間桐で女はアカンて!   作:ら・ま・ミュウ

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27話『決戦と矛盾』追加
28話『結末はair』追加 8/22


エピローグ

第四次聖杯戦争が終結した。

五次聖杯戦争への布石として、またその余興として参加しただけに得られる物は少なく、途中で臓硯にマスター権を譲渡した後はむしろ瀕死の重体まで追い込まれるような事態に巻き込まれた間桐揺月。

彼女は自らの天才的な頭脳を持ってしても予想だにしなかったと後に語る。

 

 

「英霊との融合事例。疑似サーヴァントのデータか……ッ成る程、成る程」

 

彼女の思惑により、結局は不老不死を願う事も出来ずに聖杯戦争を終えた間桐臓硯。

彼は彼女が進める一つの研究に目をつけ共同研究者として申し出た。

数年後、円卓の騎士ギャラハットの盾を手に入れた彼らは―――、桜の肉体から蟲が消えたとだけ言っておこう。

 

 

「へぇ、これが魔術協会の総本山、時計塔ですか……」

「頼むから妙な気は起こすなよ!」

「勿論ですよ先生」

 

ウェイバー・ベルベット。此度の聖杯戦争で表向きの勝者となった()()は無事願いを叶え、時計塔へと戻った。

学友であり教え子である間桐揺月は彼の教師としての能力には敬意を払い、エルメロイ家の買収に手を貸し、後に彼をロードまで押し上げた。本人は傍迷惑だと言葉を残している。

 

 

「おじさんはね、魔法使いなんだ」

冬木の大火災により、多くの犠牲が出た。

セイバーの王として在り方もまた一つの王道であると見定めたギルガメッシュ王の本気の一端に触れたセイバーの剣は星をも砕く究極の一の前に折れた。

持ち前の概念礼装により何とか命をとりとめた衛宮切嗣は、何もかも投げ出して叶わなかった悲願に絶望し……被災で家族を失って孤児となった一人の少年を引き取った。

 

 

「COOL!」

 

殺人鬼にして第二のジャックザリッパーと怖れられた彼の最後は呆気なく、野良の魔術師に喧嘩を売って死体すら残さず闇に葬られた。

 

 

ケイネス・エルメロイ

婚約者であるソラウ嬢と正式に籍を入れたかと思えば――婿養子であり、エルメロイ家は激怒した。しかし、彼なくしてエルメロイ家に未来はなく良好とした関係が続けられている。

 

 

 

「……お父様」

 

遠坂凛の介護を受け、起き上がる遠坂時臣。

 

「あぁ、凛ちゃん。おはようございます」

 

彼は屋敷が瓦礫と化す際に強く頭を打ち付け、聖杯戦争後に最寄りの大病院へと運ばれた。

――目覚めた彼は記憶の大半を失っていた。現代の医学の見解では強いストレスにより脳の記憶ホルダーに一時的なロックが掛かっている状態らしく、何かの拍子に記憶が戻るかもしれないが一生戻らないかもしれないという話だ。

幼児退行し、人様に見せられないような姿……という訳ではないが、遠坂家は魔術師としては無知にも等しい彼を当主の席に座らせ続ける事は難しかった。

遠坂凛は代理として当主の座を受け継ぐ事になった。

 

 

 

「このオレを待たせるとは何事か桜!」

「……うるさい」

 

例の如く、何故か受肉していたギルガメッシュ。

身寄りのない彼は、未来のマスターとなる揺月には監督責任があると新生間桐邸に転がり込み、桜を召し使いのように使っていた。

桜はギルガメッシュのことを義母の結婚相手、つまり義父と認識しており、口では煩わしそうしていても内心は喜んでいた。

 

 

 

言峰綺礼は父に代わり教会の神父に就任。




これまで誤字報告してくださった皆様、最後までこの物語にご付き合い下さった皆様、誠にありがとうございました!

何故、揺月が抑止力にボコられる事となったのか、この『冬木の大火災』の元凶、揺月が五次に向けて四次聖杯戦争で行った布石とは―――ご想像にお任せします。

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