FGO〜もしかしたらあったかもしれない世界線〜   作:ドンになり損ねた男

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設定としましては、ゲーティアを倒し亜種特異点や異聞帯等が発生するまでの間にあったかもしれないという独自設定と作者の妄想による作品になります
一章のネタバレが多くありますので原作未プレイの方は注意です


プロローグ

 自分さえいなければ、と嘆く。

 

__その手に触れていた勇気を

__その身に請け負った思いを

__人々が繋いできたものを

 

 それら全てを無に帰してしまった。

 

 それでも、と歩く。ひたすらに何もない、光などない世界を無力に歩く。

 きっとその先に何かがあるはず。きっとこの現状を打破できる希望があるはず。そう信じてただひたすらに歩く。

 そうしてたくさんの時間を浪費してようやく悟ったのだ。本当に何もかも、永遠に戻ってこないそれらを自らの過ちによって失ったのだと。

 どうしようもない虚無感に襲われた。悔やんでも悔やみきれない後悔に身を押し潰されそうになった。頬を涙が伝う。

 

もう諦めたらいいじゃないか。どうせ死ぬんだ。最初から無駄だったんだ__そんなどうしようもない考えが出てくる。

 

 やがて全身から力が抜け、誰が受け止めるでもなく身体を地に落とす。生命の痕跡を失ったその地は硬く冷たい。

 

 ごめんね__そんな届かない謝罪の思いを言葉にすることはない。

 

 重たくなってくる目蓋をゆっくりと閉じる。身体の奥底から出てくる冷たい何かが襲ってくる。それが死であることは分かっていたがもはや抵抗などしない。

 最後に願う。『もしも』。『もしも』がたった一度許されると言うのならば。

 

 切に願うのだ__

 

__何もかもやり直したい、と。

 

 

 

 

 

 目覚めの悪い朝を迎える。大量の冷や汗と過度に上がった心拍で寒気と息苦しさを覚えた。

 夢を見ていた気がする。とんでもなく恐ろしい、考えたくもない何かを。けれどもそれが何だったのか思い出すことができない。

 俺は寝ていた身体を起こすとベッドに腰掛けた。朝の最悪な気分のせいか目眩がして思わず頭を押さえる。

 ドアをノックする音がした。

 

「おはようございます、先輩。もしよろしければお部屋の方に入っても構いませんか?」

 

 可愛らしい声が扉の向こうから飛んでくる。その声の主が誰であるのかは分かっていたので俺は迷うことなく承諾の意を伝えると、扉の向こうの人物は失礼しますという丁寧な言葉遣いと機械的なドアの開く音とともに姿を表した。

 淡い紫がかった特徴的な髪。透き通るように綺麗な肌。丸みのある黒縁メガネに純粋無垢に輝く瞳。その右目半分は彼女の象徴ともいうべき髪によって隠されている。

 マシュ・キリエライト。俺の後輩にして、俺の人生を大きく変えてくれた人だ。

 

「先輩?あの、顔色があまり良くなさそうですが大丈夫ですか?」

 

 マシュが心配そうな顔で言った。

 

「ああ、大丈夫大丈夫。ちょっと目覚めが悪かっただけだから…それでどうしたの?」

 

 不必要な心配を彼女にかけさせたくなかったので、少し声音を明るめにしながら答える。するとその返答を聞いたマシュは安堵したように息を吐いた。

 その様子は例えるなら息子の身を案ずる健気な母親の如く、にも見える。別にマシュが母親であると言うわけではないのだが。

 

「はい、実はダヴィンチさんから言伝の方を預かっていまして。なんでも身支度が出来次第、管制室の方へ来て欲しいとのことです」

「管制室に?それは…分かった」

 

 カルデアにおいて最も高い権限を持つダヴィンチちゃんが管制室へと召集をかける。この行為の意味を理解していた俺には少しばかりの緊張感が走った。それはマシュも同様だったようで先程の安堵感からくる力の抜けた感じとは違い、体が強張っているようにも見えた。

 

「大丈夫だよ、マシュ。きっと。今までだって大丈夫だったでしょ?だから今回も大丈夫」

 

 自然と出てきたその言葉はなぜだろうか。いつものような彼女を安心させたいという純粋な心持ちからではなく__

 

 

 

__まるで自分に言い聞かせるために発せられたもののように思えたのだった。




現時点での登場人物

○マスター
名前は出さない方向でいます。確定設定としましては性別は『男』。一人称は『俺』。
人理焼却計画を防いだカルデアのマスターです。魔術師としての素養は皆無に近く基本的な戦闘技術は持ってません。
○マシュ・キリエライト
マスターの後輩にして最初に契約を結んだデミサーヴァント。終局以降の流れはそのままです。独自設定として『シールダー』としての活動ができるようにしています。
しかし物語開始時点では身体的な負担を考慮して活動をさせないという判断のもとで行動するように設定しております。その他の設定は原作準拠です
○???
最初の描写にて出ている人物。その他設定は後々にて


作者はFGOプレイ、Fateシリーズのアニメ(FGOはまだ見れてない)を見ている程度の浅いにわかです。サーヴァントに対しての解釈の仕方、また原作のFGOの設定等をかなり忘れてしまっていますので物語中に矛盾点や間違っている知識が出てくるかもしれません。ですのでそれらをこの作品の独自設定である、と受け入れる方のみ推奨です。コメントで指摘等ありました場合にも対応の方をできるだけ致しますので何かあれば是非よろしくお願いします
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