ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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えー、突破してからかなり経ってしまいましたが、今回はタイトルの通りUA10万&お気に入り500件突破しましたので、記念話です。

さて、今回の話の主人公は……タイトルから察せると思いますがあの人です。そしてあの人の登場というわけで、いつも以上に好き勝手な感じになっておりますので、それでもいいという方は続きを読んでください。

あと、最近あげた「天然タラシオオカミとバレンタイン」は番外編枠の方がいいと思って、最新話に投稿したあと番外編の方へ移動させたため、もし「読んでないや」という人はお手数ですが、目次を開いて選んで読んでください…



UA10万&お気に入り500件突破記念:元相棒さんから見た今の相棒の環境

おっす!俺、ムサシ!俺は、自分のアホみてえなミスで死んじまったんだがなんか分からねえけど幽霊として現世に来てる。にしても、幽霊の体って便利そうで不便なんだよな~。確かに壁とかすり抜けられるし、こうしてふよふよ飛んで移動することも出来るんだけど、如何せん物に触れられないせいで食べ物が食えなくてな……そのくせ嗅覚を始めとした五感はしっかりあるんだからきちぃ。具体的に言うと、めちゃくちゃ美味しそうな食べ物が目の前にあっても食えなくてきつい。

 

さて、話を戻すと俺はこうやって現世に来て暫くぶらぶらしてたんだけどよ……やっぱりどうしても会いたいやつ…というか心配な奴がいるんだよな。

 

けどなぁ…

 

「俺、もう死んじまってるからなぁ……」

 

今更死人の俺がいくら関われないとは言えど、あいつのことを見に行くのはなぁ…なんか、未練がましい気がするし。だけども。

 

 

『ムサシ…?ねえ、聞こえてる?…聞こえてるなら、俺の体のどこでもいいから手で触ってよ?……嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…!俺を独りにしないでよ…!』

 

「……ちょっとだけ、様子を見るだけだ」

 

死ぬ直前に見たあいつの顔と耳に入った声。あいつは、俺が居なくてもちゃんと生きているだろうか、立ち直れているのか。それだけを確認するなら別に問題は無いはずだ。

 

「それじゃあ、行くとしますか……」

 

実は幽霊のメリットの一つにワープ的なものがある。これは簡単に言えば自分が行きたいところを想像して念じれば、そこに一瞬で移動できるというとんでもない移動手段だ。だが、これはもちろんデメリットがありこれを使うと暫く動けなくなるんだわ……ってこれ、考えてみたら欠陥ワープだな?

 

 

 

 

******

 

 

 

「ふぃ~、飛べたか……ってここはどこだ?」

 

先程までとは違う場所にいることからワープが成功したことは確かなんだろうが……感じからしてどっかの建物の中なんだろうが。

 

「うーん、近くにいるんだろうが……どうやって探そ──」

 

「ヤマト、この後お昼のシフト入ってるんじゃなかったのか?」

 

「あ、忘れてた…!フーちゃん、教えてくれてありがとう!」

 

お、噂をすればなんとやらだな。それにしてもシフトねぇ…?あいつ、今一体どんな生活をしてるんだ?お、足跡的にもう来るな。さて、あれから身長は伸びてんのか──

 

「は?」

 

そうして視界に入ったヤマトを見て、俺は思わず固まってしまった。何故かって?それはな、ヤマトが女装してたからだ。

 

「は???」

 

思わず目を擦ってみるも、そこにはウィッグを付けて軽くメイクをして女装してるヤマトの姿。な、なんてこった…

 

「わ、私が死んだばかりにヤマトが女装癖に…!?」

 

私のバカ!!なんであの時死んだんだよ!?私が死んだせいでヤマトがショックで変な性癖に目覚めちゃったじゃない!や、やばい…こんなのシラヌイにバレたら、あいつがこっちに来た時に私がボコボコにされる…!女装癖を直そうにも、今の私じゃ何も出来ないし…!頼む、ヤマト!シラヌイにバレる前に早く目を覚ましてくれ!!

 

 

 

 

****これから数十分後、ヤマトと他の人の会話でムサシの誤解は解けたのであった****

 

 

 

*****

 

 

 

「ふぅ…とりあえずヤマトが女装癖に目覚めてなくて安心したぜ…」

 

それにしても、こいつあのロドスに所属してるのか……ま、さっきドクターってやつの顔を見てきたが、あの感じが変わらないならばヤマトを任せられるな。まあ、少しでもヤマトに対して何かしようものならすぐに呪ってやるが。……っつても、私の力じゃ「タンスの角に異様に小指をぶつける」とか「急に恥ずかしくなる」ぐらいの地味ーな呪いしかかけられんが……そういや、前に「急に全裸になりたくなる」呪いを編み出したあいつは結局あの呪い誰にかけたんだ?やべっ、なんか気になってきた。

 

ってそんなことよりもだな…。

 

「お兄ちゃーん!」

 

「ん、どうしたのイカズチ?」

 

「この後暇なら、ラナさんとポデンコちゃんのところ行こー!」

 

「分かった分かった。俺は逃げないからそんなに急がないの」

 

まさかヤマトに妹…周りの話とか聞いてる感じ義妹が出来たなんてな……。俺としては、あいつは手のかかる弟みたいなものだったから、今のあいつがイカズチに対して兄っぽい行動してるのが嬉しいようで、なんかちょっと寂しく思えた。まあ、それにしても……

 

「あれ、完全に家族愛とか親愛のやつ超えてる感じの愛を持ってる目だぞ……」

 

なんかたまーに中々情熱的な目でヤマト見てるよな?狙ってるよな?お姉さんの目は誤魔化せないぞ。……けど、まあヤマトには恋愛をしてもらいたいし、イカズチも見てる感じはそんなに悪い子じゃなさそうだし、任せても問題はないかなー

 

「子犬ちゃん、この後暇なら私の買い物に付き合ってくれない?」

 

と私が思った直後だった。また別のところから今度はサルカズの女が出てきてヤマトに声をかけてきた。……こいつ、結構殺し慣れてやがるな…あと、こいつもヤマトにほの字っぽいな。

 

「……あのね、お兄ちゃんはこれから私と楽しくお喋りをするの。だからあんたは1人寂しく買い物行ってきなさいな」

 

「……ねえ、子犬ちゃん?正直に言って欲しいんだけど、私と一緒に買い物に行きたいわよね?」

 

「あ、えっと……」

 

おっと、まさか死んでから修羅場というものを見るとは思わなかったわ…それにしてもヤマトのやつめ、2人の女(しかもどっちも顔のレベル高い)から迫られるって…正に両手に花ってやつだな!はははっ!

 

ってこの時私はそう笑いながら思っていた。

 

「やあ、ヤマト。この後ボクとこのゲームを一緒に…」

 

「ヤマトー!クッキー作ってみたんだけど、良かったら一緒に…」

 

「「ん?」」

 

「「は?」」

 

「ひっ」

 

 

おいおい、嘘だろ。今度来た白黒のループスとまな板女もヤマトに惚れてるんかいいいぃ!!いや、なんでお前私が死んでる間にこんなにモテまくってんだよ!?私と一緒に行動してた時は、そんなにモテてなかっただろーが!いや、たまに「味見したい」とか「ああいう子好み」とか言って、お前に言いよろうとしてたやついたし、そいつらが出てくる度私は話し合い(物理)して帰ってもらってたけども……ってあれ?こいつ、私が生きてた時も普通にモテてたっぽいな?

 

ってことはつまり……

 

「ヤマト?」

 

「ねえ、ヤマト」

 

「お兄ちゃん?」

 

「子犬ちゃん?」

 

「「「「正直に答えて?」」」」

 

「ひえっ……」

 

今、この状況にヤマトが対応できてない原因作ったのって、もしかして私?

 

 

因みにヤマトは結局あの4人に一緒に遊ぶことを提案し、何とか場を収めてましたまる

 

*****

 

 

 

それから数日間、ヤマトの様子を見ていたわけなんだが。

 

「ヤマト君!ハンバーグ定食3つ!」

 

「分かりました!あと、エビフライ定食2つ出来ます!」

 

「分かった!」

 

ある時はこうやって、ロドスの料理当番として厨房にたって、フライパンを片手に料理を作ってたり。

 

「ふむ…玉ねぎを切るのか。なら私の刀で…」

 

「待って!普通刀は使わないから!この包丁使って!?」

 

「ご、ごめん…」

 

「……あのさ、料理する時だけ刀を置いてくるってのは「それはダメ」……そっか」

 

ある時はヴァルポの刀使いの女に料理を教えてたり。

 

「おにいちゃーん!早くー!」

 

「そんなに急がなくても、ちゃんと皆やってあげるから落ち着いて?」

 

「お兄ちゃん、手止まってるー!」

 

ある時は幼い子供たちにブラッシングをかけてたり。

 

「ひっぐ…わたじだっで…わだじだっでぇぇぇ…」

 

「あー…なんでチェンはお酒のセーブが出来ないんだ……」

 

「あ、あははっ……」

 

ある時はオニの女と龍の女と一緒に酒盛りしてたり。

 

 

「はははっ!やっぱりお前との戦いは心躍るなっ!」

 

「そう…かっ!」

 

「エンカクの野郎、先にやれて羨ましいぜ…」

 

ある時はサルカズの刀術士の男とフェリーンの格闘家(多分)と模擬戦をやってたり。

 

「ヤマト……お前、楽しくやれてるんだな」

 

どうやら、俺の心配しすぎだったみたいだ。こいつは、ちゃんと俺の死を乗り越えて歩き続けられてた。

そして、あれから成長したこいつが見られた。あの時より、近接遠距離共々格段にレベルが上がって、持前の勘の良さも圧倒的に良くなった。

 

お酒もあの時はまだ未成年だったから飲ませられなかったが、今じゃ飲める歳になって、一緒にお酒を飲む人が出来てた。

 

料理の腕前も、あの頃に比べたら段違いに良くなってて、思わず涎が出そうになった。

 

人と話すことに関しても、あの頃に比べたら普通に話せるようになって、年下の子供たちの相手をしたり、人に料理を教えられる位までには話せるようになっていた。

 

……そして。

 

「ヤマト、行くぞ」

 

「フーちゃん、分かった」

 

「ボクがいるのも忘れないでよ?」

 

「それは私もなんだけど?」

 

「フロストリーフお姉ちゃん、私のこと忘れてないー?」

 

「……全く、騒がしい奴らだ」

 

「まあ、逆にこんなテンションじゃなかったらおかしいと思いませんか?」

 

「……なんで私もなんだ」

 

「え、えっとドクターがストッパー役として一緒にと……」

 

ヤマトを支えてくれる奴が沢山いる。もう、こいつは独りじゃないんだ。

それがわかった瞬間、体が上に上がるような感覚がし同時にこの時間が終わるのだと、何となくわかった。

……よし、聞こえないと思うけど言いたいことだけ言ってから行くか。

 

「ヤマト、前に教えたように3食欠かさずにこれからもしっかり食べるんだぞ。それとお前、いくら甘いものが好きだからって食べ過ぎだぞ?ちゃんと歯磨きしてるけども、食べ過ぎは体に悪影響なんだから少しはセーブしろよ?あ、あと訓練に精を出すのは言いけども、やりすぎは体に毒だから程よくやるようにするんだぞ。あとは、女性問題に関してはもうなるようになるしかねえから、とりあえずお前自身が一生大事にしたい、自分の全てを投げ出してても守りてえって人と付き合って、結婚しろよ?後は……」

 

一旦休んで、思いっきり息を吸って。

 

「幸せになれよ」

 

それを言い終えた瞬間、タイミングが良かったのか段々と意識を保つのが難しくなってきた。……名残惜しいが、言いたいことは言い切ったからな…後は、死者の俺が見るべきものじゃない。そう思って目を閉じようとした瞬間。

 

「えっ…」

 

偶然だとは思うが、ヤマトが俺の方を向いてこっちが安心するような笑みを向けた。

 

 

 

 

 

 

──そうか、そんな顔が浮かべれるなら…もう、心配はいらないな。




今回の話はどっかのタイミングで書きたかった内容でした。たまにはこういうのもね?

キャラ紹介

ムサシ:今回の話の主人公にて、本編ルートでは既に故人。自分の知らないヤマトを見て最初は戸惑ってはいたが、弟みたいに手のかかる彼がしっかりと成長してるのがわかって一安心。幸せになって欲しいという願いを胸に彼女は──。

ヤマト:初手ヤマトちゃん状態で遭遇というとんでもない対面をした主人公。ここ数日、誰かに見守られていたような気がしていたとか。

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