艦core over the next 作:タータ/タンタル
「目標地点まで10キロメートル。Gチーム高度を落とし、空爆を開始します」
『了解』
艦のように巨大な三角形の爆撃機が、沢山の爆弾を落としていく。
次々に海が緑色の爆発を起こし、その波は日本の中枢、東京へと向かって行く。
「…レーダに敵反応…なっ!『アナトリアの傭兵』です。なんでここに、うわぁ」
『G1、応答せよ応答せよ』
「左翼に銃撃を喰らいました、飛行は可能。大丈夫です」
『了解、空爆を中止し、Gチームを連れて退却せよ』
「え、…そんな、味方が」
『どうした』
「護衛がいません。ぐぁぁあああ」
『どうした?答えろ、G1、G1!』
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AU社は崩壊した。
日本国の懐柔を失敗した末の事だ。
日本の艦娘技術は素晴らしいが、兵器としての実用性が皆無である事に見切りをつけ、独自開発を試みた。
しかし、新たな技術協定を却下され、怒りに燃えたAU社は日本国に進軍。
首都東京を更地にして脅し、無条件降伏をさせる事にした。
だが、日本は既にアナトリアと同盟を結び、かのレイヴンが待ち構えていた。
ネクスト機『キャロライナリーパー』の消息が絶った今、迎え撃つ戦力など、皆無であった。
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「もしもし、フィオナさん?」
『はい、こちらフィオナ・イェルネフェルトです』
「ああ、繋がったか、ふむコジマ技術というのは面白いな」
『ええ。音声データにコジマ粒子によるエネルギー収縮を行い、その数μmのエネルギーの塊でやり取りをする。それがコジマ通信です。高エネルギー弾ですから妨害電波の影響を受けにくいですし、従来のものと比べても早く、圧倒的な距離で通信できます。例えば、宇宙空間でのデータ輸送などでも、活用出来るはずです』
「実質、光の速さなんだっけ?」
『ええ。90%は出ていますよ』
「ありがとう。ところで、話なんだが」
『元帥さん…。分かりました、用件は?』
「最近、企業の連中が怪しいだろう?注意しておけ」
『…』
「本腰を入れるべきだと思う。でなければ、身近な友人を失う羽目になる」
『それだけですか?』
「ただ、のちの世界に綻びが生まれる可能性が高い」
『…』
「いつか…いや、我々にその気はないが、企業が滅びる。そんな日が来ると、私は確信している」
『それが何故』
「暴走するのさ、抑え込んでいた分が、深海棲艦…君たちはリヴァイアサンと言っていた彼女達の様にね」
『あなた、怪物の正体を知ってるの?』
「曖昧だが、俺の中では確かだ」
『…もしかして、艦娘が沈んだ姿なんじゃ』
「違う!あれは、怪物さ」
『なら、正体は何なのですか』
「怪物だとさっき言った」
『え?』
「人間か産んだ化物。戦争という名の」
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AU社の壊滅後、実質的な軍事権をアナトリアが握った日本国オセアニア自治区が設けられ、民主主義の元の政治が行われようとしていた。
企業がそれをよく思わないのは当たり前である。
多くの企業が同盟を結び、ネクストでも、深海棲艦でも絶対に太刀打ちできない兵器
AMS適正による人材の希少性
コジマ汚染による人材の消耗
個人の人材の不安定性
それを踏まえて
超巨大兵器へとシフトしていく。
彼らにとって、ネクストの時代は終わる。
企業による粛清が今にも始まろうとしていた。
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「だから、俺たちは艦娘技術を流出させたくないのさ」
『でも、それだけ?もっとあるんじゃ』
「艦娘も深海棲艦も根底は変わらない。戦争という名の怪物が姿形を持っただけだ」
『ええ。貴方はさっき、』
「だが、決定的な違いがある」
『…』
「艦娘達は知っているんだ、過去の自分の身に起きた全てを」
『…沈んだ時の記憶も?』
「無論。だが、彼女達は深海棲艦の様に狂っていない。姿があやふやではなく、しっかりしている。言葉も話す。無差別的でもない。そして、人と何も変わらない」
『…艦が人に』
「ああ。ま、流出しても再現出来るはずはないと思うんだが」
『どうして?』
「艦娘を兵器として見てるうちは成功し得ないからさ。彼女達は人並み以上に心に敏感なんだ。沢山の人を乗せて進み、共に沈んだ船もある。きっと、沢山の感情をそこで知ったんだ」
『…』
「だからこそ、彼女達は故郷を守る為…いや、違うな。ええと…ああ、そうだ、誰かを守る為に進んでいるんだ」
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歴史は繰り返す
生き延びる為の戦いが
己の故郷を賭けた戦いが
オリ設定
リヴァイアサン
深海棲艦の日本国以外での呼称。
妨害電波の強さによってF〜SS級までのクラスが定められる。
タンク(砲撃を中心とした攻撃をする個体)、ボマー(雷撃を中心とした攻撃をする個体)、マザーシップ(子機を飛ばして攻撃する個体)に大別される。
また、潜水型、総合型も見られる。
国家解体戦争の原因ではあるが、明確な区別は為されていない。恐らく、彼らは元からその首を狙っていたのだ。