蟲の中で
突然だが、転生した。
と言ってもトラックに轢かれたとか、低腰の自称神様に好きな世界を聞かれたとかチャチなもんじゃない。
もっとこう……複雑と言うか何と言うか、
始まりは日々の学生生活で溜まりに溜まった鬱憤を性欲と共に排出すべく性転換リョナ物(エロ本)を広げ、白濁液を下腹部にて精製している時だった。
「ふっふっふぅー!」
とてつもない快感が背筋から脳髄へと駆け上がり、頭が真っ白になって―――気付けば赤ん坊になっていたのだ。
それも女の子である。恐らく人生最後であったであろう排出行為は不発に終わり「(こんな導入なんてエロ漫画みたいだ。)」
産まれてから数ヶ月、ボンヤリとした頭でそう呟く。
コツコツ……コツコツ…
今は夜だろうか。
祖父だと思われる老人の腕に抱かれ気付けば暗い階段の上を歩いていた。
そしてヌチャヌチャと、全裸の女性が蟲に喰われていた。
………………Why?
今度こそ頭が真っ白になる。
「――目が覚めたか」
あの紫色の髪は―――知っている。
少々粘着質だったと言っても言い…まるで離れる事を恐れているような、余程私を大切に思っているのか、それにしてはずっとビクビクしていて、私の前で一度も笑った事のないくせに異常な執着を見せていた…そんな彼女が2日前からパッタリと消息を断ち、てっきり祖父に任せ旅行にでも行ったのかと思えば……だ。
鋭い顋を突き立てる子犬ほどの昆虫が皮を啄まみ、全身の毛を毟った土竜のような幼虫が眼球を掘り出し、頑丈な頭蓋骨を酸のようなもので骨で溶かしシワだらけの脳ミソに群がる膿虫達。
「人間だった頃の儂と同じかそれ以上、クククっ最後に面白いモノを孕み落としたな」
その腰ほどまで伸びる艶やかな紫色の髪がなければ気付けなかったかもしれないほど無惨な姿。
ネットのグロ画像なんかでは表せない…リアル。
息をするだけで辛く乳房に吸い付き無我夢中で命を繋いで…やっと目が見えるようになったあくる日の夜。
私が何処に、そして私を抱き上げる老人が誰であるか……正直会った時点で薄々と…きっと他人のそら似だと現実逃避していた部分もあるが完全に理解した。
「母の最期が見れて満足であろう、ユヅキ」
どうやら私は間桐の長女として転生したらしい。
間桐で女はアカンて!
間桐ユヅキ
間桐属性:水/風 束縛・吸収
魔術回路 量:A 魔術回路 質:A
起源 不明
間桐臓硯が女として産まれていたらこんな感じであっただろうという才能の化け物。
正に容姿は若かりし臓硯をそのまま女性体にしたようであり、間桐の特徴ともいえる紫髪は宝石のように輝いている。
Fate/Zero時には桜の一つ下(五歳)。
臓硯が長い間保管してあった父の精液と優秀な魔術師の母体から誕生。