幼馴染みがゲームを始めたようなので、やってみた   作:ぼいぼい

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間が空きすぎましたが、1話書けたのでとりあえず投稿します。次投稿できるのは、一体いつになることやら


10話 イベントⅠ〜遊ぶのって楽しいよね〜

 スイケンの一人目の犠牲者が出てから数分後、【気配察知】にプレイヤーの反応が数人同時にあった。

 

 うわぁ........想定内とは言っても、数人を同時に相手にするのは面倒くさいなぁ。

 しかも、更に近づくと前衛数人、後衛数人で全体のバランスもいい事が分かった。

 

「1人か、悪いが俺らの糧になって貰おう!」

 

「【狙撃】!」

 

 どう倒すかを考えながら進むとお互いに見える距離まで互いの距離が詰まった。すると、後衛の内、弓使いがスキルを使用してきた。さらに、魔法使いも魔法を使ってくる。

 

「【炎球】!」

 

「【プロテクション】!」

 

 さすがに、これと前衛の攻撃を全部無効化するのは難しい。とりあえず..........

 

「【極限集中】!」

 

 これで、少しは考える時間が確保できた。まず、魔法使いの攻撃は斬ることが出来る(・・・・・・・・)から問題ない。その後の隙は、【神楽】を使えばなんとかなるかな?

 

「ふっ!」

 

「「嘘でしょ!」」

 

 魔法使いの攻撃を斬ると、信じられないものを見るような目で見られた。ただ【弱点判明】で理解した弱点を斬っただけなのに、解せぬ.....。

 っとと、そんなことに気を取られていると【神楽】を発動するタイミングをミスりそうだ。

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

 タイミングを合わせて........ここ!

 

「【《剣技》二ノ型 神楽】!」

 

 すると、数人いた前衛全員が全員粒子へと変わっていく。

 

「「「「は?」」」」

 

 後衛のプレイヤーだけじゃなく、前衛のプレイヤーですら何が起こったのかを正確に理解している者はいなかった。

 スイケンのやったことは単純と言えば単純だ。

 まず、【極限集中】によって思考は加速することが出来る。それによって、【神楽】を使うタイミングを見切ってスキルを使用しただけ。

 他のプレイヤーがスイケンが何をしたのかを正確に理解できていなかった理由は【神楽】にある。【神楽】というスキルは踊るような動きに斬撃を乗せるスキルで、斬撃の速さはプレイヤーのAGIによって決まるというものだった。

 スイケンの素のAGIは65。そこに装備分のステータスを足すと85、さらにスキルの効果で1.5倍になるから結果としてAGIは85×1.5=127.5。NWOにおいて小数点以下は切り捨てなのでAGIは127となる。

 そのような値は想定されていなかったため、スイケンが【神楽】を使用したときの斬撃の速さは視認できないほどだった。さらに、全員一撃で急所を斬ったため、スイケンのSTRは70で、【急所への一撃】【人斬り】【一刀に懸ける思い Ⅰ】【切断 Ⅰ】によって6倍されるので、420。さすがにどのような防御力があろうとも、極振りではない限り一撃で倒すことが出来る値だ。

 

「くそっ、何をしたんだ!」

 

「こ、これは逃げた方がいいんじゃ..........」

 

 そう言っている後衛の数人が逃げる前に回り込んで斬る。

 

「くそ.........」

 

 もし、こんな事が何回もあると疲れるから嫌だけど、多そうだな。特に、目立つと即席でコンビ組まれたりしそうだし、目立たない方がいいかな。

 スイケンはそう考えていたけど、既に周りから様子をうかがっていたプレイヤー同士がその場限りのコンビを組み始めていた。コンビと言っても互いのことをよく知らないから、邪魔をしないという程度になるが、第三者による攻撃の心配をしなくていいだけでかなり楽になるからメリットはでかい。

 

「ん?.............居るのは分かってるよ。隠れてないで出てきたらどう?」

 

 スイケンも【気配察知】によって周りにプレイヤーが居ることが分かったため、一応声をかけると、ぞろぞろと十数人の集団がスイケンを取り囲むようにして出てきた。【気配察知】の範囲内の距離に複数のプレイヤーがいる。それも、自分とも距離よりも近い距離に居るプレイヤーには攻撃しないという事を考えると、恐らくコンビを組んでるのは間違いないと思う。

 

 

「かかれぇ!」

 

 おそらく指揮官的ポジションに居るのであろうプレイヤーが号令(?)をかけると、すぐに四方八方から襲いかかってくる。それに対応する為に【極限集中】を使う。

 すると、まぁよく見える見える。人数こそ多いものの、1人1人の連携はそこまでじゃない。攻撃のタイミングがバラバラだし、なにより前衛と後衛のバランスがおかしい。前衛が異常に多く、後衛は数人しか居ない。もし、最初から組んでいるとしたらもう少しまともなバランスになるはずだ。

 

 本来なら、考えているスイケンの動きには隙だらけなんだろう。ただ、【身体捌き Ⅰ】のおかげで攻撃が来る場所とタイミングは分かるし、刀を抜かないことでAGIとDEXが倍になるからむしろ、そっちの方が良かったのだ。

 

「ど、どうして当たらないんだ!」

 

「こいつ!」

 

 次々に叫びながら斬りかかってくる前衛のプレイヤー達。バカ正直に相手をするのも面倒なので、逃げることにした。有名な軍師の言葉に三十六計逃げるにしかずってあるしね。それ以外にも考えていることはあるけどね。

 

「逃げるな!臆病者!!」

 

 勿論、そんな言葉で止まることはない。そのまま、森の中を走り回る。モンスタートレインならぬプレイヤートレインって感じのことをしている気分だ。

 

「「「くそ、ちょこまかと!」」」

 

 

 

 

 

 

 そのまま逃げながらコンビの片割れだけを倒すことを続けていると、どうやらかなりのプレイヤーが追いかけてきているのか十数分後についに多数のプレイヤーに包囲された。これに関しては、自分が思っていた通りの展開すぎて笑いをこらえるのが大変なくらいだ。

 

「観念しろ。さすがにAGIが高くてもこの人数を1人で倒すのは無理だろ!」

 

「思っていたよりも簡単に釣れたね。よし、【極限集中】!」

 

 自分の本当に得意な戦いはメイプルと遊んでる内に多対一の戦い(・・・・・・)になっていたからそれを活かそうと思った結果、こういった形になった。

 

「からの、【神楽】!」

 

 スキルを使うとそれだけで結構なプレイヤーが倒される。

 

「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 比較的近くに居た両手剣を持ったプレイヤーがスイケンのスキル使用後の隙を狙って攻撃を仕掛ける。それに続いて弓使いや魔法使いも攻撃する。

 

「なるほど。【絶対領域】!」

 

 5秒間だけ一定領域内の攻撃を無効化するスキルを使用する。使いどころによってはこのスキルは化ける。全ての攻撃が5秒間に届くタイミングで使えばダメージ無効と同じ効果を発揮するのだから。

 実際、スイケンはそうすることでほとんどの遠距離攻撃を無効化した。

 

「うそぉ!」

 

 勿論、今までそんなスキルを使ってきていなかったから何が起こったのかを正確に理解しているプレイヤーはいないけれど、思ったことは一緒だった。

 

  このプレイヤー、異常だ!

 

 一方、そんなことを思われているとは少しも思っていないスイケンは両手剣のプレイヤーの攻撃を紙一重で避けてからカウンターで急所に攻撃を打ち込んで倒した。そのまま、スキルはほとんど使わずに次々とプレイヤーを倒していく。

 すると、十分と経たないうちに、その場に居たプレイヤーは全てスイケンによって倒された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、メイプルは廃墟でお絵かきをしながら襲ってくるプレイヤーを返り討ちにしていた。

 

「う〜ん、結構目立つようにしてるのに、スイケンこないな〜」

 

 彼女は戦っているという気持ちは全くなくて、どちらかというとスイケンに分かるように目印として襲ってきたプレイヤーの対処に【毒竜】を使っていた。

 ただ、その頃スイケンは本当に多くのプレイヤーを相手にしていたから気がつかれることは一切無かった。




うん、これ書いていて思ったけど、スイケン強すぎないか?なんでこうなった......(プロット段階ではここまでヤバイキャラにするつもりはなかった)

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