ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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えー、皆さんお待たせ致しました。ここ最近リアルが忙しくて中々新しい話を投稿できていませんでした。

さて、今回はタイトルにある通り黒狼の「皆過保護過ぎない?嫌じゃないけどさ」とのコラボ話です!自分の作品なんかとコラボしてくださり、ありがとうございます。そんなわけで皆さんも黒狼さんの作品も読むと話がわかると思います。

そして今回は天馬‪√‬での隠し設定が出ます。そのため、そこも少し見てくださると幸いです。

それではどうぞ。


コラボ回:「皆過保護過ぎない?嫌じゃないけどさ」+天馬ルート(その1)

 拝啓お父さんお母さん、ヤマトです。

 突然ですが、僕は……

 

「あの……ここどこなんですかね?」

 

「それよりお前は何者なんだ?」

 

 なんか見たことがあるようなループスの人に源石剣を突きつけられてます……

 

 なんでこんなことになったのか、現実逃避と思考をまとめるのも併せてこうなるまでに起こった出来事を思い返すことにしたけども……

 

(突入した施設の敵にアーツを撃ち込まれてからの記憶が無いんだよなぁ……)

 

 正直、そこまで考えることでもなかった。今いる所が見た感じあの施設の内部ではないことから、ありえないとは思うけども、時空に関する操るアーツだったのだろうか? いや、仮にそれだとしても何故あの場面で僕に撃つ必要があった? 自分に向けてやれば逃げれたはずなのに……いや、それよりも……

 

「え、えっと..とりあえず武器を下ろしてもらっていいですか?」

 

「無理だな、少なくともおまえがまだ安全だという保証がない」

 

 先程から突きつけられている源石剣を下ろしてもらうように、ループスの女性に頼んでみるも上手くいかなかった。多分、信用してもらうというより無害だと思われるには武装の破棄をするのが1番なのだろうが、ここがあのアーツを撃った人物の拠点の1つである可能性もあるため、武器を全て彼女に渡すのは得策ではない。というより、知らない人と話すのそんなに得意じゃないから精神的に辛い……。

 

「この……とカジミェー……しゅ……ん?」

 

「多……な」

 

 どうするべきか考え始めたところで、目の前のループスの女性とは違う人の声が聞こえ、気づかれないようにそのもう1人の声がした方に目を向けると、そこには見慣れたところの制服──ロドスの制服を着たフェリーンの女の子がいた。

 つまり、ここはもしかして……? ……聞いてみる価値はある。

 

「あ、あの! ここはロドスなんですか?」

 

 そう思って出した声は、アウェーな環境+知らない人との会話で精神をすり減らしたせいかちょっと震えてしまった。

 

 

 

 

 ******

 

 

 

 

「……ごめん、君のこと、君のご両親、君の師匠である騎士を知っている人、そして君のことを兄と慕っている女の子はロドスに居ないことがわかった」

 

 そんな話をドクターとしたのがつい先程のこと。初めて僕と会った人──テキサスさんとグローサーさんの案内で武装を全て預けた状態でドクターやドーベルマンさんといった人達に2日ほど事情聴取という形で僕が知っていること、そして僕自身のことについて話したのだが、返ってきた話はさっきの内容。加えて最終的に出た結論は、僕は平行世界いわゆるパラレルワールドから来てしまったのではないか、ということになった。

 

 正直、あまりにも話が非現実的すぎて信じたくないけども、父さんや母さん、そして僕自身が居ないことがその非現実的な話を証明していた。それからはショックで放心してしまったけども、とりあえず僕は元の世界に戻れるまでロドスのオペレーターとして働くことにした。何もせずにただ無為に時間を過ごすのは嫌だったからだ。

 

 そして僕はロドスのオペレーターの適性検査を受けており、現在はその一つである戦闘試験を受けるためにその試験相手の人と対峙しているんだけど……

 

「……まさか、あなたが相手とは思いもしませんでした」

 

 目の前にいる相手──チェンさんを見て思わずそんなことを漏らしてしまう。僕の世界にいた彼女とは何度か任務を一緒にした程度でそこまで関わったことは無かったけども、彼女の剣の腕もとい戦闘能力の高さはドクターを始めに色んな人から聞いていた。だからこそ、そんな人が僕の戦闘試験の相手として出てくるとは思っていなかったため正直困惑している。

 そしてその困惑が伝わってしまったのか、チェンさんが口を開いた。

 

「これまでの検査の結果、どれも高水準の結果を叩き出しているからな。そこから正確な戦闘能力を判断するには、私が適任なのではという話になったんだ」

 

「……過大評価じゃないですか?」

 

「いや、正当な評価だ。何せ、ドーベルマン含め多くの人が考察した上での評価だからな」

 

「そう、ですか……」

 

 正直頭を抱えたくなるほどではあるけども、それは今は置いておこう。問題はどうやって目の前にいる歴戦の戦士に勝つかだ。恐らく、盾を使う余裕は絶対になく、クラウス(せんせい)の剣術はギリギリ通用するかどうか、刀と弓による戦闘は通用する、といった感じだろうか。だが、刀と弓の戦闘は言ってしまえば僕の切り札に近い。疑っている訳では無いが、正直その切り札を見せることに関しては躊躇ってしまう。

 そして散々悩んだ挙句僕は──

 

「……ほう、盾は使わなくていいのか?」

 

「悔しいですが、貴方相手に盾を使う余裕なんてありません。こちら1本じゃないと太刀打ちなんて出来ませんから」

 

 嘘と真実を混ぜた事を言いながら大剣を両手に持って正眼の構えをとり、嘘をついてしまったことの罪悪感を振り払うように首を振って、意識を引き締める。何としてもこの戦い方が全力だと思わせないといけない。

 

「それでは……はじめ!!」

 

 ドーベルマンさんの開始の合図と共に僕は地面を蹴ってチェンさんへ急接近した。

 

 

 

 

 

 ****

 

 

 

 

 

「っ!」

 

 挨拶代わりと言わんばかりのヤマトの一撃をチェンはギリギリ反応してそれを防ぐと同時に、身長や戦闘前の雰囲気からは想像もできない重さに驚愕した。油断はしていなかった。だが、「試してやろう」という僅かな慢心があったのは事実であり、実際その僅かな慢心のせいで不意を打たれかけ、そして動揺してしまった。それを競合騎士時代の時、「天狼」という異名を付けられた狼が見逃すはずがない。

 

「はあああっ!」

 

「ちっ!」

 

 チェンに立て直させす暇を与えないと言わんばかりに、怒涛の連撃を振るっていく。しかもその一撃は攻撃を防ぐのが不得手と言えるほどの重さでありながら、チェンの目を持ってしても見切るのがギリギリの鋭さ。彼女は思わず舌打ちをしながらも、冷静にヤマトの一撃一撃を見極めなるべく体制が崩れないように自身の剣で防御、あるいは受け流しつつ反撃の機会を伺う。

 

(そこだっ!)

 

「っ!」

 

 そしてヤマトの連撃の僅かな隙にチェンは剣を差し込んだ。普通に見れば防戦一方の中から放たれた苦し紛れの一撃に見えるが、戦闘経験が豊富な者から見れば隙を着いた見事と賞賛できるほどの精密な一撃。事実、それを受けたヤマトはそこから一気に崩される未来を感じとり、チェンが攻めに転じる前に苦し紛れの蹴りをチェンに放ち、防御された勢いを利用してすぐさま距離をとった。

 

「……ここで距離をとるのはいい判断だ」

 

「……勝負を決めきれなかったのは痛いですけどね」

 

 チェンの言葉にヤマトは苦々しそうな顔で返す。事実、ヤマトはあの不意をついたラッシュで勝負を決めるつもりでいた。が、結果は全て防がれた挙句、隙をつかれて逆にこちらが防戦一方になりかけてしまい、咄嗟の判断で距離を取らなければそのまま負けていただろう。

 

(侮っていた訳じゃないけど、予想以上に強い……)

 

 ヤマトは改めて目の前に立ちはだかるチェンを見てそう考える。恐らく、この剣術では自分の持てる全てをぶつけても勝率は良くて3割だろう。

 

(いや、無駄にあれこれ考えても意味ないな)

 

(雰囲気が変わったな……)

 

 ヤマトは気を引き締め、それを見たチェンは更にヤマトの一挙一動を注視し、そして互いが示し合わしたかのように2人は同時に駆け出し武器をぶつけ合った。

 

 

 

 

 ****

 

 

 

 

 

「お疲れです」

 

「ああ、助かる」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 試験終了後、グローサーさんからスポーツドリンクとタオルを受け取り、すぐに水分を欲してる体にスポーツドリンクを流し込む。完全に冷えているものではなく、程よく温くなっているものを出してくれているあたりちゃんと考えて出してくれたのが分かる。

 

「あ、ヤマトさん」

 

「はい、どうかしましたか?」

 

 タオルで汗を吹いているところでグローサーさんに声をかけられ、話を聞いてみると、どうやら僕が元いた世界に帰る方法が見つかるまで態々部屋を用意してくれたらしく、それもマーガレットさん達……いや、この世界の二アール家の人達の部屋の隣にしてくれたらしい。

 

「何から何まですみません……」

 

「いえいえ」

 

 ここまで迷惑をかけてしまっているのにも関わらず、グローサーさんは笑顔で返事をしてくれた。……本当に何から何までお世話になってしまって申し訳ないや……。でも、とりあえず今日は早く休んでしまおう。

 

 そう思って訓練所を後にしようとしたところで、グローサーさんに部屋の場所が分かるかどうかを指摘されてしまい、無論知るはずもない僕はあまりの恥ずかしさに穴があったら穴に入りたい気分になった。

 

 

 

 

 *****

 

 

 

「はぁ……」

 

 案内してもらった部屋にある浴室のシャワーを借りて汗を流したあと、着替えとして渡されたロドスの制服を着てベッドにボスンと腰掛ける。

 うっかりこちらの世界のマーガレットさん達に元の世界のマーガレットさん達みたいな態度を取らないようにと、一人称や言葉遣いを変えて今日1日過ごしてみたのだが、予想以上に疲れた。

 

「けど、少しでもボロを出して不快な気持ちにさせたくないしなぁ……」

 

 僕にとって、あの3人は特別な人達だ。自分の全てを投げ打ってでも守り抜きたい人達で、そして大事な人達。だからこそ、僕が知っている3人じゃないとしても、僕は困らせたくない。ならば、やれることは全てやるべきだ。

 

 でも。

 

「……マーガレットさん、ゾフィアさん、マリアちゃんにイカズチ。皆、今頃どうしてるんだろう」

 

 どこか寂しいと感じてしまっているのは事実であった。

 

 

 




グローサーらしさ、ちゃんと出てましたかね……?

キャラ紹介

グローサー・クルフュスト:狼黒さんのところのオリ主で女性。種族はフェリーンであり、愛され体質。詳しく知りたい人は今すぐ狼黒さんの小説へGOだ!

ヤマト(天馬ルート):黒い噂が出ていたとある施設を襲撃したところ、そこにいた人物のアーツを食らって異世界へ飛ばされた。一人称を本来の「僕」から「俺」に変えたり、言葉遣いを常に敬語にしたりと色々努力しているが、やはり自分のことを誰も知らない環境というのは予想以上に応えている模様。因みに戦闘試験はいい所までは行きましたが負けました。

イカズチ(天馬ルート):設定の方では存在すら言及していませんでしたが、ちゃんと居ます。ただ、経歴としては『先生』死後ブラついていたところをケルシーに見つかってそのままスカウト。今は彼女の私兵部隊の1人として働いている。が、たまたま見かけたヤマトに何かを感じたらしく、兄として慕っている。念の為言っておくと異性へにむける愛情は持ちません。あくまで、兄と慕って甘えているだけです。

マリア(ヤマトの世界の方):(イカズチに対して)なんだぁ……てめぇ……

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