艦core over the next   作:タータ/タンタル

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ネクストも良いけど、 Vのごちゃごちゃ感がいいんだ。
ネクストって兵器として完成してしまったから、その先を行くには巨大化するしかないんだ。
だからこそ、敢えて小型化したのは面白かったな。
機動力のある人海戦術で効率よくネクストを手玉に取る。
なるほどなと思ったよ。
AMS適性がいらない分。AFのコンセプトを一部もらい受けてる気がするのよ。


Chapter 4

『アナトリアの傭兵』が辛勝の末に倒れた。

その声は瞬く間に広まった。

コロニーアナトリアの崩壊、ジョシュア・オブライエンの死と共に流れたこの声は、企業にとって希望の光である。

時代遅れは、やはり、時代に遅れたのだと。

『アナトリアの傭兵』に致命傷を負わせた機体がプロトタイプネクスト『00-ARETHA』であるからして、皮肉と言えよう。

だが、彼らのもたらした結果は尋常ではない。

ほぼ全てのオリジナルが敗れ果て、大地は深刻なコジマ汚染を受けた。

企業は疲弊し、生き残ったものたちは汚れた大地に生きねばならない。

生き延びた企業でさえ、かつての威厳ある姿では無くなった。

彼らは目の前もの、全てを焼き尽くし、壊してしまった。

まさに死神と言えよう。

 

ーーーーー

 

「失礼しま〜す」

扉をノックせずに提督帽をかぶった長門が声を小さくして入ってくる。この部屋…会議室に一人残った男の様子を見るためである。

「…」

「元帥、流石に」

「…」

「…お疲れ様」

持ってきた毛布を目の前の中年の男の背中にかける。

「私たちってどうなるんでしょうか」

「さあね」

「!おきてたの?」

「そりゃ、声が聞こえるんだから慌てて起きたんだよ。てっきり警備員の怖いジジイかと思った」

「それは失礼…アンタが失礼」

「いいや、続きは自室に行ってからだ。…うむ。でもやはり、一人で考えるのは辛いな」

「…もしかして」

「呑みにでも行くか?」

「…そうだな。お疲れのようだしな」

「いや、酒を飲めば何か突拍子もない事が思いつくかなと」

「突拍子もない話だな」

「ここ周辺にも鳳翔の居酒屋があったんだ。美味いぞ」

「ええ。何故か鳳翔さんが退役すると高確率で居酒屋になるんですよね。何故なんだ?」

「…艦娘は謎が多いからなぁ。鳳翔の居酒屋巡りが趣味になりそうな情報だなぁ」

 

ーーーーー

 

日本国も無論、その影響を受ける。

後ろ盾を完全に失い、いよいよ、戦うための兵器が必要となる。

リンクス戦争の最終局面で発見された幸運であるかの国に、果たして幸運は残っているのだろうか

だからこそ、その幸運を勝ち取るための努力を怠ってはならない。

 

軍国主義と化すべきではない。これは国民と軍人との総意である。

しかし、そうやって生き残れるのだろうか。

暗闇の中、この国は溺れかけていた。

 

ーーーーー

 

「…はあ、海域を取り戻したものの、自然発生する深海棲艦のお掃除をする日々か」

「でも、海が平和なら、嬉しいのです。いつか、深海棲艦の方たちとも争わない日が来れば、もっと嬉しいのですが」

「電…まあ、私も出来ればその方が楽で良いな」

「暁の水平線に勝利…じゃなくて、平和を刻まないとね」

「…そうか、平和になればお仕事が無くなっちゃう…どうしよう」

「う〜ん。それはその時に決めれば良いんじゃないか?だけど、今は上も慌ただしそうだし、長門提督も出張だし。日課のノルマを達成するだけで、ほかにやる事が無いしなぁ」

「平和なのは良い事なのです」

「そうだね。やっぱり、平和なのは良い事だ」

「平和ね。雲行きが怪しいけど」

「そうね。…雨が降るんじゃ無い?あの雲」

「⁈」

「⁈」

「⁈」

「⁈」

「な、何よ」

「ヤベェ、みんなの洗濯物、外に干しっぱなしだぁ〜」

「龍田さんがいるのです」

「たしか、龍田さんは大和さんとまるゆさんの補助に行ってた」

「…完全に危ないじゃ無い。どうしよう」

「連絡取れば良いじゃ無い。トランシーバーで」

「あ、そうか」

「賢いのです!れでぃーなのです!」

「な、気付かなかった」

「ま、私は気付いて…無かった」

「…気付きなさいよ!」

 

ーーーーー

 

だからこそ、その暗がりを照らす光を企業は見出した。

その光が偽りの救いだとしても

それが(よすが)なのだ。

 

ーーーーー

 

「…情勢は最悪だ」

「我々は一度、手を引きますか」

「そうだな。先代のこの技術を、未来へ繋げるのが私の役目だ」

「お父様はやはり、天才ですね」

「コジマ技術を応用し、宇宙に循環型のコロニーを生成する。そして、我々は永久に生き続ける。流石、先見の明がある」

「では、企業の根回しはお任せを」

「よろしくね」

「私は貴方に作られた存在。所詮は物です」

「いや、礼を欠かしたらそれこそ人で無いからな」

「…」

「まぁ、これから全てを壊す私に、礼などただのお遊びに過ぎないが」

「…」

「どうした?」

「いえ、根回しをしてました」

「…そうか、じきに世界は我々のものだ」

「ですが、貴方は」

「その礎に過ぎない。だからこそ如月グループの栄光をこの手に」

「承知しました」

「地上は頼んだ。私の可愛い娘よ」

 

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