優しいのって良いですよね
私は好きです
~たとえばこんな空の下で~
サブタイトル、優しさに溺れて
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明日になれば良い事があるかもしれない
朝が来たら、出来ることから始めればいい
辛くて苦しい時は
人の温もりに身を任せていたい
優しさに溺れても、悪いことは無いのだから
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任務をこなしていた時のことだ
地熱発電プラントの近く、
雪原の中で作戦目標となる対象を確認して
戦闘態勢に移ることにした
(騎士剣、同調)
(身体能力制御)
(運動速度、知覚速度を40倍に定義)
剣を構えて、僕は敵を斬るために駆けだした
そんな中で、寒さに凍える息の音が耳に届いた
雪の舞う冬の世界の中に
まるで閉じ込められたようにそこにいる
僕と、敵となってしまった人達の
あくまでイメージの中でだけれど、
冷たい息が聞こえる気がする
敵の寒さに堪える息の音が
胸の鼓動に合わせて、ひとつ、ふたつ、
恐らく、みっつめの息もあるだろうと
数えて行くたびに、感じるたびに音は増えて行く
すると不思議な事に考えは鋭くなり
敵対する目標の、魔法士の姿をハッキリと捉える
(高密度情報制御を感知)
(攻撃を感知、回避可能)
まず1人目の能力を確認、炎使いのようだ
騎士剣を握る力を強くしながら
もうひとつの魔法士にも注意を向ける
さて、もうひとりが仕掛けてくるならここかな
自分が今、足が雪原の、地熱発電プラントの構造材を踏みしめ
更に踏み込もうとした時にそれは起きた
足元から構造材を元にした腕がはえてきたのだ
ゴーストハックということは、2人目は人形使いか
連携が出来ている、
炎使いがけん制し、人形使いが足元を狙う
まずまずの厄介さだ
はえてきた腕は僕を狙って今にも暴れようとしている
しかし、それは脅威となる直前に無力化されることになる
腕に対して騎士剣を接触させて
(情報解体)
情報解体によって暴れようとしていた腕は砂のように崩れ落ちる
だけど、そうして無力化するために体を動かして
僕は隙を晒すことになった
(来るならここだ、たぶん援護を得つつ戦うはず)
すると予測に沿って敵の3人目が現れた、
剣を構えてこちらに向かってくる、騎士みたいだ。
その騎士がこちらに向かってくるのと同時に
反対側からも、4人目が現れる
こちらも剣を構えているということは
騎士の魔法士ということなのだろう
・・・このままではまずい、
僕がやられるのは、ほとんど間違いないだろう
僕がこのまま戦闘を行った場合
手数の多さに負けてしまう可能性は十分にある
いや、負けるんだろう・・・。
ただしそれは、
ひとりでここに来ていたのならだ・・・。
僕は片方の手を腰に回し、目的の物を手にした後、
腕を空中に向けてそれを撃った。信号弾を撃ったのだ。
4人の敵対する魔法士は、何事かと一瞬だけ動きを止めた
その間にも事態は進んでいく、
僕は通信機を介してこう言った
「作戦を次の段階に移行、制圧開始」
言葉が響き、一瞬は何もないと思うかもしれない
だが、その一瞬で状況は変わった
僕の友軍が雪原の一帯を包囲して現れたのだ
魔法士、通常戦力の兵士を問わず多数の友軍がだ。
呆然とした様子の敵対する魔法士に
僕はただ一言を告げる
「・・・・・・降伏してください、でなければ撃ちます。」
状況を把握した敵対する魔法士の4名は、
勝てないと踏んだのだろう、手を上げ、情報制御をやめた。
・・・・・・戦いは、あっけなく終わった。
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今回の任務は地熱発電プラントに潜伏する
敵対する勢力の魔法士を捕らえることだった
なんでも、その魔法士たちが持つ情報が欲しいらしい
必死になって追っている目標があり
かけらというべき情報でも欲しいからと
欲しての任務だったと
そう聞いている
だけど、今回の戦いは命の危険を感じた
いつもよりも鮮明に
ハッキリとだ。
戦いは事態は終わったが、気持ちは落ち着かない
一歩間違えれば、捕らえるどころか
確実に僕がやられていた
そのことが僕の手を震わせていた
今は任務から戻り
シティに無事に帰り着くこともできたのにだ
任務が終わった時には
こなした任務が大なり小なり関係なく
もしかしたらやられていたかもしれないと
もしかしたらと、怖くなって動けなくなってしまう
部下のトーレスには、もう何度も見られているし
見せられないと思いながらも
見せてしまっている。
同じ任務をこなして行く内に、何回もだ
・・・情けない姿を見せてしまっているな・・・。
しかし、今回の敵は手練れだった
話を聞く限りでは
何でも、フリーランスの魔法士だったらしい
他のシティとのつながりは未知数
欲しい情報を持っている可能性は未知数
けれども、持っている可能性は大きいとのことだ
あの降伏の手際の良さは、
交渉次第で自由になれると確信しているからだろう
僕は多分、今回は勝ったんじゃない
見逃してもらったんだ・・・。
そう考えると、また震えが止まらなくなってくる
勝ちは勝ちだと、思えばいいのかもしれないが
I-ブレインの戦闘記録が鮮明に僕に告げる
もしもあの時、友軍の動きが少しでも遅ければ
任務に失敗し、僕はやられていたかもしれないと
あの冷たい雪原に倒れていたかもしれない。
考えてしまう、感じ取ってしまう
幸運だったんだということを
そのうちに僕は、
僕は、無性に温もりが欲しくなっていた。
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ただただ、されるがままに頭を撫でられる
普段はお茶会ばかりしている小さな研究室の中で
フランカはその小さな手で
今日はとても優しく、温かく撫でてくる
部屋の中には、カップの中に注がれている
熱いコーヒーの香りがふんわりとただよっていた
まるで、暖かい布団の中で、
まどろんでいるかのような感覚だ
ただ優しく、今日のフランカは迎え入れてくれた
フランカは、何でこんなに優しくしてくれるんだろう
僕のことなんか、どんな奴なのかなんて
とうにわかっているはずなのに、
どうして優しくしてくれるんだろう
僕は思わず聞いてみた
・・・どうしてこんなに優しくしてくれるんだ・・・
・・・僕がこんな奴だってわかっているのに・・・
・・・どうしてなんだ?。・・・
言葉を更に告げようとして、伝えようとして、
少し経ってから、僕はようやく
それが出来なくなっていることに気付いた
喋っている途中で、抱き留められていた
フランカの胸の中に、抱きしめられていたのだ
そんな状態で、彼女は言った
『好きだから。あなたを愛しているから、かな・・・?。』
彼女は、フランカはなんと言ったのだろう?
気持ちが萎縮してしまっている僕には
聞き取れなかったと、申し訳ないが伝えると。
フランカはもういちど、僕に聞こえるように言った
『あなたことが好きだから。恋をしているから。
今度は、聞こえたよね?。』
言葉をつたえるやいなや、
彼女は、フランカは更に強く抱きしめて来た
どこかに逃げようとしてしまいそうな僕を
しっかりと支えてくれるように
強く、強く抱きしめてくれた
・・・・・・、
・・・、
この優しさに、思いに、答えて良いんだろうか
けど、この優しさが欲しいと感じている
温もりが欲しいと感じている
僕は、フランカのことを好きになっていたのかもしれない
出会ったのはいつだっただろう
彼女が、フランカが僕の前に現れたのは、
僕が部隊に所属する前からだった気がする
まだ、研究室の中にいた時に・・・・・・、
今よりも、もっと小さい時に出会ってから
今までずっと一緒だったことに気付く。
今更ながらに気付く・・・、
この子を、好きになって良いんだろうか
今よりもずっと、好きになって良いんだろうか。
そう考えてみると
大切に感じている女の子の胸の中で、
このまま、優しさに溺れてしまうのも
良いのかもしれないと思えた
だから今だけは、この優しさに溺れていよう
でも、今だけじゃなくて
これからも、このままで良いのかもしれない
僕は、フランカのことを
とても好きになってしまったらしい。
これから先、たぶん
フランカのことを好きでいつづけるんだろうなと思うと
頬を涙がつたっていって
怖さから来る震えが、少しづつ弱まって行った
・・・、そうして震えが弱くなった時
何か返事をしなければと思った
だけど、告白への返事の仕方は分からなかった
わからなかったから
ただひと言だけをふりしぼる様に声に出した
「僕は、フランカのことを大切だと思ってるよ」
・・・・・・これが今の僕にできる精一杯の返事だった。
僕の好きという気持ちは、
僕が逃げ出したいと思うことへの
怖さから来るものだったのかもしれない
恐ろしさから来るものだったのかもしれないけど
それでも、
好きという気持ちだけは
本当の気持ちだと思う
それだけは確かだ。
だから今は、大切だと伝えるだけにしようと思う
この温もりに溺れながら。
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よんでくれて、ありがとうです。