幼馴染みがゲームを始めたようなので、やってみた 作:ぼいぼい
次の日、午前中にやることを全部終わらせた剣也は昼ごはんを食べた後、すぐにNWOにログインした。
「よし、今日も頑張るぞ!昨日はスキルを取ってからすぐにログアウトしちゃったから、今日は取ったスキルの確認して、ソロで行けそうだったらちょっといろんな所に行ってみますか!」
一晩寝て元気もやる気も回復したスイケンは、まず昨日メイプルと一緒に行った森に行くことを決めた。
「さ〜て、どこかに練習にちょうどいい敵出てこないかな〜」
平日の昼間ともなると流石にログインしているプレイヤーはかなり少なかったため、周りの目を気にする必要が無かった。だから、思いっきりスキルを試すことができる。そして、一番はスキル【体術】を取得することだった。ただ、その前に昨日獲得したスキルの効果の確認から入る。効果を見ていても実際に使ったときの感覚が分かっていないと場合によっては致命傷になり得る。
「よし、ここら辺でいいだろ。【挑発】!」
昨日、実は逃げているときにメイプルの居たときに近づけば近づくほどゴブリンが多くなっていた。この事を考えると恐らく場所によってモンスターの出現する種類に偏りがあることが推測できた。だから、昨日メイプルと合流した当たりで【挑発】を使ってみる。すると、思っていた通り現れたのはゴブリンのみだった。ただ、ログインしているプレイヤーが少ないと言うことも関係あるのか現れた数は十数体と結構多かった。
「このくらいだったら、スキルの調整にはちょうどいいか。【極限集中】!」
【挑発】を使って集めたゴブリン達の首を例外なく斬っていく。そして、同じことを繰り返す。斬って斬って斬って..........。斬った数を数えるのをやめてから一時間が経った。その結果.........
【刀の心得 Ⅱ】→【刀の心得 Ⅲ】
となった。また、新しいスキルも手に入れた。
【
急所判定が出る部分が赤く見える
取得条件
一定時間内に一定数の敵を急所に当てて倒すこと
【一刀に懸ける思い】
刀による一撃目のときにSTRを1.5倍にする。デメリット;連続で斬る時、二撃目以降はDEXが半減する。
取得条件
Lv15になるまで刀しか使わず、一定時間内に一定数の敵を一撃で倒すこと
【切断 Ⅰ】
近距離攻撃時にSTRを2%上げる
取得条件
近距離攻撃で一定時間以内に一定数の敵を倒すこと
「よし、これくらいピーキーな性能のスキルの方が都合がいい。このゲームにおいて自分はまだまだ初心者なんだから、少しはこういうスキルが無いとイベントで勝ち上がれないだろうし。」
もう既にプレイヤースキルによって初心者とは言えなくなりつつあるスイケンだが、レベルやで考えるとまだまだ初心者。そのため、彼自身はまだ初心者だと思っていた。
「まずは、スキルの確認だな。【挑発】!」
スキルを確認するためにまた【挑発】を使う。そして現れたゴブリンをまた斬っていく。その結果、急所がわかりやすくなったことでゴブリンはスイケンの敵では無くなった。そのことを確認した彼は、次にやりたいことのために刀を鞘の中に入れた。
「よーし、じゃあ次は【体術】を習得しよう!」
武器を使わずにダメージを与えられれば【体術】が習得できるんじゃないのかと考えて、素手でゴブリンと戦うつもりなのだ。
「とりあえず、攻撃する場所は【弱点判明】で狙えるから、とりあえずDEXとAGIを少し上げとこう。」
流石に、数体のゴブリンが相手だと初期のステータスで殴ったらタコ殴りにされそうだから、今までのレベルアップの分のステータスポイント40の内いくらか使ってからにすることにした。
DEX 25→30
AGI 40→50
(残りステータスポイント25)
「準備は出来た。【挑発】!【極限集中】!さぁ、来い!」
【挑発】によって現れたゴブリン相手に素手で立ち向かうスイケン。【極限集中】によって考えることに割ける時間が増えて【弱点判明】によって弱点をピンポイントで狙えるようになったので、さっき上げたばかりのDEXとAGIを使って殴っていくと思っていたよりも速く数体倒せた。すると、想像通りスキルを取得した。
《スキル【身体捌き】を習得しました。》
「よし!って、え、【体術】じゃないの?」
本来、スイケンのレベルでスキルなしの状態ではゴブリンを素手で倒すなどと言うことは不可能の筈だった。そのため、【体術】はオブジェクトを一定回数殴れば獲得できるものだった。しかし、それよりも遙かに難易度の高い事を成し遂げてしまったため、【体術】よりも強力なスキルを獲得することになってしまった。
【身体捌き Ⅰ】
武器を装備していないときにAGI、DEXが2倍になる。また、敵が近距離攻撃のスキルを使う時に1秒前に攻撃の予測線が見えるようになる。
取得条件
武器、スキルを使わずに敵を倒すこと
スキルの詳細を見て思った。これ、プレイヤースキルが必須なスキルだと。ただ、そこに関しては他のスキルを取ることで補うことも可能だろうと思い直して、新たなスキルを求めに違う場所へと向かうことにした。ただ、理想的な敵がどこに居るのかは分からないため、一度ログアウトして情報を集めようと思っていた。だけど、このゲームはインターネットに繋がっていると言うことを今更ながらに思い出した。
「なるほど。西の草原を越えたところにある廃墟で剣を持った素早いスケルトンと盾を持った頑丈なスケルトンが出てくるのか。結構レベルも高いらしいし、そこでレベル上げとスキルを取ることを同時進行でやっていこうか。」
その日の午後、西の廃墟で1人スケルトン達相手に刀を振るうスイケンの姿が目撃された。目撃したプレイヤーによると、彼の戦闘時の姿は視認できるものであるはずなのにもかかわらず気がついたらスケルトン達が倒れていたらしい。
そして、夜になり、メイプルがログインした。
彼と遊ぶ約束を今日もした彼女は前と同じ場所、同じ時間で待っていた。
「剣也、ーーあっこっちだとスイケンだっけ。どんな感じになったのかな?今日は午前中からやってたって言ってたし楽しみだな〜」
彼女は現実であったときに剣也にどんな感じになったのか聞いてみたものの、NWOにログインしてからのお楽しみだと言われていたため、わくわくしていた。
すると、すぐにスイケンがやってきた。
「ごめん、少し待たせちゃったかな?」
「ううん、さっきログインしたばかりだから大丈夫〜」
「そう、それはよかった。」
「今日はどうする?昨日のところに行く?」
「うーん、今日一日でかなりレベルも上がったし、自分の装備を作りたいんだよね。」
「じゃあ、私の知り合いに生産職の人居るから、会いに行こうよ!」
「えっ、自分の知り合いの人に聞けばいいかなって.......って聞いてないや。」
スイケンを知り合いの
そのままメイプルの速度に合わせておとなしく連れて行かれることにしたスイケンだったが、メイプルがイズの店の前で止まったときに気がついた。メイプルの言っていた知り合いの生産職の人はイズさんだということに。
「こんばんは!」
そうこうしているうちにさっさと入っていくメイプル。そして、彼女の後に続いて慌てて入っていくスイケン。
「こんばんは」
「あら、メイプルちゃん。こんばんは。どうしたのかしら?..............あら、スイケン君も一緒だったのね。2人はもしかして知り合いだったりするのかしら?」
「そうですけど、イズさんもスイケンのこと知ってたんですか?」
「そうよ」
「スイケン、何で言ってくれなかったの!」
「まさか、生産職の人っていうのがイズさんだったなんて思わなかったから。『イズさんっていう生産職の人知ってる?』って聞かれてたら知ってるって答えてたよ。」
「あの〜、2人ともいいかしら。」
「「はい?」」
「何か用事があって来たんじゃないの?」
「あっ、そうでした。今日はスイケンの装備についてなんですけど............」
本題からそれていた流れをイズが修正した。それで、用事についてはメイプルが説明したけれども、具体的なことは知らなかったから、結局スイケンが話すこととなった。そして、スイケンの欲しい装備を聞いたイズは...........
「..........」
驚きで固まっていた。作れることは知っていたが、使う人がいるとは思えなかったのもだったからだ。
「防具からでいいかしら?それだったら、素材さえ持ってきてくれればかなり安く出来るわよ?」
「武器の方からに出来ない理由は?」
「今度のイベントまでに作って欲しいのよね?そうなると、武器の方はドロップ率とお金のことを考えると厳しいと思うの。」
「わかりました。だったら、防具に必要な素材を教えてください。後で、武器の素材の方もメッセージでお願いします。」
「わかったわ。」
その後、どんな素材が必要なのかを教えて貰った。
「欲しい二日前までには素材持ってきてね?それくらいは時間かかるから。」
「はい!ありがとうございます!」
「ありがとうございます、イズさん。スイケンがかなり無茶言ったみたいですけど、よろしくお願いします。」
「こっちこそ、やりがいのありそうな仕事になりそうで、今から楽しみだわ。」
そう言って、イズさんのお店を出て早速素材を集めに行く。
しばらくは素材集めになりそうだけれどもそっちの方がメイプルと一緒に遊べそうだし、ちょうどいいや。
「そういえば、メイプルは僕の素材集めについてくる?」
「行く!もちろん、出来ればスキルとか手に入ると嬉しいけど、スイケンと遊んで楽しみたいし。」
「ありがとう。メイプルが素材集めするときに手伝うから、その時は言って。」
「わかった。」
そのまま、素材集めをしに西の草原へと向かう2人。その選択が吉と出るか凶と出るか........それはまだ誰も知らなかった。