艦core over the next   作:タータ/タンタル

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超☆展☆開


over the next


Chapter 5

日本という脅威が現れてから十年と少しが経過。

 

支配者たる企業は、自らが汚染し尽くした地上を見限り

高空プラットホーム、クレイドルを建造

高度7000mの空に、新しい、清浄な生活空間を見出していた。

 

既に、人類の過半はクレイドルに住まい

地上は資源基地とそれを巡る戦いの舞台に過ぎなかった。

 

一方で国家解体戦争で企業支配体制を確立した原動力

人型兵器アーマード・コア

その次世代の主であり、兵器の頂点に立った

アーマード・コア『ネクスト』とその搭乗者『リンクス』は

 

その圧倒的な力の、個体依存性に危機感を抱いた企業により

企業機関『カラード』管下の傭兵として地上に残された。

 

今や企業軍の主力は、巨大兵器『アームズ・フォート』であり

かつて戦場を支配したネクストたちは

薄汚れた地上で延々と続けられる、経済戦争の尖兵に成り果てた。

 

ーーーーー

 

「…またヒコウキか」

「最近はよく見かけるな」

「全く、それよりも調子はどうだ」

「うむ。良好。しかし、懐かしい気もするな」

「だろう?このグレネードキャノンは自信作なんだ」

「ふむ。…成る程。これをこう動かして」

「どうだ?うまくいったか?」

「ああ。いつも通りに艤装となんら変わらないよ」

「…ああ。ネームは老神。遠距離から狙うのならば最高の武器だ」

「はは、大和の主砲の様だな」

「守りに重点を置く以上。大艦巨砲主義になるよ」

「だからといってこれは無いと思うが」

「まぁ、オーストラリア領のレッド・チリ、ラインアークのunknownも居るんだ。

「ああ。『雷電』の長門だ。まだまだ若い奴らには負けないさ」

「そりゃ良いな。貫禄がある」

「そうか?まだリンクスになって少ししか経っていないのだが」

「3年も経てばベテランだろう?」

「そうか?」

「何年やってる?月日が巡るのが早いのはわかるが、さすがに7年も8年をやってるのならルーキーとは言えないだろ」

「確かに、そうだな。もうあの時から8年目か」

 

ーーーーー

 

日本国オーストラリア領。

その名の通り、日本の植民地と化したオーストラリア。しかし、実際にはただの協力関係であり隷属と呼べるものではない。

日本と同じく企業の事に関与する事は殆ど無い。

かつて支配していた企業。AU社の遺産の数々を活かして生活を営んでいる。

特に北部にある3つの大規模発電施設『メガリス改二』甲乙丙は大陸のみならず、ラインアークにも電力を供給している。

 

ーーーーー

 

「周辺に高速で接近する機体を発見」

『な、今⁈』

「守備部隊を出撃。オーストラリア、日本に救助を要請しました」

『了解。直ちに仕事を片付けて帰還する。出来るだけ持ち堪えて』

「了解」

目の前のモニターに高速で動く人型兵器が映る。

ノーマルの数々が無残に散っていく。

悲鳴の数々が音声が来ないモニターでもはっきりと聞こえる。

「企業のネクストだと?」

ただ空虚に吠えるしか無いのだ。

戦力を依存し過ぎている事など百も承知である。

「畜生、こんな時に限りやがって」

ハイウェイが崩れ落ちる。

「くそ、効いているのか?」

ノーマルから放たれた弾丸を無視する様に向かってくる。

「プライマル・アーマーだ」

数多の弾丸が緑色の壁によって弾かれていく。

「先ずはプライマル・アーマーを減衰させるんだ」

叫べど無意味に散っていく。

「通常兵器では太刀打ちできん」

まさに死神と言えよう。

「ノーマルは?ノーマルはまだなのか?」

 

戦いはあっけなく終わった。

ホワイトグリントの力は強大ではあるが、その単一性はやはり、唯一の弱点と言っても過言では無いだろう。

 

ーーーーー

 

『雷電』の『長門提督』(カラードランク16)

一度前戦から引いた長門がリンクスとして改めて戦場に降り立った。

高い防御と高威力のグレネード武装であり、遠距離から確実にダメージを与え、殲滅力が高い。硬直も少ない。

ただし、重戦車ゆえに機動力、PAに乏しい。

日本国鎮守府元帥であり、元有澤重工社長の『有澤 隆文』がアーキテクトを務めた。

 

ーーーーー

 

「…で、この惨劇か」

「すみません」

「いや、相手はネクストだ。仕方ない」

「…我々もホワイトグリント以外に…しかし、アームズフォートを持てる財力は…」

「噂の山の様な巨大兵器か」

「はい。今や、ネクスト程度では…」

「残念だけど、日本国にそれほど大層なものは無いな」

「そうですか」

「まぁ、深海棲艦について考慮しなくて済むだけでもありがたく思ってくれ…ふむ」

「…鎮守府は有難いのですが…いや、これでも恩恵は凄まじいです。ホワイトグリントを地上の戦いにのみ集中できますから」

「しかし、いよいよ企業との戦争になるのか」

「へ?」

「いや、そうだろう?アイツら堂々と仕掛けてきたんだ。考えてみろ。死ぬぞ」

「…。先日、BFF社のアームズフォート、スピリット・オブ・マザーウィルの威力偵察にホワイトグリントが向かったのですが、敢え無く撤退しました」

「ふむ、弾切れか」

「ええ。余りにも強固かつ、こちらの比にならないほどのノーマル、大型砲台、ミサイルなど手に負えません」

「…そうか。…それで」

「今や、そのアームズフォートこそが、抑止力の担い手、かつてのネクスト、核兵器、大型砲台に値するのです」

「やたらとアームズフォートを推してくるが、生憎、日本国にそれを使う事は出来ないし、君達には技術が無い。ホワイトグリントだって、ホット・チリと例の天才アーキテクトがいてこそ、初めて戦場で戦えるんだ。我々にはアームズフォートの建造は無理だ。…いや、無理とは言わないが無謀だ」

「…ですが」

「アームズフォートの運用に何人が必要だ?もしも、アームズフォートが崩れたとして、何人が犠牲になる?特に我々の国では、畑で人が採れるわけではないのだ」

「…分かってます。だが、アームズフォートさえあれば、抑止力になります。そうすれば人々を」

「…そんなもの、失った時の代償が大きすぎる。使う訳にはいかないのだよ」

 

 

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