綾鷹な主人公が女の子に希望と絶望を与える話(適当)

1 / 1
綾鷹を飲んでた訳でもないのに急に思いついた話。
完全に見切り発車。
書いてくうちにおもてたんと違くなる奴〜w
なんでや…



お嬢様に選ばれたのは、綾鷹でした。

俺の名前は綾鷹出慈太。

どこにでもはいないであろう名前を持つ高校2年生だ。

親がつけた名前に文句は言いたくないがこれはない。

明らかに選ばれてない方の子供である。

 

一般的に綾鷹という名前は、日本コカ・コーラが発売する言わずと知れた緑茶飲料のことを指す。

「選ばれたのは綾鷹でした。」というセリフはあまりにも有名であり、度々ネタとして扱われている。

 

そうなると当然俺もそのネタでいじられる訳でして……まぁ、憂鬱な日々を過ごしている。

 

DQNな親が言うには他より慈しみの心が抜きん出ている子、という意味を込めてこの名を付けたらしいが、それなら他や心、子という字をどれでもいいから入れといてくれよと思うのはいけないことでしょうか?

 

こんな名前を持っているともちろん色々面倒なことが起きるので、その一例を紹介しておこう。

 

まずは何かの決め事だ。委員長でも表彰でも問題の解答でもそうなんだが、自分が選ばれないたびに「綾鷹選ばれてねーじゃん!」と言われる。

 

いや、お前それは理不尽すぎるだろ!と言ってやりたいが、あまりガチで返すと場の雰囲気が悪くなるので「選ばれなかったわw」と苦笑いで返すしかない。

 

あとはフルネームで呼ばれるたびに、言った側も言われた側も恥をかくということだ。表彰なら「表彰!綾鷹でした殿」ここまで言った時点で俺も相手も後悔することだろう。俺を知らない奴らからすると校長は何をふざけてるんだと思い、同学年の奴らは爆笑、先輩方もまた綾鷹か…となる訳である。

 

こ れ は 酷 い

 

でもこんな名前に生まれてきた以上、一生付き纏う問題だと思いなんとか耐えているが…耐えているが…っぱダメかも知らんわ…(弱気)

 

いや、もう逆に?今まで腐らずにやれてきた事がすごいと言いますか、なんと言いますか…心の中で思っても面と向かって親に名前のことで文句を言ったこともなければ、弄ってくる周りの奴らにも負けずに努力してきた。

 

でも、もういい…良くない?という訳で俺は今日をもって家出をすることにしました!名前を隠して新しい土地で生きるんだ!必死に勉強してきたサバイバル術が火を吹くぜ!待ってろ俺のキャンパスライフー!(高校中退)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私の名前は伊右衛門小百合。

伊右衛門学園に通う高校2年生です。

 

江戸時代から続く名家である伊右衛門財閥の一人娘である私は、古臭い伊右衛門という名前が大嫌いでした。子供の頃から習い事をさせられ、家訓に縛られて…生きるのがとても窮屈で息苦しかったです。

 

周りの人たちは「伊右衛門財閥の伊右衛門小百合」にしか興味のない人たちばかりで、個人としての伊右衛門小百合のことなど誰も知ろうともしませんでした。そんなこともあり周りに交友関係を作りたいと思える人は1人もいませんでした。

 

私はこの伊右衛門という名前に縛られたまま、私という個人を押し殺して死ぬまで生きていくんだろうなと本気で考えていました。

 

高校生になってからも周りの反応は変わる事がなく、私の容姿に惹かれた人か財閥の娘に媚びを売りたい人しかいなかった事が、その考えに拍車を掛けていました。

 

そうして日々を鬱々と過ごしていたある日、ある噂を耳にしました。

曰く、彼はとても容姿が優れている。曰く、彼は誰よりも勉強ができる。曰く、彼は努力家である。曰く曰く曰く…

小さかった声も日毎に大きくなっていき、彼の噂を耳にしない日はないと言ってもいいほどになりました。

 

最初は特に気にも留めていなかったのですが、1ヶ月もすれば私もその人のことが気になり出しました。何よりやっかみはあっても悪い噂を聞かなかったことがあります。良い噂しか聞かないような人物なら私のことを個人としてみてくれるのではないかという、心の奥にしまっていた淡い希望が顔を覗かせ始めたのです。

 

しかし、実際に会ってみて後悔しました。

私が名を名乗ったら「あぁ、あなたが噂の伊右衛門財閥の伊右衛門小百合さんか」と言われた時点でこの人も私を色眼鏡でみる人の1人でしかないと分かりました。まだ、一縷の望みに掛けて名前を聞いたのですが…彼、なんと言ったと思います?

 

彼はなんの脈絡もなく「綾鷹でした」と言い出したのです!何度名前を聞いても壊れた録音テープのように「綾鷹でした」と繰り返す彼に私はまいってしまいました。チャイムが鳴ったのをこれ幸いとその場を後にしたのですが、今思い出しても、恐ろしいです…あのような人を無敵の人と言うのでしょうか…

 

授業を受けながら先ほどのことを思い出しているのですが、もしや私は馬鹿にされていたのでしょうか?お嬢様には綾鷹のネタが伝わらないと思われたとかでしょうか…?全国的に有名なCMですし、テレビも見ない訳ではないので知っていますが…やはり庶民のことなど分からないだろと遠回しに罵倒されたのでしょうか…

 

今まで面と向かって馬鹿にされた事が無かっただけに、今日の出来事はとてもショックを受けました…やはり関わってはいけない人だったのでしょうか?それならこれまでの噂は何だったのでしょうか…?

私はその日一日中頭を抱えました…

 

次の日は朝から全校集会があり様々な表彰がありました。こんな時でも醜聞を気にしなくてはいけない私は、周りのように姿勢を崩すことは許されません。寝るなんてもっての外です。

「表彰!綾鷹出慈太殿!」

ん?

えっ!?今、校長先生は何とおっしゃいましたか!?

綾鷹でした…?えっ、今登壇しているのは昨日お話しした方ではないですか!

えっ、え?(思考停止)

 

そのあとも彼は一体いくつ表彰されるんだと言われるくらい表彰をされていました。彼と同じクラスの人と思われる方たちが「綾鷹選ばれすぎ!ww」と笑う中、彼も校長先生も虚無の表情で淡々と表彰をこなす姿が印象的でした。

 

クラスに帰り周りの方たちに彼のことを聞くと、普段話しかけても最低限しか話さない私から話しかけられたことに驚きつつ、快く彼のことを教えてくれました。

 

彼の名前は「綾鷹出慈太」さん。周りにその名前を馬鹿にされながらも、それを気にすることなく率先していろいろなことに選ばれることで、やっかみを無くそうと努力してる方だとか…

 

私は昨日のことを酷く後悔しました。確かに一度聞いただけでは馬鹿にされているのかと思うかもしれませんが、私がしつこく聞いても彼は何度も答えてくれていたではないですか…

他人に自分のことを色眼鏡で見て欲しくないと思いながら、誰よりも他人のことをフィルター越しに見ていたのは、どうやら私の方だったようです。

 

私はその場でクラスの方達にこれまで素っ気なくしていたことを謝りました、みんなは「気にすることはない、そう思っても仕方ない」とおっしゃってくれて人生で初めて友人ができたのです。

 

放課後は人生で初めてできた友人と、人生で初めてのカラオケに行きました。

そして習い事も初めてサボりました。家に帰りお父様に酷く怒られましたが、これまでのこと、初めて友達ができたことを含め家族で話し合いをしたところ、「俺が間違ってたのかもしれない」とお父様はおっしゃり、

「でも、習い事をサボるのはダメよ…けれど、今度からはあなたの話もちゃんと聞くわ、ダメなお母さんでごめんね。小百合。」とお母さまがおっしゃりました。

 

私はその日大声で泣きました、お母さまも泣いていました。お父様はお顔を隠されていました…。初めて家族の暖かさに触れた思いでした…

そしてすべてのきっかけをくれた綾鷹さんに明日謝ろうと決めました。彼のおかげで多くのことに気づけました。謝って、謝って、そして彼ともこれから仲良くしたいと思いました。

 

彼のことを思うと胸が熱くなるのです…ドキドキして、その日はなかなか寝つけませんでした。明日は彼に謝らなければいけないのに、早く寝なきゃいけないのに…彼のことを考えていると心臓がドキドキして意識を落とす直前まで彼のことが頭から離れませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、次の日から彼が学校に来ることはありませんでした

 

 

 

 

 

ド ウ シ テ




なんやこれ…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。