執務室。
机を挟んでアズリウスと書類を捌いていく。
絶えず紙を吐き出す印刷機、カラカラという換気扇の音。黙々と作業をする中で、落ち着いた彼女といるのはとても心地よい。
「ドクター」
アズリウスが書類の束を持って寄る
「カランドからの案件です。目を通しておいてください」
「ああ」
書類の束を彼女から受け取る。
ささっと目を通すと、真面目な文面の中にそれとなく巫女は元気でしょうかという旨が紛れてあった。ばれてるじゃん
「それと」
アズリウスがカップをソーサーに乗せ、机にやってきた。
「紅茶を淹れましたわ。お疲れでしょう? 少し休むべきですわ」
「おお!ありがたい」
礼を言ってカップを彼女の手から受け取ろうとすると、突如としてその手が引っ込み、俺の手が空を切る。
「ア、 アズリウス…?」
「………」
カップを遠ざけたままアズリウスは固まる。
暫くしてブツブツと小さく何かを呟く
「…“毒物”の淹れた紅茶なんて…。此処にいると私の立場を忘れてしまいますわ…」
「お、おいっ!」
そのまま流し場に紅茶を持っていこうとするアズリウスの手を掴み、こちらを向かせる。
紅茶が振り撒かれ、俺の衣服に染み込んでいく。
「た、大変ですわ! 毒が!ドクター!早く毒を抜かな…」
「毒じゃない!」
狼狽えるアズリウスをそのまま引き寄せ胸の内に抱く。
手を回して抱き寄せると、密着して感じる彼女の早い鼓動。
「ど、ドクター!?」
耳にかかる熱い息、手を滑らせると背中に浮き出る肩甲骨が掌を通り過ぎ、押せば沈みそうな柔らかい体が手の中に納まる。
「あの、いけませんわ…離れてくださいまし…」
「君は…毒じゃないからさ…もう、そんなに自分に怯えないでくれよ…」
目の前には驚きと不安半分といたアズリウスの顔が、至近距離でこちらを覗き込んでいる。
俺は彼女が逃げないように、しっかりと腕を回す。
「それとも、確かめないと分からないか?」
「え? んっ!?」
そのまま強く抱き寄せて、桜色の唇を奪った
忙しなく揺れ動くサファイアのような彼女の瞳と目が合う。
こちらを押し返そうとする力も段々と弱くなり、ゆっくりと彼女の手が俺の背中に回される。
ぷちぷちと白いブラウスのボタンを外す。
レースをあしらった白い下着、ホックを外すとパサリと床に落ち、白い乳房が重力に引かれ左右に揺れる。
「んっん…んぅ…」
椅子から床に彼女を押し付け、長い間貪るように唇を合わせ続ける。
彼女の毒に恐れてはいない。
君の体は毒物なんかじゃない
それだけを伝えたい夜だった。