幼馴染みがゲームを始めたようなので、やってみた 作:ぼいぼい
「さて、ログインしよう!」
NWOを早くやろうと意気込む剣也はいつもよりも早くかつ速攻で夜ご飯を食べ終えて、そのままお風呂まで終わらせた。そんな彼は早速NWOにログインすることにした。
自分の使うハードは十数年前に人気があったらしい某VRMMOを題材にしたライトノベルのようにログインするために必要な言葉など無く、ただスイッチを押すだけだったけれど、NWOへの期待から胸が踊っている。そのため、特に意味は無いけれど、あの言葉を言った。
「リンク・スタート!」
そう言ってから自分が寝そべったベッドの感触が無くなった時に目を開けると、周りが青一色の特殊な空間だった。事前にネットで見た情報で知っていたから、大して驚かずにそのまま目の前に開いているウィンドウに名前を入力する。
キャラクター名;スイケン
名前はちょっと迷ったけど、僕が憧れた剣士から名前の一字を使わせて貰った。彼ぐらい強いプレイヤーになれるといいなって気持ちを込めて。
名前を入力してOKボタンを押すと、武器選択に移った。
武器の種類は《大剣》《片手剣》《双剣》《杖》などのオーソドックスなものから《大盾》といったようにいろんな種類があった。ただ、彼は迷うこと無く《刀》を選んだ。
そして、選択したと同時に目の前にステータスを割り振るためのウィンドウが出てきた。そこには、下の方に大きく注意書きがされていた。
※割り振ったステータスはやり直すことが出来ません。
実際にあの不殺を目指した剣士のようなプレイスタイルにしたい。そういう考えだったため、剣也は少し考えた。
「よし、これでいこう!」
ーーーーーーーーーー
HP 40/40
MP 12/12
【STR 30】
【VIT 5】
【AGI 40】
【DEX 25】
【INT 0】
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その後、見た目を少し買えることが出来たため、髪を黒色から茶色に変えて、OKボタンを押した。すると、スイケンはそのまま光に包まれて初期設定をする場所から消えていった。
◆◇◆◇◆◇
初期設定を終えたスイケンは第一層の街の中央にある大きな広場に転送された。
(おお〜、これは!)
そのグラフィックの良さに驚くスイケン。ただ、初心者装備のためそこまで目立っていなかった。初心者は結構そういった反応をするからだ。
少しの間、驚きで固まっていたけど我に返ってすぐにステータスを確認した。
ーーーーーーーーーー
名前;スイケン
Lv.1
HP 40/40
MP 12/12
【STR 30〈+21〉】
【VIT 5】
【AGI 40】
【DEX 25】
【INT 0】
装備
頭【空欄】
体【空欄】
右手【初心者の刀】
左手【】
足【空欄】
靴【空欄】
装飾品【空欄】
【空欄】
【空欄】
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「なるほど、空欄になっている箇所は初期装備になるんだね。後は.......正直、実際に体動かした方がいいっぽい。よし、じゃあ楓と会うまでに動きの確認をしよう。確か、一番近い森が難易度低くていいってあったような気がする。とりあえず、一回行ってみよう。」
初期装備から何か少しグレードアップした装備に出来るかと思ったけど、所持金が初期値の3000Gだったため、そこまで魅力的な装備は買えなさそうだった。
「そっか.........。しばらくはこのままになるのかな........」
ちょっとでもかっこいい装備にしたいというのは男子としては当然の欲求と言える。だからこそ、そういった物を身につけられるのは当分先と知ったスイケンは当然落ち込んだ。それはもうその場で四つん這いになってしまうくらいには。
ただ、冷静になってよくよく考えると、イベントの時までには装備を《刀》にしたい。つまり、それまでに片手剣のいい装備を買ったとしても、結局無駄な出費となってしまう可能性が高いのだ。
「今は我慢するべき時だね。しょうがない、あの装備は諦めるしか無いかな。」
装備に対しての惹かれる思いを振り切って一番近い森に向かう。
「さて、ここいらで少し試してみますか。」
ちょっといくつか試したいことがあったから手始めにモンスターが何か出てこないかと思って大声で気合いを入れた。
「よし、かかってこい!」
すると、元々近くに居たのか、近くの茂みからかわいらしい見た目をした兎が出てきた。
「最初からこんな小さくて素早そうなモンスター相手に当てるってかなり難しくないか?」
兎は素早いと言う印象を抱かせる。そのため、いくらこっち現実よりも速く動けたとしても素早く動き回るモンスター相手に攻撃が当たるのかが不安になってきたのだ。
「最初から気弱になってちゃ駄目だ!いくよ!」
そう言って気合いを入れ直す。
見た目が可愛いとは言ってもこの兎もモンスターの一種だ、油断していい理由にはならない。そう気を引き締めて兎に向かって走り出す。
「はっ!」
走りながらそんなかけ声と共に剣を振るうと、兎がちょうど向かってくるタイミングだったということもあってあっさりと兎を両断する。
「えっ?」
思っていたよりも簡単に斬れたから思わず間抜けな声を出してしまう。
そして、その間に両断された兎はそのまま光となって消えていった。どうやらHPも相当低かったようだ。
ま、まぁ今回はこっちに向かってきてくれていたっていうのもあったし後は結構難易度が低いって書いてあったから多分あの兎もそこまでレベルが高くなかったんじゃないのかな?うーん、もしそうならもうちょっと奥に行ってもいいかも。
そうしてまたモンスターを探そうとしていたけど、その前に確認することがあった。
「うーん、兎倒したときにレベルが上がったけど、上がったことで手に入ったステータスポイントが割り振れるようになってるみたいだけど割り振った方がいいのかな?」
普通に考えたら割り振るべきなのかも知れない。ただ、彼は様子見をしようという結論に至った。スキルという存在を知っていたからこその選択だ。スキルによってプレイスタイルは変わる。だからこそ、スキルが多少は手に入った後に割り振るべきだと判断したのだ。
「よし、次の目標を見つけにいざ出発!」
そして、更に森の奥の方に入っていくスイケン。そんな彼にモンスターが襲いかかる。先ほど倒した兎は当然のように出てくる。そして兎よりはVIT値が高いのか一撃では倒せなかった長さが身長と同じくらい大きいムカデも時折出てきた。ただ、兎はさっきと同じく一撃で、ムカデも二回ほど攻撃すれば倒せたため、そこまで苦戦することは無かった。
順風満帆に行くかと思われたけれど、気がついたときには結構森の奥へと足を踏み入れていた。そのため、今までのモンスターよりも強いものと対峙することになっていた。
「うわぁ.......。あれ絶対簡単には倒せないでしょ。」
スイケンの視線の先にあるのは、現実ではあり得ないほどに大きな蜂だった。救いがあるとすれば、リアルな感じでは無くてかわいらしい見た目をしていることくらいか。
「これは逃げないとヤバいでしょ!ってうわ、あぶな!」
紫色の液体(多分毒)を後ろから掛けられそうになってそんな情けないことを言いながら森の中を逃げ回るスイケン。
AGIの値がそこそこ高かったせいで逃げ始めたときは時々足が追いつかなくてこけたり思想になっていたけれど少し経つと慣れてきたのか軽快に森の中を走り回るようになった。
速さでは蜂を振り切っていたスイケンだけど、今もなお結構大きな声を上げながら走っている。すると、当然のように周りに居るモンスターは反応して彼を追いかける。しかも、追いかけられる多さが何故か尋常じゃ無く多いのだ。反応するモンスターが少なければ一体ずつ一撃で倒せるのだけれども、流石に多対一となると少しずつ倒しながら何とか逃げ切らないと数の暴力で死んでしまう。
「うわぁぁぁぁ!」
結果、多くのモンスターに追いかけられて大声を上げながら倒し倒し逃げて、その声によってまたモンスターにおいかけられるという無限ループが成り立つかに思われた。しかし、この無限ループはスイケンがいくつかのスキルを習得したことによって終わりを告げる。
《スキル【挑発】【極限集中】を獲得しました》
そのような音声が頭の中に流れる。
この状況を打開できるスキルであることを祈って逃げながら確認する。
【挑発】
モンスターの注意を一点に引き寄せる。三分後に再使用可能。
取得条件
十体以上のモンスターの注意を一度に奪うこと。アイテム使用可
【極限集中】
30秒間自分の思考速度を2倍にする。効果終了後から1分後に再使用可能。
取得条件
30分以上一つのことに集中すること
よし、このスキルならいけるかも!
【極限集中】の効果を理解してそう思ってこのスキルを使うと同時に反転してモンスターも群れに突っ込む。
「【極限集中】!うぉぉぉぉ!」
スキルを発動した瞬間、時間がゆっくりになった感覚が訪れた。少し驚くが、そのままモンスターの中でも一撃で倒せそうな所を狙って一撃一撃をしっかりと入れていく。その結果、彼を追いかけていた全てのモンスターを効果時間ギリギリの30秒で倒すことが出来た。
「ふぅ、ようやく終わった........」
《スキル【刀の心得 Ⅰ】を取得しました》
十数体との追いかけっこを体験して流石に疲れたスイケンはスキルの確認も後回しにしてその場に座り込みながらウィンドウを開いて時間を確認する。そうすると、そこに表示されていたのは
20:50
という数字だった。見た瞬間、楓との約束を思い出して青ざめていく顔。
「やっば!遅れたら流石に怒られる!」
すぐにマップを見て全速力で街まで戻っていく。途中で行く手を遮ったモンスターは全て彼の一撃で光となっていった。その甲斐あって、ギリギリ一分前には約束していた場所に着いた。
「ふぅ、何とか戻れた.........間に合ったよね?」
ここはゲームの中。だから、特に汗が出ているとかそう言ったわけでは無いけれども結構息が切れているのを見てメイプルーー楓は苦笑いをしながらへんじをする。
「あ、あはは、間に合ってるけどもう疲れてるみたいだね。何があったかは分からないけど、お疲れさま。」
「うん、そっちはこれから夜寝る直前までNWOやってても大丈夫?こっちは大丈だけど......」
「うん!頑張ってやらなきゃ行けないこと全部終わらせてきたから!」
そう言いながら勝ち誇ったような顔をしつつ力こぶを作るポーズをする楓。そんな彼女の意気込みにはこっちも答えないとね!
「よし、じゃあ今日はパーティ組んで眠くなるまでやる?」
「うん、あっそうだ、忘れる前にフレンド登録しておこう?」
「忘れてた。しておいたほうがいいね。」
すると、すぐに目の前にフレンド申請されたことを表すウィンドウが浮かび上がる。
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プレイヤー;メイプルからフレンド申請をされました。申請を受けますか?
[Yes] [No]
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「名前、メイプルで合ってる?」
「うん。」
「じゃあ、申請受けるね。」
一応、メイプルっていう名前のプレイヤーが他のプレイヤーだった場合を考えて楓に聞いてからウィンドウのYesを押した。
「えっと、そっちはスイケンっていう名前にしたんだね。」
「そう。これからよろしく、メイプル!」
「こっちこそよろしく、ケン!」
二人でそう言いながらハイタッチする。
その音と光景で二人は多くの人から注目された。
うわぁ、周りに居た人たちから結構注目された。慣れてないし結構恥ずかしい..................。