ロドス劇場   作:ゆっくり妹紅

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えー、大変おまたせしました。投稿する直前で色々直していたり、最近ブランク気味なせいでこんなに遅くなってしまいました……コラボ先の狼黒さんに迷惑をかけてしまい、大変申し訳ございません。

さて、今回はそのコラボ回の最終回です。とりあえず本編の方どうぞ。


コラボ回:「皆過保護過ぎない?嫌じゃないけどさ」+天馬ルート(その3)

「転送装置が出来たんですか!?」

 

「ええ、だから1回このマップの部屋のところまで来て欲しいってグローサーから伝えて欲しいって言われたわ」

 

「そうですか……分かりました。態々伝えてくださってありがとうございます」

 

「別にいいわよ、部屋隣なんだし」

 

グローサーさんにたくさんの恋人がいるということが判明してから数日後、ウィスラッシュさんから朗報が入り僕は内心喜んでいた。彼女に一言告げてからその指定された部屋に向かう途中でも、意識しなければ尻尾が動いてしまったり、早足になってしまうほどに嬉しかった。

 

「すみません、遅れました……って凄いですねこれ」

 

そんなことを考えながら指定された部屋に入ると、そこには高さ2m程の装置が置かれていた。異世界へ転送するというのだがらそれなりに大きいのだろうとは思っていたが、無骨なデザインのせいで余計に圧迫感と言えばいいだろうか?それのせいで気圧されてしまう。

 

「これで僕は元の世界に戻れるんですか?」

 

「まあ、そうなるな」

 

「そうですか……すみません、僕のために」

 

「良いってことだ、お礼はキスで良いぞ?」

 

「き、キス!?」

 

キスってあれだよね!?口と口にやる方のこと!?いや、こんな美人な人にキスっていうのはある意味役得なのかもしれないけど、やっぱりそういうのは恋人とかそういう関係からになってからした方がいいものであって……

 

「ふぐっ!」

 

突然あんなことを言われたせいで混乱している中、お礼をキスでと言ったティルピッツさんが隣にいたビスマルクさんに強烈な拳骨を頭に食らわされ、その拳骨は余程威力があったのかティルピッツさんは変な悲鳴を上げつつそのまま床に倒れ込んだ。……音も凄い鈍い音だったし、相当な威力だったんだろうなぁ。

 

「ごめんなさいね、妹が」

 

「い、いえ……」

 

「じゃ、私は他にやることがあるからこれで」

 

ビスマルクさんは手を振りながら、空いてる方の手でティルピッツさん引きずって行ったけど……なんというか……

 

「凄いですね、あの二人……」

 

「まぁあの人達天才ですから‥」

 

「私達からしたら妹の方は只のビッチだよ」

 

「び、ビッチ‥?」

 

ビッチって、もしかしなくても痴女とかああいう意味でのビッチのことなのかな?

 

「あ、あんまり気にしないで下さい……あはは」

 

余程僕は困った顔を浮かべていたのか、気遣うような形でグローサーさんがフォローを入れてくれた。やっぱりこうやって話していたりすると、グローサーさんがかなり気遣いができる優しい人だということがよくわかる。というよりもう装置が完成したということは。

 

「あ、荷物纏めなきゃ行けないのでここで失礼しますね」

 

「あ、お疲れ様です」

 

荷物の整理とお世話になった人達にお礼をしなければならない事に気が付き、僕はグローサーさんとブレイズさんと別れ部屋へと戻った。

 

 

 

*****

 

 

 

「はい、ヤマト。お疲れ様」

 

「あ、ウィズラッシュさん。ありがとうございます」

 

そして現在、借りていた部屋の整理を終えて廊下を歩いていた。因みに「暇だから」という理由でウィスラッシュさんも手伝ってくれたおかげで早く終わり、彼女から缶ココアを貰う。まあ、部屋の方はこちらに来てから新しく置いた家具がほとんど無かったのもあって、整理事態は早く終わった。まあ、いつか帰ることになるのは分かってたし、ベッドさえあれば良かったから元々買わなかったのもあるんだけども。

 

「それにしてもまさか携帯端末を返さなくていい、って言われるとは思いませんでした」

 

「もしかしたらまたこっちに来るかもしれないから……ってのが理由なのは、アンタとしてはちょっと複雑かもしれないけどね」

 

「あはは……」

 

実はこの世界に来てオペレーターとして働くことが決まった際、元の世界で使っていた連絡端末が何故か圏外の表示しかでず使えなかったため、急遽ドクターから支給品という形で渡された連絡端末があるのだが、それを返却しようと訪れたところ先程ウィスラッシュさんが言った理由でそのまま所持するように言われてしまったのだ。

正直、理由が理由なため複雑ではあった。そう何度も異世界旅行することになるとはあんまり考えたくないものの、同時に僕がこのロドスの一員として認められていることが嬉しいのも事実であった。まあ、だからこそ複雑なんだけど。

 

「でもそっか……もう帰っちゃうのか……」

 

「……そうですね」

 

寂しそうに呟くウィスラッシュさんを見て、胸が締め付けられるような感覚に襲われる。世界が違えど彼女はゾフィアさんであり、そして元の世界にいる彼女は僕にとって大切な人だ。別人だと分かっていても、彼女にそのようなことを言われてしまうと、かつて彼女が引き止めに来たのを断ってまでマーガレットさんを探しに出たあの時のことを思い出してしまう。

 

「……ねえ、1つ聞きたいんだけどさ。向こうの世界の私の事──」

 

ウィスラッシュさんが僕に何かを聞こうとした時、突如胸騒ぎがした。しかもこれはマーガレットさんが不利な試合を強いられることになったのと同じぐらい嫌な予感だ。

 

()()()()()()!腕が立つ人に()の連絡端末の反応場所に急いで集まるように連絡をして!」

 

「えっ!?ちょっとヤマト!?」

 

驚いたような声を上げる彼女を置いてすぐさま廊下を駆け抜ける。昔から頼りになる自身の勘が正しければ、多分もうすぐのはず……!

 

「いた……っ、あの男は!」

 

廊下の角を曲がったところで、僕をこの世界に飛ばした術士の男がいた。ブレイズさんの後ろにはグローサーさんがおり、丁度ブレイズさんがあの男に腹を蹴りを入れた瞬間、あいつが左手に小刀を持っているのが視界に入り、その直後何をするつもりなのかをすぐに悟る。

 

「っ!」

 

距離的にグローサーさんの前に割り込むのは不可能に近い。だからといって、アーツで斬撃を飛ばすのも間に合わない。それならば弓矢でグローサーさんに向けて投げられるであろう小刀を破壊しない程度に手加減した上で撃ち落とす必要がある。

背中にかけてある弓を左手に持ち、矢筒から矢を取り出して番える。

 

「………」

 

またこの感覚だ。世界から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、そして100%当てられるという()()()()()()が沸き上がる。

 

男の手から小刀が離れグローサーさんの方へ飛んでいく。

 

「………」

 

今だ。右手を離して矢を放つ。僕の放った矢は真っ直ぐ狂いなく飛んでいき、予想通りグローサーさんに向けて放たれた小刀とぶつかり、鉄と鉄がぶつかり合う甲高い音を立てながら小刀と矢は床に落ちた。そして同時に世界から音が戻り、スローモーションに見えていた目も正常に戻る。

 

「大丈夫ですか!?下がっててくださいね!」

 

僕はグローサーさんを後ろに下げて、室内という狭い空間のため比較的取り回しがきく刀を抜いて男へ斬りかかった。

 

 

 

 

*****

 

 

 

「全く、あんたってやつは予想以上に無茶苦茶なやつなのね」

 

「あ、あはは……」

 

結果として、あの男は無事……いやあの状態を見る限り無事とは言えないけども捕縛された。というのも、ウィスラッシュさんは僕が頼んでいたことを戸惑いながらもすぐに実行してくれたおかげで、グローサーさんの恋人の皆さんが直ぐに集まってくれて、怒りのままにボコボコにしたからだ。まあ、正直な話あの男だけなら僕だけでも充分倒せるほどなのだ、過剰に戦力をぶつけてしまった感じは否めない。というより、文字通り般若みたいな顔で襲いかかってたから味方のはずなのに凄い怖かった。

 

「まあ、でも良かったわね。結果としてあの男が変なことする前に捕まえることが出来て」

 

「そうですね……これでまた別の人がこっちに来てたら大変なことになってた可能性がありますし……あ、そういえば」

 

「ん?どうしたの?」

 

「あの時、何を聞こうとしてたんですか?」

 

ふと気になったのは、あの時ウィスラッシュさんが僕に聞こうとしていたこと。状況が状況だったためしっかり聞けなかったんだけど、何を聞きたかったんだろう?

 

「……いや、もう解決したから大丈夫よ」

 

「それならいいんですが……あ、じゃあ他の人にも挨拶してくるので失礼します」

 

「ええ、分かったわ」

 

少しだけ間を置いてからそう答えたウィスラッシュさんはどこか満足気な表情であり、気になるものの他の人にも挨拶をしないといけないため一言断ってからその場を離れ、そしてそれから数十分後僕はこの世界の皆さんに見送られる形で転送装置で元の世界へと戻ったのだった。

 

 

 

 

*****

 

 

 

「──それで?戻ってきた先が私の部屋だった、と?」

 

「……はい」

 

そして現在、僕はゾフィアさん、マーガレットさん、マリアちゃん達に囲まれている状態で正座をしていた。こうなった経緯を簡潔に説明すると、僕は元の世界のゾフィアさんの部屋に飛ばされてしまい、装備を外してラフな格好で僕の写真を手に泣いているゾフィアさんと目がバッチリ合い、そしてお互いに状況が読み込めず固まり、次の瞬間にゾフィアさんが悲鳴をあげて、それに僕も驚いて悲鳴をあげて、それを聞いたマーガレットさん達が来て僕の姿を見て、抱きつかれたりされた。その後はドクターと父さん達にこれまでにあったことを全て話し、そして証拠としてあっちの世界で貰った連絡端末を見せて納得させて、部屋に戻って休もうとしたところでゾフィアさん達に部屋に連れてこまれ、「乙女の秘密を見た罪」で説教されていた。……いや、これかなり理不尽では?

 

「大体、あんたはデリカシーが無さすぎなのよ!」

 

「ゾフィアおば……ゾフィアお姉さん。そこまでにしておこうよ。ヤマトお兄ちゃんだって、故意で入った訳じゃないんだし……」

 

「昔、私が着替えてる最中に部屋のドア開けたことまだ覚えてるんだから!!」

 

「ヤマトお兄ちゃんどういうこと?」

 

どうしよう、なんかどんどん酷くなってきてる気がする!それとゾフィアさん。その件に関しては本当に反省してますので、そろそろ水に流して──あ、睨まれたということはまだダメみたいだ。本当にごめんなさい。

 

「2人ともそこまでにしておけ。こうしてヤマトは五体満足で生きて戻ってきたんだ。向こうでも大変だったようだし、今日ぐらいしっかり休ませよう」

 

「……仕方ないわね。ヤマト、今回は見逃してあげるけど次やったら……分かるわよね?」

 

「わ、分かってるよ……」

 

マーガレットさんの介入のおかげで何とかなったものの、ゾフィアさんの何かを握りつぶすような仕草を見たせいで背中に悪寒が走った。いや、本当に怖いよ……

 

「それじゃ、お兄ちゃん。今日は一緒に寝ようか?」

 

「え?」

 

「は?」

 

「む?」

 

そしてマリアちゃんが爆弾を放り込んだせいでまた一悶着あったものの、この騒ぎのおかげで元の世界に戻ってこれたと改めて実感できた僕はこういう日常を大切にしようと、心から思ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──・──・──・──・──・──

 

from:ウィスラッシュ

────────────────────────────────

To:ヤマト

────────────────────────────────

件名:遠慮するな

────────────────────────────────

 

次、こっち来た時は元の世界の私と話してる時みたいに接しなさいよ。遠慮する必要なんてないんだから。

 

次、こっち来た時はちゃんと連絡しなさいよ。そうすれば迎えに行ってあげるから。

 

────────────────────────────────

 

 

 

 




改めまして、狼黒さん。今回私のような駄作とコラボして下さり本当にありがとうございました。本当であれば、遅くとも狼黒さんが出した次の日には出す、という形にしたかったのですが投稿する直前であれこれ直してしまったり、ブランク気味で余計に時間がかかってしまったりと迷惑をたくさんお掛けしてしまい大変申し訳ございませんでした。
こんなダメ作者でもよろしければ、またコラボ出来たら幸いです。
最後に、繰り返しになってしまいますがコラボして下さり本当にありがとうございました。

キャラ紹介

ヤマト(天馬):実は色々と凄いヤベー奴。なお、ゾフィアの着替えを見てしまったことに関しては本当に反省している模様。また、最後の最後でボロを出すという間抜けっぷりを出す。

ウィスラッシュ(狼黒さんの方):向こうの世界のウィスラッシュ。一応、話的には彼女と関わる機会が多く、そしてヤマトがどこか遠慮していることに何となく気がついており、それについて聞こうとしたタイミングでボロを出してくれたので解決。ちゃっかりメールを送ってるあたり、その……やりますねぇ()

グローサー:出番少なくてごめんなさい

グローサーの恋人の皆さん:怒らせたら死が待っている

ヤマトを飛ばした術師:女性を怒らせたらとんでもない目に合うことを身体に分からされた。

二アール家の皆さん(天馬):ヤマトがMIA(作戦行動中行方不明)という名の事実的な死亡報告を受けて暫く放心していたものの、多くの情報を元にヤマトを飛ばした術師を襲撃し吐かせようとしたがその前に逃げられ、絶望していたところで本人が帰還という目にあっていた。因みにゾフィアの着替えを見られた〜に関してはもう10年ほど前の出来事である。

感想や批評、お待ちしております。
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