ONE PIECE サイヤ人の変異体   作:きょうこつ

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油断大敵

「ホグバック様ぁ!大変です!」

 

「んぉ?なんだ突然。騒がしいじゃねぇか」

スリラーバーク城内のとある一室。辺りに多くの医学系の本が積まれた本棚に高価な治療器具。そして何故か祭壇のようなものがある何とも混沌とした部屋にて、肥満体型の変わった服装をしたサングラスをかけた男性は1匹のゾンビの報告に耳を傾ける。

 

「侵入者です!既に島のゾンビの半数がやられた模様!」

 

「はぁ?慌てんなよ。ゾンビは不死身だ。いくらぶん殴られようともすぐに復活するだろ。ねぇ〜シンドリちゃぁ〜ん♡」

 

「…」

部屋の隅には所々に縫い跡が目立つ女性がいた。だが、この女性の目は一般の者とは違い、光が宿っていなかった。

ただただ無表情のまま。

 

「取り敢えず…島の半数のゾンビを倒すってこたぁ相当な手練れだ。モリア様が言ってた『オーズ』を動かす影には持ってこいじゃねぇか!」

そういいホグバックと呼ばれた男はゾンビに指示を出す。

 

「おいオメェら!ソイツを連れてこい!!!」

ホグバックの指示にゾンビ達は否応も言えず、敬礼しながら了承した。

 

「「「分かりました」」」

 

ーーーーーーーーー

 

一方で、城へと侵入したニソラは遂に本棚を見つける。

 

「見つけた…」

中へと入ると、そこには埃を被った分厚い本が何十冊も置かれていた。

 

一つ一つの埃を払い、宇宙、天文学、そして異星人に関しての本を探す。

 

「……」

数ある本の中から、ようやく見つけた天文学に関する一冊の本を見つける。地面に腰を掛けながら、ゆっくりとページをめくり始める。

 

「………」

 

どれもこれも、同じ天体の事しか書かれていない。自身のように尻尾を生やす異人の事は全く持って書かれていなかった。

 

それでもニソラは諦めずに、残りの本に目を向ける。

 

それから、何時間たったかは分からない。後ろには読破した本が積み立てられており,その数はざっと2桁に達していた。

 

「……」

けれども、どの本にも尻尾を生やした異星人に関しての情報は記されていなかった。

 

「…ッここにも無いか」

ニソラは完全に諦め、本を全て本棚に片付ける。最初の一冊を読み始めてから、少なくとも6時間は経過しているだろう。

 

「はぁ…。別の書物がある部屋を探すか。……ヨッと」

 

ガシャァンッ!!!

閉められたドアを蹴り破ると、再び外に出る。

 

すると、

ガシャン

 

「…ん?」

突然 金属音が聞こえた。それは横からだ。続け様に次々と鳴り響いてくる。

 

「何だようるせぇな」

そこには、大量の鎧が立っていた。

 

「お前だな?侵入者は」

リーダーらしきゾンビが前に出る。その身に纏うは西洋の鎧であり、右手に剣。左手には盾を持っていた。他にも体長が4メートルを超える巨漢に小さなリスのようなゾンビ。果てには人間のようなゾンビも混ざっていた。

 

すると、

 

「ヒャヒャヒャ!侵入者み〜っけ!」

向こう側からも声と共に大量の金属音が鳴り響く。

 

見ると、同じく鎧や人間のゾンビが大量に歩いてきた。通路を挟む中、ニソラは完全に取り囲まれてしまった。

 

小さなニソラの身体を飲み込もうと、ゾンビの大群が辺りを円形状に囲む。

 

「へへへ。観念するんだな坊や!」

 

「お前はモリア様に影を取られるのだ!!」

ゆっくりとゆっくりと向かってくる。

 

そんな中、ニソラは背伸びをする。

 

「う〜ん…」

硬くなった身体をほぐすかのように手を後ろ側に組んだり、脚をプラプラさせたりした。ニソラのその行動自体がゾンビ達を刺激していく。

 

「…ん?何だこいつ…何で運動してんだ?」

 

「構わねぇ!!やっちまえ!!!」

 

『ヒィ〜ハッハッハッハ〜!!!』

 

その瞬間 辺りにいたゾンビが津波の如く襲いかかってきた。

 

そんな中、ニソラの鋭い目が一体の大柄なゾンビを捕らえた。

 

「ヨッ」

 

『!?』

突如としてゾンビ全員が動きを止めた。一番巨漢なゾンビ兵の鎧をニソラが生身である素手で貫いていたからだ。

 

「お前、ちょっと使えそうだな」

「え?」

その言葉と同時にニソラの小さな身体が5メートルを超える巨体をバーベルの如く持ち上げる。

『『!?』』

 

辺りから襲い掛かろうとしたゾンビ達の脚が一瞬で止まった。自身らの中でも屈指の巨体を誇るゾンビの身体がアッサリと持ち上げられたからだ。

 

「ストレス発散に丁度いい…!!」

すると、ニソラの目が輝き出すと、鋭い目が周りにいるゾンビに向けられた。

そして

 

「フンッ!!!」

その巨体を棍棒の如く振り回す。その威力は一瞬で自身を取り囲んでいたゾンビ全員を発生した巨大な烈風によって四方八方に吹き飛ばしていった。

 

「ぎゃぁぁぁ!?」

 

「何だこいつ!?一番のデカブツを振り回しやがったぞ!」

 

ニソラを囲んでいたゾンビの前線部隊は一瞬で城の外へと吹き飛ばされる。

 

だが、ニソラは止まる様子を見せなかった。

 

「ヒヒ…!!」

悪魔のような笑みを浮かべる。

そして、未だ掴んでいる巨体を誇るゾンビを床に棒の如く何度も叩きつけ、辺りに烈風と共に衝撃波を放った。

 

『ぎゃぁぁあ!?』

 

『つぇぇぇ!!!』

 

『なんだこの子供ぉぉ!!!!」

 

その衝撃波やリーチによって、ニソラを取り囲んでいたゾンビ達は次々と吹き飛ばされていった。

辺りには地響き。そして、ニソラの放った衝撃波によって、城には次々とヒビが入っていった。

 

すると、ニソラのゾンビを振り回す手の動きがようやく止まる。

 

「………何か重いな」

 

「え…?」

その言葉が出たと同時に持ち上げられていた巨漢のゾンビの身体を斜め上に投げ捨てる。

 

投げ上げられたゾンビの下にはまだ大量のゾンビ兵達が残っていた。

 

すると、それを見据えたニソラの目が一瞬だけ光り、その場から消え、投げ上げられたゾンビの付近に現れる。

 

現れたニソラは身体を回転させると、遠心力によって得た力で回し蹴りを放った。

 

ガァアァアァアンッ!!!!!

 

その場に金属が凹む音が響き渡ると同時にニソラの回し蹴りを受けたゾンビ兵が目の前にいるゾンビの軍団に目掛けてサッカーボールの如く蹴り落とされた。

 

「え!?」

 

「蹴りやがった!?あのデカブツを!?」

 

「驚いてる場合じゃねぇ!!!」

 

すぐさまゾンビ兵達は避けようとする。だが、もう間に合わない。

 

 

「早く逃げ_____

 

 

その瞬間 蹴り飛ばされたゾンビ兵がミサイルの如くゾンビの軍勢に目掛けて衝突し、巨大な衝撃波と共に前方にいるゾンビのほぼ大半を吹き飛ばしていった。

 

「はぁ。つまらねぇな……ん?」

地面へと着地したニソラ。だが、その時。妙な気配を感じた。

 

 

『ホロホロホロホロ』

 

「…そこか…!!!」

 

背後から聞こえた奇妙な笑い声。咄嗟にニソラは脚を振り上げ、後ろに突き刺すように放つ。

 

その瞬間 巨大な強風が脚を突き出した方向へと吹き荒れ脚を突き出した斜線上にある城の瓦礫を吹き飛ばしていった。

 

だが、そこにはなにもいなかった。

 

「……妙だな」

風が収まると、ニソラは脚を下ろす。だが、先程のその奇妙な気配は消える事は無かった。

 

その時だ

 

 

「…ぐぅ!?」

 

突如 自身の身体へ倦怠感や疲れが襲ってくる。それと同時に身体の力も抜けてきた。

 

「なんだ…!?これは…」

疲れか?いや、来る前に休んだ筈だ。ならばなぜか?

 

ニソラは原因を突き止める為に自身の身体を見る。

 

「こ…コイツは!?」

見ると自身の身体をゴーストがすり抜けており、自身を見ながら笑っていた。

 

見ると、辺りには何十匹ものゴーストが漂っていた。

 

「く!?」

そのゴースト達は膝を着くニソラに目掛けて一斉に向かってきた。

 

「がぁ…!!」

一体一体がすり抜けるごとに襲ってくる疲労感や倦怠感。更に、自身への嫌悪感。それが次々とニソラの闘争心を奪っていった。

 

「く……くそ…が……」

何とか立ち上がろうとするが、力が入らなかった。

 

そして 最後の一体が通り抜けた瞬間 ニソラの身体が床へと崩れ落ちていった。

 

ニソラが気を失うと、壁からは謎の衣装を纏った幼い少女が現れた。

 

「ペローナ様だぁ!」

 

「ペローナ様ぁ!」

その少女を見た瞬間 辺りにいたゾンビ達は歓声を挙げた。

 

「よぉしお前ら。このチビをモリア様の元に運べ。絶対に殺すなよ?」

 

『へぃ!!』

 

その後 ニソラはゾンビに担がれると城の更に奥地へと連れ去られていった。

 

 

 

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