ONE PIECE サイヤ人の変異体 作:きょうこつ
ドガァァァァンッ!!!
「な…なんだ!?」
島を揺らす程の巨大な地響きと爆発音によって部屋に篭り影を扱いながらオーズを修復していたモリアはその作業を中断する。
「モリア様〜!!」
すると 何かを報告しに来たのか手下である小柄な動物ゾンビ達が走ってきた。
「大変です!!海に漂流した筈の仮面が戻ってきてます!!」
「なぁにぃぃ!!??」
すると再び外から巨大な地響きが聞こえてくる。
「ぐぬぬ…このままじゃ影を奪いに来るのも時間の問題か……もうすぐオーズも修復できるっつうのによぅ…。ちくしょぉ!一か八かだ!!」
モリアは歯を食い縛ると手下である動物ゾンビ達に指示を出す。
「おい!キャプテン・ジョンを連れてこい!!今すぐにだ!!」
「「アイアイサ〜!!」」
◇◇◇◇◇
「どこだぁぁ!!!」
スリラーバークへと再び侵入したニソラの進撃は止まらない。次々とゾンビを蹴散らしていき無数に群がるゾンビ達は次々とノックアウトされていった。
「ひぃぃぃ!!!」
「なんだコイツ!?尋常じゃねぇ強さだぁ!!」
「逃げろぉぉ!!!」
迫り来る巨大な地響きと爆発音を轟かせながら向かってくるニソラに驚かす側のゾンビ達は驚き逃げ惑っていた。
その逃げ惑うゾンビの大群を後ろから追いかけるニソラは全身から気を溢れさせると右手に集中させた。
右手に集められた気は粘土の如く高密度に練り上げられ遂には一つのボールへと変化する。
「影を…!!」
ニソラは練り上げて作った気弾を手に掴むと鋭い目を逃げ惑うゾンビの大群へと向けた。
「返せぇぇ!!!!」
その叫び声と共にニソラの手から気弾が放たれ、黄緑色の軌跡を残しながらゾンビ達の大群の中に吸い込まれていった。
その瞬間
天にも届く程の巨大な火柱が発生し爆発音が轟きだす。それだけではない。発生した爆風によってまるで蜘蛛の子を散らすかの様に逃げ惑うゾンビの大群が吹き飛ばされた。
「ッ!!どこにいやがるんだ…!!」
ゾンビを蹴散らしてもなおもニソラは止まる事はなかった。発生した爆風の中を走り抜け、遂に島の中心にある城の入り口へと差し掛かった。
すると 目の前に一人の人影が見えた。
それは姿は人であっても歯茎を丸出しにしている恐ろしい風貌であり、ニソラはアッサリとゾンビと見抜いた。
「邪魔だ…!!!」
ニソラは先程のゾンビと同じ様に吹き飛ばすべく拳を構える。
そして そのゾンビとの距離が間近に迫るとニソラはゾンビに向けて拳を放った。
「……!」
その瞬間 ニソラは進撃を止めた。
先程まで一心不乱に城を目指し誰にも止められなかったニソラはそれを中断する程まで驚いたからだ。
「…」
ニソラはゆっくりと目の前を見る。そこには殴ろうと標的にしていたゾンビが自身の拳を片手で受け止めていたのだ。
「んんん…。あいあい坊ちゃん。ここから先は通行止めよ〜」
そこに立っていたのは長い髪を伸ばしながらも歯茎が丸出しの悍ましい風貌をしたゾンビであった。
頭の中に浮かんでいた目的を後回しにしたニソラはそのゾンビに興味を示し名を尋ねる。
「誰だお前?」
「俺は……ニソラだ」
「…は?」