ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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次はこのルートなんですが……結構難産でした。

あと、僧侶の方はキャラを追加した上でまた投稿するかもしれません。いや、僧侶ルートのヤマトと相性が良さそうなキャラが実装されたのと、とあるキャラがいるのを忘れてた自分が悪いんですけども……


修羅場ですよ!ヤマト君!(白き殺戮者ルート)

 ──ヤマトさんは私の恩人だ。

 

 数年前、傷が治りきってない状態で感染者の賊に襲われた私を助けてくれただけではなく、完全に治るまで付きっきりで面倒を見てくれたあの人は私がお礼をする前に姿を消してしまった。

 それ以来、またいつか会えることを祈って歩き続けていた中でロドスで再会することが出来た。

 

 けれど──

 

『誰だお前は?』

 

 あの人は私の事なんて全く覚えていなかった。それでも、助けてもらった恩は返したかったから、何度も会いに行って何か欲しいものはないか、して欲しいことはないか聞いてみた。けれども、あの人は無欲なのか何も答えてくれなかった。

 

 だから色々考えてみた結果……というよりあの人が普段食事をゼリー飲料やら栄養調整食品のもので済ませているのしか見たことがないのを思い出して、手料理でも振る舞えばいいのではないかと考えに至り、調理室で早速作ろうとしたけど……

 

『……何をやっている?』

 

『え、ホットケーキを作ろうと……』

 

『それならコンロは強火にする必要は無い。……出来るまで見てやるから続けてくれ』

 

『え……』

 

 どうやら私の作り方は結構危なっかしかったらしく、その日は付きっきりで教えてもらいながらホットケーキを作った。あの人は教えてる最中も無表情だったけども、纏っている雰囲気はいつもより柔らかかった気がするかな。……正直、お礼したい人に教わりながら作るというのはちょっと恥ずかしかったけど。

 

『やれやれ、ホットケーキ作るだけにここまで見てやらないと危ないヤツがいるとはな……』

 

『ゔっ……すみません……』

 

『で、それは誰にあげるやつだ?ドクターはともかく、ケルシーに渡すつもりならあと3時間ぐらいは待つべきだが』

 

『いえ、これは貴方にあげようと思って……』

 

『……何?』

 

『その、貴方の食生活見てたらいつもレーションとかしか食べてないので、お節介だとは思ったけどあの時助けて貰ったお礼も兼ねて……』

 

『……変わったヤツだ』

 

 あの人はこのホットケーキが自分に向けて作られたものだと分かると、驚いた表情を見せただけでなく、少しだけ、本当に少しだけですが口角がちょっとだけ上がりました。

 

『……そこまでして貰って食わないというのは流石に礼儀知らずだな。早速で悪いが食べさせてもらおう……ふむ、初めてにしては上出来じゃないか』

 

『そ、そうですか……良かった

 

『だが、調理過程を見るに正直不安なところがありすぎる。また何か作りたいものがあったら言え。慣れるまで見てやる……調理室を爆破されたくないからな

 

『え、えっと……ありがとうございます?』

 

 それ以来、私は何かを作る度にあの人に声をかけて料理を付きっきりで見てもらった。その時間は、任務の時や普段の時とは違う雰囲気のあの人が見れてとても穏やかで、好ましい時間だった。

 ……そして、恥ずかしながらもそんなあの人と過ごしていく度に自分の中である感情が芽生え始め、それもあってあの人と会うのが楽しみになっていた。

 

 でも、それは唐突に終わりを告げてしまった。

 いつも通り料理をしていたあの日、あの人が突然頭を抑えだして呻き出した。

 突然の事態に戸惑いつつも必死に声をかけても、あの人は苦痛で顔を歪めながら呻き続け、結局駆けつけたレッドさんがあの人用に配合された鎮静剤を入れた注射を打つまで私は何も出来なかった。

 

 そしてその後あの人を背中に担いだレッドさんにケルシー先生の所に連れられて、早々言われたのがあの人と関わるのを止めるようにという事だった。

 当然納得できるはずがなく、私はケルシー先生に理由を問いただした。最初の方は教えても意味が無い、の一点張りで中々教えてくれなかったが私が引かないのが分かったのかあの人の現状について教えてくれた。

 

 まさか、恩人であるあの人がそんな酷い状況で生活していたなんて思いもしなかった。しかも、最近あの人は一日一日の出来事さえ忘れてしまうようになってしまっていたとも言われた。

 だが、それだと何故あの人が私の料理に付き合ってくれたのか、という疑問が浮かび上がってくるのだが、それに関してはケルシー先生から渡された彼の手帳を見て分かった。

 

『○月×日

 ヴァルポの女刀使いが僕すら忘れてる命を助けたお礼ということでホットケーキを作った。が、正直調理過程が下手すると器具を爆発させる可能性があったため付きっきりで指導。以降、後述する特徴のヴァルポの少女と会ったり、その少女が調理室に入っていくのを見かけたらちゃんと対応すること。特に調理に関連する場合は何があっても優先しろ、面倒を見ると言ったからには見ないと筋が通らないからな。それに調理室を爆発現場にさせる訳にはいかない』

 

 ──書いていたのだ。あの日のこと、私のことを。

 それから暫くは私とその日にしたことが書いてあって、最後の爆発云々はともかく、思わず嬉しく感じてしまった。

 そして頭痛に襲われる前日には──

 

『*月×日

 段々と彼女のことを忘れないようになってきた。何故かは分からないが、彼女と一緒にいると安心すると言えばいいのか、楽になれる。今度、レッドも誘って3人でやるのも悪くないかもしれない。らしくないと思うがその日が来るのが待ち遠しい』

 

 そんなことが書いてあった。そして、同時にケルシー先生から接触しないように言った理由を話された。

 

 曰く、あの人は私との交流の影響で元の人格が()()()()()のではないかと。

 曰く、その起き始めた元の人格がこれまでの人を殺してきた罪悪感とかつての相方を死なせてしまった無力感に襲われたのではないかと。

 曰く、その結果出たのが頭痛では無いかと。

 そして、これ以上は何が起こるか分からないから彼を刺激させないで欲しい、との事だった。

 

 確かに、あの人のことや周りのことを考えれば接触しないようにするのが1番なのかもしれない。

 けれども、自分が初めて抱いたこの感情を諦めたくなかった。だから、私は覚悟を決めた。

 

 ──私があの人を支え続けてみせる。そして、あの人が周りに危害を加えようとした時は──

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

「カッター?」

 

「あ、すみません、ちょっと考え事をしていました」

 

「……調理中はなるべく調理の方に集中しておけ。怪我でもされたら後味が悪い」

 

「気をつけます……」

 

 あれから数ヶ月ほど時間たった現在でも、私とヤマトさんの関係は続いていた。そして、この数ヶ月で分かったことがあるとすればヤマトさんを狙ってる人……正確にはヤマトさんを負の道へ引きずり込もうとしている女性がいるということであった。

 

 この関係を続けているのも、勿論私がヤマトさんと一緒にいたいのと料理を教えてもらうなどの私的な理由もあるが、1番大きい理由は彼女からヤマトさんを守るためだ。

 

 ヤマトさんは、あちら側の道に入るべき人じゃない。いや、彼は本当は剣なんか握らずに争いから離れた穏やかな生活をすべき人だ。

 

「…………」

 

 ああ、さっきからラップランドが私だけに殺気を飛ばしてるのは分かってる。やっぱり私が彼の隣にいるのは気に食わないみたいだ。

 正直、いつ殺されてもおかしくはないだろう。それほどまでに彼女からは嫌われている。

 

 けども、私は彼の隣を諦めるつもりは無い。いや、彼の隣は譲らない。それが、例えケルシー先生だろうとレッドさんだろうと関係ない。

 

 私の覚悟(想い)は──

 

 

 ──あの人が周りに危害を加えようとした時は、私が殺します。

 

 

 ──本物だ。

 

 

 

 

 

トロフィー:「死神のヒカリ」を取得しました

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 

「ケルシー、話聞いてくれて、ありがとう」

 

「ああ、別に構わない……ふぅ」

 

 ケルシーは先程まで話を聞いていたレッドが部屋を出ていったタイミングでため息を吐いた。

 

 いつか彼女もそういう感情を抱くだろう、とはケルシーも考えていた。だが予想以上に早く、そして予想外の感情まで持ってしまっていることがケルシーの頭を悩ませていた。

 

「まさかヤマトに対して()()を、カッターやラップランドに()()の感情を抱くとはな」

 

 正に予想だにしていなかった展開だった。ヤマトに向けての恋心に関しては、唯一と言っていい自分を怖がらずに受け入れてくれたループスでありながら、あれこれ面倒を見てくれることを考えれば恋心を持つのは時間の問題であったため、予想より早かったもののそこまで驚く話ではなかった。

 

 だが、同時に嫉妬の感情を持つことは予想外であった。それも、比較的仲の良いカッターに対して持ったことだ。

 

『ヤマトと話してる、ラップランド、カッター見てると、胸がモヤモヤする……ケルシー、レッドおかしくなった?』

 

 ケルシーは相談しに来たレッドの不安そうな顔を思い出す。レッドからしてみれば、ラップランドはともかくヤマトを通して仲良くなったカッターに対して不快感を抱いてしまったことは相当不安だったのは容易に想像出来る。しかも、話を聞く限りそれは1ヶ月ほど前に起き始めたというのだから相談しに来たのも悩みに悩んでの結果だったのだろう。

 

「……ヤマトの精神状態がまともになってくれれば全てをアイツに投げられたんだがな」

 

 ふと、頭に浮かんだことを呟いてからケルシーは即座にそれは本当にありえないことだと否定する。

 ヤマトの精神状態をまともな状態にするというのは、恐らく完全に目を覚ましていないであろう元の人格が目覚めて尚且つ精神崩壊を起こさずに、元の人格を保たせるということ。

 

 正直、ほぼ不可能と言ってもいいぐらいの難易度だ。そもそも、ヤマトはかつての相棒に似ているブレイズを見るだけで拒絶反応を起こすのだ。そんな状況で元の人格を目覚めさせて尚且つ壊れないようにした上で安定させるなど、無理な話である。

 

「……可能性があるとすれば、カッターとレッドか」

 

 もし、仮に僅かでも可能性があるとすればカッターとレッドの2人の動きが重要になってくるだろう。あの2人がヤマトの元の人格を起こしつつ、その人格を支えられるほどの大きな存在になりうれば──

 

「いや、結局は確証も何も無い想像だ。そんな簡単な話になる問題ではない」

 

 そこまで考えたところでケルシーは頭を振るう。

 

 だが、やはりどこか期待してしまっている自分がいるのをケルシーは気づき、そしてそれを気づいてないことにして仕事に戻るのだった。

 

 

 

 

 *****

 

 

 

 なんでだ、なんでヤマトの隣にキミがいる?

 ヤマトはボクと同じ道を歩いてくれるかもしれない、唯一の存在かもしれない。それなのに、何故ボクから彼を奪おうとする?

 

 どれだけボクから奪えば気が済むんだ?

 

 ふざけるな、ヤマトはボクのものだ。そして彼を救えるのも、彼の安らぎになれるのもボクだけだ。

 

 なのに、何故キミは……いやキミたちはヤマトのことをこれ以上苦しめる?彼が本当に救われるには、コワレルしかないというのに、それを分からないキミたちが平然と彼の隣に立っているのが、恨めしい。本当であるなら今すぐ殺してやりたい所ではあるものの、流石にこの状況下では出来ない。やれば待っているのは、彼に殺されるかまた彼以外に殺されるの2択だ。前者ならともかく、後者の方は最悪だ。殺されるにしてもヤマトの方がまだマシだ。

 

 さて、殺して自分のモノにするというのが悪手となった以上取れる手はヤマトと親密になるしかない訳だ。けれども、これもあの赤いオオカミや女狐がうろちょろしてるせいで中々交流する時間を長く取れない。

 

 正直、ヤマトと話す時間がかなり短いせいで不利だ。それもかなり。だが、それがどうした?時間が短いというのなら、質で攻めれば良いだけの話だ。幸い、彼もボクのことは覚えてくれる程度には印象に残っているみたいだし、まだ挽回できる。

 

 ──さあ、どちらが早くヤマトを堕とせるか勝負と行こうじゃないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トロフィー:「少年をコワスモノ」のトロフィーを獲得しました。

 

 

 

 




今回のイベントのボスは、何か前回の国土おじさんと比べたらそんなに強くなかった気が……まあ、厨キャラ(W、銀灰、エクシア、ASH)でタコ殴りしたせいもあるとは思いますが。



ヤマト(白き殺戮者ルート):戦闘に向いている才能を持ちながら、命の奪い合いに不適切な人格の持ち主。食事レベルがかなり低いが、これは味覚が死んでる+必要な栄養素さえ取れれば問題ない思考+手早く済ませたいという3つの考えが合体して出来たもの。修羅場を作っている自覚なし。

カッター:このルートのヒロインの1人。最初はただ恩を返したくてヤマトと交流を持ち始めただけなのに、彼の内情を知った+ヤマトに想いを寄せる+ラップランドのことを知るのせいでヤンデレへと化した。完全にどうしてこうなるまで案件。なお、とある条件下でのヤマト相手なら殺すことが可能な程特殊な訓練を受けて戦闘力は原作より上がってる設定があったり。

レッド:このルートのヒロインの1人。ロドスに来てからのヤマトと行動しているため、ヤマトと過ごした時間は1番多い。初めて持った感情に戸惑いつつも、今は皆でヤマトを共有できないかと考え中。ヒロインの中では1番平和的な考えの持ち主かも。

ラップランド:このルートのヒロインの1人にして、不穏なことを考えてるキャラ崩壊的な意味でもヤベー奴。ある意味ではこのルートのヤマトのことを1番理解してる人でもあったり。

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