1.キミに決めた!
この世界に住む不思議な生き物、ポケットモンスター...縮めて、ポケモン。
それは海に、山に、街に、空に、果ては宇宙に。
様々なところに生息している。
中には伝説のポケモンと呼ばれ、人々から祀られて、神話が誕生しているポケモンもいる。創造神としてシンオウ神話に登場するアルセウスなどが有名だろう。
さて。
ポケモンは、野生に生息しているものがすべてではない。
一部のトレーナーは、ポケモン同士を戦わせたりもする。ポケモントレーナーと呼ばれるものたちだ。
さまざまなトレーナーがいるが、やはりデビューは博士からポケモンを貰うところにあるのではないだろうか。
そう、所謂「御三家」と呼ばれるポケモンをはじめに貰い、ポケモントレーナーとしてデビューするのだ。
ここにいる少年、レン。
彼は先日、カントー地方からこのメン地方に引っ越してきたばかりである。
そして、今日は彼の15歳の誕生日である。
メン地方で15歳ともなると、ポケモントレーナーとしてデビューするものも少なくない。
彼もまた、多くのトレーナーがそうであるように、トレーナーになってチャンピオンになりたいと思う者である。
これは、彼の冒険とそのパートナーたちの物語。
【!?】
朝。
メン地方、マシロタウンに響くぺリッパーの鳴き声。
今日は俺、レンにとって大切な日だ。
隣の1番道路にある、ワタケ博士の研究所で一匹ポケモンがもらえる予定。
ワタケ博士は、15歳になった子供に一匹ポケモンをプレゼントしてくれる。
俺の夢はこのメン地方のチャンピオンになること。そのためには、強いポケモンをもらわないと。
興奮して昨日の夜はあまり眠れなかったけど。
1番道路、ワタケ博士の研究所は広い。ヤマブキドーム3個分くらいあるらしい。
博士はこの広い研究所の中で、数多くのポケモンを保護したり、新しいモンスターボールを作ったりしているらしい。
「やあ、レンくん。おはよう」
ワタケ博士は、おそらく二十代後半くらいの爽やかな青年だ。結構イケメン。メン地方のファンの間では、ジムリーダーのスグリさんとの二台派閥が存在しているらしい。
「おはようございます」
「おはよう。とりあえず、15歳の誕生日おめでとう」
「ありがとうございます」
「それで…ポケモンだよね?用件は」
「もちろんです…!」
博士は小さく笑い、「着いてきて」と言って中庭の方へ歩き出した。
研究所の中庭。
「それじゃあ、みんな出ておいで!」
博士は机に置いてあった三つのモンスターボールを宙に投げ、三体のポケモンを出現させた。
「まずは…くさのポケモン、ナエトル!」
「ナエー」
ナエトルは近くの木のそばへ歩き、光合成を始めた。
えーと…ナエトルはシンオウ地方のポケモンだったかな。
「つぎに、ほのおのポケモン。ヒノアラシ!」
「ヒノー!」
ヒノアラシは日光を浴びて、気持ちよさそうにしている。
…ヒノアラシはジョウト地方のポケモンだったな。
「さいごに。みずのポケモン、ケロマツ!」
「ケロ」
ケロマツは、池に飛び込んだ。
…ケロマツはカロス地方のポケモンだったかな。
「さあ、どのポケモンにするんだい?」
三匹を見つめる。
ふと気になって、博士に尋ねる。
「...どれが一番強いポケモンですか?」
博士はなぜか、少し驚いたような顔をする。
「......レンくん、ポケモンはさ、強さももちろんだけど、それ以前に生き物なんだよね。戦わせるためだけに存在してるわけじゃないんだ」
…博士の言いたいことは、何となくだけどわかる。でも…。
「...そうかもしれません。でも、俺はいい…強いトレーナーになりたいんです。愛玩動物としてポケモンが欲しいわけじゃない」
俺がそう言うと、博士は言う。
「レンくん、たしかにポケモンをペットのように扱っているトレーナーが多いことも確かだ。でもね、ゴルバットがクロバットに進化する条件を知っているかい?」
ゴルバット……。
「...たしか、充分に懐くこと...ですか?」
「そう。なにもクロバットだけじゃない。ポケモンが強くなるのには、トレーナーとの信頼関係が不可欠だ。協力して、限界を超える。それって、お互いに良いことじゃないかな」
そう言われて、俺はもう一度ポケモンを見直す。
…たしかに、ナエトルもヒノアラシもケロマツも可愛いな...。
そう考えたところで、ふと俺は思い出す。
別居中の父親は、たしかエースバーンとのタッグを組んでいた...。
そして父親は確か、一度カントー地方で最強のチャンピオンと謳われた...。
...超える壁としては上々かもしれない。
俺はニッと笑い、博士にこう告げる。
「じゃあ...ヒノアラシ、キミに決めた!」
御三家のチョイス・・・世代が偶数のものを採用しました。