ONE PIECE サイヤ人の変異体 作:きょうこつ
司法の塔 “長官室”
「8年前のウォーターセブンにおける政府役人への暴行の罪人『カティ・フラム』並びに20年前のオハラで起きた海軍戦艦襲撃事件における罪人『ニコ・ロビン』滞りなく連行完了いたしました。現在扉の向こうに」
「よくやった!!」
室内でルッチは任務状況の報告をする。すると、ソファーに座っていたジャブラがルッチを見ると小馬鹿にしたような目で見る。
「よう久しぶりだなルッチ。ふてぶてしさが増したような面だな」
「フン。貴様の馬鹿面もな。ジャブラ」
「あ”ぁ!?」
「よさんか二人とも、帰って早々に」
「よよい!!そうさァやめな2人共ォ〜!!5年ぶりの再会じゃあ〜あ〜ねェ〜かァ〜!!」
クマドリは歌舞伎のように、カクはめんどくさそうに2人を仲裁する。
そんな中 フクロウが口を開けた時 カリファとカク ブルーノとルッチがそれぞれ蹴りを入れた。
「やると思ったわ。フクロウ」
メガネを整えると吹き飛ばされたフクロウはチャパパ……と笑う。
彼の能力の一つ“六式”遊戯 手合わせ
自身の身体に攻撃を加えた者の力を瞬時に数値化するのだ。
「チャパパ………カリファ620道力…ブルーノ820道力…カク2200道力…ルッチ……4000道力!!」
「なにぃぃ!?ルッチが!?嘘だろ!」
「ホントーだ!!皆強くなったチャパパ」
「ふざけんじゃねぇぇ!!!もっかいだ!!もう一回!!」
「チャパパパパパパ!?チャックを引っ張るなぁ!!」
「おいお前ら!!出会い頭に下らねぇ番付するからそうなんだ!500超えてる時点で充分超人なんだよ!」
「チャパパ…長官殿…9道力」
「俺はいいんだよぉ!!!とにかくお前らまず座れぇ!!!」
スパンダムが叫ぶと2人は取っ組み合いをやめる。
「今回の件は実にご苦労だった。そこでお前らに渡す物がある」
スパンダムは箱から何かを取り出す。それは“悪魔の実”だった。
「合わせてくれ。世の希望に」
ーーーーーーー
ルフィ ニソラの後に続いた麦わら、ガレーラ、フランキー一家の皆は疑問に思っていた。
「おいおい…正門を突破してからやけに兵が少なくなってねぇか…!?」
「あぁ。さっきの叫び声で多分殆どが失神したんだろう」
中へ進む道のりで皆は辺りに倒れ臥す海兵達の姿を見た。
「こりゃ…相当やべぇな…。俺達はとんだ“ジョーカー”を味方につけちまったらしい」
ゾロはすぐさまニソラの仕業であることを見抜いた。
「もしかすると目的地に着くまでもう戦闘はねぇかもな」
すると、目の前に巨大な影が見える。
「何だ?ありゃ…」
ーーーーーーー
長官室の扉が開くと、長身の黒い髪を持ち黒い服を着用している女性と青い髪のパンツ一つで下を隠している男性が入ってきた。
彼女が『ニコ・ロビン』一眼見れば美しい容姿を持つが、スパンダムはゴミを見る目を向けていた。
「ははは!!実にいい気分だ!!8年前の事故でよく生きられたもんだなぁ?『カティ・フラム』そして世界が危険視し追い続けた女『ニコ・ロビン』世間の人間達は我々の働きがどれ程偉大であるかを知らない。それが知れるのはまだ数年ぐらい先だろうけどな。俺に言わせりゃ今のジジィ共の正義は生ぬるい!犠牲を出さねば目的は達成できない!!こちとら全人類の為に働いてやってるんだぜ?」
そう言うとスパンダムは自身に怒りの目を向けるフランキーに顔を向ける。
「その俺たちの邪魔をする愚か者共は平和への犠牲として殺して良し!!俺たちがよこせと言った物を素直に寄越さない魚人も正義の謀反者として殺されて当然だぁ!!」
「ッ!!」
その言葉にフランキーは思い当たる節があるのか、怒り狂い、手錠をされているにも関わらずスパンダムに向かって走りだした。
「トムさんが命を掛けて設計図を守ったのは……テメェのような馬鹿がいるからだろうがぁッ!!!」
「ぎゃぁぁぁ!!」
フランキーはスパンダムの頭に噛みつく。
すぐさまクマドリが自身の技でフランキーを押さえつける。他のCP9の皆は何食わぬ顔をしていた。
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「…!!」
エニエスロビー 本島 司法の塔 前門
1人残った海軍の大佐は戦意を喪失していた。
その理由は目の前には先程まで山ほど。2000人は下らない程の兵士達が倒れているからだ。
そして、その兵士達を倒した張本人は目の前にいた。
「ふぅ…。運動代わりにはなったか?」
息をせず、ただただ一息をつくかのように背伸びをする少年。白髪で顔はとても幼い。身体も小柄だ。だが、この少年がここにいた2000人をほぼ全員倒したのだ。銃弾を撃てば跳ね返され、剣を振れば刃を破壊し、そのまま拳を撃ち込んでくる。
共にいた麦わらのルフィでさえも上回るほどの立ち回り。
一体何者なんだ?この子供は
「何なんだ…お前は……」
海軍大佐は腰が引けて倒れる中 自身の後ろにある裁判所へ進もうとする少年に問う。
その少年はただ軽く答えた。
「ただの幼馴染みだよ。ロビンの」
そう答えると自身に手を下す事なく、その少年は裁判所の中へは入らず、跳躍すると麦わらと同じく屋上に向かっていった。
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「待って!!約束が違うわッ!!」
「あぁ?」
突然ロビンは叫んだ。その理由は一味がこの島に到達したと知ったスパンダムがCP9に殺害許可を与えたからだ。
「私が貴方達に協力する条件は彼らを無事に逃すこ…うぅ!?」
頭に血が上ったのかスパンダムはロビンに平手打ちをする。
「うるせぇんだよ!さっきからゴチャゴチャと!ルッチ!俺達が提示した条件をゆっくり述べてみろ!」
指示されたルッチは座りながら冷静に述べる。
「ニコ・ロビンを除く麦わらの一味が無事にウォーターセブンを出港すること」
すると、スパンダムの目が変わる。
「そうだ。アイツらは無事出航してここへ来たんだ。もう約束は果たしただろ…?
「…!」
その言葉にロビンは汗を垂らす。
「そんなこじつけで…協定を破る気…!?」
「話を聞いてりゃ…随分とイカれた野郎だな…!!」
ロビンに続き、話を聞いていたフランキーもその言葉に物申す。
「何だと…?口を慎めッ!!このクズがっ!!!」
怒声を放つとスパンダムはロビンに続きフランキーの身体に次々と蹴りを入れる。
「そもそもテメェら罪人の約束なんざ鼻から守る気なんてねぇんだよッ!!調子に乗んな!!海賊を騙してとっ捕まえる事ぐらい海軍の誰しもがやる事なんだよ!」
そう言いスパンダムはロビンの頭を踏みつける。
「何度も何度も人を騙したテメェのような女が…今さら理想的な死を選べると思うなよ…?仲良く死ねばいい。は〜ハッハッハッ!!!」
もう横暴としか言えなかった。
ロビンは悔しさのあまり下唇を強く噛み締める。