艦core over the next 作:タータ/タンタル
長門が『ホット・チリ』に出会う数日前。
日本ではとある作戦が始まろうとしていた。
『大陸調査団』
陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、艦娘の中で選りすぐりの実力を持つ者を集めた集団が大陸の調査のために出撃する。
この一大プロジェクトは六度目である。
辛くも嵐に見舞われて断念し、深海棲艦の大群が出現しても断念した。
そして、三回の成功の後に今回、新たに調査団を組んだ。
だが、三回のうち一つとして生存者の確認には至っていない。
しかし、大陸の調査というものは信念である。日本の内陸と比べ、大陸の内陸は対深海棲艦の観点で見れば安全である。
強力な電波が使えない以上、実際に歩き、空を飛び、生存を確認するしか無いのだ。
日本という国にとって、大陸は未知のフロンティアである。
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長門はその集団には選ばれなかった。
一人で山から集団を眺める。
この為に建造された装甲空母に調査用のヘリが積まれていく。
そして、その周囲を護衛する様に豆の様な艦娘が見える。
長門は選ばれなかった。だが、他の長門は選ばれた。
「私たちってふしぎだよな」
そう呟いた。
「同じ長門がいて、でもその長門は私とは違って」
「やはり、ここに居たか」
「…提督!いや、元帥か、今は」
「どうした?もしかしなくてもそうなのだろう?」
「ああ。拗ねてるだけだ。分かってる。私の実力が足りないだけだ」
「いいや、君の実力は十分だ。私が君を本土に残す様に伝えたんだ。君がいれば、もし、水鬼級が来ても平気だろう?」
「そのとおりだ。よっこらせ」
長門が立ち上がる
「新しい司令官をぶん殴りにいく」
「へ?」
「必要事項を伝えない奴にそんなのは出来ないとな」
「いや、まて、私が伝え忘れてた可能性がある。無闇に問題を起こさないでくれ」
「なら、お前に喝を入れてやる」
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海上自衛隊が操縦する装甲空母が大陸に着くと同時に、陸上自衛隊が素早く夜営基地を設置そして護衛、航空自衛隊による周辺の地域の生存者の確認、可能ならば接触。
そしてその間に艦娘が深海棲艦から守る。
そして、調査は数日に渡り行われた。
だが、試みは早くも打ち砕かれる事となる。
上陸した中華人民共和国の首都、北京
そこに人影はなく、ただ廃墟が続くのみ。
希望は潰えたが、捨ててはならない。
ヘリコプターによる調査は3日にかけて行われた。
しかし、国家を上げて行ったプロジェクトは失敗に終わった。
これで4回目である。
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「…敵艦隊は撤退。追撃するか?」
『いや、いい。帰還しろ』
「了解。艦隊、帰還するぜ」
トランシーバーをポケットに入れる。
「帰るぞ」
「え?」
「ほら、いつ調査団が帰るのか分からないだろう?だからこそ、航路の護衛が重点的になってんだ」
「成る程。だいたい分かったぽい」
「…凄い不安だね。その返答」
「はは、目を外さない様にしないとな」
「そんなに頭が悪くないっぽい。時雨にまで言われると悲しいっぽい」
「冗談だよ。ごめんね」
「許すっぽい」
「許されたのか許されていないのか判らないな。その語尾じゃ」
「ぽぃ〜」
「でも、夕立お姉ちゃんの語尾にぽいが付いて無いとなんか落ち着かないとおもうよ。なんかぽいが凄いなんか、何というか〜」
「春雨!ぽい!」
「そう、可愛い!中に潜む狂犬の心を必死にカモフラージュして」
「春雨?ちょっとお話ししましょう?」
「あ!ぽい〜」
「ふふ、怖いな」
「春雨、言葉を学びなさい」
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誰もが疲弊した中、作戦の目処が立たない故に、本土に戻る事となった。
彼らが考えている以上に人類は衰退していたのだ。
それに加えて、彼らは艦娘が日本特有の物だと理解した。
それは労力に見合う成果だろうか?
だが、すでに前者も後者も言われていた話だ。
結局は全て徒労である。
大規模な物を行うには戦力や食糧を日本から危険な海を越えて輸送しなければならない。
着々と細々と行うしか無いのだ。
誰もがそう思っていた。
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「姫級だと。詳細に…空母棲姫-改だと⁉︎それは本当か?」
『ああ、間違いない。長門だったな。援護に来てくれ』
「だが、そちらに長門が」
『生憎、大破撤退。直ぐに母艦に帰投した。我々の艦隊はあと二つだ』
「了解。直ちに向かう」
「長門はん、もしかして」
「戦闘だ。直ちに臨戦態勢に入れ、敵は空母棲姫-改。救難信号を受け、艦隊はそちらの援護に向かう」
「ほな、出番やな」
「追加報酬は何にしましょう?」
「まるゆは小豆アイスの箱を貰おかかな」
「まるゆちゃん、そんなの食べるの?」
「硬いけど美味しいよ」
「なら、私もそれにしようかな」
「パトロールしていたのが、たまたま精鋭部隊でよかったね」
「報酬はたんと貰わないとな」
オリ設定
ダブる
必ずしも艦娘は元となった艦一つにつき一隻だけという話は無く、姿形が全く同じ艦娘が何隻も見つかる事がある。
そのため、特徴付けをしたり独特の名前を付けたりする事で識別する。
過去は同じでも今も未来も別の艦である。それは当の本人達が一番理解している。