ロドスの備忘録   作:とってもみかん

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参加型のSSとして書きました。

選ばれたのはヴィグナでした


観光地シエスタでの初日、皆でお酒を飲みに行く話。【エクシア·シルバーアッシュ·テキサス·ヴィグナ】

コンコン

 

羽根伸ばしに訪れた人気観光地シエスタ

その観光客を対象に作られた小洒落たホテルの一室。

ドクター用に用意されたその部屋に、小気味良いノックの音が響き渡る。

 

日も傾いた午後6時。

荷物を広げ、そろそろ風呂と洒落こもうと思ってたのだが、誰だろうか。

 

「急にすまないな、盟友よ。この後、晩酌に付き合わないか?」

 

「シ、シルバーアッシュ?」

 

扉を開けると廊下に白髪長身の男性が立っていた。

いつものYシャツに仕立ての良い紺のベストを羽織り、柄入りのネクタイを締めた彼は、男の俺でも惹かれそうになる程の雰囲気を醸し出している。

上等なホステスに交じっても疑われることはないだろう。

 

「私が一階のパブを予約したんだよー。テキサスも来るからさぁ…一緒にどう?ドクター」

 

とシルバーアッシュの後ろから、ひょっこりと赤毛の天使が飛び出して言う。

普段ラフな格好でしか見かけない彼女も、紫がかった黒のパーティドレスに身を包み、化粧を若干してるせいか大人びて見える。

 

「一張羅くらい持ってきてるよね?ドレスコード結構厳しいからさ。なければアッシュの借りればいいよ」

 

ニコニコと笑顔でエクシアが言う。

扉の前にロドスでも屈指の美男美女、廊下にいる他の客もチラチラとこちらを盗み見ているのが伺える。

 

「…そんな訳だが盟友、一緒にどうだ?」

 

「…あ、ああ。分かったいこう。シャワーを浴びていくから、すまないが少し待ってくれないか?」

 

昼はイフリータと一緒にバーベキューを楽しんでいた。体中についたススと焼肉臭を落とさなければいけない。

 

「いいよー。じゃあ一時間後に下でね! あっ。あと…」

 

別れようとしたエクシアの大胆に開いた背中の白い肌に一瞬ドギマキしたが、何か思いついたように彼女はまたこちらを振り返って言う。

 

「5人席予約しちゃってるからさ、ドクターあと一人呼んでもいいよ? 気になる娘でも連れてきたらー?あはは!」

 

「なっ!」

 

ジョーダン!と言い残して二人は部屋に戻っていった。

 

あと一人…

 

誰か誘ってみようか

 

 

:::::::::::::::::::::

 

 

「へぇ、意外だね。スカイフレアちゃんあたり呼ぶかと思ってたよ。」

 

流石高級ホテルの中で営業するだけあり、パブの中は中々に広く、原木をふんだんに使用した内装に現代的なインテリアを上手く組み合わせた意匠のデザインだ。

 

店の奥にあるテーブル席に見知った二人を見つけたのでそこへ向かうと、席に着いてマリンブルーのカクテルが注がれたグラスを手にしたエクシアに開口一番言われたのだ。

 

「スカイフレアはプロヴァンスと食事に行って、グムは寝ていたよ。屋台ではりきりすぎたんだろうね」

 

「ど、どうも…皆さん。あ、あたしなんかで良かったのでしょうか?」

 

俺の隣に立つ彼女、ヴィグナは白いブラウスの胸元に黒いリボン、下は同じく黒のラッフルスカート。燃えるような赤い髪を後ろで束ね、ポニーテールのように下ろしている。

 

「ヴィグナちゃんかーわいい!そんな畏まらなくてもいいよ、誰も気にしてないからさ。ね? アッシュ?」

 

「無論だ。年功の違いなど気にする必要はない」

 

話を振られたシルバーアッシュの方を見ると、彼はロックアイスと共に琥珀色の酒が入ったグラスを優雅にあおっている。

 

「というわけだ。ヴィグナ、ささやかだけどライブ前の前夜祭を楽しんでくれ。お金は俺が払うからさ」

 

「え、ほんとに? 高いんでしょここ」

 

「やたー!ドクター太っ腹だねぇ!」

 

「エクシア、ドクターを困らすな。私たちは自腹だ」

 

横に座るテキサスに「えー」と文句を言いながら、席を立ちカウンターへ

向かうエクシア。

 

俺達も彼女について行き、ドリンクやフードメニューを頼むことにした。

 

:::::::::;;

 

 

「ヴィグナちゃん、それなーに?」

 

「え? 黒ビールですよ。特産品だって言われたんで」

 

と言い、ジョッキに注がれた黒い液体をぐびぐびと豪快に飲みヴィグナ。

口周りに就いた泡をナプキンで拭い、テーブルのフィッシュ&チップスを受け皿に取り食べ始める。

 

「ほう、ヴィグナ君はもう飲める年なのか?」

 

「はい、ロドスではホシグマさんとよく飲みに行ってますね」

 

「見かけによらないねぇ、ソラなんかグラス一杯でふらふらで大変だったのにね」

 

「エクシアも飲み過ぎだ。酔い潰れたら、背負って部屋まで運ぶのは私なんだからな」

 

「うーん、ありがとーテキサス!ちゅー!」

 

 

急に身を乗り出し、隣のテキサスにキスを迫るエクシア。

その顔は既に赤く、結構酔いが回っているようだった。

やめろ離せと取っ組みあう対面ソファのペンギン急便二人組。

 

横のヴィグナを見ると、多少顔を赤らめている。

が、それよりも食い気が勝るのか、追加で注文した赤色のブランデーをくいっと傾けて至福の表情をしている。

意外にも彼女は結構酒豪のようだった。

 

「ふふ、お前達も飲むといい。上等な三十年物だ」

 

と、カウンターに行っていたシルバーアッシュが、ボトルと栓抜きを手に席に戻ってきた。

コルクを抜くと、確かに高級そうな芳醇な香りのするワインだ。

 

「あたしもいいですか? シルバーアッシュさん!」

 

「ああ構わない、飲むといい。味は私が保証しよう」

とくとくと注いだワイングラスをチンと合わせ、夜が更けるまで語らいあったのだった。

 

「今日はありがとうドクター!急に呼ばれた時は何かと思ったけれど、最高に楽しい夜だったわ! 明日のライブでまた会いましょ」

 

部屋まで送ったヴィグナは扉の前でそう言っていた。

俺も皆の意外な面を知れて良かった。

エクシアとシルバーアッシュには後で礼を言っておこう。

 

シエスタでの最初の一日はこうして終わった。

 

 

…結局最後はテキサスと一緒に、酔い潰れて寝たエクシアを運び、部屋に放り込んだのはまた別のお話

 

 

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