ONE PIECE サイヤ人の変異体 作:きょうこつ
あれからニソラとロビン達は荒野を進むと、ある場所に着いた。
そこでは多くのスーツを纏った海賊達が飲み食いしながら大騒ぎしており、なにやら祝い事でもしているかのようであった。
「随分と賑やかだが、何やってんだ?」
「分からない…けど、全員名の知れた海賊達だから何かがあるのは間違いないわねね」
その場に入って周囲を見渡していたフランキーやロビン、そして彼女に手を引かれていたニソラも疑問を抱いていた。
「なぁロビン、これ取っちゃダメか?」
「ダメよ」
因みにニソラは顔も割れており目立ってしまうためにロビンに髪を縛られ、簡易的な葉っぱのお面を付けられていた。
「似合うわよ♪」
「俺はガキじゃねぇんだ」
それを横目にブルックがウェイトレスにパンツを要求して蹴り飛ばされていたのは触れないでおこう。
そんな中であった。
「あんたら、麦わらの一味だろ?」
「「「…?」」」
ややリズムの合わない海賊の声が聞こえ、皆は目を向ける。そこには、一人の酒に酔っ払い顔を赤くした男がおり、酒をグイグイと口に流し込んでいた。
「まさか、アンタらも俺らと同じ“親分”と兄弟の盃を交わしに来たってわけかい?」
「はぁ?誰がそ___」
その男の言葉にフランキーは首を傾げ、声をあげるが、それよりも早くロビンが遮った。
「えぇ。そのつもりよ」
フランキーの声を遮ると、ロビンは自身らへと話しかけて来たその男へと尋ねる。
「親分さんは、なぜこれほどまでの海賊達を集めているのかしら?」
「あぁ〜?聞いてねぇのか?東の海(イーストブルー)を沈める為よ〜」
「東の海(イーストブルー)を…!?」
「…ん?」
ロビンが驚く中、海賊の口から出た言葉にニソラは首を傾げる。
ニソラは幼少期の頃からロビンと共に本を読み漁っていた為にある程度の地理が頭の中に入っていた。東の海とは赤い大陸と偉大なる航路をそれぞれ軸として分けられた四つの海の名前であり、中でも東の海は他の比べて治安が良いとされているが、その一方で最弱の海と称されている。
「…確か四つの海の一つだよな?」
「えぇ…ルフィやゾロの生まれた海よ…今朝の新聞にも襲撃を受けた記事が載っていたわ…」
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その後 ニソラ達はその場を後にすると再びザーリーダビットソンへと乗り込み島を進んだ。
そしてニソラはロビンから今朝の新聞についても教えられた。
「さっきの奴の言葉通りなら、アイツらは東の海を滅ぼす為に集まったって事だよな?」
「ええ。不味いことになったわね…急いでルフィ達に知らせないと…」
「薄汚え野郎どもだぜ…」
ニソラの見解にロビンは頷き、フランキーも眉間に皺を寄せながら荒野を進んでいった。
それからしばらくして、酒場を抜けた一同が再び荒野を進んでいくと__。
「な…何だこりゃ…!?」
目の前に映り込んできた光景にフランキーは絶句しながら乗り物を止めた。
そこにはこの世のものとは思えない光景が広がっていた。
周囲には集落の焼け跡が広がっており、燃えたばかりであるためか、その黒焦げの木屑からは煙が巻き上がっており、更にそれらを踏み潰した怪物達の焼死体もあった。
それによって周囲には酷い腐臭で満ちており、ニソラも思わず眉間に皺を寄せる。
「臭ぇ…怪物の内臓が焼けた臭いで充満してるな」
「なんてこった…いずれ東の海もこうなっちまうって訳か…」
フランキーは周囲を見渡すと、ルフィ達を探すため声を上げる。
「麦わらぁ!!いたら返事しろぉ!!」
「ルフィさぁん!!!皆さぁん!!!」
フランキーとブルックはルフィやゾロ達を探し回る。
そんな中であった。ロビンは何かを見つけた。
「あれは…!!」
ロビンが目を向けた先には土の塊で出来た巨大な螺旋状の山があり、そこには顔だけを出したまま土の中に埋められているルフィやゾロ達の姿があった。
「何だこれ…何があったんだ…?」
「とにかく急いで掘り返しましょう!!」
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その後 ルフィ達を掘り返し再び邂逅したニソラはロビン達へと説明を任せた。
「シキが東の海での事件の犯人!?」
「えぇ。間違いないわ」
「…」
ルフィの問いにロビンは答える。それに対して自身の故郷へと攻撃を仕掛けた正体がシキであると知ったルフィは更に表情を険しくさせた。
それはルフィだけではない。ゾロやサンジ、ウソップも歯を噛み締め、彼らやナミを介抱していた島の住民である親子は膝から崩れ落ちていた。
そんな時であった。
「…ん?これってダイヤルってやつだよな?」
ニソラは彼らの近くに一つのダイヤルを見つけて拾い上げるとルフィへと渡した。
それを受け取ったルフィはただ何も言わずにゆっくりと再生する。
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その一方で__。
メルヴィユの中でも大きな島であり、巨大な船と隣接する天守閣を構える御殿の大広間にて。
ブンブンブンブン
放屁の音がするブーツを鳴り響かせながらシキの側近である『Dr.インディゴ』が、目の前に座る数十名の名だたる海賊達の盃に酒を注いでいた。
「知っての通りだが…東の海は四つの中で最弱…死んで惜しむ偉人もいねぇ…思う存分に暴れるがいい」
そして、全員に酒が注ぎ終わるとシキはゆっくりと自身の盃を持ち上げた。
「金獅子海賊団の結成だ…!!!」
その時であった。
「お…親分!!!至急お耳に入れたいことが!!」
「あぁ!?テメェなんだこの忙しい時に!?」
突如として一人の見張り役が飛び込むと、報告する。
「あぁ…?見知らぬ8人だ…?すぐに討ち取らねぇか」
「そ…それが…」
見張り役の男が最後まで説明しようとしたその時であった。
________ッ!!!!!!!
目の前の回廊へと続く巨大な襖が破壊された。
「…」
襖の破壊によって周囲に砂埃が舞い上がると共に外の景色の光が差し込む中、その光の中から8名もの人影が現れた。
そして、その人影が顕になるとシキはまるで退屈そうな表情を浮かべる。
「なんだテメェらか」
「……」
その言葉にルフィはゆっくりと顔をあげ、シキを睨みつけるのであった。
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その一方で___。
「え…?何だこれ…」
王宮の中でも特に大きな図書室にて、周囲に惨殺された衛兵達の遺体が転がり鮮血が飛び散っている惨状の中、“とある本”を読んでいたニソラは目を震わせていた。
そこにはいつのものかは分からない。恐らく大昔に撮られたものであろうとても古い写真があった。
その写真にはニソラと同じ_____
______尻尾を生やした男が黒い長髪と髭を生やしながらも満面な笑みを浮かべている大柄なコートを着た男と肩を組みながら写っていた。
そしてその男の顔にもニソラは見覚えがあった。
「この顔…夢の時の…!!」
その写真に写っているのはいすぞや自身の夢の中に現れた謎の男であった。
「これは…この男に会って聞いてみるしかないな」