垂れ出ている何とも悍ましい生物が姿を現した。

 

「これって……ゾンビっていうやつか?」

 

『ゾンビ』通称“生きる屍”

死して魂を失った肉体が理性も無しに再び動き出し、人を襲う何とも悲しい生物だ。その行動は先人に寄るという。

ゾンビに関してはニソラは本で読んだことがある。御伽噺だとは思ってはいたが、まさか本当に存在していたとは驚きだ。

 

ニソラは辺りを見回す。見ると,何百ものゾンビ達に囲まれていた。そのゾンビ達はニソラを襲わんと、呻き声をあげながら波のように迫ってくる。

 

「のろんだろぉぉぉぉかぁぁぁ!!!」

 

「お前の血は何色だぁぁ!!!」

 

「ヒャッハァァァ!!!」

テンションMAXで飛びかかってくるゾンビ達。

 

 

すると

「はぁ…」

ニソラはため息をつき、脚を振り上げ、勢いよく振り下ろす。

 

『地衝』“じしょう”ッ!!!!

 

ニソラの脚が地面に向けて振り下ろされた瞬間 

 

 

ドォオオオオオオオオンッ!!!!!

 

「ぎゃぁぁぁぁ!?」

 

「なんだぁぁぁ!?」

 

辺りに巨大な衝撃波が発生し、辺りにある地盤もろとも、向かってくるゾンビを全員吹き飛ばした。

 

『『『うわぁぁぁぁ!!』』』

 

吹き飛ばされたゾンビ達は蜘蛛の子を散らすの如く、辺りに吹き飛ばされ、首から地面に突っ込む者や後ろの森の木々に引っかかる者もいた。

 

「ゾンビってこんなに弱いのか?まぁいいか」

 

まるで一仕事終えたかのようにニソラは背伸びをすると、探検がてら城に向けて歩く事に決めた。

だが、ゾンビを見てから何も出てくる気配がない。

 

「……取り敢えずランニングしながら行くか」

すると、ニソラは加速しながら城へと向かう。道中、多くの木々や壁が行く手を阻むが、ニソラはそれを次々と蹴りやパンチで粉砕し、再び多くのゾンビが現れ、またまた行手を阻もうとするが、ニソラはそれをパンチ1発で吹き飛ばしていく。

 

「きゃぁぁ!!!」

「何だコイツ!?まじでつぇぇぞ!?」

「エロサロム呼べ…ぐぼぇ!?」

 

まるで手作業のようにニソラは次々とパンチを放ち蹴散らしていく。

 

「モンキ__グボェ!?」

 

空中から糸を垂らしながら現れた巨大な蜘蛛の身体に猿の顔をつけたゾンビもニソラが放った蹴り1発で粉砕される。

ーーーーーーーーー

 

「ぐぅぅう…ぐぅぅ…」

城のとある一室。一人の巨大な大男がいびきをかきながら寝ていた。その体長は軽く6メートルという一線を画す程の大きさだった。脚の長さが一般人の身長と見積もってもおかしくない。

 

「モリア様ぁ!!大変ですぅ!!」

扉が開き、若干の光が差し込むと、その男は光を嫌がるかのように手を額に当てながら目を覚ます。

 

「何だよぉ…俺はまだ眠てぇんだ…!!」

その声に報告にきたゾンビ達は恐れつつも伝える。

 

「侵入者がいる模様!ゾンビが次々と倒されています!!」

 

「はぁ〜?んなモンお前らがどうにかしやがれ。侵入者の1匹くらいアッサリ終わるだろ…ぐかぁぁ…」

 

「ちょっとぉぉ!?モリア様ぁぁぁ!!まだ報告の途中!!」

 

それだけいうとモリアと呼ばれた男は再びイビキをたてはじめた。

このモリアという男がもし、ボスだとしたら現状報告を精密に聞かなかった事を後悔するだろう。

 

なにせ、配下である無数のゾンビがたった一人の侵入者によって…“半数以上倒されているのだから”

 

 




地衝

ニソラの通常技。脚を振り上げて四股を踏むかのように振り下ろし、半径100メートルに衝撃波を発生させ地盤もろとも吹き飛ばす荒技。因みに本気で放つと島が割れてしまう。

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