ロドスの備忘録   作:とってもみかん

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テキサスが拷問を受ける話

「ぐっ…」

 

窓一つない地下の一室。

顔に傷のある大男に頬を張られ、拘束されている椅子ごと床に倒れ込む少女がいた。体の至る所に着いたアザ、口から血を垂らしながら殴った男を睨みつける。

 

「進捗はどうだい?」

 

壁に一つだけある鉄扉が開き一人の男が入ってくる。

 

「駄目ですね。コイツ死んでも吐きませんよ」

 

先程殴った男が答えると、入ってきた男は床に転がる少女の長い髪を掴み椅子を立たせて話しかける。

 

「ペンギン急便のテキサス、君だね?」

 

「…手を放せ、髪が汚れる」

 

「フン」

 

男は手を放すと椅子の脚を蹴り、テキサスは呻き声をあげて再び床に倒れる。

 

「その恰好が似合いだな。さて、話す気は無いのかい?“社長”のことは」

 

「…、何度も言わせるな…。私は喋らない。何があってもだ」

 

「そうか」

 

そう言って男は部屋を出ていく。しかし、暫くしてまた戻ってきた。

誰かを連れて。男が鎖を引いて連れてきたのは少女。

 

「いやっ! 離してよ!」

 

聞きなじみのある声、テキサスの肌にじわじわと汗が浮き出てくる。

頭の中で否定する。あれは彼女じゃない。居るわけがない

今は男の背中で隠れて見えないが、あれは別人。そうに違いない

違いないのに

 

「どうだ? 感動のご対面ってやつかい?」

 

男が手錠につながった鎖を引っ張り上げて、無理やり背伸びの状態で立たせた

彼女は

 

「…ソラ!!」

 

「テキサス…さん。ごめ、ごめんなさい…わたしぃ…」

 

男は天井から垂れた鎖にソラの手錠を繋ぐとテキサスの椅子を立たせて一メートルほど開けて対面させる。

 

「君が捕まってからすぐに侵入者がいてね。誰かと思えば巷で噂の売れっ子アイドルちゃんじゃないか。かわいいねえ、まさかペンギン急便に所属していたとは」

 

「貴様ァ!」

 

「大丈夫、“まだ”何も手を付けてないからさ。じゃ、もう一回聞こうかテキサス。彼の居場所は?アクセスコードは?」

 

「あ…」

 

歯噛みするテキサス。と「パァァン!」と鋭い音が地下室内に響き渡る。

 

「いっ!」

 

男が手に持った鞭でソラの背中を打つ音だった。

 

「やあああああああああああああッ!!!」

 

「ソラぁ!?」

 

「おいおい舌を噛まないでくれよ? 随分と痛みと無縁の経験をしていたようだね」

 

天井から吊られたソラの体が痛みを分散しようとしているのか、ゆらゆらと忙しなく動く。

眼は固く瞑られ、その目尻には大粒の涙が溜まっている

 

「あっ…あ…あぁ…」

 

「ソラ!? ソラ! 大丈夫かッ!?」

 

「んー気になるなら見てみるかい? ほら」

 

男がソラの体を鎖を軸に回転させ背中を向けさせる。

ソラの黒い制服が斜めに切り裂かれ、内側のブラウスと下着も千切れ、白い肌に生々しい赤い線が刻まれていた。

 

「なんて…ことを…お前ッ!」

 

「おっ、効いてるねえ。仲間が傷つくのはつらいかい? 君みたいな強情なタイプにはやっぱりこういう方法が一番効きそうだ…な!」

 

再び鞭を持った男の手が振るわれ、鞭が風を切る音と肉を割く音が響き渡る。

ソラの絶叫、テキサスの目の前で×の字に切り裂かれた背中からじくじくと染み出た血が床に垂れていく。

 

「ふんふん♪ こんな曲だったかな彼女の? とても今の絶叫を生み出してる声からは想像できないねぇ」

 

「ソラぁ…そらぁ…」

 

「テキサス…さん、私は、だいじょうぶ…ですから…」

 

振り返ったソラは大玉の汗を幾つも額に浮かべながら笑う。

 

「私のために…ペンギン急便のみんなを裏切ることは…しないで下さい…」

 

「ソラ…」

 

「よく言ったねえ!」

 

男は壁端に置いていた鉄製のワゴンカートを持ってくる。

上には用途のよく分からない金属製の器具が幾つも置かれていた。

 

「テキサス君、さっそく彼女の覚悟に報いなければね。」

 

男はソラに歩み寄ると既に千切れかけていたソラの上着を力任せに引きちぎる。

裂かれた肉が引っ張られ「あぁッ!」というソラの悲鳴。それを男は無視してワゴンの上から器具を一つ取って続ける。

 

「これは3万ボルトまで出せる拷問器具だ、どれ最初は五千くらいから試そうか?ほら、録画しとけお前ら。アイドルの拷問ショーなんて後で飛ぶように売れるぞ」

 

トップレスになったソラの柔肌にスタンガンのようなそれを当てて男はニヤニヤと笑う。

対しソラは覚悟を決めたように、唇を引き結んでテキサスを見る。

 

「テキサスさん、私…貴方がずっと好きでした。だから、エクシアさんに止められても助けに来たんです。こうなるのも覚悟の上…です」

 

「ソ…」

 

ラという続く声は、体に電流を流された彼女の獣のような絶叫にかき消された。

 

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