ONE PIECE サイヤ人の変異体   作:きょうこつ

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船団出発

発車したロケットマン。

 

 

一緒に乗っていたのは麦わらに加えて船大工だけでなく、その副長『パウリー』も。最初はルフィ、ゾロ、ナミを除いたチョッパーや船大工達はあまりにもその不気味な風貌に気味悪がり、警戒した。

 

「な…何だソイツ!?お化け!?お化けなのか!?」

「はぁ…無理もない…」

ナミはニソラに仮面を取らせる。その後、何とかチョッパーも警戒を解いてくれたのか態度を緩めた。

 

その後 全員が乗っている中でニソラが切り出す。

「取り敢えず話しておく。俺がなぜ、どこでロビンと知り合ったのか。そしてなぜ接触したのか」

 

そう言いニソラは全てを話した。自身とロビンは同じくオハラで友人関係であった事。それに加えて20年間の放浪、その途中で手配書を見てロビンの事を知り、近くの島『ウォーターセブン』へ上陸。そして、ロビンの事

を聞く為に視界に最初に入ったナミに接触を図った事を。

 

全てを聞き、先程まで不信感で募っていたナミとゾロは納得している様子だった。

 

「成る程な。通りで詳しい訳だ」

「それに驚いたわ。まさか私に接触した時にココに来たなんて」

 

ガレーラの船大工達も納得はしており、チョッパーと同じく警戒体勢を解いてくれた。

 

「目的は同じって事か…。けど何でそんな気味の悪い仮面なんか被ってんだ?」

「これはただ海軍に顔を覚えられたくないだけだ。俺も訳ありだからな」

「…という事は…お前も海賊なのか…?」

「いや、ただの旅人だよ。さて…一通り話したが…信用しするかしないかは好きにしてくれ。俺はお前達には決して危害を加えない。これを約束する。お前らが俺を不審に思ったのなら殺してくれても構わん」

 

「…」

 

その言葉にパウリー達は黙り込む。

 

「そう言う事か。大体 理解した」

すると、ルフィが立ち上がりニソラに近寄る。

 

「なら、俺達はお前を信じる。一緒にロビンを助けてくれ」

「あぁ。嬉しい答えだな」

差し出されたルフィの手にニソラは自身の手を置く。

 

 

その後 しばらくの間だが、列車は進み続けた。

中でもチョッパーは警戒を解いたため、ルフィと同じく目をキラキラさせながらニソラの仮面を見つめていた。

 

「お前の仮面かっこいいな〜!!」

「そうか?それよりもお前 さっきから気になっていたんだが、何で喋れるんだ?」

「俺はヒトヒトの実を食ったトナカイだからだ!」

「ヒトヒト?あぁ。噂に聞く『悪魔の実』か」

悪魔の実とは食べる事で特殊的な能力を持つことができる実らしい。だが、食べたものは海に嫌われて泳げなくなるという。

 

「そういえば…何でロビンはエニエスロビーに連行されたんだ…?いくら俺でも分からないんだが?」

「私も詳しくは知らない…けど…何か隠してるようだった…」

ニソラはロビンがなぜ連行されたか聞くもナミ達も細かい事情は分からないらしい。

 

「そうか。取り敢えず…俺はしばらく寝るとする」

そう言うと眠りについた。仮面をつけたまま。

 

 

そんな中 ゾロは寝ているニソラのある点に気づく。

 

「(コイツ…今までずっと裸足だよな…?だとしたら相当傷がついてるはずだ…なのに何でついてねぇんだ…?)」

 

その時、ルフィが口を開いた。

 

「フランキー一家。ガレーラの船大工。町じゃゴタゴタあったけど…この先にいるの全員の敵は同じだ。その中で“ハト”の奴は俺が絶対ぶっ飛ばす!」

そう宣言した時だった。

 

「ばあちゃん!アクアラグナだよ!」

ココロの孫娘が窓を見て叫び出す。

 

「ルフィ!高波にぶつかるわ!」

「あぁ」

ナミの警報にルフィは頷くとフランキー一家のリーダー、そして船大工のリーダーの近くへと歩みよると手を差し出す。

 

「せっかく同じほうこうを向いてるモンがバラバラに戦っちゃ意味ねぇ」

それに応えるかのようにリーダー2人も手を差し出し、互いの手首を掴みトライアングルを形成する。

 

「いいか!俺達は同士だ!先に出た海列車には仲間がいる!だから戦力はまだ上がる!大波なんかにやられんな!!」

 

 

    全員目的を果たすんだッ!!!!

 

その叫びが室内に響き渡る。

 

「いくぞッ!!!」

『おおおおおお!!!!!』

 

向かってくるは巨大な波『アクアラグナ』その大きさは普通の何十倍もの大きさだった。

 

「ンガガガガ!!だったらオメェら!この波何とかしてみせなッ!!」

ココロは酒を飲みながら皆へと指示を出す。

男の皆は次々に船内から出て屋根の上に向かう。

 

「フランキー一家!!津波なんぞに怯むなぁぁぁ!!!」

 

『おおおお!!!!!』

その掛け声とともに後についていたフランキー一家は大歓声をあげる。

 

 

「ぬぉおおおお!!!“デミキャノン”ッ!!」

大柄な船大工の大砲が炸裂する。が、その巨大な津波『アクアラグナ』はそれだけでは突き破れない。

 

 

「そんなんじゃダメだぁぁぁ!!」

「下がってろ!!!」

「フランキー一家特性大砲“スーパー解体砲”ッ!!!発射!!!」

後衛のフランキー一家の用意した大砲は一般の大砲よりも威力が倍ある兵器だった。そして、勢い任せでその大砲を飛ばす。

 

だが、それでもアクアラグナは倒れない。

 

「うてうてぇぇぇぇ!!!!」

「中心に向かってうちまくれぇぇぇぇえ!!!!」

 

皆は次々と砲撃を始める。

 

ーーーーーーー

 

「ンガガガガ!頑張んな!。線路は少し浮上するがアクアラグナは越えられねぇ。当たりでもしたらロケットマンでもただじゃ済まないよ」

 

「えぇ!?俺たち死んじまうのか!?」

ココロの分析にチョッパーは絶叫する。

 

そんな中

 

 

「んん…。やけに騒がしいな」

眠っていたニソラが目を覚ました。辺りを見回すと、上の方から銃撃音が聞こえて来る。

 

「駅長。今の状況は?」

「ンガガガガ!ヤバイよ!!まさに絶体絶命さ!」

「そうか」

するとニソラは同じように外に出た。

 

ーーーーーーー

 

「成る程。これがアクアラグナってやつか」

ニソラは外へ出ると甲板に立つ。突然ニソラが現れた事に後ろの皆は一時的に砲撃を止めた。

 

「お…おいアンタ!!危ねぇぞ!!」

「そこに立つと邪魔だ!!早くどけ!」

後ろから何やらヤジが聞こえるが、ニソラの耳には届かなかった。

 

ゆっくりと手の平を目の前の津波に向ける。

そして 身体にめぐる[気]を掌の中心へと集結させる。

すると そこに緑色の光が次々と集まっていった。一粒一粒の粒子が集まり、それらやがて緑色の球体へと変化する。

 

そして 

 

「邪魔だ」

その一言とともにニソラの手から緑色の発光体が放たれた。

 

 

その瞬間

 

 

 

 

 

ドンッ!!

目の前の巨大な津波が一瞬で吹き飛んだ。

 

 

 

 


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