ONE PIECE サイヤ人の変異体   作:きょうこつ

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夜討ち始まる

ルフィと行動する事を決めたニソラ。

 

その後、森を進んでいくと、とある広場に出た。

 

 

 

___否。墓場だ。

 

「…なんだここ?墓場?」

「らしいな…何か見たことあるような…」

映り込んできた景色にルフィが疑問の声をあげるとニソラは頷く。皆は不思議に思う様に辺りを見回した。

 

すると

 

「ヴゥゥゥ…」

 

一つの墓の方からうめき声が聞こえると共にその地点の土がゆっくりと盛り上がり一体のゾンビが現れた。

 

「……」

 

そのゾンビが現れると、ルフィは黙ったままゆっくりと歩み寄るとゾンビの肩に手を置く。

 

「じゃ、おやすみなさい」

 

そう言いズボッと土の中へと押し戻した。

 

 

 

これにて一件落着。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__んな訳あるかぁぁぁぁ!!!!無かった事にすんなボケぇぇえぇ!!!!!」

 

ぞんざいな扱いをされたゾンビは青筋を浮かべながら戻された土から飛び上がった。

 

ニソラ・ルフィ「……大怪我した年寄り…?」

 

ゾロ・サンジ・フランキー「ゾンビだろ!どう見ても!!」

 

するとそのゾンビに続くかの様に次々と辺りの地面が盛り上がり、そこからゾンビ達が飛び出してきた。

 

「ゾンビの怖さ…思いしらせてくれるわぁぁ…!!!」

 

「イヤッフィ〜!!」

 

「URYYYYY!!!」

 

「テメェの血は何色だぁぁぁ!!!」

 

次々と地面から飛び出し増えていくゾンビ、その数はもう50は下らないだろう。

 

「ゾンビって…こんな生き生きとしてたか…?」

 

「いや…」

サンジの疑問に答えながらニソラはゆっくりと姿勢を低くさせる。

 

それに伴い皆も辺りを囲むゾンビに向けてそれぞれ戦闘態勢を取っていった。

 

「ニシシ!」

ルフィは拳を鳴らし、ゾロは刀を加え三刀流の構えを取り、サンジは片脚を上げ蹴りの準備、そしてフランキーは手の皮を剥がし鋼鉄の拳を見せる。

そして

ロビンは手を交差し能力を発動、ニソラはあくびをしながらルフィ同様に拳を構えた。

 

 

 

 

その瞬間 辺りから津波の様に押し寄せるゾンビ達に向けて6人の賞金首による一斉攻撃が放たれた。

 

 

 

『14億ベリー JACK・POD』ッ!!!!

 

 

 

その攻撃が放たれた途端に押し寄せるゾンビの大群が蜘蛛の子を散らすかの様に宙を舞った。

 

◇◇◇◇◇◇

 

それから状況は一変し、大量のゾンビ達は現在、皆の前で正座させられていた。辺り一面は静かになったが、ニソラが拳を放った事により、一部の墓が消し飛んでいた。

 

「お前ら、ここでなにやってたんだ?」

 

「いや…何というか…腐ってたというか…」

 

ゾンビがルフィに問い詰められている姿を見ている中、ニソラは不意に虚空へと顔を向けた。

 

「あら、どうしたのニソラ?」

 

「……」

 

ロビンの声に頷くことも振り向く事もせず、ニソラは数秒程度、同じ方角を見つめる。

 

“その方向に何かがいるかのように”

 

「何か見えるの?」

 

「……いや、なんでもない」

ニソラはそれだけ答えると、詳細を喋る事なく、座っていた墓石から降りた。

 

 

その後、ゾンビ達がルフィの質問に誤魔化しや嘘をついた為にルフィとゾロとフランキーとド怒りしたサンジにボコボコにされた。

 

 

「さてと…早くナミ達を探さねぇとな…」

 

殴った拳を振り回しながらルフィが呟く。

 

そんな時だった。

 

「うぉ…いアンタら…」

 

森の奥からゾンビのようなうめき声と共に1人の人影が現れた。そのうめき声に皆は咄嗟にその人影へと目を向ける。

現れたのはやや中腰で、痩せ細り、手にはランプを持っている見窄らしい服装の…………

 

 

ニソラ・ルフィ「大怪我した年寄り?」

 

ゾロ・サンジ・フランキー「ゾンビだろ!どう見ても!」

 

 

「いや、大怪我した年寄りじゃ」

 

大怪我した年寄りであった。

 

ゾロ・サンジ・フランキー「紛らわしいわッ!!」

 

◇◇◇◇◇

 

その後、現れた老人から皆は話を聞いた。話によれば、ここは七武海の1人、ゲッコー・モリアが統治する島であり、迷い込んだ者達は次々と影を取られていったのだと言う。話す老人もその内の1人であり、もう何年も日の光を浴びていないとの事。

 

その闇に紛れなければ生きられない生活が限界なのか、話すうちにその老人は涙を流していた。

 

「成る程。俺の影を奪ったのもソイツって訳か」

 

「ん?お主も影を取られたのか?」

 

ニソラの声に老人は反応すると、ランプを向ける。 

 

「…ん?」

ランプを向けて足元を照らした老人は一度、表情を固まらせると目を凝らし、もう一度ニソラの足元をよく見た。

 

「いや、影あるじゃん」

 

「え?」

 

その一言を聞いたニソラは自身の足元を見る。そこには自身の身体を型に暗く染まる黒いシルエットが地面に映し出されていた。

 

「あ、戻ってる」

ニソラはようやく自身に影が戻っていた事を理解したのだ。

 

「お〜!戻ってるじゃねぇか!よかったな〜!ニソラ〜!」

 

「成る程…だから影に対しての執着心が湧かなかったのね」

 

老人が指摘した事によって、ルフィ達も驚きの声を上げ、ロビンも先程まで感じていた疑問をようやく理解した。

 

◇◇◇◇◇◇

 

その後、老人からモリア征伐を頼み込まれたルフィ達は島の中心部に聳える古城へと向かっていった。老人によると、影を奪われた人物は軽く100人を超えているらしく、今もその100人以上もの人々は陽の光を避けながら生きているらしい。

 

森へと向かう一味の中には影を取り戻したニソラの姿もあった。

 

「お前、影が戻ったんだろ?ここにいる目的はもうねぇんじゃねぇか?」

 

「一度言ったから最後まで協力する。ここで破ったら後味が悪いからな」

 

「そう言うとこはしっかりしてんだな…」

 

サンジに尋ねられたニソラは肩や首を回しながら返答する。そのまま、一味+αは森の中を進んでいった。

 

そして、森を進むことおよそ数分。

目の前に広がっていた木々の列が次第に少なくなっていくと共に景色が薄れていき、遂に目的地である島の中心部に聳える城の外壁へと到達した。

 

「…到着…と…ん?」

その城を目にしたニソラは自身がルフィ達と会う前の事を思い出す。

 

「ここは…さっき俺が来た場所じゃねぇか…」

 

「さっき?一回来たのか?」

 

「あぁ。お前らと会う前にこの辺りで書物の倉庫を見つけてな。そこに数時間ぐらい閉じこもって本を読んでた」

 

「よく知りもしねぇ場所に閉じこもれるな…」

 

ニソラの環境の適正度…いや、適正よりも怪しい場所でもブレることのない神経の図太さにゾロは呆れ果ててしまう。

 

その一方で、ロビンは城を観察する様に見上げていた。

 

「この城のどこかにモリアが潜んでいるのね。見つけるのが大変そうだわ」

 

「なら、この城を壊すか」

 

 

 

 

 

 

「「「「!?」」」」

 

軽くとんでもない事を口にしたニソラに皆は驚く。一方でニソラはやる気まんまんなのか、準備体操として伸脚をしていた。

 

「ちょ…おま…まさか壊すって…」

 

「決まってるだろ料理長。取り敢えずこのまま城の外壁や柱を壊す。根本が崩れればその上の部分も自動的に崩れ始める。そうすりゃモリア…だっけ?ソイツも潰れるから影も取り戻せる」

 

そう言いニソラは外壁に蹴りを入れるべく、体勢を整える。仮にニソラの蹴りが外壁に直撃すれば、崩れるのは勿論だがその余波で内部にある外壁も崩れてしまうだろう。

 

そうすれば城の柱にも衝撃が伝わり内部が崩れ、中に潜むモリアは確実に瓦礫の下敷きだ。影を取り戻すには一番近い道だろう。

 

「じゃ、いくぞ」

 

「待ってニソラ」

 

すると、誰よりも早くロビンはそれを止めた。

 

「さっきの骸骨さんが中にいるかもしれないし、先にこの島に入っていった仲間も中にいる可能性があるわ。城を崩すのは良い方法だけれど、そうすると仲間まで巻き込んでしまう」

 

「そうか。なら、やめる」

 

ロビンから止められたニソラは体勢を直す。もしこれで実行し、骸骨であるブルックや、ルフィの他の仲間達を巻き込んでしまえばルフィ達の怒りを買ってしまうだろう。

それに対してニソラはなんの抵抗もないが、ロビンの仲間ならば巻き込む訳にはいかないと考えたのだ。

 

「なら、どうする?」

 

「取り敢えず中に入って探そう。ニソラ、絶対、城は壊すなよ」

 

「分かった」

 

ニソラが頷くと、ルフィは先人を切りながら目の前にある入り口から中へと入っていく。

それに対してニソラもロビンに続く様に中へと入っていった。

 

 

その様子を 霧に紛れながら何者かが後ろから見つめていた。

 

時刻は深夜 1:50分。あと10分で草も木も眠る『丑の刻』となる。スリラーバークに眠る大量のゾンビ達が次々と目覚め始め、その時を今か今かと待ち構えていた。

 

 

 

あと10分。あと10分経てば島中のゾンビ達が襲いかかる恐怖の時間『夜討ち』が始まる。

 

◇◇◇◇◇◇

 

城の奥へ奥へと進んだ6人。もはやどこから入ってきたのかも分からない程まで来ていた。

 

その時だった。

 

 

ガシャ…ガシャ…ガシャ…

 

 

城の奥から次々と金属音が聞こえてくる。

 

ガシャガシャガシャガシャガシャ

 

その音の数は次第に増えていき、遂にはインターバルさえも無くなる程の数となった。

 

 

「「「…!!」」」

 

ニソラを除いた全員は戦闘態勢へと入る。

 

そこには鎧を纏った無数のゾンビ達が入り口を塞ぐかの様に立っていた。大きさや体型はそれぞれ異なるが、一番小さなサイズでさえも巨漢であるフランキーと同程度であった。

 

『ヘッヘッヘ。見つけたぜ侵入者』

 

『悪いがお前らはここで捕まってもらう』

 

地の底から響いてくる様な不気味な声を放ちながらゾンビ達は手に持つ武器を構える。全身がほとんど隙間のない鎧に覆われており、その鎧は相当な代物なのか、土に汚れながらもその光沢は失われてない。

 

「コイツは凄え数だな…」

 

周囲を埋め尽くす膨大な数にフランキーは冷や汗を流す。

 

そんな中、ニソラもゆっくりと身体を動かし戦闘態勢を取る。

 

両足を少し膝を曲げながら開き、それと共に全ての指を合わせた両手をゆっくりと弧を描くかの様に回していく。そして、右手を前方へ左手を後方へと構えた独特の姿勢となった。

 

構えへと移るその手の動きは一切の迷いも無駄もない。まるで“静かに流れる川”の様であった。

 

その様子を見ていたフランキーは驚いていた。

 

「ほぅ?兄ちゃん、アンタも拳法を嗜んでいる様だな。その構え…俺の師匠『トムさん』が話していた男の動きにそっくりだ」

 

「へぇ。お前の師匠も爺様を知ってるんだ……な…ッ!!!」

 

フランキーにそう返しながら構えを取ったニソラは目を一瞬、輝かせると、その輝きが奇跡を残す程の速度で周囲を埋め尽くすゾンビの群れへと向かっていった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

ニソラ達が去っていった墓場。その墓場のもう一方の入り口にある木の景色。

その景色の一部分が歪んでいた。

 

「ガルル…なんだなんだあの小僧!?オイラが透明化しているにも関わらず気づきやがって…!」

 

その景色が歪んでいくと、やがてロングコートを纏い、虎の様な鋭い牙を生やした怪人へと変化していった。そのコートは所々に土が付着しており酷く汚れていた。

 

「しかも300kgの筋肉が積まれてるオイラの身体をアッサリと蹴り飛ばしやがって…!許さねぇ…ボコボコにしてから影を抜いてやるぅぅ…!!」

 

その男は次々と恨み言を呟きながら墓場の中へと入ると、逆富士山の如く頭から地面に埋もれているゾンビ達に呼び掛けた。

 

 

「おい!何たる様だ!早く起きろ!ゾンビ共!!」

 

その男が呼び掛けると、ルフィ達によってしばかれたゾンビ達が次々と目を覚ましていく。

 

 

時刻は深夜 2:00 城のどこかに置かれている不気味な時計の音と共に最悪な出だしの夜討ちが始まった。

 

 

 




関係ないのですが、私の書いているモンハンの小説がようやく完結いたしました。一応、報告と宣伝しておきます。
https://syosetu.org/novel/254834/
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